気になったことなど

文化とは次世代に向けた記録であり、愛の集積物である。

欧州連合(EU)の貿易構造1

1 ドイツ( GDP : 3兆4792億ドル[世界第4位])
主要産業 自動車、機械、化学・製薬、電子、食品、建設、光学、医療技術、環境技術、精密機械など
輸出 自動車および同部品、電気機器、医薬品
輸入 原油・石油製品、自動車および同部品、電気機器

各産業がGDPに占める割合は、第一次産業が0.64%、第二次産業が30.45%、第三次産業が68.91%となっています。(2016)

globalEDGE https://globaledge.msu.edu/countries/spain/tradestatsによると、

主要な輸出品目

自動車・自動車・自動車部品が約18%、産業機械が約17%、電子機器が約10%、医薬品が約6%

そのあとに、精密機械、プラスチック、飛行機、石油・鉱物性燃料、鉄鋼製材、有機化学品が続きます。(比率5%以下)

主要な輸入品目

産業機械が約13%、電気機器が約12%、自動車・自動車部品が約10%、石油・鉱物性燃料が約10%。

そのあとに、医薬品、プラスチック、精密機械、有機化学品、飛行機、鉄鋼が続きます。(比率5%以下)

ドイツの第1次産業は、GDPの0.64%を占めています。

農業セクター

農業がGDPに占める割合は1%以下と小さな割合に過ぎません。

従事人口も労働人口の2.4%程度と小さいながら、EUではフランスとイタリアに次ぐ3番目の農業生産量を誇り、

国内の栄養需要の90%を自給することに成功しています。

農産品が輸出に占める割合は、穀物・小麦粉類が0.47%、穀物が0.26%、肉類が0.61%、乳製品が0.69%と大きくありません。

林業セクター

ドイツの国土に占める森林の割合はおよそ33%だとされます。

木材の国内需要は、国内の森林から伐採された木材で約3分の1ほど満たされており、残りは輸入で供給しています。

林業品が輸出に占める割合は、木材が0.59%、紙パルプが0.10%と概ね小規模ですが、

これは工業セクターから生産される富の大きさに隠れているだけです。

木材の売上高である約79億ドルは、林業の重要性が高いフィンランドの木材輸出額(約27億ドル)をしのぐ数字であり、

中でも輸出に占める割合が1.44%と大きい紙類は、フィンランドの輸出の約14%を占める紙類(約81億ドル)と比べても2倍以上の規模の売上である約191億ドルを記録してます。

これは世界でも屈指の紙類の輸出規模です。

もちろん林業セクターは輸出に負けず劣らず輸入も多いのですが、ドイツの林業は総評して欧州No.1と評価されています。

漁業セクター

ドイツの漁業は乱獲と排他的経済水域の発効により縮小が進んでいます。

GDPへの貢献も小さく、漁業が生み出す付加価値は農業セクターに対して約2%以下、全GDPのほぼ1%に過ぎません。

海産物が輸出に占める割合は0.12%と小さく、輸出額も約16億ドルと輸入額(約42億ドル)の半分以下に留まっています。

約16億ドルの海産物の輸出は、スウェーデンの輸出額(約35億ドル)と比べると半分以下の数字です。

ドイツの第2次産業は、GDPの30.45%を占めています。

このうち22.62%は製造業からの生産です。

工業セクター

世界屈指の工業力を持つ製造業から、ドイツの輸出総額の約半分にあたる富が生み出されています。

最も盛んな分野は、化学、電気、自動車、食品加工の4つだとされ、

2015年度の全セクターの総売上(市場は国内外問わない)約9400億ユーロのうち、

4040億ユーロが自動車から、1786億ユーロが電気から、1900億ユーロが化学から、1690億ユーロが食品加工から生み出されています。(参考 : https://www.gtai.de/GTAI/Content/EN/Invest/_SharedDocs/Downloads/GTAI/Industry-overviews/industry-overview-machinery-equipment-en.pdf?v=12)

最も規模の大きい自動車産業は、世界的に知名度の高い企業としてアウディBMWダイムラーオペルフォルクスワーゲンなど

国際市場にシェアを持つ多国籍企業を抱えています。

自動車関連製品が輸出に占める割合は、全輸出品目中、第1位の18.21%。

glbalEDGEが集計した129カ国の輸出総額でも18.47%と高い割合を占めており

主要国を含めた129カ国の中では、第1位のシェアをもっています。(日本の10.24%で第2位)

自動車産業の次に大きな規模を誇るのが、電気産業と化学産業です。

ドイツは研究開発に力を入れており、

世界屈指の電気産業及び化学産業機械の発展を下支えしています。

電気産業に関しては、

主要31分野(生産設備及び機械製造)のうち18の分野でドイツが世界最大手です。

主要な電機メーカーであるAEG、シーメンス、テレフンケン、オスラムなどはいずれも多国籍市場にシェアを持っており、

売上の77%はグローバル市場から計上しています。

ドイツの貿易における機械製品の動向は、以下の通りです。

・産業機械 - 輸出総額の16.87%(発電プラント、工場設備など)
・電気機器 - 輸出総額の9.90%
・精密機械 - 輸出総額の4.69%
・航空機 - 輸出総額の3.31%
※カッコ内のランキングは、globalEDGEの集計した129カ国の輸出に占めるシェア

などがあり、

主要国を含めた129カ国の輸出では、いずれの製品も世界5位以内のシェアを保有しています。

化学産業は、

主にプラスチック、石油精製、製薬、肥料、化学物質の精錬・製品製造などに分類されます。

ドイツの輸出総額に占める割合は、医薬品の5.70%、プラスチックの4.57%、石油製品の2.25%、有機化学品の2.03%などが挙げられます。

この割合は、総売上において同規模の機械産業と比べると小さいことから、同産業に比べると輸出よりも国内消費が活発であることが伺えます。

輸出の1%以上を占める製品を持たない食品加工業同様に、国内需要の供給に貢献していることが伺えます。

建設セクター

GDPの約3.3%が建設セクターから生み出されています。

市況は概ね好調であり、ドイツが中東から受け入れた難民向けの住宅や収容施設の需要に下支えされています。

また、原子力発電からの脱却と再生可能エネルギー社会への転換を進めるべく、エネルギー関連の公共投資にも進展が確認できます。

例えば、シェアを伸ばしつつある風力発電において、海岸地域の風力を使って作られた電力を内陸部に送る送電網の建設などが行われており、

ドイツの建設業を活気付けています。

鉱業ククター

ドイツは比較的資源に乏しい国であり、産業資源をはじめとする多くの鉱物資源、原油を海外からの輸入に頼っています。

エネルギー部門に関しては、天然ガスの産出があるものの、国内のガス消費量の13%を満たす量に過ぎません。

一方で、建設用の砂利や石炭では世界屈指の産出量を誇っており、ドイツで最も採掘量の多い鉱業資源となっています。

しかしながら、ドイツ最大のエネルギー資源は石油(33.8%)であり、

石油産出のないドイツは、主に北海のオランダやノルウェー、資源国のロシアからの輸入に依存しています。

こうしたエネルギー資源の乏しさは、

エネルギー資源の10.8%を占める原子力発電の導入(廃炉中)や、再生可能エネルギー技術への熱心な研究開発の原動力にもなっています。

また、世界第1位の長石、世界第2位のセレン、世界第3位のカオリンなども主要な鉱物資源として採掘が行われています。

金、銀、銅などの金属類はほとんど産出されておらず、全体として半金属類や岩石類の資源に偏る傾向が見受けられます。

また世界第5位の産出量を誇るカリウムも化学産業を支える資源として重視されています。


ドイツの第3次産業は、GDPの68.91%を占めています。

GDPの約30%がITサービスや研究開発、創造産業などを含む知的サービスの貢献に支えられています。

近年は特に通信技術の発展を背景としたITサービス、財務サービス、技術サービス、環境サービス、ビジネスプロセス・アウトソーシングなどのサービスの輸出が伸びを見せており、

同部門は世界第2位の規模に成長しています。

しかしながら、まだまだ歴史の浅い産業ゆえにサービスの輸出に消極的なサプライヤーが多いことが指摘されています。

背景にあるのは、言語や各国の法的規制といった障壁です。

しかしながら、こうした障壁の存在が、同サービスに成長の余地を残しているとも言えます。

また、ドイツは観光業も盛んです。

アルプス山脈ライン川などの観光名所には毎年多くの観光客が訪れており、

2016年度は世界第8位の3557万人の観光客を受け入れました。

しかしながら、外国人観光客からの観光収入よりもドイツ人が海外で消費するお金の方が大きいとされており、

他ヨーロッパ諸国に比べて観光業の重要性は低いといわれています。


その他の特徴

ドイツは、世界で最も再生可能エネルギーに適応した経済だと評価されています。

再生可能エネルギーの導入は、EU全体で1997年以来進められてきました。

そのEUの中でもドイツは最も導入を積極的に進めたグループです。

再生エネルギーが電力供給に占める割合は、2000年には6%に過ぎませんでしたが、2015年には32.6%まで上昇しています。

また、原子力発電に関してはもともと否定的で、2001年に2040年までの全原子力発電所廃炉を定める法律が通過しています。

しかし、2011年の日本の原子力事故をきっかけに、廃炉の期限が2022年に短縮されています。

再生可能エネルギーの拡大のため、

政府は20年間、再生可能エネルギーの生産者に対して、生産した電力の固定買取を保証する助成などにより

民間の生産を後押ししています。


こうした試みの結果、現状は電力価格の高騰など消費者にとって好ましくない結果も招いていますが、

再生可能エネルギーの拡大に成果を出している事実を尊重し、

長期的な社会投資として投資を継続される見込みです。


しかし、ネガティブなことばかりではありません。

アンゲラ・メルケル首相の言葉通り、再生可能エネルギー事業は、ドイツ経済の新たな成長の原動力となりつつあります。

実際に再生可能エネルギー関連は、経済分野にも好ましい影響を及ぼしています。

再生可能エネルギー関連のプラントは、ドイツの輸出総額の18.21%を占める主力品目として盛んに国外に輸出されています。

また、建設分野においても、プラントの建造をはじめ、発電した電力を都市に送る送電網の建設など、

新しい公共事業として雇用を生み出し、明確に経済を刺激しています。

また、2014年には、再生エネルギー関連の1600を超える特許が申請されており、関連の研究開発も盛んに行われるなど、

技術開発分野にも好ましい影響を及ぼしています。

このように、再生可能エネルギーは、環境問題の深刻化から進める「やむおえない妥協」ではなく

経済を刺激する新たな「イノベーションの対象」との評価が下されています。

この新しい成長分野に対して、ドイツは世界に先駆けて主導する構えを見せており、

電気価格高騰というリスクをとりつつも、場合によってはイノベーションと特許で市場独占すらしてしまいかねません。

クリーンエネルギーと並行して、ドイツはガソリン車の撤廃と電気自動車の導入も率先して進めています。

もしかすると、クリーンエネルギーと電気自動車による「新たな産業革命」が世界を席巻する日はそう遠くないのかもしれません。

再生可能エネルギーを巡るドイツの動向は注目に価するものであり、今後の動向から目が離せません。




2 イギリス[旧加盟国] ( GDP : 2兆6291億ドル[世界第5位])
主要産業 自動車、航空機、電気機器、エレクロトニクス、化学、石油、ガス、金融
輸出 金、乗用自動車、原油、医薬品、ガスタービンなど
輸入 乗用自動車、原油、石油及び石油長製品、医薬品、金など

イギリスはすでにEUから離脱済みですが、いい機会なので見ておきたいと思います。



各産業がGDPに占める割合は、第一次産業が0.61%、第二次産業が19.17%、第三次産業が80.22%となっています。(2016)

globalEDGE https://globaledge.msu.edu/countries/spain/tradestatsによると、

主要な輸出品目
産業機械が約14%、宝石・金属類が約12%、自動車・自動車部品が約11%、医薬品が約8%、石油・鉱物性燃料が約7%、電気機器が約6%。

そのあとに、飛行機、精密機械、有機化学品、プラスチックが続きます。(比率5%以下)

主要な輸入品目
自動車・自動車部品が約12%、産業機械が約12%、電気機器が約10%、石油・鉱物性燃料が約8%、医薬品が約5%、宝石・金属類が約5%。

そのあとに、精密機械、プラスチック、航空機、アパレル関連品が続きます。(比率5%以下)


イギリスの第1次産業は、GDPの0.61%を占めています。

農業セクター

イギリスの農業では、高度に機械化された集約農業が行われています。

農業人口は労働人口の1.6%を下回りますが、高い農業効率から食糧需要の60%以上を充足することに成功しているようです。

農業の重要性は、農作物よりも畜産業の比重が高く、耕作生産の3分の2は家畜用の餌として供されるようです。

貿易における農産品の傾向としては、輸入超過が目立ちます。

・肉類 - 約19億ドルの輸出に対し輸入約59億ドル

穀物 - 約8.6億ドルの輸出に対し輸入約15億ドル

・乳酸品 - 約1.4億ドルの輸出に対し輸入約1.9億ドル

など高い輸入超過の傾向が見られます。

しかしこれらは食品加工業者の原料輸入分が多分に含まれており、食料自給率の低さを示しているわけではありません。

農産品が輸出に占める割合は、いずれも1.0%を下回る品目ばかりであり、国内需要分の供給に貢献していることが伺えます。

林業セクター

イギリスは木々の生育に適した気候を備えていますが、国土に占める森林の割合はおよそ12.9%に過ぎません。

これは平均して25%~37%程度を占める他ヨーロッパ諸国と比べて低い数字です。

背景には、2つの世界大戦が関係しています。

大戦の期間中に発効した経済ブロックにより、それまで輸入していた木材の輸入が困難になり

木材の輸入から自給に移行した結果、1919年には国土に占める森林の割合は一時5%以下に落ち込んでしまいます。

しかし、同年から政府による森林再生プロジェクトが提起され、今日に至るまで主に植林による森林再生が試みられています。

貿易統計からは、木材の輸入の多さが読み取れます。

・木材 - 約5億ドルの輸出に対し、約69億ドルの輸入
・紙類 - 約30億ドルの輸出に対し、約82億ドルの輸入
・紙パルプ - 約7.6億ドルの輸出に対し、約8.6億ドルの輸入

特に原料の木材に大きな輸入超過が確認できます。

それに比べると輸入超過の小さな紙パルプや紙類は、製造業部門の生産品です。

このことから、イギリスの林業が国内の木材需要分を満たす割合はごくわずかであることが伺えます。

ただでさえ森林面積が小さく、国策として林業保護が打ち出されているのですから、当然といえば当然です。

漁業セクター

漁業人口の減少が進んでいますが、技術力の強化を背景に2001年から漁獲量はほぼ安定しています。

英国のEUからの離脱を行うブレグジットに真っ先に賛成したのは漁業関係者だと言われています。

EU加盟以来、EU加盟国に対して強制力を持つ共通漁業政策の発効により、

英国領海内での外国漁船の操業を認めることになりました。

以来、内陸国の多いEU加盟国は、盛んに北海の英国領海内で操業を行い、英国の漁業は打撃を受けてきました。

こうした事情から、英国漁民のEUに対する不満と反感は根強く、

自国の排他的経済水域の主張を強く求める声があがっていました。

2016年の国民投票直前に行われたある調査では、漁業従事者の92%が離脱に投票すると回答したほどです。

英国漁業の損失の原因がEUにあるのと同時に、英国漁業に利益をもたらす最大の市場もまたEUでした。

しかし、中国やナイジェリアなどのEU圏外からの需要は伸びてきていることから、英国の漁民は漁獲量の保護を優先したようです。

貿易統計では、

・海産物 - 約19億ドルの輸出に対し、約26億ドルの輸入

英国の水産業は総体的に輸入超過に陥っていることが読み取れます。

なお海産物が輸出に占める割合は0.4%と小さいことから、

海産物が輸出に占める重要性は低いといえます。


イギリスの第2次産業は、GDPの19.17%を占めています。

工業セクター

一般に、イギリスの競争力は金融セクターにあると考えられており工業国としてのイメージは強くありません。

実際に、イギリスの製造業がGDPに占める割合はわずか9.69%であり、他ヨーロッパ諸国と比べると大きくありません。

1990年代以降のアジアの台頭は、競争力を持たない部門の低迷につながり、

途上国の廉価労働力の発見は、製造業の流出を招きました。

しかしながら、イギリスの貿易利益の40%近くを生み出す製造業セクターが重要性であることに変わりはありません。


産業は主に、機械、化学、軽工業(食品、衣服、食品加工、飲料など)の3つに分けられます。

最も盛んな機械産業は、大きく航空、自動車、その他の機械に分けられます。


イギリスの自動車産業は、純粋な国産企業と言えるトライアンフ1社を除く、ほぼ全ての企業が外資企業の傘下か合弁で経営されているとされます。

車種ごとに活躍の主体が分かれており、

高級車及びスポーツカーは、ベントレーロールス・ロイスジャガー、ランドローバー、マクラーレンなど

世界的なブランドを持つ国産メーカーが手掛けています。

量産車の生産は、国産のボクスホール(ゼネラルモータース傘下)ほか、日本のホンダ、日産、トヨタなど。

バス、トラックなど商用車の生産は、国産メーカーのアレクサンダー・デニス、IBC自動車、レイランドトラック、ロンドンタクシー会社などが

生産の主体となっています。

自動車及び自動車部品が輸出総額に占める割合は10.88%に達し、これは全品目中3番目の比率となっています。


航空部門は、国営メーカーと外資メーカーが入り混じって生産を行っています。

外資メーカーのエネルギーを大いに利用した結果、世界第4位のシェアを占めるに至りました。

国産メーカーとしては、BAEシステムズをはじめブリテン・ノーマン、コブハム、GNKなど。

外資系メーカーでは、アメリカのボーイング、GE、ロッキードマーチン、MBDAをはじめ、

フランスのエアバスサフランタレス、 カナダのボンバルディア、 イタリアのレオナルドなどが進出しています。

航空機が輸出総額に占める割合は4.07%であり、全品目中7番目の比率を占めています。

他にもテレビ、ラジオ、スマホなどの電化製品、パソコンなどの精密機械、オフィス装置などの産業機械などの幅広い機械が生産されています

輸出総額に占める割合も大きく

・産業機械の13.81%(品目中第1位)

・電気機器の6.25%

・精密機械の3.95%

などが見られます。


化学産業では、世界第10位の製薬業が最も盛んです。

国産メーカーとしては、2016年の製薬業ランキングで5位と10位にランクインしたGSKとアストラゼネカが有名です。

外資メーカーとしては、アメリカのファイザー、 スイスのエフ・ホフマン・ラ・ロシュ、ノバルティス、 日本のエーザイなどが知られています。

医薬品が輸出に占める割合は、品目中第7位の7.71%です。

輸出に占める割合の大きい化学製品としては、

・石油製品 - 7.07%
有機化学品 - 2.99%
・プラスチック - 2.54%

などが見られます。

他にも食品加工、タバコ、飲料、皮革、繊維、衣類、靴などがありますが、

1990年代以降に台頭した安いアジア製品に対して競争力を持たない産業は、価格競争に巻き込まれ、低成長に陥っています。

飲料産業は最も高いシェアを保持しており、globalEDGEが集計した129カ国の中で第2位、輸出総額の9.61%を占めています。

国内の輸出に対しては2.12%の割合に過ぎませんが、これは製品の単価のため、仕方ありません。

加工食品も129カ国の輸出総額の4.23%を占めており、第6位のシェアを持っています。


建設セクター

建設セクターの生産は、英国のGDPの6~7%を占めています。

事業の74%は民間からの注文であり、残りの26%が公共事業となっています。

鉱業ククター

相対的にイギリスは地下資源に乏しい国であり、多くの産業資源を他国からの輸入に頼っています。

石炭の産出が比較的多いですが、世界ランキングでは第26位の規模でしかありません。

近年は、石炭の火力発電から再生可能エネルギーへの転換を進めており、

2025年までに石炭による火力発電の全プラントを閉鎖する予定となっています。

北海に面する地理条件からエネルギー資源を得ていますが、以下のように規模は大きくありません。

・石油 - 世界第21位(2016)
天然ガス - 世界第20位(2016)

非金属類である土砂やチョーク、粘土、鉱石、石膏、岩石類などの産出は比較的多く、国内需要分を満たしています。

イギリスの建設セクターはGDPに対して約6-7%と他ヨーロッパ諸国に比べて若干高めですが、

英国で生産される鉱物資源の約50%を占める建設用のセメントなどの資材供給に支えられているものと思われます。

また、陶磁器・耐火材の原料となるカオリンの産出が多く、2014年の世界ランキングで第10位にランクインしています。

英国の国土には、豊富な鉄や銅などの金属資源の埋蔵量が確認されていますが、

物価の高い自国で産業的に採掘を行うよりも、物価の安いペルーやチリ、中国などの国から輸入したほうが採算性が確保しやすいとされます。

そのため、英国で大々的に採掘が行われる資源は限られたものとなっています。

カリウム - 世界第11位
タングステン - 世界第13位

輸出に占める割合の大きい鉱業品としては、宝石・金属類が11.81%に達しており、これは全品目中第2位の比率です。


また、2016年に決定されたブレグジッドが英国の鉱業セクターに与える影響は好ましいものではありません。

かつて覇権大国であったイギリスには、世界規模での資源採掘を行う資源メジャーが育っています。

リオティント、アングロアメリカBHPビリトン、グレンコアなどが主な資源メジャーとして知られますが、

EUの先進工業国に対して、EU圏内の関税メリットを利用して原料供給の役割を担っていたのがこれら資源メジャーです。

EUの先進工業国にとっても英国の資源企業は重要なサプライヤーであり、

EU圏内の関税を撤廃した貿易網はことのほか重要でした。

ところが、ブレグジッドが決定した今、英国とEU圏の工業国を結ぶつながりは失われ、

無関税を利用したサプライチェーンは崩壊の危機に瀕しています。

英国の資源メジャーにとっては、採掘した資源あるいは原料がEUに受け入れられなくなり、

またEUの工業国にとっても、英国のEU離脱は原料価格の高騰を招きます。

こうした見方からすれば、英国のEU離脱は英国が持つ資源とEUが抱える工業の結びつきの解除を意味します。

専門家は、英国とEUとの間に新たな貿易協定を結ぶことが喫緊の課題だと述べていますが、

何らかの改善策が取られない限り、英国の鉱業セクターは、ブレグジッドにより最も大きな打撃を受けるグループとなりそうです。


イギリスの第3次産業は、GDPの80.22%を占めています。

イギリスが生み出す富の約80%がこのセクターから生産されています。

英国といえば金融業をイメージする人も多いと思います。金融及び保険サービスがGDPに占める割合は、10%周辺となっています。

GDPに占める最も大きな部門は家計消費だとされ、全体の約63%を構成しています。

これは、2013年の日本のGDPに占める消費の割合(486兆円のうち約286兆円)と同等約60%とほぼ同等か、

それ以上であり、英国は金融国家であると同時に内需国家ということができそうです。

金融セクターがGDPに占める割合は、ブレグジッドの後遺症により減少傾向がうかがえます。

GDPに金融セクター及び関連産業の占める割合は、2014年の11.8%から2016年には7.2%まで減少しています。

これはブレグジッドにより金融セクターの収益が低下したことが原因と言えるでしょう。


このような背景から、英国企業を救済すべく、英国政府はEUとの間に新協定を結ぶことも検討しているようですが、

EU市場を顧客とする金融セクターにとってブレグジッドの影響は好ましいものではなさそうです。

また、金融関連業の収益の約51%が世界第1の金融センターと評される金融都市ロンドンから発生しています。

英国への対内直接投資は世界第2位、対外直接投資は世界第3位とされますが、

こうしたポジションを首都ロンドンを中心とする金融セクターが支えてきたことは間違いありません。

金融セクターへの顧客の提供に大きな役割を果たしてきたのは、EUのブロック協定です。

この協定に代わる新たな対案を提出しない限り、金融業を中心とする英国経済の凋落は避けられないかもしれません。


観光業については、

2016年には、世界第7位となる3581万4千人の観光客数を受け入れています。

観光収入はGDPの約3%を計上していますが、観光客数と合わせて、これは英国観光業の最高新記録となります。

英国観光業は雇用創出の担い手の役割が期待されており、2010年から発展が奨励されています。

2025年には、GDPの9.9%、雇用の11%が観光業から生み出される見通しだそうです。


その他の特徴

英国の国論として、原子力発電に対して肯定的です。

原子力発電は、二酸化炭素排出料も少なく安定的な電力供給を見込める効果的な発電手段とみなされています。

現在、英国の原子力プラントより供給される電力は、電力消費量の約21%だとされます。

とはいえ、電力消費量自体は全エネルギー消費量のわずか7%ほどの大きさです。

しかし、2011年に発表された政府目標では、原子力プラントの8基増設により、

原子力発電の割合を、現状の電力の21%の割合から、総エネルギーの25%まで伸ばす目標が掲げられています。

日本の原子力災害に対しては、教訓を得るべき経験とするも、原子力プラント増設の方針に変更はないようです。


3 フランス( GDP : 2兆4664億ドル[世界第6位])
主要産業 化学、機械、食品、繊維、航空、原子力、農業(西欧最大)、宇宙・航空産業、原子力産業
輸出 航空機・宇宙飛行体、農産品加工物、化学製品
輸入 コンピュータ・電子機器、産業機械・農業機械、農産品加工物


各産業がGDPに占める割合は、第一次産業が1.48%、第二次産業が19.35%、第三次産業が79.17%となっています。(2016)

globalEDGE https://globaledge.msu.edu/countries/spain/tradestatsによると、

主要な輸出品目
重工業製品が上位3位を占めています。

産業機械が11.52%、航空機が約11%、自動車・自動車部品が約9%、電気機器が約8%、プラスチックが約6%。

そのあとに、プラスチック、飲料、精密機械、化粧品、石油・鉱物性資源が続きます。(比率5%以下)

主要な輸入品目

産業機械が約12%、石油・鉱物性資源が約11%、自動車・自動車部品が約10%、電気機器が約9%、航空機が約5%。

そのあとに、医薬品、プラスチック、精密機械、有機化学品、アパレル製品が続きます。(比率5%以下)


フランスの第1次産業は、GDPの1.48%を占めています。

農業セクター

フランスの農業はEU最大の農産力を持っています。

フランスの農業生産がEUの農業生産に占める割合は18.1%にも達し、ドイツの13.4%、イタリアの12.3%、スペインの10.6%を超えています。

フランスといえば、世界的なワインの生産地です。

高級ブランドとして定着したボルドー5大シャトー、ブルゴーニュワインなどの世界的な需要を満たすことで、大きな収益を得ています。

ワインやシャンパンを中心とする飲料品の輸出は、約164億ドルです。これはフランスの輸出の3.32%を構成しており、

世界全体の飲料品輸出額では、15.94%に達しています。

その他の農産品は、

穀物 - 約80億ドル・輸出の1.62%
・乳酸品 - 約69億ドル・同1.40%(世界的にフランス産チーズが人気)
・肉類 - 約35億ドル・同0.76%
・家禽 - 約22億ドル・同0.45%

となっており、農産品の中では飲料品の輸出額が最も高い数字になっています。

林業セクター

フランスの林業は、造船の重要性の高まった大航海時代からフランスの産業需要に応えてきました。

フランスの造船企業であるナヴァル社の設立は1631年ですが、同社の起源はイギリスの艦隊に対抗するための艦隊を政府に供給することでした。

当時の船舶の材料が木材であったことは語るまでもありません。

しかし、数世紀に渡る伐採の結果、森林の減少が進み、林業に対する見方の見直しを迫られました。

そこで、1947年に発布された法令では、林業に対する伐採制限と植林の奨励が定められ、森林再生に向けた積極的な取り組みが行われてきました。

その結果、今日のフランスの国土に占める森林の割合は約28%に達しています。

この割合は、欧州内の平均水準ですが、森林の量で見た場合、フランスはEU第4位の森林量に達しています。

とはいえ、豊かな森林を持ってはいても、森林保護の長い伝統から林業の発展は限定的なようです。

以下のように、フランスの貿易において林業品には、輸入過剰の傾向が確認できます。

・紙類 - 輸出約61億ドルに対し、輸入約78億ドル
・木材 - 輸出約26億ドルに対し、輸入約37億ドル
・紙パルプ - 輸出約8.4億ドルに対し、輸入約15億ドル

また世界貿易という視点に移しても、名目GDP世界第6位の割には、フランスの林業品が世界貿易に占める割合は、小規模です。

globalEDGEが集計した129カ国の貿易総額において、フランスの林業品が占める割合は以下の通りです。

・紙類 - 3.97% - 第8位
・紙パルプ - 1.97% - 第12位
・木材 - 2.14% - 第13位

これは、フランスの林業が森林保有量と国力相応の発展を遂げていない証左といえるでしょう。

漁業セクター

フランスの漁業は、大西洋、地中海、そしてアフリカにある海外領土の海域で行われています。

フランス国民1人が年間に消費する海産品の消費量は32kとされ、EU諸国の平均値である23.1kgを10kg上回っています。(日本は55kg周辺)

EUが定める漁獲量制限や国民の高い海産物需要を受けて、フランスの漁獲量は国内需要を満たすことができていません。

フランスの漁業セクターには、強い輸入依存の傾向が確認されます。

フランスの海産物が輸出に占める割合は、わずか0.26%。

これは額面にして約13億ドルであり、輸入額の約45億ドルを大きく下回っています。

世界貿易でも

フランスの海産品が輸出に占める割合はわずか1.35%(第21位)に過ぎない一方で、

輸入は貿易全体の4.79%を占める第5位を記録しています。


フランスの第2次産業は、GDPの19.35%を占めています。

工業セクター

フランスの工業は産業の多様化が進んでいます。

重要な部門としては、自動車、航空機、化学、電気機械、食品加工、金属加工などが知られています。

自動車産業は、主に国産のルノーとグループPSA (プジョーシトロエン、DS、オペル、ボクスホールブランド)の活動が盛んであり、

フランス国外で販売される車のうち4分の3以上がこの2社から生産されています。

また、ヨーロッパで購入される自動車の23%がフランス車だとされ、人気の高い自動車産業の受注を求めて世界的な自動車部品メーカーの進出が相次いでいます。

主要なものとしては、ドイツのボッシュ・グループ、アメリカのデルファイ・コーポレーション、日本のデンソーが知られており、

世界最大規模のタイヤメーカーである国産のミシェランも含めて、自動車部品もフランスの工業の重要な位置を占めています。

自動車及び自動車部品がフランスの輸出に占める割合は、品目中第3位の8.85%に達します。

航空部門は、幅広い事業を手掛けており、民間航空機から国防ジェット機、宇宙飛行機、ヘリコプター、更にはミサイルまで製造しています。

航空機が輸出に占める割合は10.96%に達し、輸出品目の中では第2位。

またglobalEDGEが集計した129カ国中でも第2位の16.36%を占めるなど、エアバスの本部でもあるフランスの航空部門の強さが伺えます。

化学部門は、化学の発展と応用の伝統を背景に、大きな発展が確認できます。

近代科学の成立に大きな役目を果たした人物としては、

元素の命名とともに、空気の組成の解明に功績のあるラヴォワジェ、

有機合成化学を開いたベルテロ、放射線の研究に功績のあるキュリー夫人など

名高い科学者を多く排出しており、化学力の伝統は、ヨーロッパ第2と言われる今日の化学産業に生き続けています。

貿易に占める主要な化学品は、以下の通りです。

・医薬品 - 輸出約299億ドル(6.05%)、輸入約222億ドル(129カ国の輸出合計の第7位)
・プラスチック - 輸出約195億ドル(3.95%)、輸入約218億ドル(129カ国の輸出合計の第8位)
・化粧品 - 輸出約151億ドル(3.06%)、輸入約53億ドル(129カ国の輸出合計の第1位)
・石油・石油製品 - 輸出約146億ドル(2.96%)、輸入約596億ドル(129カ国の輸出合計の第29位)
・化学製品 - 輸出約114億ドル(2.32%)、輸入約106億ドル(129カ国の輸出合計の第4位)

具体的な製品としては、自動車のタイヤを作るのに必要なゴム、顔料、塗料、農薬、火薬、石鹸・洗剤、香料などが挙げられます。

食品加工業は、製品の単価が工業製品に比べて低いことから輸出に占める比率は高くありません。

しかし、フランスの食料品は世界貿易に大きなシェアを持っています。

globalEDGEの集計した129カ国の貿易に占める割合は以下の通りです。

・ワインなどの飲料品 - 15.94% (第1位)
・家畜 - 10.86% (第1位)
穀物 - 7.64%(第3位)
・砂糖・菓子類 - 5.38%(第3位)
・乳製品 - 9.22%(第4位)

また、これと同じことが鉄鋼に関しても起きています。

がフランスの輸出の2~3%を占めるに過ぎない鉄鋼及び鉄鋼製材は、

129カ国の貿易総額に占める割合では、それぞれ4.00%(第8位)と3.13%(第7位)を占めています。

なお、輸出に占める割合が最も高い品目は、11.52%を占める産業機械ですが、

これはフランスの原子力企業であるアレバ社が世界に版圏を持つ多国籍企業であることから、エネルギープラントが大きな比率を占めていることが考えられます。

アレバ社は近年再生可能エネルギー事業にも進出しており、

フランス国内を始め、EU、アフリカ、北米、中央アジア、インド圏との間に、

原子力及び再生可能エネルギープロジェクトを結んでいます。

建設セクター

フランスの建設セクターはGDPの約4.9%を占めています。

不況の影響を受けて2007年から8年連続で成長は下降を記録しましたが、2016年には1.9%の成長に転じています。

なお、フランスの大手建企業であるヴァンシ、ブイグは、2015年の建設メーカーランキングでそれぞれ第5位と第8位にランクインしています。

鉱業ククター

フランスは資源に乏しい国です。世界シェア8位を占める塩を除けば、

石炭、石油、天然ガスなど、産出を見込める資源は国内需要の数%を満たす程の量しか採れません。

しかしながら、フランスの電力を支える原子力発電は、大量のウランを必要とします。

この資源は世界15カ国程度からしか満足のいく生産が行われておらず、資源に乏しいフランスはその15カ国に含まれていません。

それでは、フランスはどのようにして物資を確保しているのでしょうか。

それは海外からの輸入です。

フランスは、歴史的に関係の強いカナダやニジェール、またカザフスタンからの輸入によりウランを確保しています。

その他の物資も、旧植民地のアフリカ諸国や海外領土のフランス領ギニアニューカレドニア(オーストラリアに近い)などは比較的資源埋蔵量も多く、

盛んな産出が行われています。


フランスの第3次産業は、GDPの79.17%を占めています。

フランスは、世界で最も多くの観光客が訪れることで知られています。

国内に残るヴェルサイユ宮殿、モン・サン=ミシェル、ルーブル宮殿など多くの歴史遺産の観光を目的に2016年に訪れた旅行者の数は、

フランスの人口6280万人を上回る8260万人に上ります。

また、フランスの電力は電子力発電による生産コストの安さから海外へ積極的に輸出されています。

原子力事業は、電力輸出のみならず、海外でのプラント建造、メンテナンス、核燃料のリサイクルサポートでも収益を生み出しており、

各事業の収益の合計額は、フランスのGDPの約2%に達します。


その他の特徴

2000年に設立されたユーロネクスト証券取引所の一つがフランスのパリに置かれています。

このユーロネクストを構成する証券取引所は、

フランスの旧パリ証券取引所、ベルギーの旧ブリュッセル証券取引所、オランダのアムステルダム証券取引所ポルトガルリスボン証券取引所の3つです。

現在、この4つの証券取引所は、単一のユーロネクストの下に、

ユーロネクスト・パリ、ユーロネクストブリュッセルユーロネクストアムステルダムユーロネクストリスボンと名称を変え、

3つの取引所で取引されていた現物及び銘柄は、

取引所の合併に合わせて1つの証券市場に統合されています。

2007年には、さらにニューヨーク証券取引所との合併が行われ、NYSユーロネクストが発足しています。


4 イタリア( GDP :1兆8507億ドル[世界第8位])
主要産業 機械、繊維・衣料、自動車、鉄鋼
輸出 医薬品、原油以外の石油、自動車部品、自動車
輸入 原油、自動車、ガス、医薬品


各産業がGDPに占める割合は、第一次産業が2.10%、第二次産業が24.07%、第三次産業が73.83%となっています。(2016)

globalEDGE https://globaledge.msu.edu/countries/spain/tradestatsによると、

主要な輸出品目

工業製品が大きな割合を占めています。

産業機械が約20%、自動車・自動車部品が約8%、電気機器が約6%。

そのあとに、医薬品が約4%、プラスチックが約4%、鉄鋼製材が約4%、石油・鉱物性燃料が約3%、家具類が約3%、宝石・金属類が約3%、鉄鋼が約2%が続きます。(比率5%以下)

主要な輸入品目

燃料及び工業製品の原料品が目立ちます。

石油・鉱物性燃料が約13%、産業機械が約10%、自動車・自動車部品が約9%、電気機器が約8%、医薬品が約5%。

そのあとに、プラスチック、鉄鋼、有機化学品、精密機械、宝石・金属類が続きます。(比率5%以下)


イタリアの第1次産業は、GDPの2.10%を占めています。

農業セクター

農業は、気候・土壌が変化に富んでいるため、様々な農作物の栽培が可能です。

世界有数のワインの生産国として知られ、2013年のワイン生産量はフランスに次ぎ世界第2位でした。

酪農も主要な産業であり、ゴルゴンゾーラパルミジャーノ・レッジャーノなど約50種類のチーズが生産されています。

イタリアの貿易に占める主要な農産品の割合は、以下の通りです。

穀物 - 輸出約9億ドル(輸出総額の0.2%)、輸入約32億ドル
・肉類 - 輸出約23億ドル(輸出総額の0.49%)、輸入約49億ドル
・乳酸品 - 輸出約29億ドル(輸出総額の0.65%)、輸入約40億ドル
・小麦粉類 - 輸出約49億ドル(輸出総額の約1.06%)、輸入約15億ドル
・飲料品 - 輸出約85億ドル(輸出総額の1.86%)、輸入約18億ドル

イタリアの農産品は総体として輸入過剰だとされています。

林業セクター

観光業から工業まで自然と密接に結びつくイタリア経済にとって、森林は貴重な資源です。

しかしながら、大帝国の中心地として長年の伐採により、イタリアの森林は大きく数を減らしました。

その森林の減少に、新しい技術に抵抗を持つ労働者の高齢化が加わり、イタリアの林業の生産性はEU最低レベルに落ち込んでいます。

しかしながら、国内にある家具類、製紙業へは、安定的かつ確実な木材供給が必要です。

そこで、イタリアの木材加工業は、近隣のオーストリア、フランス、スウェーデンフィンランドなどからの

輸入により製品の原料供給を賄っています。

イタリアの貿易における林業品の動向は、以下の通りです。

・紙パルプ - 輸出約3億ドル(輸出総額の約0.07%)、輸入約23億ドル
・木材 - 輸出約18億ドル(輸出総額の約0.40%)、輸入約42億ドル
・紙類 - 輸出約68億ドル(輸出総額の約1.49%)、輸入約51億ドル

紙パルプに約20億ドルの損失が見られますが、紙類のプラス約17億の収支でほぼ埋め合わせできています。

木材の輸入も高いですが、木材を主な原料とする家具類の輸出は約128億ドルにも達し、

付加価値を加えることにより十分な埋め合わせが効いています。

漁業セクター

イタリアの漁業は、地中海の中央に位置する有利な地理条件にありながら、縮小を続けています。

これは、乱獲により被害を受けた魚資源の再生と持続のため、欧州連合より出された漁獲量制限を受けたことが大きく、

2015年の漁獲量は世界第48位となっています。

海産物の輸出額は約4億ドルである一方、輸入量は42億ドルに達しています。


イタリアの第2次産業は、GDPの24.07%を占めています。

工業セクター

2015年のイタリアの貿易収支は、輸出4569.9億ドルに対し、輸入4109.3億ドル。つまり460.6億ドルの黒字です。

これは、輸入した原料に付加価値を与えて輸出に回せている証左といえます。

イタリアは戦前は遅れた農業国でしたが、戦後のアメリカによるマーシャルプランと朝鮮戦争の鉄鋼特需を通して、工業国に発展しました。

地下資源の乏しさを抱えていたものの、欧州石炭鉄鋼共同体の無関税を利用すべく

発足当初から加盟することで原料調達の問題を解決しています。

イタリアの鉄鋼生産は世界第11位周辺であり、主要な輸出資源であると同時に

イタリア工業の主力である機械産業を支える柱として機能しています。

主な機械産業は、自動車産業、航空産業、家電産業、兵器、重機械などです。

また皮革、衣類、靴、アクセサリなどの装飾部門は、イタリアの輸出総額に占める割合は大きくないものの高度なブランド化に成功しており

globalEDGEが集計した129カ国の輸出総額では、それぞれの品目で高い割合を占めており、上位にランクインしています。

イタリアの貿易における機械製品の動向は、以下の通りです。

・産業機械 - 輸出・約923億ドル(輸出総額の20.20%)、輸入・約393億ドル
・自動車・自動車部品 - 輸出・約380億ドル(輸出総額の8.32%)、輸入・約364億ドル
・電気機器 - 輸出・約274億ドル(輸出総額の6.00%)、輸入・約314億ドル
・鉄鋼製材 - 輸出・約168億ドル(輸出の約3.68%)、輸入・約52億ドル

国内自給の難しい電気機器を除き、プラス収支を達成しています。

同じく、装飾部門は以下の通りです。

・アパレル(非ニット) - 輸出・約120億ドル(輸出総額の2.62%)、輸入・約72億ドル
・履物 - 輸出・約104億ドル(輸出総額の約2.30%)、輸入・約60億ドル
・皮革製品 - 輸出・約80億ドル(輸出総額の約1.75%)、輸入・約32億ドル
・アパレル(ニット) - 輸出・約74億ドル(輸出総額の約1.63%)、輸入約60億ドル

また化学製品も輸出の大きな割合を占めていますが、貿易統計からは前2つほどの付加価値を生み出している様子は伺えません。

・医薬品 - 輸出・約200億ドル(輸出総額の4.33%)、輸入・約206億ドル
・石油・鉱物性燃料 - 輸出・約147億ドル(輸出総額の3.21%)、輸入・約523億ドル
有機化学品 - 輸出・約70億ドル(輸出総額の1.52%)、輸入・約143億ドル
・セラミック製品 - 輸出・約49億ドル(輸出総額の1.07%)、輸入・約8億ドル

セラミック製品は高い付加価値を生み出すとともに、129カ国の輸出総額でも第2位の8.65%を占めています。

建設セクター

GDP全体の4.8%を占めるとされますが、2008年の信用問題をきっかけに生産が50%削減されたとされます。

しかしながら、再生可能エネルギーの利用向上にあわせてエネルギープラントの建造が予定されており、

今後の成長を下支えする要因となっています。

鉱業ククター

国内の資源の乏しさから、鉄、銅、鉄鋼、鉛、亜鉛などの原料を他国から輸入しています。

一方で、セメント、粘土、石灰岩、大理石、土砂などの非金属類の資源は少なくない量を国内で自給できています。

エネルギーに関しても現在の生産方法は石炭や石油の火力発電が主流であり、

火力発電に必要な化石燃料の約80%を輸入に依存しているとされ、

またそれに輸入した電力を加えてようやく維持が可能という状態です。

この財政的負担はイタリア経済の安定性にとって大きなリスク要因であり、

再生可能エネルギーの導入などにより、化石燃料を利用した火力発電の割合を軽減していくことが求められています。

政府目標によると、一次エネルギーに占める再生可能エネルギーの比率を、2010年の22%から2020年までに35-38%まで高め、

輸入の割合を2010年の13%から2020年までに7-10%までに削減することが目指されています。


イタリアの貿易における資源の動向は、以下の通りです。

・石油・鉱物性燃料 - 輸出・約147億ドル(輸出総額の3,21%)、輸入・約523億ドル
・鉄鋼 - 輸出・約107億ドル(輸出総額の2.33%)、輸入・約165億ドル
・アルミニウム - 輸出・約58億ドル(輸出総額の1.27%)、輸入・約56億ドル
・銅 - 輸出・約36億ドル(輸出総額の0.78%)、輸入・約64億ドル
・ニッケル - 輸出・約3億ドル(輸出総額の0.06%)、輸入・約8億ドル
亜鉛 - 輸出・約2億ドル(輸出総額の0.04%)、輸入・約6億ドル

上にあげた品目では、アルミニウムを除き、輸入超過の傾向が確認できます。


イタリアの第3次産業は、GDPの73.83%を占めています。

ローマ帝国発祥の地としての歴史遺産に恵まれたイタリアに集まる観光客の数は年間5237万人を超えるとされ、

サービスセクターの重要な外貨獲得機会となっています。

観光客が消費したお金はイタリアの観光収益となり、第3次産業の総収益の約11.8%を構成しています。


その他の特徴

イタリアと聞いて、その都市景観や歴史的建造物、ローマ法王などをイメージする人も多いと思いますが、

イタリアといえばマフィアの国です。

イタリアの地下経済の規模は国家のGDPの約17%にも及ぶとされ、

主に農業、建設、サービスの部門で活動が確認されるようです。

2016年のイタリアのGDPは1兆8500億ドルですから、およそ3146億ドルもの地下資源が、マフィアたちの間で流通していることになります。

また、イタリアといえば、PIGSの一員であり、経済失敗国の印象を持つ人もいると思いますが、

2016年の名目GDPでは、世界第8位。

英国の抜けたEUではドイツ、フランスに次いで第3位であり、貿易収支も460億ドル以上の黒字を計上しています。

イタリアが世界屈指のファンダメンタルを抱えるにもかかわらず、

失敗国家に含められる理由は、前述の地下資源に代表される経済の不透明性、脱税問題、および政府の腐敗、政府が積み上げた負債の重さにあります。

こうした悪要因が投資家不安を増幅させ、イタリアの経済成長を妨げる一要因となっていることは間違いありません。

政治家とマフィアの癒着などが容易に予測されますが、

更なる経済成長に向けて、何らかの施策が求められることは確かでしょう。


5 スペイン( GDP : 1兆2326億ドル[世界第14位])
主要産業 自動車、食料品、化学品、建設業、観光業
輸出 自動車・自動車部品、医薬品、石油・ガス、鉄鋼製品・鋳造品、プラスチック製品、衣類など
輸入 石油・ガス、自動車・自動車部品、医薬品、衣類、鉄鋼製品・鋳造品、有機化学品など

アメリカの金融恐慌が起きた2008年ごろ、スペインは不動産バブルの状況にありました。

そこに起きたアメリカ発の経済不況は不動産バブル崩壊のきっかけとなり、スペイン経済に深刻な打撃を与えます。

2013年には失業率が最大27%近くまで上昇しましたが、2016年には18.6%まで下落し、回復の兆候を見せています。


各産業がGDPに占める割合は、第一次産業が2.57%、第二次産業が23.35%、第三次産業が74.08%となっています。(2016)

globalEDGE https://globaledge.msu.edu/countries/spain/tradestatsによると、

主要な輸出品目

自動車が約18%、産業機械が約8%、電子機器が約6%。

そのあとに、原油・石油製品、医薬品、プラスチック、フルーツ・ナッツ類、アパレル(非ニット)、鉄鋼製材、鉄鋼などが続きます。(比率5%以下)

主要な輸入品目

原油・鉱物性燃料が約14%、自動車・自動車部品が約13%、産業機械が約10%、電子機器が約8%。

そのあとに、医薬品、プラスチック、アパレル(非ニット)、有機化学品、鉄鋼、精密機械などが続きます。(比率5%以下)


スペインの第一次産業は、GDPの2.57%を占めています。

農業セクター

農産品生産の約4分の3を占める野菜、フルーツなどの有機植物は、その80%が輸出を目的に栽培されています。

globalEDGEが集計した129カ国の貿易に占める割合では、

フルーツ・ナッツ類が輸出総額の9.10%(第2位)、野菜が9.44%(第3位)を占めるなど

世界の食物供給におけるスペインの重要性が伺えます。

世界第3位のワイン生産に必要なぶどうの生産が盛んで、穀物は主に大麦と小麦が栽培されます。

畜産業の占める割合は、半分以下だとされ、収穫された家畜の肉は主に食品加工部門で処理されます。

肉類の輸出は約51億ドルにも達しており、これは輸出総額の1.83%。

129カ国の貿易では全体の4.50%を占める第6位のシェアとなっています。

林業セクター

スペインといえば、16世紀の大航海時代に主導的な役割を果たした国です。

航海に必要な船舶の建造のため、多量の木材が伐採されてきました。

さらに、人口増加に伴う燃料、建築需要の増加も森林伐採に拍車をかけ、

国土の森林の多くが深刻なダメージを受けてきました。

そこでスペイン政府は、1940年代以降、繰り返し森林保護政策が繰り返し打ち出してきました。

この試みは、欧州連合からも助成によって支援されており、50年以上にわたる植林と保護政策の結果、

今ではスペインの国土の36.4%を森林が占めており、毎年この比率は上昇し続けています。

このようにスペインは森林保護に積極的なため、林業セクターは比較的小さなものとなっています。

主要な生産品は、コルク、ユーカリ、オーク、マツ、ポプラなどです。

スペインの貿易における林業品の動向は、以下の通りです。

・紙類 - 輸出・約36.7億ドル(輸出総額の1.32%)、輸入・約37.1億ドル( 13 / 129 )
・紙パルプ - 輸出・約6億ドル(輸出総額の0.21%)、輸入・約10億ドル( 17 / 129 )
・木材 - 輸出・約14億ドル(輸出総額の0.52%)、輸入・約13億ドル( 24/129 )
・コルク - 輸出・約3億ドル(輸出総額の0.09%)、輸入・約1億ドル( 2 / 129 )
※カッコ内のランキングは、globalEDGEの集計した129カ国の輸出に占めるシェア

スペインの林業は、保護政策の下、世界的にも目立った規模ではありません。

ただし、スペインの輸出に占める割合はわずかなものの、

コルクの輸出は129カ国中第2位となる15.99%のシェアを持っています。

漁業セクター

スペインの漁業は欧州最大だとされ、GDPに対して1%の割合を占めています。

魚は国民の日常食として重要な位置を占めており、国民一人当たりの魚の年間消費量は、世界第9位。

国民の間の強い魚需要を埋めるため、輸入による供給が必要になっています。

近年は海域をめぐりモロッコ、カナダなどとの間に紛争が起こっており、

漁獲高も減少していますが、沿岸部での養殖で代替しつつあります。

スペインの貿易における海産品の動向は、以下の通りです。

・海産品 - 輸出・約28億ドル(輸出総額の1.01%)、輸入・約55億ドル(9 / 129)
※カッコ内のランキングは、globalEDGEの集計した129カ国の輸出に占めるシェア

ヨーロッパ最大の漁業をもちながら、輸入量が輸出量の約2倍にも達しています。

世界でも第4位に達する輸入量の理由は、魚関連の食品加工業が発展しているためです。

スペインの魚関連の食品加工業(冷凍、塩漬け、缶詰など)の規模はヨーロッパ最大だとされ、

大量の製品を製造するために原材料となる魚の輸入を必要としています。


スペインの第二次産業は、GDPの23.35%を占めています。

工業セクター

スペインで最も大きな工業が自動車産業です。

2016年の自動車生産台数は、世界第8位。EUではドイツに次ぎ、第2位の産業規模となっています。

しかしながら、自動車産業のプレイヤーには外資系企業が目立ちます。

ダイムラー、フォード、ゼネラルモータズ、日産、PSA、ルノーフォルクスワーゲンオペルなど名だたるグローバル自動車メーカーが進出しています。

SEAT(セアト)の本拠地はスペインですが、フォルクスワーゲンの傘下に入っています。

こうした自動車メーカーによる失業問題(2017年時点で17%)への貢献も大きく、自動車産業従事者の割合は製造業者の9%を占めています。

2016年のGDPに占める自動車産業の貢献は8.7%とされ、生産された自動車の80%は輸出されています。

また産業の高度化を目指して研究開発に力を入れた結果、従来の重工業部門に代わり

バイオテクノロジー産業、化学産業、電気機器、情報通信などの分野も勢いを強めています。

スペインの貿易における工業製品の動向は、以下の通りです。

・自動車及び自動車部品 - 輸出・約497億ドル(輸出総額の17.87%)、輸入・約388億ドル( 9 / 129 )
・産業機械 - 輸出・約222億ドル(輸出総額の7.99%)、輸入・約291億ドル( 21 / 129 )
・電気機器 - 輸出・約157億ドル(輸出総額の5.66%)、輸入・約241億ドル( 20 / 129)
・鉄鋼製材 - 輸出・約71億ドル(輸出総額の2.57%)、輸入・約40億ドル( 8 / 129 )
・航空機 - 輸出・約47億ドル(輸出総額の1.69%)、輸入・約29億ドル( 10 / 129)

品目の中では、自動車及び自動車部品の占める比率が突出して高く、輸出総額の17.87%を占めています。

これは全品目中最大の数字であり、以下、産業機械と電気機器を合わせて輸出額の高い品目のベスト3となります。


スペインの貿易における化学製品の動向は、以下の通りです。

・石油・鉱物性燃料 - 輸出・約139億ドル(輸出総額の4.99%)、輸入・約428億ドル( 30 / 129 )
・医薬品 - 輸出・約113億ドル(輸出総額の4.08%)、輸入・約148億ドル( 13 / 129)
・プラスチック - 輸出・約108億ドル(輸出総額の3.90%)、輸入・約106億ドル( 16 / 129 )

貿易統計からは特に目立った競争力は感じられませんが、

この中では、国内市場の成長を背景に製薬業界の成長が最も著しいようです。


建設セクター

バブル崩壊震源地であり、現在も深刻な低迷にあえいでいます。

バブル崩壊前の2005年から2009年にかけて、建設セクターはGDPに対して10%付近の比率だったにも関わらず、

2009年のバブル崩壊きっかけに建設セクターは急速に縮小します。

2007年のピーク時にはGDPの16%を占めていた建設セクターの比率は、2015年には5.1%まで落ち込みます。

しかしながら、2015年を底に2翌年以降は復調の兆しを見せており、

国内経済の回復と外国投資の増加により、年間成長率3%を達成しています。

鉱業セクター

石炭が鉱業生産高の大半を占めています。

その他の鉱業生産品としては、鉄、銅(2015 : 世界19位)、鉛、亜鉛(2015 : 世界24位)、タングステン(2014 : 世界8位)、カリウム(2015 : 世界10位)、カオリン(2014 : 世界21位)、ニッケル(2013 : 世界23位)水銀、金などが挙げられます。

しかし、アメリカ大陸から採掘した金・銀の精錬に使われた水銀のように、

長年の採掘の結果、その埋蔵量を大きく減らした資源が目立ちます。

原油天然ガスの産出も、国内需要を満たすには程遠く、石炭、原油などの化石燃料の大半を輸入に依存しています。


スペインの第三次産業は、GDPの74.08%を占めています。

スペインの第三次産業は、工業化の遅れにより、他の欧州諸国と比べて第三次産業が遅れ気味な点が特徴です。

観光業の発展が進んでおり、2016年の世界観光客数ランキングでは、フランス、アメリカに次いで世界第3位を獲得しています。

欧州の西端の地理条件や年間を通して温暖な気候も助け、イギリス、フランス、アメリカをはじめ、世界じゅうの国々から旅行者がスペインに訪れています。

2016年の観光客数は7556万人でしたが、この数字はスペインの人口約4640万人の150%以上に相当する数字です。

観光収益はGDPの約10%を占めており、

スペイン経済において、工業セクター、金融セクターに続いて3番目に重要だとされています。


その他の特徴

スペインは、再生可能エネルギーが電力生産の主力を占める(2015 : 47%)唯一の国とされます。

エネルギー使用量がEU平均の88%ほどと少ないことも特徴のひとつです。

国土の北部で盛んな水力発電は、電気需要の6分の1を満たし、

2015年の時点では、風力発電が総発電量の23.7%を占める主要な発電です。

これは、22.7%を占める原子力発電による発電量と比べてもほぼ同量で、ヨーロッパを代表する再生可能エネルギー利用国との評価を受けています。

2020年までに風力発電の比率を40%まで高めることを目標としており、再生可能エネルギーの関連技術も盛んに輸出されています。


6 オランダ( GDP : 7775.5億ドル[世界第18位])
主要産業 卸売・小売業、製造品(食品・飲料加工、化学・薬など)、医療・社会福祉
輸出 機械・輸送機器類、化学製品、食品・動物など
輸入 機械・輸送機器等、鉱物性燃料、化学製品等

オランダは1650万人ほどの人口規模ながら世界第18位のGDPを生産しており、

1人あたりGDPは約4,6万ドルと世界第14位の成績を残しています。

鉱物資源には乏しく輸入に依存しているものの、1950年代に発見された天然ガスが歳入の多くを占めています。

経済は1980年代に民営化が進んだものの、比較的に政府の規制の強い混合経済の形態をとっています。

各産業がGDPに占める割合は、第一次産業が1.78%、第二次産業が19.72%、第三次産業が78.5%となっています。(2016)

globalEDGE https://globaledge.msu.edu/countries/spain/tradestatsによると、

主要な輸出品目(2015)は、産業機械が約14%、原油・鉱物性燃料が約13%、電子機器が約9%、医薬品が約6%。

そのあとに、精密機械、プラスチック、輸送機器、有機化学品、鉄鋼などが続きます。

主要な輸入品目(2015)は、原油・鉱物性燃料が約17%、産業機械が約13%、電気機器が約12%、輸送機器が約5%。

そのあとに、精密機器、医薬品、有機化学品、プラスチック、鉄鋼、鉄鋼製品などが続きます。


オランダの第1次産業は、GDPの1.78%を占めています。

農業セクター

2016年の輸出総額の22%を農産品及び農業技術が占めるほど農業セクターは盛んです。

農産品の輸出額は、EUでは第1位、世界ではアメリカに次いで第2位の数字を残しており、

高度な実績を背景に高い需要を持つ農業技術の輸出もまた盛んに行われています。

主要な農産品は、青果、チーズやバターなど牛乳関連の酪農製品、家畜の肉、食料加工品です。

林業セクター

森林がオランダの国土に占める割合は10%ほどと少なく、また自然保護に力を入れる政府により、森林の大半は公共資産とされています。

そのため参入が難しく、発展も限定的なものに留まっているようです。


漁業セクター

漁業セクターは発展が遅れており、小規模だとされます。

魚の国内消費量の4分の3は海外からの輸入に依存しており、またオランダ国内の漁獲量の80%は輸出に回されるため、

魚の輸入量が輸出量を上回る事態が起きています。

これは、過去20年間の間にオランダの漁業が衰退したため、

食料加工業界が他国からの輸入で原料の調達を始めたことが原因の一つとなっているようです。


オランダの第2次産業は、GDPの19.72%を占めています。

工業セクター

工業セクターには、オランダの就労人口の13%が従事しており、輸出の75%が工業セクターから生産されています。

高度に先端化された工業は付加価値を創造する能力に優れており、イノベーションの期待も高まっています。

工業自体は、国の資源の乏しさから日本のような加工貿易が主流です。

原料品をほとんど必要としない機械部品、合成繊維、電気器具のような工業が発達しており、

製鉄、機械、造船、飛行機などの金属工業、豊富な農産品を背景とした食品加工や化学工業も盛んです。

建設セクター

建設セクターは、世界不況が起きた2008年以前と比べて需要も低落していますが、回復の予兆が見えているようです。

鉱業ククター

オランダの国土は狭いこともあり、地下鉱物資源に恵まれていません。

しかし、天然ガスの産出は豊富で、その生産量はEU諸国内で2番目。

一時は、いわゆるオランダ病の原因となったものの、

EU全体の天然ガス埋蔵量の約30%を占める重要なエネルギー資源として、主にEU諸国向けに輸出も行われています。

石油や石炭の需要の大部分は輸入に依存しているものの、

石油精製産業は発展しており、ロイヤル・ダッチシェルが国内のみならず石油メジャーとして世界中で資源開発を行っています。

オランダの第3次産業は、GDPの78.5%を占めています。

オランダは、北海沿岸部に位置する海上交通の要衝として国際貿易を中心に発展してきました。

その地理的特性をいかして、サービス業の中心は金融と流通です。

首都アムステルダムにはユーロネクストの取引所であるアムステルダム証券取引所があり、ライン川河口にあるロッテルダム港はEU最大の港です。

また、知的先進性をいかして創造産業も発展しており、IT産業をはじめとする情報通信産業も発展しています。

その他の特徴

1980年代にいわゆる「オランダ病」を発症しましたが、

先端技術の育成と雇用確保の両立により国際競争力を高めることで対処しました。

一応の復帰を果たし先端工業国として一皮むけたオランダ経済は高度な国力と高い信頼性を示しています。


7 ルクセンブルク( GDP : 599.8億ドル[世界第74位])
主要産業 金融業、鉄鋼業
輸出 鉄製品、タイヤ、自動車
輸入 石油類、自動車、航空機類

ルクセンブルクは、人口約58万人の小国です。

しかし、ヨーロッパの金融セクターとして機能しており、一人当たりGDPは1992年以降世界第1位を継続しています。

その数値は唯一10万ドルを突破しており、2位のスイス(約8万ドル)と比べても2万ドル近い開きがあります。


各産業がGDPに占める割合は、第一次産業が0.23%、第二次産業が12.33%、第三次産業が87.44%となっています。(2016)


globalEDGE https://globaledge.msu.edu/countries/spain/tradestatsによると、

主要な輸出品目(2016)は、鉄鋼が13%、産業機械が約11%、プラスチックが約10%、輸送機械・部品が約7%、鉄鋼製品が約6%、ゴムが約5%、電気機械が約5%。

そのあとに、日用品、アルミニウム、紙が続きます。

主要な輸入品目(2016)は、輸送機器・部品が約12%、石油・鉱物性燃料が約9%、産業機械が約9%、電気機械が約6%、飛行機が約6%、鉄鋼が約6%、プラスチックが約6%。

そのあとに、ゴム、アルミニウム、日用品が続きます。


オランダの第1次産業は、GDPの0.23%を占めています。

農業セクター

農業セクターの発展は限定的です。

土地の余剰が少なく、耕作しても採算を見込めない限界耕作地の多さが農業の発展を妨げています。

農業生産の中心は畜産業で、穀物や野菜、ワインの生産も行われています。

林業セクター

ルクセンブルクは、国土の約33%が森林で覆われており、私有林の割合が約55%に達するにもかかわらず

1990年から2010年までの間に森林の減少率は年平均0.06%、また第一次産業の小ささからも、

林業セクターは極めて微小であることがわかります。

漁業セクター

ルクセンブルクは、フランス、ベルギー、ドイツに囲まれた内陸国なので、漁業セクターは発展していません。


ルクセンブルクの第2次産業は、GDPの12.33%を占めています。

工業セクター

ルクセンブルクの工業は鉄鋼業によってリードされてきました。代表的な企業としては鉄鋼メーカー世界第1位のアルセロール・ミッタルが知られています。

その他の代表的な分野としては、自動車タイヤ、化学などの重化学工業の分野において、

それぞれ大手のグッドイヤー、デュポン、モンサントなどの外資系企業の誘致に成功しており、産業の多角化が図られています。

そのほかにも、断熱材大手のアーマセル、家庭用品大手のラバーメイド、

また食品加工では王家御用達とされる「オーバーワイス」が世界的なブランドの定着に成功するなど、軽工業も発展しています。

しかしながら、産業の重点は重工業から金融業にシフトしており、

第二次産業GDPに占める割合は、1995年の21%から2016年には12.33%に低下しています。

建設セクター

建設セクターが2015年のルクセンブルクGDPに占めた割合は5.4%です。

これはドイツの3.3%、フランスの4.9%、イタリアの4.8%と比べると若干高い数値に見えますが、

これはルクセンブルクがアジアのシンガポールや香港のような欧州の租税回避地であることが関係していると考えられます。

シンガポールや香港で起きている住宅ブームがルクセンブルクでも起きていると考えられます。

鉱業ククター

ルクセンブルクは資源に恵まれておらず、資源の輸出ではなく、人材の独創性と競争力で発展してきた国です。

産業資源の大半を輸入により賄っています。


ルクセンブルクの第3次産業は、GDPの87.44%を占めています。

ルクセンブルクは、地理的にヨーロッパの中心に位置しており、その地理的特性から交通網が整備されているほか、

欧州最大の港を有するオランダと近接する物流の要衝であり、

欧州圏にビジネスを拡大しようとする世界企業にとっては魅力的な立地条件を備えています。

そうした特性を生かして、ユーロ圏におけるプライベート・バンキングの中心地の地位を獲得しています。

国内には、EUの政策金融機関である欧州投資銀行やユーロスタット、

欧州会計監査員といった欧州連合の金融関連機関や世界に2つしかない国際決済機関であるクリアストームが設置されており、

EU諸国の金融機関を束ねる役割を果たしています。

金融業が2013年のGDPに占めた割合は、36%にのぼります。

また、産業の多角化のため情報通信分野や物流業の誘致も進んでおり、GDPの拡大に寄与しています。

その他の特徴

軽減税率を導入することで世界中の企業の本社を誘致することに成功しています。

有名どころでは、スカイプeBay、アップルなどのインターネット関連企業がルクセンブルクに本社機能を移転していることで知られています。

日本企業では、ファナック楽天などが欧州本社を置いています。

ただし、スカイプのような本社をルクセンブルクに完全移転させた企業は稀で、大半は欧州本社だとされています。


8 スウェーデン( GDP : 5110.0億ドル[世界第23位])
主要産業 機械工業、化学工業、林業、IT
輸出 機械、鉄道以外の輸送機器、電気機器、鉱物性燃料、紙・パルプ
輸入 機械、電気機器、鉄道以外の輸送機器、鉱物性燃料、プラスチック

西暦98年からローマの歴史家タキトゥスによって言及されていました。

首都ストックホルムは1523年から絶えることなくスウェーデンの首都機能を担っています。

GDPの約3分の1が貿易によって占められる貿易国家で

各産業がGDPに占める割合は、第一次産業が1.3%、第二次産業が26.03%、第三次産業が72.68%となっています。(2016)

globalEDGE https://globaledge.msu.edu/countries/spain/tradestatsによると、

主要な輸出品目は、産業機械が約16%、自動車・自動車部品が約11%、電気機械が約11%、石油・鉱物性燃料が約6%、紙が約6%、医薬品が約5%。

そのあとに、鉄鋼、プラスチック、精密機械などが続きます。

主要な輸入品目は、産業機械が約13%、電気機器が約12%、自動車・自動車部品が約11%、石油・鉱物性燃料が約10%。

そのあとに、プラスチック、海産物、医薬品、鉄鋼、精密機械などが続きます。


スウェーデン第1次産業は、GDPの1.3%を占めています。

農業セクター

国土の8割が冷帯に属し、耕作可能な農地が国土の10分の1にも満たないため、穀物の栽培よりも畜産業が盛んです。

食料自給率も概ね80%を超えており、野菜類や果実類などの不足分を輸入に頼っていることを除けば、農業効率は高いといえます。

農作地が少ない分酪農が盛んで、農業生産の20%が酪農品によって占められています。

林業セクター

スウェーデンは国土に占める森林の割合が65%と高く、庶民のリクリエーションとして森林散策が定着しているほど自然に恵まれています。

約100年前に政府の発布した森林保護政策では、年間の森林伐採量を森林の回復量以下に抑えることが定められました。

そして持続可能な伐採が続けられた結果、今日の森林は1920年に比べて68%増加していることが報告されています。

しかしながら、林業の生産量は高く、伐採した木材を加工とする産業が成熟しています。

伐採された森林は木材や紙パルプ、製材、家具、プレハブ住宅などに加工されます。

紙、板紙の生産量は2012年で世界第5位のシェアを持ち、輸出の約6%を占めています。

漁業セクターは、

漁業がスウェーデン経済に占める割合は小さく、GDPの1%ほどに留まっています。

政府も持続可能な漁業を目指して、乱獲を防止する目的で漁業に規制を打ち出しており漁獲量も漁業従事者も減少傾向に向かっています。

しかしながら、食品加工の分野は発展しており、近隣のノルウェーアイスランドなどEU域外の国から原料となる魚の80%を輸入しています。


スウェーデンの第2次産業は、GDPの26.03%を占めています。

工業セクター

貿易立国スウェーデンの輸出収益の大半は、工業セクターの貢献に支えられています。

群を抜いて活発なのが工業収益の約半数を生み出す自動車産業です。知名度の高い自動車メーカーは、電気自動車の開発に積極的なボルボです。

その他の産業も幅広く発展しています。

首都のストックホルムでは、情報通信機器や水力発電プラントなどの電気産業が発展しています。

鉄鉱石の産地である北部では、鉄鋼業が栄えています。

森林の比率が高い南部では金属、プラスチック、ガラスなどの化学産業、西部では石油精製産業、製薬業、バイオテクノロジー産業の発展が著しいとされます。

食品加工や兵器産業の発展も進んでいます。

知名度の高い世界企業としては、兵器産業のSAAB(サーブ)、重火器メーカーのボフォース

家電大手のエレクトロラックス、工作機械のサンドビック、世界最大の家具チェーンのイケア、アパレルのH&Mなどがよく知られています。

建設セクター

建設部門は、スウェーデン経済の重要な役割を果たしています。

さらに2016年にスウェーデン政府より発表された「国家リフォームプロジェクト2016」の下で、

今後2020年までの間に大きな成長が予測されています。

このプロジェクトで目指されている目標のひとつに、鉄道、道路、基本インフラの再開発を伴うインフラの再整備が掲げられており、

政府プロジェクトの下で成長がほぼ約束されています。

主な建設業者としては、世界上位のシェアを持つスカンスカが知られています。

鉱業ククター

スウェーデンは鉱物資源に恵まれています。

歴史的に採掘が続いたため突出した資源はありませんが、

2014年の世界シェア第10位を占めた鉄鉱石をはじめ、金、銅、鉛、亜鉛、銀などの資源が採掘されています。


スウェーデンの第3次産業は、GDPの72.68%を占めています。

スウェーデン経済の特徴は、公務員数が多いことが知られています。

公的部門の人数は33%を超えており(日本は9.5%)労働者の3分の1が公的部門に従事していることが考えられます。

また高度福祉国家のため、福祉部門の多くが公的セクターに含まれています。

この福祉部門は、女性労働の受け皿となっており、スウェーデンが掲げる男女平等と高度福祉の理想を支える母体となっています。

サービス業として特筆すべきは、サービスの貿易の多さです。

ビジネスサービスや知識・技術の輸出が財の輸出を上回る数字を計上しています。

主な企業としては、電気通信事業のテリア、小売大手のICAなどが知られています。


その他の特徴

スウェーデンが持つ大企業のほとんどは多国籍企業としての実態を持っており

雇用においては、しばしば外国人をスウェーデン人に優先して雇うことがあります。

エネルギー部門は、石油経済からの脱却を目指しており、

自然エネルギーの利用比率を高める試みがなされています。

2014年に生産された電力の49.8%は、水力・風力・太陽光の自然エネルギーから作られました。

原子力発電に向けた取り組みもなされていますが、しばしば頓挫しているようです。


9 ポーランド ( GDP : 4693.2億ドル[世界第24位])
主要産業 食品、金属、自動車、電機電子機器、コークス・石油精製
輸出 機械機器類、輸送機器、食料品など
輸入 機械機器類、鉱物性燃料、金属製品

EUの東部ブロックに位置しており、2007年-2008年の世界経済不況の被害もEUで最も軽微で切り抜けたことで知られています。

その原因は経済開放直後で成長国としての条件を備えていたなど様々挙げられます。

しかし、非ユーロゾーン圏であったことも大きかったのではないでしょうか。

ポーランドは2004年からEUに加盟していますが、今日に至るまで共通通貨ユーロは導入していません。

経済成長も順調です。

2017年9月、イギリスのデータ関連会社のFTSEは、ポーランド経済が先進国投資により急成長を続けるエマージング経済から

先進国市場の状態に移行したとする報告を行っています。


各産業がGDPに占める割合は、第一次産業が2.41%、第二次産業が33.34%、第三次産業が64.25%となっています。(2016)

globalEDGE https://globaledge.msu.edu/countries/spain/tradestatsによると、

主要な輸出品目

産業機械が約13%、電気機器が約12%、自動車・自動車部品が約11%、家具が約6%。

そのあとに、プラスチック、石油・鉱物性燃料、鉄鋼製品、船舶、ゴム、肉が続きます。

主要な輸入品目

産業機械が約13%、電気機器が約13%、自動車・自動車部品が約8%、石油・鉱物性燃料が約8%、プラスチックが約6%。

そのあとに、鉄鋼、医薬品、鉄鋼製品、船舶、精密機械が続きます。


ポーランド第1次産業は、GDPの2.41%を占めています。

農業セクター

75%の農家は10ヘクタール以下の小規模で農業を営んでおり、残りの25%が農地の72%を所有しています。

2011年の農作物の上位は、家畜の肉が約24%、穀物が約21%、牛乳が約15%となっています。

そのあとには、野菜が7%、ジャガイモが約6%と続いています。

野菜が輸出に占める割合は0.51%。輸入は0.35%、

肉類が輸出に占める割合は2.18%、輸入は0.80%となっています。

林業セクター

ポーランドの国土は30.6%が森林で覆われており、林業ポーランド経済の重要な位置を占めています。

林業GDPに占める割合は2%とされ、ポーランドの世界第4位の家具類の輸出を支えています。

繊維板の生産量はEU第1位、パーティクルボードの生産量は同2位と高いシェアを持っています。

伐採された木は、製材、家具、セルロース紙、木材産業で使用されます。

木材が輸出に占める割合は1.91%。輸入に占める割合は0.71%。

紙類が輸出に占める割合は1,90%、輸入に占める割合は2.12%となっています。


漁業セクター

ポーランドの漁獲量は少なく、魚介類が輸出に占める割合は0.65%に過ぎません。

対して魚の輸入量は0.87%となっており、食品加工品の原料となる魚が盛んに輸入されていることが分かります。

ポーランドの第2次産業は、GDPの33.34%を占めています。

工業セクター

工業セクターがGDPの25%を占めています。

自動車産業ポーランドの工業生産の11%、GDPの約4%を占めています。

自動車産業の主力は軽量車で、中東欧地域ではチェコに次ぎ第2位のシェアを持っています。

輸出の8%を占める自動車産業は、外資企業が主導しています。

フィアットオペルフォルクスワーゲン、MAN、ボルボスカニアなどの外資企業がポーランドに工場を設置しており、

日本企業ではトヨタも進出しています。

国産のポーランド企業は、主にバス、高速バス、路面電車などを手がけるネヴァグ、ペサ、ソラリス、イェルチ社が有名です。

その他にもEUの「工場」として、多岐にわたる工業製品が生産されています。

パーソナルコンピュータやテレビなどの情報家電の生産が盛んで、電気機器は輸出の12.24%を占めます。

ヨーロッパのテレビ生産の3割をポーランドが占めています。

建設セクター

建設セクターはGDPの約7%を占めます。

鉱業ククター

ポーランドは資源が豊富であり、石炭を中心として多種多様の非鉄金属に恵まれています。

石炭の生産量は2016年で世界第9位です。

琥珀の生産は、世界全体の約80%を占めており、琥珀製品の製造業がダグンスク市に集中しています。

その他の非金属類では、レモン石、カオリナイト、ギプス、チョーク、大理石などの採掘も行われています。

なお金属類では、世界第8位の銀(2014)をはじめ、亜鉛、鉛、銅など一定の資源に恵まれています。


ポーランドの第3次産業は、GDPの64.25%を占めています。

経済の発展パターンをたどり、ポーランドのサービス産業は年々その比率を高めています。

特に、BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)に代表されるビジネスサービスの成長が著しく、

2011年には、中東欧地域におけるビジネスサービスの38%をポーランドが占めています。


その他の特徴

電力生産の大半は化石燃料に依存しています。

ユーロ目標に従い、2020年までに再生可能エネルギーの比率を15%まで高めることが目指されています。


10 ベルギー( GDP : 4665.6億ドル[世界第25位])
主要産業 化学工業、機械工業、金属工業、食品加工業
輸出 鉱物油関連製品、医薬品、自動車・関連部品など
輸入 鉱物油関連製品、自動車・関連部品、医薬品など

オランダと隣接し外洋に面する地理条件から貿易が盛んです。

貿易依存度の高さが特徴で、輸出依存度と輸入依存度はそれぞれ87.1%と81.1%に達します。

各産業がGDPに占める割合は、第一次産業が0.74%、第二次産業が22.25%、第三次産業が77.01%となっています。(2016)



globalEDGE https://globaledge.msu.edu/countries/spain/tradestatsによると、

主要な輸出品目

医薬品が約11%、自動車・自動車部品が約10%、石油・鉱物性燃料が約8%、有機化学品が約8%、産業機械が約7%、プラスチックが約7%。

そのあとに、宝石・金属類、精密機械、鉄鋼、電気機器が続きます。

主要な輸入品目

石油・鉱物性燃料が約12%、自動車・自動車部品が約11%、医薬品が約10%、有機化学品が約9%、産業機械が約8%。

そのあとに、宝石・金属類、電気機器、プラスチック、精密機械、鉄鋼が続きます。


ベルギーの第1次産業は、GDPの0.74%を占めています。

農業セクター

農地面積が国土の4分の1しかなく、発展は限定的な範囲に収まっています。

穀物が輸出に占める割合は0.15%に過ぎません。

農業生産の3分の2が酪農及び家畜関連製品です。

肉類は輸出の0.86%を占めています。

林業セクター

林業の発展も小規模に収まっています。木材が輸出に占める割合は0.63%に過ぎません。

紙パルプの輸出も0.19%とわずかな数字に留まっています。

漁業セクター

漁業の発展も小規模に収まっています。

漁獲量の大半は国内で消費されており、輸出に占める割合は0.20%に過ぎません。


ベルギーの第2次産業は、GDPの22.25%を占めています。

工業セクター

製造業がGDPの約6分の1を占めています。

主要な産業は、冶金、鉄鋼、繊維、化学産業、ガラス、製紙、自動車産業、食品加工の発展が顕著です。

輸出の盛んな工業製品としては、医薬品(輸出の約11%)、自動車・自動車部品(約10%)、石油製品(約8%)、有機化学品(約8%)、産業機械(約7%)、プラスチック(約7%)、宝石・金属類(約4%)、精密機械(約3%)、鉄鋼(約3%)、電気機器(約3%)が挙げられます。

これらは輸出の上位10位にも該当し、加工貿易を中心とするベルギーの盛んな工業を裏付けています。

建設セクター

建設セクターはGDPの約5.4%を占めています。

欧州債務危機の余波を受け2012年から2013年にかけて不調に陥っていましたが、

景気も持ち直しと建設プロジェクトに支えられて2013年を機転に緩やかな回復を続けています。

鉱業ククター

かつては、石炭や鉄鉱石、亜鉛などの豊富な資源に恵まれていましたが、

国内での採掘はすでに停止しています。

輸入した原料品を加工するスタイルが定着しており、鉱物資源を含めた原料品の輸入が盛んに行われています。


ベルギーの第3次産業は、GDPの77.01%を占めています。

金融、ビジネスサポートの分野で外国投資が集まっており、

ユーロネクストに加わったブリュッセル証券取引所は、ユーロネクストブリュッセルと呼ばれています。

観光業は主にフランドル地方で発展しており、EU圏を中心に広く旅行者を受け入れています。


その他の特徴

ベルギーの首都ブリュッセルには、欧州連合の主要機関が集中しており、「EUの首都」とも呼ばれています。

主要機関としては、欧州委員会欧州連合理事会が置かれており、

こうした機関との連携が取りやすいことから近年では欧州議会の活動もブリュッセルで行われるようになってきています。

また北大西洋条約機構(NOTO)の本部もブリュッセルに置かれています。


隣国のルクセンブルクには、欧州投資銀行やユーロスタット、欧州会計監査員などが置かれ

欧州金融の中心地となっていたことを考えれば

ベルギーは欧州連合の政治の中心地といえるかもしれません。


11 オーストリア( GDP : 3865.9億ドル[世界第29位])
主要産業 農林水産業、鉱業、製造業、建設業、卸売・小売業、運輸・通信業、金融・保険業、専門職・科学・技術サービスなど
輸出 鉄鉱石、石炭、個人旅行サービス
輸入 個人旅行サービス、乗用車、精製油


各産業がGDPに占める割合は、第一次産業が1.27%、第二次産業が28%、第三次産業が70.73%となっています。(2016)


globalEDGE https://globaledge.msu.edu/countries/spain/tradestatsによると、

主要な輸出品目

産業機械が約19%、電気機器が約11%、自動車・自動車部品が約9%、医薬品が約6%。

そのあとに、プラスチック、鉄鋼、鉄鋼製品、紙類、木材、精密機械が続きます。

主要な輸入品目

産業機械が約13%、自動車・自動車・自動車部品が約10%、電気機器が約10%、石油・石油製品が約8%。

そのあとに、プラスチック、医薬品、有機化学品、鉄鋼製品、精密機械、鉄鋼、宝石・金属類が続きます。


オーストリア第1次産業は、GDPの1.27%を占めています。

農業セクター

国土の62%がアルプスにあるため、耕作可能な農地が国土の約半分程度しかありません。

そのため、農業就労人口も少なく、GDPへの貢献もわずかです。

穀物が輸出に占める割合も0.28%と小さく、野菜も0.10%に過ぎません。

肉類と乳製品は、それぞれ輸出の0.82%と0.91%を占めており

植物・穀物栽培に比べると畜産が盛んであることが分かります。

林業セクター

オーストリアの国土の47.6%は森林に占められています。

森林の豊富さから林業は伝統産業として根付いており、林業のみならず貿易、観光など様々な産業の柱となっています。

約30万人のオーストリア人が直接的あるいは間接的に利益を得ているとされ、

林業の経済的、社会生活的重要性を理解して、植林の禁止などにより人工の影響を極小化するなど、

林業の持続可能性を保つための試みが官民一体で取られています。

林業が生産した財が輸出に占める割合は、

紙類が3.17%(輸出品目の第8位)木材が2.91%(同9位)と高い比率を占めています。


漁業セクター

オーストリアは、他国に囲まれた内陸の国であるため、

魚の供給は近隣のドイツ、オランダ、デンマーク、イタリア、フランスといった国々からの輸入に頼らなければなりません。

魚介類など水産食品の輸出は全輸出の0.02%に留まる一方で、

輸入は全輸入の0.20%ほどを占めています。


オーストリアの第2次産業は、GDPの28%を占めています。

工業セクター

オーストリアの工業は、

そのほとんどが、第二次産業革命で発展した鉄鋼、機械、化学、石油などの重化学工業の分野にとどまっています。

しかしながら、オーストリア製品は、サービスや品質の高さで国際市場での信頼を勝ち取っており、国際社会から高い評価を得ています。

輸出に占める割合の大きい工業製品としては、

産業機械(18.54%)、電気機器(10.72%)、自動車・自動車部品(9.43%)、医薬品(5.58%)、プラスチック(4.71%)、鉄鋼(4.20%)、鉄鋼製材(3.35%)、精密機械(2.78%)、アルミニウム(2.66%)、石油・鉱物性燃料(1.97%)、有機化学品(1.61%)

が挙げられます。

またこのうち先頭から7番目までは輸出品目の上位7位と一致しており、その合計は輸出の56.53%を占めます。

GDPの28%が工業由来であることを含め、オーストリアの工業セクターの活発さを示す数字だと言えます。

中でも輸出の18.54%を占める産業機械は突出していますが、

これはオーストリアの技術力を背景に再生エネルギーの発電所、化学プラント、製鋼所、パイプラインなどの受注が

欧米圏から広く集まっているためです。

建設セクター

オーストリアが持つ伝統的な技術や優れたイノベーションは国際的な競争力を形成しています。

優れた建設や高い技術を持った人材を評価して海外市場からの受注が降りることも少なくありません。

実際、オーストリア最大の建設業者であるSTRABAGは、世界の空港や鉄道の建設を手掛けており、

その売り上げの約25%はEU市場からのものです。

また、線路工事メーカーのプラッサー&トイラーの製品は2010年時点で世界104カ国に輸出されており、

日本の私鉄をはじめ公共公団とも深い関わりを持っています。

他にも、voestalpine Schienen GmbH や voestalpine VAE GmbHなど世界的なシェアを持つ企業を持っています。

統計的にもオーストリアの建設業の強さは表れており

世界の鉄道敷設にオーストリアが占める割合は、globalEDGEが集計した129カ国のうち世界で第3位のシェアを持っています。(3.72%)


鉱業セクター

鉱物資源は世界第28位のシェアを持つ鉄鉱石以外には大きなシェアを持つ資源は見当たりません。

また、貿易統計を見ても

宝石・金属類は、輸出の0.92%に過ぎないのに対して輸入の2.22%を占めています。

また同じように石油・鉱物資源は輸出の1.97%に対して輸入の7.90%を占めています。

このことからも、石油・鉱物資源は、産業需要分を含めた国内需要を輸入に依存していることが分かります。


オーストリアの第3次産業は、GDPの70.73%を占めています。

サービス産業は、人口の約3分の2が従事しておりGDPの約70%を占めています。

しかしサービス業の発展は産業の近代化によって進んだものではありません。

サービス部門のほとんどは国営によって営まれており、政府の介入を多く残した構造となっています。

劇場、オーケストラ、オペラ、運輸通信、病院、老人ホームといった領域が国に所有されており、

付加価値を生む事業は、海外でのサービス提供を行う金融や観光業程度に限られています。

観光業も重要なセクターです。

首都ウィーンは、多くの作曲家を輩出した音楽を中心に文化が栄えた歴史を持ち、「音楽の都」とも呼ばれています。

そうした魅力的な歴史背景が評価され、世界中から集まる観光客の数は少なくありません。

2016年には世界第11位、2800万人もの観光客数を受け入れました。

これはオーストリアの人口の3倍を超える数字です。

この観光業がGDPにもたらす貢献は10%近い数字にのぼります。


その他の特徴

1978年に原子力発電を導入するプランが浮上しましたが、国民の強い反対で破棄に持ち込まれました。

その後国会を通過した法案によって原子力発電は法律で禁止されており、

現在ではオーストリアの電力の約3分の1が再生可能エネルギーによって生産されています。


12 デンマーク( GDP : 3067.3億ドル[世界第35位])
主要産業 流通・小売り、畜産・農業、運輸、エネルギー
輸出 機械、医薬品、豚肉、原油
輸入 石油、自動車・関連部品、医薬品


各産業がGDPに占める割合は、第一次産業が1.36%、第二次産業が23.67%、第三次産業が74.97%となっています。(2016)

globalEDGE https://globaledge.msu.edu/countries/spain/tradestatsによると、

主要な輸出品目

産業機械が14%、医薬品が約12%、電気機械が約9%、石油・鉱物性燃料が約6%です。

そのあとに、精密機械、肉類、家具類、鉄鋼製材、プラスチック、海産品が続きます。

主要な輸入品目

産業機械が約12%、電気機械が約10%、自動車・自動車部品が約8%、石油・鉱物性燃料が約7%。

そのあとに、医薬品、プラスチック、精密機械、鉄鋼製材、アパレル、家具類が続きます。


デンマーク第1次産業は、1.36%を占めています。

農業セクター

デンマークの土地はたいへん肥沃なことで知られています。

国土の広い範囲で肥沃であり、国土の約半分が農地として利用されています。

小麦粉・穀物が輸出に占める割合は1.23%を占めています。

また、主要な輸出品目である毛皮や肉類を生み出す畜産業も盛んです。

輸出に占める肉類の割合は3.77%、乳製品は2.41%、家畜は1.07%といずれも高い割合を占めており、

重要な外貨獲得手段となっていることが分かります。

特に飼育の盛んな豚肉はデンマークの伝統産業として根付いており、国土の狭さにも関わらずドイツ、アメリカに次ぐ世界第3位の輸出量を記録しています。(2012)

林業セクター

森林がデンマークの国土に占める割合は約11%に過ぎません。

また政府もプロジェクトによって森林保護の姿勢を打ち出しているため、林業はあまり盛んではないようです。

輸出に占める木材の割合は0.80%ほどに過ぎません。


漁業セクター

漁業セクターも活発です。

北海に面した地理的特性を活かして漁業が活発に行われており、

海産物の輸出が総輸出の2.42%を占めるとおり、捕獲した魚の多くが海外に輸出されています。


デンマークの第2次産業は、23.67%を占めています。

工業セクター

重工業分野というよりも軽工業、また知的産業の発達が顕著です。

重要なセクターは、製薬業界、食品加工、履物産業、毛皮産業などです。

また、製薬企業のノボ ノルディスクは2016年で世界第17位の売上高を残しており、

その他にも高級オーディオメーカーのバング&オルフセン、知育玩具のレゴ、陶磁器のロイヤルコペンハーゲン、靴メーカーのエコー、ミニバラのポールセンローズなどの世界的企業がデンマークから生まれています。


建設セクター

建設セクターは、GDPの5%程度を占めています。

市場の概況としては、外資系建設企業の参入の不足から、成長が低止まりしており

生産性の低さと労働コストの高さの問題を抱えています。

しかしながら、今後の成長に向けた余地が残されているといえるでしょう。

鉱業ククター

デンマークは資源に乏しい国で、鉱業セクターの発展も小規模なものに収まっています。

金属類の資源には乏しい一方で、チョークやリモナイト、粘土、珪藻土などの非金属資源は一定量が採掘されていますが、

他の国と比べてもわずかな量です。

北海に面するため石油と天然ガスの埋蔵を持ちますが、埋蔵量はそれぞれ世界第46位と第51位。

生産量もそれぞれ世界第40位と第45位と大きくありません。


デンマークの第3次産業は、74.97%を占めています。

重税国家のため、経済の大部分を公共セクターが占めるとされます。

隣国のスウェーデン(33%)には届かないものの、公務員の割合は30%近い割合に達します。

特筆すべきは、海運業の売り上げで2016年の世界第1位記録した海運企業のA.P.モラー・マークスが挙げられます。

そのシェアは世界の16.6%にものぼり、海運事業の他にも造船、石油・ガスの採掘などでも活躍しています。

観光セクターも成長を見せていますが、厳しい気候のため来客も夏季に集中しており、成長には限界があります。

その他の特徴

風力発電の導入が進んだ国で、風車を使った風力発電からの電力供給が2015年の国内消費電力の42%を占めています。

電力の節約のため電気料金に諸外国に比べると重い税金がかけられており、

電力消費量も世界60位とブルガリアやモロッコと変わらない量に抑えられています。

ちなみにデンマークの税率は世界一重いとされ、デンマーク所得税は37.4%から63%の累進課税となっているようです。(その代わり公共セクターも世界最大規模に大きいとされる。)

しかしながら高度福祉国家のため市民の生活満足度は高く、国連世界幸福度報告では第1位でした。


13 アイルランド ( GDP : 3044.3億ドル[世界第37位])
主要産業 金融、製薬、食品・飲料
輸出 化学薬品、機械、自動車
輸入 機械、自動車、化学薬品

各産業がGDPに占める割合は、第一次産業が0.97%、第二次産業が41.52%、第三次産業が57.51%となっています。(2016)

globalEDGE https://globaledge.msu.edu/countries/spain/tradestatsによると、

主要な輸出品目

医薬品が約26%、有機化学品が約20%、精密機械が約10%、化粧品が約7%、産業機械が約6%。

そのあとに、飛行機、電気機器、化学製品、肉類、穀物・小麦粉が続きます。(比率5%以下)

主要な輸入品目

飛行機が約17%、産業機械が約12%、石油・鉱物性燃料が約7%、医薬品が約7%、有機化学品が約6%、電気機器が約6%、自動車・自動車部品が約5%。

そのあとに、精密機械、プラスチック、化粧品が続きます。(比率5%以下)


アイルランド第1次産業は、GDPの0.97%を占めています。

農業セクター

かつてはアイルランド経済の主力でしたが、今日では工業化により農業の重要性は低下しています。

しかしながら労働人口の約8.6%が農業従事者にあたり、

国土の大半は放牧地か家畜用の干し草を育てる土地になっています。

気候と豊かな草原に支えられて家畜を一年中牧草地に置いておくことが可能です。

畜産品が輸出に占める割合は、肉類が2.44%、乳製品が1.58%となっています。

穀物・小麦粉が輸出に占める割合も1.90%と低くありません。

またサラブレッドも産業化されており、アイルランド産の血統を持つ馬は世界中で高い評価を得ています。

林業セクター

林業セクターがGDPに占める割合は1%です。

アイルランドが1922年に英国から独立した時、国土に占める森林の割合はわずか1%未満に過ぎませんでした。

しかし、第二次世界大戦の頃から政府による植林事業が進められ、森林の割合は約8倍に増加しました。

20世紀を通して植林活動は続けられ、2016年の時点で国土に占める森林の割合は10.7%に達しています。

しかしながら、林業製品が輸出に占める割合は小さく、

木材が全輸出の0.35%、紙類が0.16%に留まっています。

漁業セクター

漁業セクターは政府により振興が図られており、現在はGDPに対する貢献の小さな漁業セクターを

2030年までにGDPの2.4%まで高めることが目指されています。

しかし、アイルランドの近海は大変魚に恵まれており気候条件も漁業に適しているものの、

豊かな収穫条件が災いして歴史的に他国の漁船の参入が多く、限られた魚を分け合う形となっています。

そのため近年は養殖の育成が進められています。

海産物が輸出に占める割合は0.45%と小規模です。

しかし、輸出に占める割合も0.23%と小さいため、国内消費分を充足させることはできているようです。


アイルランドの第2次産業は、GDPの41.52%を占めています。

工業セクター

1922年の独立から1958年の自由主義の導入まで、アイルランド経済は低成長にあえいでいました。
しかし、1958年の自由主義導入、1987年の共和党による経済改革を通してアイルランドの経済は上昇の恩恵を享受することになります。

共和党が行った公的セクターの削減、軽減税率(1990年代を通して10~12%)の導入、人的資本の育成と競争の促進。

こうした条件にEU市場へのアクセスのしやすさや人件費の安さが加わるアイルランドは、海外資本にとって魅力的な拠点に映ったのです。

1989年のインテルの投資を契機に、アメリカを代表するハイテク企業であるマイクロソフト、グーグルなどの参入が相次ぎます。

同じくアメリカのコンピュータ企業であるデル、ヒューレット・パッカードシマンテック、アップルなどもアイルランド国内に工場を設立しています。

ケルトの虎」と呼ばれたこの時期のアイルランド経済は、

1995年から2000年にかけて経済成長率平均9.4%、2000年から2008年にかけて経済成長率平均5.9%の好景気に沸きました。

こうした外資による直接投資がアイルランド経済の土台を牽引していることは現在も変わりありません。

製薬業は、特に外資系企業の参入が激しく、世界の製薬企業の上位10社のうち9社がアイルランド国内にプラントを製造しています。

医薬品がアイルランドの輸出に占める割合は25.55%に達し、EU圏内では輸出の50%を超えています。

情報通信業もまた、外資の貢献が大きく、国産企業の売り上げは全体の約6分の1に過ぎません。

パソコンや周辺機器などのハードウェアおよびゲームやソフトウェアなどのソフトウェアの輸出が全輸出に占める割合は、約3分の1に達するとされます。

その他の輸出に占める割合が高い品目は、全輸出の20.43%を占める有機化学品、10.4%を占める精密機械、7.06%を占める化粧品などがあります。


建設セクター

建設業界は、相次ぐ投資マネーの流入による不動産バブルとその崩壊の現場となりました。

2008年-2013年の銀行の不良債権問題の時期は、バブルから一転して大きく後退したものの

IMFとEUの協力もあり、2013年には不況から脱却。

2007年のバブル期に比べると売り上げは半分程度に落ちたにせよ、2015年には景気回復に支えられて年15%の成長を遂げています。

熟練技術者の不足など、外資主導で成長を遂げた国に特有の問題を抱えていますが、逆にまだ成長の余地があるといえるでしょう。

THE IRISH TIMES発表の企業ランキングでは、

国産建設企業のCRHが

第2位のMedtronic Plc(製薬)、第3位のGoogle(情報通信)を押しのけて第1位にランクインしています。

鉱業ククター

アイルランド亜鉛(2015 : 世界第11位)と鉛(2015 : 世界第16位)が豊富です。

wikipedia等にはEUへの輸出が盛んだと記載されていますが、

globalEDGE(https://globaledge.msu.edu/countries/ireland/tradestats)記載の貿易統計では、

亜鉛と鉛が輸出に占める割合は、それぞれ0.00%(0.01%未満)と0.03%にわずかな数値に留まっています。


アイルランドの第3次産業は、GDPの57.51%を占めています。

金融からホテル業まで広域に含むサービス業に、アイルランド人口の約75%が従事しています。

GDPへの貢献は57.51%。

他の西欧圏の国々が概ね70%台の割り当てがある中で、

[スペイン(74.08%)、オランダ(78.5%)、スウェーデン(72.68%)、ポーランド(64.25%)、ベルギー(77.01%)、オーストリア(70.73%)、デンマーク(74.97%)]

外資による工業化で発展したアイルランドは、GDPに対する第3次産業の貢献が57.51%と小さいことが特徴になっています。

しかしながら、製薬業界や情報通信事業の進出は、製品の製造だけでなく、

研究やイノベーション事業、マーケティングなどサービス産業にも幅広い雇用を提供してきたことは見逃せません。

その他の特徴

2008年を機に深刻なバブル崩壊を経験したアイルランドですが、

危機を脱した2013年から2年後の2015年の経済成長率はなんと異例の26.3%となっています。

背景にあるのは英国のEU離脱です。

英国がEUを離脱すれば英国を拠点とする企業はEU市場内での無関税の恩恵を得られなくなります。

特に、EU圏内での無関税メリットを狙って英国に進出した外資系企業は、EUにい続ける合理性を失います。

そこでEU圏に属する新しい拠点を探すことになりますが、

受け皿となったのが、英国のほぼ真西に位置して法人税(12.5%)も所得税も低いアイルランドだったのです。

こうしてアイルランドは英国に代わる外資系企業の受け皿として経済成長26.3%を達成したのです。

英国といえばロンドンという大金融都市を持つ国ですから、今後はアイルランドの金融業も成長が見られるかもしれません。


14 フィンランド( GDP : 2386.0億ドル[世界第44位])
主要産業 紙・パルプ等、金属、機械、電気・電子機器、情報通信
輸出 機械、紙製品、石油精製品等、鉄鋼
輸入 車両・機械、石油精製品等、金属・鉱石


各産業がGDPに占める割合は、第一次産業が2.48%、第二次産業が26.92%、第三次産業が70.6%となっています。(2016)

globalEDGE https://globaledge.msu.edu/countries/spain/tradestatsによると、

主要な輸出品目

産業機械が約14%、紙類が約14%、電気機器が約9%、鉄鋼が約7%、石油・鉱物性燃料が約7%、自動車・部品が約6%。

そのあとに、木材、精密機械、プラスチック、紙パルプが続きます。(比率5%以下)

主要な輸入品目

石油・鉱物性燃料が約14%、産業機械が約12%、電気機器が約10%、自動車・自動車部品が約8%。

そのあとに、医薬品、プラスチック、鉄鋼、鉱石、精密機械、鉄鋼製材が続きます。(比率5%以下)


フィンランド第1次産業は、GDPの2.48%を占めています。

農業セクター

フィンランドは農作には適していません。

冬の期間が長く耕作可能な時期が短いばかりか土地も痩せており、細かな手入れと農業インフラの整備なしでは満足な生産は望めません。

そのため、穀物栽培がフィンランド経済に占める重要性は小さく、穀物は全輸出の0.27%、穀物・小麦粉類は同0.16%に留まっています。

穀物栽培に比べると活発なのが畜産業セクターです。

自給自足的な供給構造となっているため、畜産品が輸出に占める割合は、肉類が0.20%、乳製品が0.02%と小規模に留まっています。
最も盛んなのは毛皮の輸出で、狐やミンクから取った毛皮が国際市場で高い評価を得ています。(globalEDGEが集計した129カ国の輸出のうち第4位の6.22%を占める。)

毛皮が輸出に占める割合は1.16%と比較的高い数字になっています。

林業セクター

フィンランドが持つ湿潤な気候と土地の条件は木の成長に理想的だとされます。

フィンランドの国土の約76%が森林に覆われており、歴史的にフィンランド人の暮らしを支えてきました。

フィリピンで最も重要な資源とされる森林は、財の源泉としてフィンランド経済に重要な役割を果たしています。

貿易統計を見ても、

林業セクターが輸出に占める割合は、紙類が13.51%、木材が4.60%、紙パルプが約3.36%といずれも大きな数字になっています。

また、林業で伐採された木材は、木材加工のために製造業、製紙のために化学産業に運ばれ、工業部門を支えています。

こうして出来上がった木材、紙パルプ、紙類が生み出す財の合計は、全工業生産の約18%、輸出総額の約20%にものぼり、

林業フィンランド経済を支える重要なセクターであることが読み取れます。

漁業セクター

フィンランドは長大な海岸線を持つにも関わらず漁業人口に乏しく、漁業の発展は著しく遅れています。

漁業人口もおよそ3500人ほどに過ぎず、GDPに対する漁業の貢献はわずか0.2%です。

海産物が輸出に占める割合も、0.05%と小さく、一方輸入に対しては0.44%の比重を持っています。


フィンランドの第2次産業は、GDPの26.92%を占めています。

工業セクター

北半球の高緯度に位置する寒冷な自然条件を抱えながら

フィンランドの経済は高度化が進んでおり、

GDPの約3分の1が製造業から生産されています。

産業構造は、地理条件から工業化の遅れがみられたものの、他先進国と同様に製造業のアウトソーシングが進んでおり

国内企業はハイテク産業や電子産業、化学産業の比重が高くなっています。

この分野における主要な品目は、

医療機器や工場設備など輸出の13.60%を占める産業設備、

ノキアの通信機器等をはじめ輸出の8.52%を占める電気機器、

同じく輸出の6.76%を占める石油製品などがあります。

また製造業は、輸入した原料に付加価値を加えて再輸出する加工貿易が主流となっており、

溶接された銅管や鉄管、メッキした鉄板のような完成品も製造されています。

輸出では、6.78%を占める鉄鋼、1.93%を占める銅製品などがあります。

特に銅の輸出は、globalEDGEが集計した129カ国の輸出のうち、4.08%のシェアを持っています。(世界第10位)

しかしながら、国内の銅の採掘量は微量であり(世界第31位)、外国からの輸入も世界全体の0.07%ほどを取り寄せているに過ぎません。

それでも輸出では世界屈指のシェアを持っているのですから、いかにフィンランド企業が原材料に高い付加価値を与えているのかが伺えます。





その他には、輸出の1.41%を占める船舶の製造も盛んです。(129カ国では22位と国際貿易のシェアは大きくない)

建設セクター

建設セクターは、2015年のGDPの約12%に寄与したとされます。

これは他のヨーロッパ諸国と比べても高い数字です。

2012年から2014年の期間は、欧州債務危機の余波を受けて下降したものの、

2015年に始まった政府の成長プロジェクトのもとで、建設市場は新築ブームに沸いており市場は活況を呈しています。

特に、再生可能エネルギー関連の建設が活発です。

鉱業ククター

フィンランドは、寒冷な気候や加工貿易の重要性から高い電力需要を持ちます。

にもかかわらず、国内からは石炭や石油の産出がないため、エネルギー資源の需要の大半は輸入で満たしています。

石油・鉱物性燃料が輸入の総額に占める割合は13.76%と、品目の中で最も大きな数字となっています。

一方で鉱物資源は、世界第5位の生産量を持つクロム、同12位のニッケル、同17位のコバルト、同30位の亜鉛など世界的に多産な目立ちます。

こうした産出量の多い鉱物資源は、いずれもメッキや合金の材料に適した性質をもつため、フィンランドの盛んな金属加工業を支えているものと思われます。


フィンランドの第3次産業は、GDPの70.62%を占めています。

フィンランドは隣国のスウェーデンと違って公的セクターの重要性が低く、公務員の割合も20%ほどに過ぎません(日本は9.5%)。

GDPの約70%を占めるサービス産業のうち、民間のサービスセクターからの生産が全GDPの50%を占めるとする統計もあります。

サービス業の約65%は、民間セクターによって提供されているとされ、

卸売や小売、健康、社会サービス、宿泊、輸送、情報通信などが含まれます。

残りの約35%は、自治体や国の公務員です。

サービス産業のデジタル化が進められており、高度な福祉サービスと教育サービスを柱とした環境業の奨励も行われています。

その他の特徴

フィンランドはエネルギー需要の高い国です。

北半球の高緯度に位置するため冬は厳しい寒さに見舞われ、暖かい空気の確保のための電力消費が欠かせません。

また国家の経済は工業分野に依存しているため、工場の稼働に大きな電力需要が生じます。

こうした電力需要に対し、フィンランドはその全てを自給で満たすことができていません。

石油資源に乏しいため、エネルギーの約20%は輸入に依存しています。

現在のエネルギー供給は、原子力発電が約25%、水力発電が16%となっていますが、

エネルギー自給を高める差し迫った必要性から原子炉増設に向けた動きが進みつつあるようです。

政府の教育と研究に対する高い支出を背景に国民の知的水準は高く、一人当たりの特許数で世界最上位を記録しています。

アフリカ連合(AU)の貿易構造-6 東アフリカ共同体(EAC)

東アフリカ共同体(EAC)とは


EACの特徴について、早稲田大学 国際教養学部の片岡貞治さんは自身の論文「アフリカにおける地域統合ー現状と課題ー」の中で

「域内貿易が他のREC(地域ブロック)よりも活発である」としています。

規模の小ささも助け、加盟国同士を結ぶインフラの整備や政策の相互調整など

他のブロックよりも一歩先に進んだ展開を見せているようです。

片岡氏は、その様相を「EACはアフリカ経済統合のロールモデルとなりつつある」としています。


EACの内部では、共通パスポートの導入が行われており、

加盟国の国民はビザなしで域内を自由に移動でき、さらに6ヶ月以内であれば滞在することも可能となっています。

これは既に東アジアにも見られる動向ですが

EACでは次のステップとして、経済協力の促進にも既に着手されています。

同氏の論文によるとEACでは、

就労の自由を実現する目的で、職業資格や技能などの相互認証制度や労務管理など

社会政策及び雇用政策の調整も行われているようです。

こうした動きは、域内での職業の共通ライセンスなど、本国人と外国人の区別をなくす動きに向かっていくのでしょう。


2016年時点での域内人口及び総GDPは、それぞれ1億6432万人、1581.0億ドルです。

これは、加盟国が最も少ないこともあり、アフリカの地域ブロックでは最低の数字となっています。



1 ケニア( GDP : 705.3億ドル[世界第69位] )

主要産業 農業(コーヒー、紅茶、園芸作物、繊維など)、工業(食品加工、ビール、タバコ、セメント、石油製品、砂糖)、鉱業(ソーダ灰、ほたる石)
輸出 紅茶、園芸作物、コーヒー、魚
輸入 鉱業製品、資本財、食料品

アフリカの沿岸国を構成するケニアは、アフリカの国では比較的工業化の進んだ国だとされます。

しかしながら労働人口の約60%~75%は農業に従事しており、本格的な工業化には至っておりません。

2012年の輸出品目を見ても、売上の多かった品目の上位が

紅茶(輸出全体の21.1%)、園芸作物(16.9%)、コーヒー(4.6%)、衣料品・アクセサリー(4.39%)と農産品ばかりなことからも分かる通り、

発達しているのは、収穫した農産品の加工を行う軽工業の段階に留まっているようです。

地下資源には乏しく、エネルギーの100%を輸入に依存しています。

また、最も盛んだとされる金の採掘も1.6トン程度に過ぎません。(1位は中国の450トン)

しかしながら、若年人口の多さ、民間セクターの強さ、熟練労働者の多さ、整ったインフラ、多くの国の軍港を抱える戦略的重要性

これらの要素により、ケニア経済は今後の発展に向けて大きなポテンシャルを持った国であることは間違い無いようです。


2 タンザニア( GDP : 476.5億ドル[世界第81位] )

主要産業 農林水産(コーヒー、麻、茶、綿花、ナッツ、タバコなど)、製造・建築、サービス
輸出 金、タバコ、コーヒー、ナッツなど
輸入 石油、輸送機器、機械、建築資材など

ケニアの南に位置するタンザニアは、後発開発途上国のひとつに数えられる国です。

労働者の80%が農業に従事する農業国で、輸出の85%が農産品によって占められています。

鉱業部門は、金の採掘が盛んで輸出の90%を占めています。

金の産出量は、アフリカの国では南アフリカ共和国とガーナに続いて3番目に多いとされ、豊富な金鉱床に恵まれています。

工業部門は、食品加工とタバコ、消費財などの軽工業が発展しており、

また建設が伸びを見せているようです。

財政的には、

債務対GDP比は39.5%と大きく無いものの、そのうち81%は外国に対する負債となっているようです。

また、銀行のうち約48%は外国人所有とされ、外資依存の傾向が見受けられます。


3 ウガンダ( GDP : 253.1億ドル[世界第101位] )

主要産業 農林水産、製造・建設、サービス
輸出 コーヒー、魚・魚製品、綿花、紅茶、タバコ
輸入 石油・石油製品、機械類、自動車

ウガンダは、大変肥沃な土地に恵まれており商品作物であるコーヒーの輸出が盛んです。

コーヒーの生産量は2014年において世界第10位(アフリカでは2位)にランクインしています。

軽工業も発達していますが、収穫した農産品の加工を行う軽工業に限られており、重工業の発展には繋がっていません。


4 ルワンダ( GDP : 84.1億ドル[世界第139位] )

主要産業 農業(コーヒー)
輸出 コルタン、スズ、茶、コーヒー
輸入 消費財、中間財、資本財、エネルギー

人口密度の高い内陸国であるルワンダでは、人口の90%近くが農業に従事しています。

主な農産品は、バナナ、キャッサバ、豆類、モロコシ、ジャガイモ、サツマイモ、トウモロコシ、米などが栽培されています。

輸出用の商品作物は、主にコーヒーと茶が出荷されています。

資源には乏しい国だとされますが、

世界第12位のスズ、世界第6位のタングステンなどの鉱物資源が重要な収益源となっているようです。

また工業部門は、国内消費向けの手押車など農産器具、飲料品、石鹸、セメント、プラスチック、衣服、タバコなどの製造が行われています。


5 ブルンジ( GDP : 31.4億ドル[世界第160位] )

主要産業 農業(コーヒーなど)
輸出 コーヒー、茶、製造品
輸入 中間財、消費財、資本財

後発開発途上国の1つであるブルンジの経済は、長期の内戦と経済制裁によって、壊滅状態に陥っています。

商品作物の輸出が外貨収益の約9割を占めるとされ、

コーヒー(全輸出の69%)、紅茶(同じ26%)、綿などの一次産品への依存が続いています。

主要な輸入品目は、食料品、建築資材、燃料です。

国民の貧困率は64.9%に及び、

国外からの援助金が歳入に占める割合は42%と

アフリカの国でも2番目に高い数字になっています。


6 南スーダン( GDP : 30.6億ドル[世界第161位] )

主要産業 原油、農業、林業、畜産業、漁業
輸出 原油
輸入 原料糖、大型建設車両、車両、セメント

2011年にスーダンから独立した産油国です。

南スーダンが独立する前のスーダンでは、石油の85%が南スーダンからの産出だったとされます。

それほど、南スーダンには油田が集中しています。

石油収入が国家予算の98%を占めるとされ、外資主導の採掘が南スーダンの広い地域で行われています。

農業のポテンシャルも大きいとされますが、独立時点では耕作地の4.5%しか使われていなかったそうです。

現在においても、食料供給は近隣諸国からの輸入に頼っています。

2011年の南スーダン独立でスーダンが石油を失ったのと同じように、南スーダンナイル川流域の肥沃な土地を失ったといえるでしょう。

しかしながら土地のポテンシャルは高いようなので、今後の発展に期待です。




おわりに

東アフリカ共同体には、東アフリカ共同役務機構という前身組織があります。

すでに解体されたこの機構は、アフリカ諸国がイギリス植民地から独立する際に、

英領東アフリカの下で同じ関税同盟の下にあった地域を統一させる目的で設立されました。

これはタンザニアウガンダケニアの間で結成されました。

しかし、機構の運営はうまくいきません。

加盟国の間に東西冷戦構造が介入すると、親米のケニアと親ソのタンザニアに対立構造が作られ、

さらにはウガンダの内情がクーデターによって荒れるなど、3国の関係は極度に悪化します。

こうした中で1977年に機構は解体。

翌年の1978年にはタンザニアウガンダの間で戦争まで起きています。

その後、旧加盟国の政情安定が果たされた2001年に「東アフリカ共同体(EAC)」が再結成され、

2007年のルワンダブルンジ、2016年の南スーダンを加え、地域統合を目指して活動が行なわれています。

したがって、西部ブロック、中部ブロックのフランス植民地起源の国々に、CFAフランの導入が見られたように、

COMESAの土台は、旧イギリス植民地(英領東アフリカ)を起源に持つ国々となっています。

旧英領という共通項によって結びついた国々ですから、元々ブロックでの自給自足などは考えられていません。

ケニア南スーダンを除けば、商品作物の輸出で食いつなぐ自給自足農業国ばかりです。

またケニアも冷戦時代に親米路線をとった関係で国内のインフラは整っているようですが、国内の工業力は不十分です。

また、南スーダンも独立したことでスーダンの肥沃な土地を失った原油依存国です。

食料自給の望めない南スーダンにとっては、自然豊かなウガンダタンザニアとの連帯は利益の大きなものとなるでしょう。

また、同じ民族を抱えるルワンダブルンジでも、過去に発生した虐殺の背景には食料供給の不足と飢餓がありました。

その意味でも、肥沃なウガンダタンザニアとの連帯は、有益なものとなるでしょう。

アフリカ連合(AU)の貿易構造-5 東南部アフリカ市場共同体( COMESA)

アフリカの統一市場の創設を目指して各地に地域ブロックが作られています。

これまで北部、西部、中部、南部と順番に貿易構造を調べてきましたが、

一応、今回の東部ブロックの調査ですべてのブロックの観察が完了したことになります。

東アフリカの地域統合には2つの種類が存在します。

東アフリカ共同体(EAC)と東南部アフリカ市場共同体(COMESA)がありますが

今回の記事では、COMESAの域内貿易を調査することを目的とします。


東南部アフリカ市場共同体(COMESA)とは

COMESAは、1994年に設立された自由貿易協定です。

東南部アフリカ諸国を中心に20カ国が加盟しており(19カ国という表記があちこちに見られるが、Wikipedia記載の加盟国を合計すると20国になる)、最終的には他ブロックとの統合が予定されています。

2016年における域内人口の合計は5億1277万人、同GDPは7477.7億ドル。
これは北部ブロック(AMU)、西部ブロック(ECOWAS)、中部(ECCAS)、南部(SACU)と比べても、人口・GDPともに最大となります。
[参考 : 2016年 日本 人口 : 1億2696万人 GDP : 4兆9365億ドル]


1 エジプト (GDP : 3323.5億ドル[世界第32位])

主要産業 製造業(16%)、石油・天然ガス(17%)、小売・卸売(11%)、農林水産業(11%)
輸出 原油(9.3%)、石油製品(7.6%)、衣類(5.8%)、肥料(3.4%)など
輸入 石油製品(12.9%)、鉄鋼一次製品 (5.0%)、小麦(3.4%)

地中海沿岸国を構成しアフリカ大陸への入り口に位置するエジプトは、BRICSの次の成長国として期待されるNEXT11にも含まれている有望国です。

しかしながら、国家財政はスエズ運河の利用料と観光収入への依存が強く、政情に左右されやすい経済構造になっています。

産油国ですが、1993年をピークに毎年減少しており、石油関連の国内需要分は近隣の中東諸国からの輸入に依存しています。

一方で、未開発の金鉱床が発見されており、観光収入やスエズ運河の収入を超える富をもたらすとの声もあるほど、鉱業部門は成長中だとされています。

工業部門は、バスやトラックを製造し中東諸国を始め世界中に広く輸出されている自動車産業

窒素肥料の生産を中心とした化学工業、

洗濯機や冷蔵庫を始め家電製品を広く扱うオリンピックグループ、

鉄鋼業、ヨーロッパ市場との近さを生かした縫製業など、

南アフリカ共和国ほど盛んではないにせよ、アフリカ屈指の工業力が育っているようです。


2 スーダン (GDP : 944.2億ドル[世界第63位])

主要産業 鉱業、農業、林業、畜産業、漁業
輸出 金、家畜、食用油、ガソリン
輸入 さとうきび、ガソリン、乗用車、薬品

2011年に南スーダンが分離独立するまではアフリカ大陸最大の国土を有する国家でした。

1955年から2度に渡って続いた内戦の余波により、広い地域で基本的なインフラが壊滅状態に陥りましたが、

インフラの再整備を受注した中国の手によって、90年代から石油のパイプラインや鉄道敷設を含めたインフラの再整備が行われています。

2011年には、油田が集まる南部スーダンの独立が起こり、翌年の2012年には石油製品の収入が約75%落ち込むなど、

スーダン経済はピンチに陥りました。

しかし、政府の財政出動によって建設ブームが起こり、2016年まで継続して年2.7%以上の経済成長を示すなど、景気後退は落ち着いています。

工業部門は、食品加工、機械組み立て業、プラスチック関連、家具、製糖業など軽工業が首都では栄えています。

またスーダンは、東アフリカの医療産業のハブとして、周辺国に医療設備や器具、特許などを提供しており、

70%のニーズに応えることに成功しています。


農業部門に関しては、ナイルの氾濫を防止する目的で作られたアスワンハイダムの完成に伴い、

綿花やピーナッツなどの輸出向け商品作物の栽培が活発になりました。

農業には、国民の約8割が従事するとされ、小麦、トウモロコシの栽培が盛んに行われています。

また家畜も盛んに輸出されています。

鉱物資源に関しては、有望視されつつもこれまで採掘が行われていなかった鉱山が、

2011年の南スーダンの独立をきっかけに新たな収入源として注目を浴びています。

中でも金鉱床は、原油に代わる新たな戦略物資として政府が位置付けるなど戦略的重要性を秘めています。


3 エチオピア(GDP : 725.2億ドル[世界第67位])

主要産業 農業(穀物、豆類、コーヒー、綿、サトウキビ、ジャガイモ、チャット、皮革)
輸出 コーヒー、チャット、金、皮革製品、油糧種子
輸入 石油、石油製品、化学製品、機械類、自動車、穀物、繊維

域内ランキングは3位ですが、人口爆発により1人当たりのGNIは615億ドルの後発開発途上国です。

また、人口の過半数が18歳以下の年齢層にも関わらず、輸出の60%を占める農業以外の産業が未発達で人口ポテンシャルを生かしきれていません。

その農業も、栽培は商品作物に偏っており、自国の食料需要は輸入で満たしています。

鉱業も金程度しか満足に採掘されず、小さな規模に留まっています。

工業は現状GDPに対して4%に過ぎず、わずかな軽工業が首都のアディスアベバ周辺に集中しているだけに過ぎません

そのうち40%が飲食関連の業種です。また縫製業や皮革加工も輸出市場としての将来性に注目を集めています。

近年は、工業化と民営化に力を入れており、若年人口の労働の受け皿を作ることが急がれています。


4 ケニア (GDP : 689.2億ドル[世界第69位])

主要産業 農業(コーヒー、紅茶、園芸作物、麻、綿花、トウモロコシなど)、工業(食品加工、セメント、石油製品)、鉱業(ソーダ灰、ホタル石)
輸出 紅茶(21.1%)、園芸作物(16.9%)、コーヒー(4.6%)
輸入 石油製品(17.3%)、資本財(14.2%)、自動車(5.4%)

沿岸に位置するケニアは近隣のアフリカ諸国の中では、民営化もインフラ整備も進んでおり、発展が盛んな部類に分類されます。

主な商品作物は、紅茶、園芸作物、コーヒーです。

鉱物資源には恵まれず、わずかなソーダ灰がGDPの1%以下ほど生産されるだけです。

また、ケニアは東アフリカの中でも最も近代的な都市整備が進んでいます。

特にナイロビは、東アフリカの通信・金融(アフリカでは4番目)・交通の中心都市として注目を集めており、

この都市を含め、東アジア最大の港であるモンバサ、キスムの3大都市を中心に

食品加工、ビール製造、精白業、製糖業などの軽工業

また自動車組み立て、原油精製などの重化学工業が発展の兆しを見せています。


5 コンゴ民主共和国 (GDP : 416.2億ドル[世界第88位])

主要産業 農林水産業(パーム油、綿花、コーヒー、木材、天然ゴムなど)、鉱業・エネルギー(銅、コバルト、ダイヤモンド、金、錫、コルタン、原油)、製造業(セメント、製鉄など)
輸出 卑金属、金、原油、コーヒー
輸入 資本財、消費財、エネルギー、原材料

コンゴ民主共和国には豊富な資源が埋蔵されており、未開発資源の総額は24兆億ドルとも試算されています。

1960年のベルギーからの独立時点において、南アフリカ共和国に続く工業国だったにも関わらず、

腐敗、戦争、政情不安定などの要因が重なった結果、更なる経済発展の根を絶たれてしまいます。

国家の経済は1980年代から低迷しており、現在では後発開発途上国のひとつに指定されています。

コンゴ民主共和国の工業は、生産設備の不足、電力不足などの要因により発達が遅れており、GDPに対する貢献も大きくありません。

産業としては、食品、飲料、タバコ、印刷物、履き物、皮革、金属加工、また化学産業では石鹸、塗料、ゴム、プラスチックなどが挙げられます。

輸出の90%は鉱物だとされ、銅、コバルト、亜鉛、錫、石炭、銀、カドミウムゲルマニウム、金、パラジウム、など豊富な鉱物資源に恵まれています。

しかしながら、人口の4分の3以上は、GDPの5分の2を占める農業、畜産、漁業、林業などの部門に従事しています。

コンゴはまた南アメリカのアマゾンに次ぐ広さの熱帯雨林を抱える自然に恵まれた国ですが、

輸送や農業設備の遅れにより関連産業の発展に制約があります。

主要な輸出作物はコーヒーです。


6 リビア (GDP : 331.6億ドル[世界第95位])

主要産業 石油関連産業
輸出 石油など
輸入 自動車、電機製品、食料品

リビアは、アフリカ第1位の原油埋蔵量を誇る資源大国です。(世界ランキングでは、9位)

2011年の革命により石油経済は深刻な打撃を受け、産油量は革命前の4分の1の水準まで減少。

その結果、2016年のリビアの実質GDPは、革命前の半分以下に減少しました。

輸出収益の95%を原油に依存しています。


7 ウガンダ (GDP : 26.20[世界第102位])

主要産業 農林水産業、製造建築など、サービス
輸出 コーヒー、魚・魚製品、綿花、紅茶、タバコ
輸入 石油関連、機械類、自動車

大変肥沃な土地に恵まれています。

それを受けて、主要産業は商品作物の生産を中心とした農業が活発です。

中でも2014年で世界第10位を占めるコーヒーの生産が主力商品となっています。

軽工業も発展していますが、生産した農産品の加工を中心とした軽工業に限られており、発展は限定的です。


8 ザンビア (GDP : 213.1億ドル[世界第105位])

主要産業 鉱業(銅、コバルト)、農業(トウモロコシ、砂糖、タバコ、綿花、オリーブ)、観光
輸出 銅、コバルト、タバコ、皮革類、綿花、コーヒー
輸入 機械類、輸送機器、石油製品、電力、肥料、食料、衣類

ザンビアは輸出の85%が銅資源とされるほど、銅への依存度が高くなっています。

また農業には2000年時点で人口の85%た従事していたとされ、とうもろこしを中心とした商品作物や国内消費用の穀物、青果が栽培されていました。

耕作可能な土地の20%以下しか耕されておらず、まだまだ成長の余地を秘めています。


9 ジンバブエ (GDP : 141.7億ドル[世界第118位])

主要産業 農業(たばこ、綿花、園芸)、鉱業(プラチナ、クロム、ニッケル、金、ダイヤモンド)、観光(ビクトリアの滝など)
輸出 タバコ、鉱物(プラチナ、クロム、金)
輸入 燃料、機械類、自動車(中古車)

かつてイギリスのセシル・ローズによりローデシアが建てられた地域です。

当時は国家の白人至上主義を反映して、国土の大半を白人農場主が寡占する社会構造でした。

その構造を受け継いでジンバブエの農業も少数の白人層に牛耳られていましたが、

1980年代の独立以来大統領の座にあるロバート・ムガベ大統領が農地の強制接収を行います。

白人農場主から強制的に接収された土地は、ムガベ大統領の介入によって黒人農家に再分配されます。

ところが、ノウハウを持つ白人農場主の喪失、白人農主を中心とした集約労働システムの崩壊の結果、

強制接収後のジンバブエには、休閑中の土地が目立つようになります。

結果的に2000年から2007年の7年間で、農業の生産性は半減し、

主要な輸出用作物であるタバコの生産も2000年から2008年で79%落ち込んだこともわかりました。

2009年には、年間インフレ率が約2億3000万%に達し、国民の95%が失業を余儀なくされます。


その後、落ち込んだタバコの生産は中国やイギリス、アメリカのタバコ会社の助けを受けて過去3番目の生産量を取り戻すまで回復していました。

現在のジンバブエの農業は、小規模な黒人農場主によって運営されており、輸出の半分以上が中国に出荷されています。

かつてセシルローズが目をつけたように南アフリカ共和国の土壌には豊富が眠っています。


2016年の主要な輸出品目は、金、ニッケル、プラチナ、ダイヤモンドなどの鉱物とタバコです。

プラチナ(産出量世界第3位)、ダイヤモンド(産出量世界第6位)、金、鉄、銅などがジンバブエの代表的な鉱物です。


10 モーリシャス (GDP : 119.5億ドル[世界第124位])

主要産業 輸出貿易地区における繊維業や砂糖生産など、金融、観光
輸出 繊維、衣料品、砂糖、魚
輸入 機械・車両、食料・飲料

2016年の1人あたりの名目GDPランキングでは、9424ドルとアフリカ諸国では3番目に高い数値になっています。

1968年の独立以前は、農業プランテーションを軸とするモノカルチャー経済に依存していました。

ところが1968年の独立をきっかけに観光業が発展し、

1971年のEPZ(輸出加工区)の設置による輸出型工業の発展などを受け、モノカルチャー経済から脱出することに成功します。

現在の農業はGDPに対して4%前後まで縮小し、工業は20%以上に成長しています。

EPZの実態は、インド企業向けのタックスヘイブン(租税回避地)であり、

モーリシャス居住者の会社がインド本国で売り上げた利益に対する課税は原則免除されています。

またサービス業がGDPに占める割合は、72%程度と最も高くなっており、中でも観光業に占める割合が大きいとされています。


11 マダガスカル (GDP : 97.4億ドル[世界第135位])

主要産業 農林水産業、鉱山業、観光業
輸出 ニッケル、バニラ、チョウジ、宝石
輸入 資本財・原料、燃料、消費財、食料

農業、林業、漁業などの第一次産業に人口の約82%が従事しています。

しかしながら農業の生産性は低く、GDPへの寄与は26%程度に過ぎません。

その結果、国民の約90%が1日2ドル以下の貧困を余儀なくされています。

2011年の輸出収入の上位を占めた商品は、クローブ、バニラ、カカオ、砂糖、ペッパー、コーヒーなどの農産品でした。

中でもマダガスカルのバニラは世界で2番目に栽培が盛んで、全世界に流通しているバニラの4分の1を占めています。

また国土にいくつか設置されている輸出特別区では、輸出用の衣服産業が栄え、

アメリカとのAGOA(アフリカ諸国の産業の発展のために、アフリカ製品に対し関税撤廃などの優遇措置を与える法案)により米国への輸出が盛んに行われています。

また宝石や石油などの鉱物関連の産業も成長中であり、2009年にリオ・ティントが投資を始めるなど開発の姿勢を見せています。


11 ルワンダ(GDP : 84.1億ドル[世界第138位])

主要産業 農業(コーヒー、茶など)
輸出 コルタン、錫、茶、コーヒー
輸入 消費財、中間財、資本財、エネルギー

ルワンダは、アフリカで最も人口密度の高い国だとされ、1人あたりのGDPランキングも最下位周辺です。

GDPの30%ほどを占める農業に人口の90%が農業に従事しています。

耕地は大変肥沃なのです。

しかし、人口の増加に生産の増加が追いついていないため、食料の輸入を余儀なくされています。

輸出向け商品作物は、主にコーヒーと茶が生産されています。

工業がGDPに占める割合は18%ほどです。

国内消費向けの手押し車などの農産器具、また飲料品、石鹸、セメント、プラスチック、衣服、タバコなどの製造が行われています。

ちなみに、鉱物資源に乏しいとされる一方で、世界第12位のスズ、世界第6位のタングステンを産出しています。

12 マラウイ( GDP : 54.9億ドル[世界第147位] )

主要産業 農業(たばこ、とうもろこし、茶、綿花、ナッツ、コーヒー)、工業(繊維、石鹸、製靴、ビール、マッチ、セメント)
輸出 タバコ、紅茶、砂糖、コーヒー、ナッツ
輸入 食料品、石油製品、肥料、消費財など

マラウィは、アフリカ内陸部に位置する農業国です。

GDPの27%を占める農業に国民の約90%が農業に従事するとされ、

農業収益が輸出総額の約80%を占めています。

2016年の一人当たりのGDPランキングでは、188位となっており(189位中)、

IMF世界銀行など国際機関への依存が恒常化しています。

商品作物であるタバコの生産量は、世界10位以内にランクインし、輸出総額の約50%を占めています。

その他の商品作物には、紅茶や砂糖、コーヒが挙げられ、商品作物の輸出総額はマラウィの輸出収益の90%に達します。

工業分野は、GDPに対して10.7%の貢献と小さく(2013)、食品加工や建築、消費財、セメント、肥料などの軽工業が発展しています。

また地下資源に乏しく燃料はすべて外国からの輸入に頼っています。

官僚の腐敗、エネルギー資源の乏しさ、国土の90%に電気が通っていないとされるインフラの未整備、

こうした条件が重なり、マラウィの経済発展を遅らせています。


13 エリトリア (GDP : 53.5億ドル[世界第148位])

主要産業 農業(モロコシ、豆類、大麦、小麦)、工業(金、大理石)
輸出 食料・家畜、ソルガム、繊維製品、食料、工業品
輸入 機械、石油製品、食料、工業品

エリトリアは、エリュトュラー航海記にも登場し、アフリカの紅海沿岸国を構成します。

かつて国境を南に接するエチオピアから併合を受けた過去を持ち、

1961年から1991年の独立に至るまでの30年間に続いた独立戦争

独立を勝ち取った後、1998年から2000年まで続いたエチオピアとの国境紛争により社会は疲弊しました。

1950年代の時点では、エチオピアよりも近代化されたインフラを備えていたエリトリアですが、

30年間に及ぶ戦争の結果、

多くの産業はエチオピアにより接収あるいは解体され

1991年の独立時には、国家収入の大半を港の利用料金とわずかな農業収入に依存するまでに低迷してしまいます。

エリトリアの鉱業は発展していないものの、地下資源は大きなポテンシャルを持つとされます。

しかしながら、鉱床はエチオピアとの国境に沿って位置していることが多く、鉱業の発展を困難にしています。


14 スワジランド (GDP : 37.7億ドル[世界第155位])

主要産業 農業(砂糖、木材、柑橘類)、繊維産業、鉱業(石炭、アスベスト)
輸出 清涼飲料、砂糖、繊維製品、鉱物
輸入 鉱業製品、機械、食料・家畜

王政の国で、国土の三方向を接する南アフリカ共和国との関係が強く

輸入の約85%、輸出の約65%が南アフリカ共和国との間で行われています。

1人あたりのGDPは、3000ドルを超えており、中所得国に分類されます。

南アフリカ共和国アパルトヘイトで混乱していた時期に

経済制裁を恐れた企業の流入が起きたため、

GDPに占める第二次産業の比率は、アフリカ諸国の中では高い40%前後に達しています。

農業部門は、土地の生産性によって二極化されており、

生産性の高い土地で砂糖、木材、シトラスなどが収穫され、またそれを加工する産業の繁栄をもたらす一方で

国民の75%は、生産性の低い土地での自給自足農業を余儀なくされています。

南アフリカ共和国の恩恵を受けて経済の多角化には成功しているものの

住民の約1%ほどの白人が私有地の大半を所有する不平等や国王の散財癖が、更なる成長を妨げています。


15 ブルンジ (GDP : 31.3億ドル[世界第159位])

主要産業 農業(コーヒー、茶など)
輸出 コーヒー、茶
輸入 中間財、消費財、資本財

ブルンジGDPの約40%を農業セクターが占める農業国です。

国民の90%が農業に従事しているとされ、

商品作物の輸出が外貨収益の90%を占めます。

主要な輸出品目は、コーヒー(輸出の69%)、紅茶(26%)、綿、皮革など。

一方の輸入は、建築資材、食料品、燃料などです。

国民の貧困率は64.9%に及び、

国外からの援助金が歳入に占める割合は42%と、

アフリカの国でも2番目に高い数字になっています。


16 南スーダン (GDP : 29.1億ドル[世界第160位])

主要産業 原油、農業、林業、畜産業、漁業
輸出 原油
輸入 原料糖、大型建設車両、車両、セメント

南スーダンは、2011年にスーダンから独立した産油国です。

南スーダンが独立する前のスーダンでは、石油の85%が南スーダンから産出されていたとされます。

それほど、南スーダンには油田が集中しています。

石油収入が国家予算の98%を占めるとされ、南スーダンの全域で採掘が行われていますが、主導しているのは外資です。

農業は、土地のポテンシャルは大きいとされます。

しかし、イギリスのFAO(The UN Food and Agriculture Agency)によると

独立時点では耕作地の4.5%しか使われていなかったそうです。

現在においても、食料供給は近隣諸国からの輸入に頼っています。

2011年の南スーダン独立でスーダンが石油を失ったのと同じように、南スーダンナイル川流域の肥沃な土地を失ったといえるでしょう。

しかしながら土地のポテンシャルは高いようなので、今後の発展に期待です。


17 ジブチ (GDP : 18.9億ドル[世界第165位])

主要産業 運輸(ジブチ鉄道、ジブチ港湾サービス)
輸出 機械・輸送機器、食料・飲料
輸入 機械・輸送機器、食料・飲料

紅海に面したジブチは、農業も工業も未発達な国で、アフリカとアラビア半島のアデン湾を結ぶ地理的特性に依存しています。

諸外国からジブチに輸入した製品を、アフリカの内陸国に再輸出する中継貿易の拠点として発展しています。

主要な輸出品目は、コーヒー、塩、毛皮、豆、シリアル、木材など。

輸入品目は、消費財と再輸出用の製品です。


18 セーシェル (GDP : 14.1億ドル[世界第170位])

主要産業 観光業、漁業(まぐろ)、農業(ココナッツ、シナモン、バニラ)
輸出 マグロ缶詰、鉱物燃料、タバコなど
輸入 鉱物燃料、冷凍マグロ、製紙など

セーシェルは、ソマリアの北西1300kmに位置する共和制国家の島国です。

主要産業は観光業でGDPの83%、マグロなどの魚介類、ココナッツ関連の製品の輸出も重要な収入源になっています。

農業は、かつての主要産業でしたが、今日ではGDPの3%ほどまで縮小しています。

製造業の発展も、食品関連のわずかな分野に制限されており、工業はGDPに対し14.3%となっています。


19 コモロ (GDP : 6.2億ドル[世界第181位])

主要産業 バニラ、チョウジ、イラン・イラン(精油)
輸出 バニラ、チョウジ、イラン・イラン
輸入 石油製品、米、輸送機器及び部品

アフリカとマダガスカルの中間に浮かぶ3つの島から構成され、それぞれの島に自治政府が置かれています。

国民の大多数は、輸出用商品作物を生産する伝統的なプランテーション農業に従事しており、

主要な商品作物としては、香水の製造に必要なイラン・イラン、バニラ、クローブなどが挙げられます。

特にイラン・ラインは、コモロマダガスカル、マヨットでしか生産されておらず、

コモロでの生産は、マダガスカルに続き、世界で2番目に盛んです。

工業の発展は、GDPに対して10%以下。

インフラの未整備から度重なる電力不足に悩まされている通り限定的にしか発展していません。

国家収益は、主に観光業と海外居住者からの送金に支えられており、

農産国でありながら、米を中心とする国民の食料供給は輸入に依存しています。






さいごに

東南部アフリカ市場共同体と同じく地域統合を目指すブロックのうち、

北部ブロックは、地理的に近い旧宗主国のEUやアメリカの原油供給地となっていました。

中部ブロックは、貧困と紛争が相次ぎ一次産品依存に陥いっていました。

南部ブロックは、南アフリカ共和国を中心とする工業化の兆しが見られました。

一方、今回調べた東南部アフリカ市場共同体(COMESA)は、アフリカの東海岸を広く包含していることが特徴の一つです。

その気候・地理条件の多様さを反映して加盟国の特徴も様々です。

産油国であるエジプト、リビア南スーダン

鉱物資源国家であるコンゴ民主共和国ジンバブエザンビア

工業化の兆しが見られたケニアスワジランドスーダン

農産国であるエチオピアブルンジルワンダウガンダマダガスカルコモロマラウイ

中東やインド等との連絡網を果たす、あるいは観光収益が主力となっている、ジブチエリトリアセーシェルモーリシャス

COMESAに加盟する20個の国に様々な特徴が見られました。


しかしながら、豊かな資源と自然に恵まれた国に依存する国が多く、やはり工業の発展は限定的だと言わざるをえないでしょう。


とはいえ、加盟国の1つエジプトの工業力はアフリカでは屈指のものです。

米国の会計会社であるデロイト・トウシュ・トーマツが作成したGlobal Manufacturing Competitiveness Index: Country rankingsによると、

国際的な工業競争力において、エジプトは第37位(29.2点)です。

アフリカ勢では、南アフリカ共和国の第27位(48.1点)には及ばないものの、世界的に競争力を持った工業力が栄えていることが分かります。

なお、40位までしか載っていないランキングですが、アフリカの国は38位のナイジェリア(23.1点)と上記2国を加えて3カ国しかランクインしておりません。

[ちなみに他BRICS諸国は、29位のブラジル(46.2点)、32位のロシア(43.9点)、11位のインド(67.2点)、1位の中国(100点)です。

(中国は現状1位ですが2020年の予測では、2位のアメリカに追い抜かされ93.5点で2位に後退することが予測されています。)]


このように、COMESAは世界的な工業競争力を持ったエジプトを抱えており、

エジプトの隣国には南スーダンの石油を失い代替産業を模索するスーダンが接しています。

工業力を持つエジプトとの相性とタイミングは良いといえるでしょう。

さらにエジプトの隣国リビア原油は主にEUに向けて販売されていましたが、これを域内にシフトできれば発展の速度を速めることが可能になるはずです。

工業力、農産力、鉱物資源、石油を備えたCOMESAは、高いポテンシャルを持ったブロックだといえますが、

貿易を補完的なものにするには、更なる工業力の向上、さらにエジプトを中心とした近隣諸国への工業化の波及が求められるでしょう。

アフリカ連合(AU)の貿易構造-4 南部アフリカ関税同盟(SACU)

南部アフリカ関税同盟(SACU)とは

南部アフリカ関税同盟(SACU)とは、1910年に発効した世界初の関税同盟とされた同盟で、

南アフリカ共和国ボツワナレソト、スジワランドの4カ国の間で結ばれましたが、

1990年にナミビアが加わり5カ国になります。

2016域内合計
GDP : 3258.4億
人口 : 63.43人

南アフリカの地域ブロックには、「南部アフリカ開発共同体(SADC)というより広域なものも存在するのですが、

中部アフリカ諸国経済共同体(ECCAS)と重複する国々が目立ちます。

そのため、本記事ではSACUを優先することにします。


1南アフリカ共和国( GDP : 2941.3億ドル [世界第 39 位] )

主要産業 : 農業(畜業、穀物、青果、羊毛、皮革)、鉱業(金、プラチナ、鉄鉱石、石炭、銅など)、工業(食品、製鉄、化学、繊維、自動車)
輸出 : 貴金属、鉱物製品、化学製品、食料品、繊維製品、機械製品、自動車
輸入 : 食料品、鉱物製品、機械製品、自動車、自動車部品、化学製品、繊維製品

域内GDPの合計額の約90.3%を1国で占めています。

BRICSの一角を占める南アフリカ共和国は、サブサハラ・アフリカ(サハラ砂漠以南のアフリカの国々)では2番目の経済国だとされますが、

サブサハラの諸国の中で最もGDPが大きいナイジェリアは石油資源に依存する1次産品依存国です。

そのことを考慮すれば、実質のNo.1は、工業力を備えた南アフリカ共和国といえるでしょう。

アパルトヘイト廃止後の1996年から経済自由化を推進しており、結果的に外資導入による産業の多角化に成功を収めています。

分野としては、鉱物、農業、漁業、製造業、組み立て業、食品加工、縫製業、情報通信業、エネルギー、金融、不動産、観光、小売業など広範に及びます。
その中で輸出の主力は鉱工業が占めており、

GDPに占める割合は産業の多角化により1970年の21%から2011年の6%まで減少したものの

輸出の約60%を占めています。

プラチナ生産は世界全体の77%を占め、

クロミウムの45%、パラジウムの39%、バーミキュライトの39%、バナジウムの38%、ジルコニウムの30%・・・金の18%などなど

豊富な鉱物資源に恵まれています。

農業品の生産も盛んで、チコリー(4位)、グレープフルーツ(4位)、穀物(5位)、とうもろこし(7位)、柑橘類、サトウキビ、羊毛などなど

農産品も豊富です。

工業においても、食品、繊維などの軽工業から、先進国の自動車企業の受け入れによる重工業など広く発展しています。

他のアフリカ諸国にこれといった工業国が見られない中で、

南アフリカ共和国は、アフリカ最南端に位置する持ち前の地理的条件を生かして、豊富な工業力を備えています。

現時点でまだエジプトなどの調査を終えていませんが、アフリカの中で有望な工業国であることは間違いありません。

ちなみに、1987年の時点では、ヨハネスブルク証券取引所に上場していた全企業の83%がイギリス系のアングロ・アメリカン及び地場財閥3社によって支配されていたようです。


2 ボツワナ( GDP : 150.2億ドル [世界第114位] )

主要産業 : 農業(モロコシ、トウモロコシ)、畜産(牛、羊)、鉱業(ダイヤモンド、銅、ニッケル、石炭)、工業(繊維製品、食品加工)
輸出 : ダイヤモンド、銅、ニッケル、機械
輸入 : 機械・電気製品、燃料、食料品、車両

ボツワナ南アフリカ共和国の北部に位置する内陸国で、

1966年の独立以降、1999年まで平均9%の経済成長率を遂げてきた成長国として知られています。

ボツワナは、ロシアに次いで世界第2位のダイヤモンド生産量を誇っており、

輸出の主力は、ダイヤモンド(90%)などの鉱物になっています。

干ばつや土地の侵食の問題により耕作に適した土地は国土の0.7%しかありません。

そのため、農業セクターはGDPの2.4%(2015)と農業国の多いアフリカ諸国の中では低い数字に留まっており、

国民の半数は自給自足的な農業・牧畜に従事しているものの、国内需要の10%ほどしか賄えていません。

穀物の多くは、南アフリカ共和国からの輸入に依存しています。

工業部門は、生産の多い牛肉の加工を中心とする食料加工など、軽工業は発展しているものの、

現在のところ重工業やハイテク産業はほとんど未発達だとされています。

独立以後、クーデターや内乱は一切経験しておらず政局は安定しています。

政情の安定感と30年間の経済成長を背景にインフラ整備も進んでおり、

ガス水道電気、交通網などの基本インフラストラクチャーや携帯電話網、ITインフラも都市部を中心に整えられています。

経済は、ダイヤモンド依存構造からの脱却を目指して外資導入により産業の多角化を図っていますが

国家の基礎が整っているため、実を結ぶ可能性は十分にあります。

内陸国であるため移動の困難が発生しますが、南アフリカとの間には国際列車や定期長距離バスが頻繁に運行しています。

南アフリカが経済発展を遂げた後の次なる投資国として化ける可能性大といえるでしょう。

唯一の問題であるHIVの蔓延を克服できるかが今後の発展の鍵を握っています。


3 ナミビア( GDP : 106.5億ドル [世界第132位] )

主要産業 : 農業(牧畜)、鉱業(ダイヤモンド、銅、ウラン亜鉛)、漁業(あじ、えび、かに)
輸出 : ダイヤモンド(33.5%)、電気銅(13.7%)、水産物(12.1%)、鉄鉱石(9.7%)
輸入 : 食料品、石油製品、機械製品、化学製品

人口の少なさ、鉱物資源の豊富さ、整備されたインフラによって中進国並みの所得水準になっていますが、貧富の差が世界一激しいと言われています。

これは、先進国並みに豊かな白人層と、伝統的な生活を送る農村部の部族との格差が大きいためです。

豊かな都市部の国民は、GDPの大半を生産している一方で、伝統的な生活を送る国民は自給自足的な農業・牧畜に従事しています。

こうした自給自足的な農業・牧畜には国民の約半数が従事しているとされていますが、耕作可能な土地は国土の10%未満です。

1日2ドル以下の貧困生活を送る層は、国民の約55%に上ります。

ナミビアは輸入品のほとんどを南アフリカに依存しており、

同国とは自国通貨ナミビア・ドル南アフリカ・ラントと1:1にペッグするほど強い関係にあります。

輸出品目は、ダイヤモンド、ウラン、銅、亜鉛、鉛などの鉱物資源と牛肉などが主力となっています。

一方の輸入品目は、資本財や燃料、食料品などが見られます。


4 スワジランド( GDP : 37.7億ドル [世界第155位] )

主要産業 : 農業(砂糖、木材、柑橘類)、繊維産業、鉱業(石炭、アスベスト)
輸出 : 清涼飲料、砂糖、繊維製品、鉱物
輸入 : 鉱業製品、機械、食料・家畜

三方向を南アフリカに囲まれた人口130万人ほどの小国です。

南アフリカアパルトヘイトで混乱に陥っていた頃、経済制裁をくぐり抜けるために進出した南ア企業の投資により

一定の工業化と産業の多角化に成功しているとされます。

GDPへの貢献が最も高い製品は砂糖、及び砂糖から作られる清涼飲料品だとされ、続いて繊維製品が続きます。

鉱物関連では、アスベストが主力ですが、採掘は近年下降しています。

国民の75%ほどが自給自足的な農業に従事しているとされますが、

人口の1%程度に過ぎない白人層が国土の大部分を所有する格差の大きさ、国王の散財癖、世界一のHIV感染率などが

経済成長の妨げになっています。

輸出・輸入の相手国はともに南アフリカ共和国が大部分を占めており、南アフリカ共和国の通貨ラントを共有していることもあり、

関係は大変密になっています。


5 レソト( GDP : 22.7億ドル [世界第162位] )

主要産業 : 農業(トウモロコシ、モロコシ、小麦)、繊維産業
輸出 : 衣料品、ダイヤモンド、畜産品
輸入 : 工業製品、食料・家畜、機械製品

南アフリカ共和国に四方を囲まれた内陸国で、全土が山脈の山中に位置するため平野が一切ありません。

地理的制約により慢性的な食料不足に悩み大部分を輸入に依存しています。

しかしながら、政府は山岳地帯の斜面と豊富な水資源を利用した水力発電に着目しており、

南アへの電力供給、及び水資源の供給は、南アの経済発展に多大の貢献をもたらしています。

経済的には、後発開発途上国の1つに含まれています。

農業に不利なため工業が産業の中心となっており、

先進国企業からの生産移転を受けて、衣服、履物の生産が盛んに行われています。

アフリカの経済を発展させる目的で導入されたAGOAの恩恵を受けたため、

主要な輸出相手国は約半数を占めるアメリカ合衆国南アフリカ共和国となっています。

これがきっかけとなり、2007年に始まったアメリカの不況は、レソトの経済に打撃を与えましたが

2017年現在まで年2%の経済成長を継続しています。

輸出品目は、全体の53%を占める衣類、履物、飲料水です。

一方の輸入品目には、食料品、資本財、工業製品、石油製品などが見られます。

輸入の96.5%は南アフリカ共和国から行われています。






さいごに

2016年の数値では、域内GDPの合計は3258.4億米ドル、人口6343万人という数値になります。

南アフリカ共和国を除けば、どこも人口200万人程度の小国で、人口の大半が農業に従事する農業国でした。

ほとんどの国でダイヤモンドの採掘が活発なのも特徴の一つです。

またすべての国で旧英国植民地の歴史を持っています。

この地域でも、南アフリカ・ラントを通貨として採用するレソトスワジランド、ラントとペッグした通貨を採用するナミビアなど

西部や中部に見られた通貨統合の動きが確認されました。


全体的に中部アフリカのような紛争やクーデターも少なく、インフラ整備の充実と安定した経済発展を遂げている印象を受けました。

しかしながら、地域全体に蔓延しているHIV/AIDSは、今後の南アフリカの発展を左右する問題となりそうです。

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アフリカ連合(AU)の貿易構造-3 中部アフリカ諸国経済共同体(ECCAS)

中部アフリカ諸国経済共同体(ECCAS)とは

中部アフリカ諸国経済共同体(ECCAS)は、1983年に設立された経済共同体で

アフリカ中部及び周辺に存在する10個の国から構成されています。

現在では、

アンゴラ
ガボン
カメルーン
コンゴ共和国
コンゴ民主共和国
サントメ・プリンシペ
赤道ギニア
チャド
中央アフリカ
ブルンジ

が加盟しています。

加盟国は、大航海時代にヨーロッパからアジアへのルートとなったアフリカ西海岸地方に集中しており、

旧植民地の歴史を持つ国が多いです。

そのため、西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)と同様に

貧困と紛争が慢性化する国が散見されます。

では、見ていきましょう。


1アンゴラ( GDP : 958.2億ドル [世界第62位] )

主要産業 : 鉱業(石油、ダイヤモンド)、農業(とうもろこし、砂糖、コーヒー、)
輸出 : 原油、ダイヤモンド、石油製品
輸入 : 機材・電化製品、車両及び部品、医療品

アンゴラポルトガル植民地時代からブラジルへの奴隷輸送の拠点として栄えていました。

1764年より、ポルトガルが宿泊施設や工場の設立など国内開発を進め、奴隷制社会とは異なった路線を進みます。

ところが1975年にアンゴラからポルトガル人が去り2002年まで続く内戦が勃発すると、発達したインフラは壊され、あちこちに地雷が埋められ、経済活動は停滞しました。

しかしながら、国土には豊富な石油とダイヤモンドが眠っており、大きなポテンシャルを持っています。

油田の開発には、シェブロンオイルやブリティッシュペトローリアムなどの外資が大きな役割を果たしており、

2007年の時点でアンゴラの輸出の9割が石油に占められるほど採掘が盛んでした。

近年、内戦時代から親しい関係(現政党に資金援助をしてきた)の中国から原油の輸入が増加しており(石油輸出の50%が中国向けと言われる)、

中国資本から様々な事業での資金援助が降りています。

結果的に、サブサハラ(サハラ砂漠以南の国々)における石油産出量では、ナイジェリアに次ぐ規模にまで成長しています。

しかしながら近年起きた原油価格下落の影響を受けており、

石油依存型の経済からの脱却を図るべく、農業や製造業の育成を進め、産業の多角化を図っています。

人口2200万人程度と規模的には小さいながら、2011年の時点で人口の36%は1日1.25ドル未満で生活する貧困層だとされます。

政府の汚職や腐敗が絶えず、あるいは石油収入は外資に掌握され、国民には十分に還元されていないようです。


2コンゴ民主共和国( GDP : 416.2億ドル [世界第88位] )

主要産業 : 農林水産業(パーム油、綿花、コーヒー、木材、天然ゴムなど)、鉱業・エネルギー(銅、コバルト、ダイヤモンド、金、錫、コルタン、原油)
輸出 : 卑金属、金、原油、コーヒー
輸入 : 資本財、消費財、エネルギー、原材料、食料品

アフリカでは4番目の人口規模を持つ国です。

コバルト、金、銀、錫、ウランボーキサイト、プラチナなどを産する世界トップクラスの鉱産資源国であり、輸出の9割を鉱産資源が占めています。

中でもコバルトは、全世界の埋蔵量の65%がコンゴ共和国にあるとされ、ダイヤモンドの埋蔵量も全世界の30%以上、

産業機器に欠かせないコルタンもコンゴが70%の埋蔵量を持つとされます。

コンゴの未開発の鉱山に眠る鉱石の価値を24兆ドル以上と見積もる評論家もいるほど、コンゴの資源は豊富です。

しかしながら、コンゴ民主共和国の経済は停滞しており、1人あたりGDPは467USドルだとされ、後発開発途上国の中でも低い数字となっています。

鉱物の採掘はインフォーマルな形式で行われ、計上されるべき数字の多くがGDPから抜け落ちています。

膨大な資源を宿しながら、GDPの統計の57.9%が農業由来とされているのは、その証拠の一つといえるでしょう。

輸出品目は、地下資源に偏っており、

輸入品目は、生産機器などの資本財、輸送機器、燃料、食料品となっています。


3 カメルーン( GDP : 293.3億ドル [世界第97位] )

主要産業 : 農業(カカオ、綿花)、鉱工業(石油、アルミニウム)
輸出 : ココア、木材、石油製品、綿花
輸入 : 石油製品、機械機器、穀物、魚介類

石油以外の地下資源には恵まれておらず、石油、ココア、コーヒー、綿花などの一次産品が輸出の主力になっています。

独立以後、内戦やクーデターの経験が一切ない安定国家だとされ、

石油埋蔵量とIMFの支援も受けた安定感を背景に、国際社会からの信任も厚いものとなっています。

産業的には、自給自足農業が盛んで、一次産品の加工を中心とする工業やサービス業も成長しています。

旧フランス植民地であるカメルーンには、中部アフリカ諸国中央銀行(BEAC)の本店が置かれ、BEAC発行のCFAフランが通貨として採用されています。

輸入品目には、エネルギー資源、資本財、トラック、乗用車、食料品が見られます。


4 ガボン( GDP : 142.7億ドル [世界第116位] )

主要産業 : 鉱業(原油マンガン)、農林業(木材、ヤシ油)
輸出 : 石油製品、鉱石、木材
輸入 : 機械類、食料品、車両、プラスチック


人口200万人にも満たない小規模な国家で、中央アフリカ諸国経済共同体の本部が置かれています。

1960年にフランスから独立して以来、内戦やクーデターを経験していません。

国土の80%以上が森林に覆われており、世界第4位の生産量を誇るマンガンなど地下資源も豊富です。

1970年代に国家が面するギニア湾から油田が発見されるまでは、木材とマンガンの輸出に頼っていました。

しかし今日では、GDPの50%、輸出の80%を頼るほど石油に依存した経済構造が出来上がっています。

食料生産が極めて貧弱であり、食料品の大半を輸入に頼っています。

ガボンもまた旧フランス植民地であり、自国通貨としてCFAフランを採用しています。


5 赤道ギニア( GDP : 116.4億ドル [世界第126位] )

主要産業 : 鉱業(石油、液化天然ガス)
輸出 : 石油製品、鉱石、化学品、機械類
輸入 : 船舶、機械類、飲料品、鉱石

伝統的にカカオとコーヒーなどの商品作物プランテーションの貧しい農業国でした。

しかし、1980年代よりギニア湾の油田調査が始められ、1992年にビオコ島沖で油田が発見されると、

主産業は農林水産業から鉱工業に移転するようになります。

人口122万人の小国家であり、オイルマネーの存在から一人当たりのGDPは38,600USドル(2016)とアフリカ大陸では最も高く、

先進国並みの高水準になっています。

しかしながら分配機能の不全から国民の間の格差は広く、7割が国民が貧困にあるとされています。


6 チャド( GDP : 101.0億ドル [世界第134位] )

主要産業 : 農業(綿花)、牧畜業、原油生産
輸出 : 石油、畜産物、綿花
輸入 : 一般機械、輸送機械、電気機器、食料品、衣料品

フランスから独立して以降、内戦やクーデターなど混乱が相次いでおり、インフラは破壊され未整備状態にあります。

加えて、盆地で内陸の地理的位置、国土の3分の2を占める砂漠、政情不安などの条件が重なり、経済は非常に停滞しています。

アメリカの「Human Development Index」によると、チャドは世界で7番目に貧しい国であり、国民の80%が貧困層に該当するとされます。

人口の80%以上は、自給自足的な農業や牧畜に従事しており、食料供給は気候に左右されます。

油田の発見と開発が行われるまでは、伝統的に綿花が輸出の80%を占める主力品目でしたが、

石油の輸出が始まると、石油が輸出の9割以上を占める主力品目となります。

旧フランス植民地の国としてCFAフランを通貨として採用しています。

アメリカのシンクタンクに失敗国家第2位と評されるほど、国家機能の不全に陥っているようです。


7 コンゴ共和国( GDP : 79.6億ドル [世界第140位] )

主要産業 : 鉱業(石油)、林業
輸出 : 原油、木材
輸入 : 資本財、消費財、食料品

コンゴ民主主義共和国がベルギーの旧植民地であったのに対し、

コンゴ共和国はフランスの旧植民地となります。

「元々同じ国だったけど分割統治により別々に独立した。」

といった複雑な経緯はありません。

あえて2国の違いを挙げるとすれば、石油産出量を挙げることができるでしょう。

コンゴ民主共和国は、鉱物資源が豊富な一方で石油産出量は限定的でした。

しかしこのコンゴ共和国では石油生産が盛んで、石油の輸出額が輸出総額の約9割を占めています。

旧フランス植民地として、自国通貨にCFAフランを採用しています。


8 ブルンジ( GDP : 31.3億ドル [世界第159位] )

主要産業 : 農業(コーヒー、茶など)
輸出 : コーヒー、茶、製造品
輸入 : 資本財、石油製品、食料品

ツチ族フツ族の間で行われた長年の内戦と経済制裁によって経済は壊滅状態に陥っています。

さらに狭い国土に1000万人を超える人口が居住する人口密度の高さが災いし

一人当たりのGDPは280ドル(2016 : 世界銀行)と世界全体でも最も貧しい数値になっています。

国民の70%は農業部門に従事しているとされますが、土地の侵食やインフラの不備のため、食料自給率は25%にとどまっています。

輸出品目もコーヒー(外貨収入の8割)、茶、綿花、砂糖、皮革などの農産品に限られています。

輸入品目、資本財、石油製品、食料品が見られます。


9中央アフリカ( GDP : 17.8億ドル [世界第166位] )

主要産業 : 農業(綿花、コーヒー、タバコ)、林業(木材)、鉱工業(ダイヤモンド、金、食品加工、木材加工)
輸出 : 木材、ダイヤモンド、綿花など
輸入 : 石油製品など


2016年は8970万ドルの輸出に対し、輸入が3.74億ドルの輸入過剰に陥るなど

厳しい経済状況にあります。人口の9割が1日2ドル以下の貧困層だとされ、後発開発途上国に指定されています。

経済は、第一次産業が主力のプランテーション的なモノカルチャー経済とされ、綿花やコーヒーを輸出しています。

しかし近年は、ダイヤモンド鉱床の開発や木材の輸出が開始されており、

輸出の約16%を木材、約54%をダイヤモンドが占めるようになっているようです。

とはいえ問題は多く、違法業者によるダイヤモンドの不法輸出などが相次いでおり、制度面の改善が求められています。

中央アフリカ共和国も旧フランス植民地として、通貨にCFAフランを採用しています。


10 サントメ・プリンシペ( GDP : 3.5億ドル [世界第184位] )

主要産業 : 農業(カカオ豆など)
輸出 : カカオ豆、コプラ、コーヒー
輸入 : 機械、食料品、石油製品

長年、カカオの栽培に特化してきた農産国で、2003年の輸出の99.3%がココア豆を占めていました。

しかし近年同国近海で石油鉱床の存在が確認されたことから、

新たな外貨獲得手段としての活躍と産業構造の改善に期待が集まっています。

人口20万人程度の島国で、一見観光業にも適しているように見えますが、

インフラの未整備やマラリアの存在などが発展の足かせとなっているようです。

輸出品目には、ココア豆を中心にコーヒー、コプラ、パーム油などが見られます。

一方の輸入品目としては、資本財、機械機器、石油製品、食料品が挙がっています。

輸入の大半を旧宗主国ポルトガルから受け取っています。







さいごに

これまでアフリカ北部のアラブ・マグレブ連合(AMU)と西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)を調べてきましたが、

中部アフリカ諸国経済共同体(ECCAS)にも同じ傾向が見られました。

つまり、域内で最も優位な国でも、工業化の仕組みが整っていない資源依存国家ということです。

いくらGDPが相対的に高くても、政治システムの未熟さから富の分配の偏りも大きく、近代化の目処も立っていません。

そんな中、近年では中国が影響力を伸ばそうとしている点も概ね共通していました。


中央アフリカに限っていえば、

独立以後に紛争の相次いだ国は、政治リスクに対する投資家の不安を解消することに失敗し、いまだ貧困線を彷徨っている様子が伺えました。

特に、カメルーンガボンの安全な国には欧米企業の設備投資が下され、域内での経済力は高い水準に達していました。

一方で、紛争やクーデターが相次いだチャドやコンゴ共和国中央アフリカブルンジなどの国では、

豊富な経済ポテンシャルを期待されながら、インフラの破壊や投資家不安のため開発が停滞し、域内ランキングも下位に落ちぶれています。


ECCASと同じ治安問題を抱える西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)では、安全保障のための共通組織の設立によって紛争問題に対処しています。

ECCASにおいても武力行使すら辞さない有効性のある対処が求められるでしょう。

アフリカ連合(AU)の貿易構造-2 西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS

アフリカの統一を目指して創設された複数の地域ブロックのうち、今回は西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)の貿易構造を調べます。

アフリカ全土を分割する形で作られた地域ブロックは、

域内での統合が行われ、最終的には、この統合された地域ブロックをパズルのように結合することで

アフリカの経済圏・市場・政治組織を単一の連合体に統一する見込みです。


西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)とは

西アフリカ諸国経済共同体は、1975年のラゴス条約によって設立された経済共同体です。

”Economic Community of West African States”の頭文字をとったECOWASの略称を持ち、

アフリカ西部の15カ国から構成されています。

加盟国は、

ベナン
ブルキナファソ
カーボベルデ
ガンビア
ガーナ
ギニア
ギニアビサウ
コートジボワール
リベリア
マリ
ニジェール
ナイジェリア
セネガル
シエラレオネ
トーゴ

と日本人には馴染みの薄い15カ国です。

ECOWASが包含する国々は最低水準の経済力を持つ後発開発途上国が目立ち、紛争地域に該当します。

そこでECOWASの活動は、経済統合よりもむしろ安全保障分野での協力関係がメインとなりました。

実際にECOWASは、停戦監視グループ(ECOMOG)や紛争予防・管理・解決・平和維持・安全保障メカニズム(Mechanism for Conflict Prevention, Management, Resolution, Peace-keeping and Security)の設置を行い、

実際の紛争での活躍を国際社会から高く評価されています。
(2002年のコートジボワール内戦の調停、リベリアコートジボワールの紛争への監視団の派遣、マリの軍事クーデターに対する制裁など)

域内での経済力が優位なナイジェリア、ガーナ、セネガルコートジボワールが指導的地位を占めているそうですが、

コートジボワールが内戦で資格を停止されるなど、政情はかなり不安定なようです。



1 ナイジェリア( GDP : 4059.5億ドル [世界第27位] )

主要産業 : 農業、原油天然ガス、通信など
輸出 : 原油及び天然ガス、鉱物製品
輸入 : 機械、電気製品、輸送機器

GDPと人口規模(1.86億人)でアフリカNo.1であり、高い経済成長が見込まれている国です。

石油及び天然ガスが輸出の94%を占めるとされます。(2011)

しかしながら、潤沢な石油収入があるものの、政府の腐敗により国民への還元は行われておらず、

石油収入150億ドルのうち100億ドルが使途も不明なまま消えていく腐敗ぶり。

その結果、国民の大多数が貧困に陥っています。

この貧困率から国民の購買力が低く、巨大人口のポテンシャルを生かしきれていません。

かつては、原油収入に依存した産業構造でしたが、近年は多角化に成功しており、サービス業がGDPの17.5%、金融・不動産が14.6%を占めており、

2008年にはGDPの3%未満に過ぎなかったIT産業や製造業も、2013年にはそれぞれ12.2%と6.8%と拡大を続けています。

熱帯雨林の豊かな自然を背景に農林水産業も盛んです。

主食であるキャッサバやヤムイモの生産量は世界一、また輸出作物としてカカオや天然ゴム、ゴマの栽培も行われています。


ちなみにインドの原油需要の20~25%はナイジェリアの資源で賄われているようです。


2 ガーナ( GDP : 432.6億ドル [世界第85位] )

主要産業 : 農業(カカオ豆)、鉱業(貴金属、非鉄金属、石油)
輸出 : 原油、金、カカオ豆、カカオペースト、カカオバター
輸入 : 石油、原油、金、米、薬剤、食料品

ガーナの産業は一次産品に依存しており、国際価格及び天候の影響を受けやすい構造になっています。

輸出は、貴金属が43%、鉱物性燃料が25%、ココア・ココア製品が12%、木材・木材製品が4%となっています。

一方の輸入は、自動車が17%、ボイラーが15%、電気・電子機器が7%、鉄鋼製品が4%と工業製品に需要が偏っています。

国土の北部と中部に広がるサバンナの気候や豊かな水資源を利用して、太陽光発電水力発電など再生可能エネルギーの利用にも積極的です。

西アフリカ8カ国で流通するCFAフランを通貨に設定している国の一つです。


3 コートジボワール( GDP : 354.9億ドル [世界第93位] )

主要産業 : 農業(コーヒー、ココア)、石油・天然ガス
輸出 : カカオ豆、原油・石油製品、船舶、天然ゴム
輸入 : 原油・石油製品、船舶、米、魚類、医薬品

経済の一次産品依存を改めるべく、政府も多角化の努力を行っていますが、成果は出ていません。

主要産業は、輸出量世界一のカカオ、コーヒー、芋、天然ゴムの生産を中心とする農業

また熱帯雨林を利用した林業、工業(食品加工、石油製品)も盛んです。

輸出の半分程度が食料品だとされ、中でもカカオ関連品の輸出が食料品輸出の半分以上、輸出全体の20%以上を占めています。

コートジボワールは1993年から石油生産を開始しており、原油関連の製品がカカオに次ぐ輸出額を占めています。

輸入品は、工業製品、続いて原油、食料品が続いています。

西アフリカ8カ国で流通するCFAフランを通貨に設定している国の一つです。


4 セネガル( GDP : 147.9億ドル [世界第115位] )

主要産業 :  農業(落花生、泡、綿花)、漁業(まぐろ、かつお、えび、たこ)
輸出 : 魚介類、ピーナッツ、石油製品
輸入 : 石油製品、機械類、穀物、医薬品

一人当たりのGDPで世界平均の10%に過ぎない後発開発途上国です。

魚介類やピーナッツなどの食料品、リン鉱石、石油製品などを輸出して

食料品、資本財、燃料を輸入しています。

またセネガルには、西アフリカ諸国中央銀行の本部が置かれていることで有名です。

西アフリカ諸国中央銀行より発行されるCFAフランは、EUの通貨ユーロと固定されており、セネガルを始め


5 マリ( GDP : 139.6億ドル [世界第119位] )

主要産業 : 農業(綿花、米、ミレット、モロコシ)、畜産、鉱業(金)
輸出 : 綿花、金、家畜
輸入 : 石油製品、資本財、食料品

輸出品目は、綿花(43%)、金(21%)、家畜。

輸入品目は、石油、機械設備、建築資材、食料品、衣類

となっています。

マリもまた、西アフリカ諸国中央銀行発行のCFAフランを通貨として使用しています。


6 ブルキナファソ( GDP : 119.0億ドル [世界第125位] )

主要産業 : 農業(粟、とうもろこし、タロイモ、綿及び牧畜)
輸出 : 金、綿花、畜産品
輸入 : 資本財、石油製品、食料品

ブルキナファソは、西アフリカの内陸国で外洋への出口を持ちません。

そのため、外資流入も少なく工業の発展も限定的で、産業は農業や畜産業、鉱業に偏っています。

主要な輸出品目は、金、綿花、家畜、胡麻。

輸入品目は、資本財や石油製品、食料品です。

ブルキナファソもまた、自国通貨としてCFAフランを採用しています。


7 ベナン( GDP : 85.8億ドル [世界第137位] )

主要産業 : 農業(綿花)、サービス業(港湾業)
輸出 : 綿花、カシューナッツ、セメント
輸入 : 食品、資本財、化学製品

冷戦時代に社会主義を標榜したことから中国と関係が深いです。

ベナンは、カシューナッツの主要生産国として知られ、国民の大半が自給的な農業に従事しています。

綿花が輸出収入の80%を占めるとされています。

世界屈指の埋蔵量を誇るギニア湾に面していながら石油生産は停滞しており、石油の国内需要分は隣国のナイジェリアからの輸入で賄っています

CFAフランを通貨として採用しています。


8 ニジェール( GDP : 74.8億ドル [世界第141位] )

主要産業 : 農牧業、鉱業
輸出 : ウラニウム、石油・ガス、金
輸入 : 資本財、食品、石油製品

ニジェールウラン埋蔵量は世界第3位の規模を持ちます。

現在各国政府は世界のクリーン化に一丸となって対処する構えを見せており、

再生可能エネルギーの利用とともに、

原子力発電の導入に積極的な国がインドをはじめ、

多く見え始めています。

ニジェールウラン生産はアフリカ1位であり、

原子力発電需要の高まりに合わせてニジェールの戦略的重要性も上昇することが考えられます。

ニジェールもまた通貨としてCFAフランを採用しています。


9 ギニア( GDP : 65.1億ドル [世界第146位] )

主要産業 : 農業(米、キャッサバ)、鉱業(ボーキサイト、アルミナ、金、ダイアモンド)
輸出 : ボーキサイト、金、ダイアモンド、コーヒー、農産品
輸入 : 資本財、石油製品、輸送機器、食料品

大西洋に面したギニアは、鉱物資源に恵まれています。

アルミニウムの原料となるボーキサイトの埋蔵量が世界最大だとされ、世界全体の埋蔵量の3分の1がギニアの地中に眠っているとされます。

ダイアモンドや金の採掘も豊富で、外資による採掘が盛んです。

国民の大半は自給的な農業に従事しており、生産した農産品の輸出も行われています。


10 トーゴ( GDP : 44.3億ドル [世界第152位] )

主要産業 : 農牧業(綿花、カカオ、コーヒー)、鉱業(リン鉱石)
輸出 : リン酸塩、綿花、セメント・レンガ
輸入 : 資本財、食品、石油製品

国民の約60%が農業に従事する農業国です。

資源も枯渇により勢いが衰え、輸出の30%は綿花、コーヒー、ココアの農産品によって占められています。

その他の主要輸出品目は、リン酸塩、セメントなどが挙げられます。

通貨としてCFAフランを採用しています。


11 シエラレオネ( GDP : 39.8億ドル [世界第154位] )

主要産業 : 鉱業(ダイアモンドなど)、農業(コーヒー、ココア)
輸出 : 鉄鋼、鉱物、ダイアモンド
輸入 : 石油、資本財、食料品

シエラレオネでは、人口の80%が自給自足農業に従事しています。

輸出の約50%を鉱物資源に依存しており、中でもダイアモンドは、産出量が世界第10位にランクインするほど豊富です。

1991年-2002年まで続いた内戦を長期化させた要因の一つが、このダイアモンドの収入だとされています。

紛争ダイアモンドとも言われ、内戦当事者の財源に使われている場合、

資源の買取りの求めがあってもを業界各社は買い控えるべきとの訴えがなされています。


12 リベリア( GDP : 21.2億ドル [世界第164位] )

主要産業 : 鉱業(鉄鉱石、金、ダイアモンド)、農林業(天然ゴム、木材)
輸出 : 鉄鉱石、木材、ゴム、ダイアモンド、金
輸入 : 加工品、機会、運搬機器、食料品、石油製品

1989年より相次ぐ内戦により、インフラの破壊や高度人材の流出が起き、経済は未発達のまま停滞しています。

木材とゴムが主要輸出品目であり、ダイアモンドと金の採掘も行われています。

原料となる資源や鉱物が豊富なため、外資系企業が多く進出して採掘を行っています。


13 カーボベルデ( GDP : 16.4億ドル [世界第168位] )

主要産業 : 農業(バナナ、サトウキビ)、漁業(マグロ、ロブスター)
輸出 : 燃料、魚介類、医療、靴
輸入 : 消費財、中間財、資本財、石油

カーボベルデは、モーリタニアの西岸から約375km離れた先に浮かぶ島嶼群です。

50万程度に過ぎない人口のためGDPは少ないですが、

安定した政治と経済ステムが評価され、2007年に後発開発途上国の指定を外されています。

カーボベルデは、干ばつによる深刻な水不足に悩まされており、構成する10つの島のうち4つでしか農業が行えません。

そのため、GDPの約7割はサービス業から計上されています。

輸出に関しては、漁業や鉱物、縫製品などをわずかに輸出しています。

しかしながら、農業不振から食料品の9割を他国からの輸入に頼っており、財政赤字に陥っています。

旧宗主国ポルトガルと関係が深く、主要な貿易相手国となっています。


14 ギニアビサウ( GDP : 11.6億ドル [世界第174位] )

主要産業 : 農林水産業(落花生、カシューナッツ、エビ、いか)
輸出 : カシューナッツ、落花生、魚・エビ
輸入 : 食料品、石油製品、資本財

経済が全く発展しておらず、産業と呼べるものがないと評価されています。

国民の約8割は米作を中心とした農業に従事していますが、設備の遅れにより、国内需要分すら満たせない年もあるほどです。

カシューナッツや落花生などの商品作物をわずかに輸出しています。

米などの食料品、燃料、資本財を他国からの輸入に頼っています。

ギニアビサウも通貨としてCFAフランを採用しています。


15 ガンビア( GDP : 9.7億ドル [世界第176位] )

主要産業 : サービス(貿易・輸送・通信・観光)
輸出 : 落花生、穀物類、衣類
輸入 : 石油製品、穀物類、食料品


周囲をセネガルに取り囲まれて存在する、アフリカ最小の国土面積を持つ国家です。

国土には鉱物も石油もないため、国民の75%が自給的な農業・牧畜に従事しています。

わずかに発展が見られる工業も、食料加工や石鹸、衣服などの軽工業に限られ、規模も小さいものです。

GDPに占める製造業の割合は6%に過ぎません。

輸出品の大半は、ナッツ類、繊維、木材などの一次産品が目立ちます。

一方の輸入品は、石油製品や食料品で占められています。



さいごに

アラブ・マグレブ連合が欧米企業の生産委託先及び原油供給国となっていたのに対し

西部アフリカの地域ブロックは、加盟国の8割近くが後発開発途上国である一次産品依存国が目立つように感じました。

域内GDPが1位のナイジェリアでさえ、資源依存と政府の腐敗、また人口爆発により貧困が蔓延しています。

貧困層はやがて社会に対する不満を持ちはじめ、鬱屈した感情は暴力や薬物依存となって表れます。

実際に西アフリカ諸国では紛争が相次いでおり、

内戦が慢性化している加盟国もある中でECOWASは、

停戦監視グループ(ECOMOG)や紛争予防・管理・解決・平和維持・安全保障メカニズムの設置による問題解決を図っているようです。

実際、リベリア内戦やシエラレオネ内戦では、ECOWAS停戦監視団が派遣され

一定の成果をあげたことから国際社会からも高く評価されています。

しかしながら、紛争の原因は貧困であり、武力衝突に対して第三者からの軍隊で横槍を入れるだけでは問題解決として不十分な感覚は否めません。

ECOWASの国々は、市場化による貧困率の上昇により国民の大多数が貧困に陥っている国ばかりです。

根本の貧困の解決なくして、紛争問題の根本解決も望めないでしょう。

しかしながら、ECOWASが抱える紛争問題に対しては、解決に向けて前進していることは間違いありません。



しかしながら産業構造の脆弱さには依然問題が否めません。

地域ブロックとしては、自給自足のために工業国を得る必要があり、現状の加盟国だけではブロックとしての生産能力が不十分です。

とりあえず、ナイジェリアで汚職により秘匿されるオイルマネーを社会に還元すればリビア型のインフラ整備と高度人材の育成も可能になるはずです。

調べた中では中国との関係を深めているアフリカの国が目立っており、

個人的には今後先端技術を手に入れた中国の産業移転の受け皿になることで工業化を実現する可能性もあるのかなと感じました。


とはいえ、熱帯雨林の国でカカオやコーヒー、落花生などの農産品の栽培に適していることと

ニジェールウラン(アフリカNo.1の埋蔵量)やギニアボーキサイト(世界最大の埋蔵量)など地下資源の豊富さは地域特有の武器ですね。

南アフリカ共和国の地域ブロック アフリカ連合(AU)の貿易構造-1

アフリカの統一は1963年のアフリカ統一機構の段階で早くも目指されていましたが、

その目的は、欧米諸国の植民地主義への対抗としての協力・連携でした。

1994年の南アフリカ共和国の加盟をもって、モロッコ以外のすべてのアフリカ諸国が加盟します。

しかし組織は作られたものの、制度的な規定に留まり、実際の統合は一向に進展しませんでした。

そこでに1991年にアブジャ条約が締結されます。

このアブジャ条約では、最終的な目標として欧州連合(EU)に倣ってアフリカを共通経済圏に統合する目標が謳われ

これを機に統合の機運が高まります。

2002年には、アフリカ統一機構アフリカ連合に再編されます。

アブジャ条約の発効以前から存在していた地域ブロックに補完的な新しい地域ブロックを加え、アフリカは経済統合に向けて本格的に動き始めたのです。


アフリカは、最終的な統合を前提に、8つ程の地域ブロックに分割されました。

そして、各ブロック内で自由貿易を進めていき、段階的にブロック同士の関税をなくし共通市場化ていくことで、

アフリカ全土の統合という最終目標を実現する見込みです。

最終的な統一を前提に分けられたアフリカの地域ブロックは、

・アフリカ北部に広がる「アラブ・マグレブ連合(AMU)」
・西海岸周辺を包む「西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)」
南大西洋からアフリカ内陸部を含む「中部アフリカ諸国経済共同体(ECCAS)」
・アフリカ東部に広がる「東南部アフリカ市場共同体(COMESA)」
・アフリカ南端の喜望峰を含む「南アフリカ関税同盟(SACU)」

の5つが該当します。

※東部と南部の地域ブロックには、複雑な内情を反映して加盟国の重複するブロックが並立しているのですが、以下の理由によりCOMESAとSACUを優先しました。

「南部アフリカ開発共同体(SADC)」は、経済統合を目的にした協定ですが、加盟国に別の地域ブロックと重複する国が多いため除外します。
「東アフリカ共同体(EAC)」は経済統合というより政治面の協力的な色合いが強いので、除外します。


今回は、アフリカ北部の地域ブロックである「アラブマグレブ連合(AMU)」の貿易構造を見ていきます。


アラブ・マグレブ連合(AMU)とは

2016年
GDP 3441.4億ドル
総人口 9599万人

アラブ・マグレブ連合は、マグリブと呼ばれる北アフリカの5カ国の間で1989年に結成された経済協力機構です。

AMUには現在、アルジェリアリビアモーリタニア、モロッコチュニジアの5カ国が加盟しています。

アフリカの統一を目指して様々な施策が取られており

AMU域内での自由貿易
・域外に対する共通関税
・共通市場(人、物、資本、サービスなどの移動の自由化)
・経済同盟(経済政策、法整備の調整)
・超国家機関の設置

の5つを段階的に推進しているようです。

域内貿易では、89年の設立から91年までの2年間で貿易額が約3倍の増加を見せるなど成果が見られる一方で、

西サハラ問題を巡るモロッコアルジェリアの間の情勢不安(モロッコアルジェリア国境は1994年以降閉鎖されている)を始め、アルジェリアと加盟国の対立など、様々な意見の対立により地域共通機関の設立等、統合に向けた取り組みは停滞しています。
本格的なAMU諸国の会合も2008年以降、開かれていません。

しかしながら、世界的な地域統合の流れの中でAMUの統合が未解決のまま放置されるとは思えません。

そんなAMUの貿易構造について見ていきたいと思います。

GDPのデータは2016年のものを採用


1 アルジェリア (GDP : 1607.8億ドル[世界第55位])

主要産業 : 石油・天然ガス関連産業
輸出 : 石油・天然ガス
輸入 : 資本財、半製品、食料品、消費財

国土の90%がサハラ砂漠に含まれるアルジェリアでは、約4000万の人口の9割が北部の地中海海岸地帯に住んでいます。

地下資源にも恵まれ、様々な鉱物資源が豊富に埋蔵されているものの、採掘は進んでいません。

農用地も肥沃なことで知られ、

青果(イチジク、ぶどう、野菜)、穀物(ライ麦、大麦、オート麦)、ワインや畜産物、羊毛、タバコ、オリーブなどが輸出されています。

しかしながら、やはりアルジェリアは資源依存国です。

石油・天然資源が輸出に占める割合はなんと98%と圧倒的です。

2016年の石油輸出量で世界第18位のアルジェリアですが、輸出構造は完全な資源依存に陥っているようです。

北アフリカでは、石油産出量1位であり、アフリカ全体の石油産出量でも第3位の172BPD(2013)です。(1位 : ナイジェリア [237BPD] )

貿易相手国を見ても、主要な輸出相手国がアメリカやEU圏の国で占められることからも、欧米諸国のエネルギー供給地の役割を担っているのでしょう。

輸入に関しては、食料品や衣類を含む消費財や資本財が取引されているようです。

なお、旧フランス植民地で莫大な対外債務を抱えているとされますが、貿易収支もマイナスを示すなど返済のめどは立っていないようです。


2 モロッコ (GDP : 1036.2億ドル[世界第60位])

主要産業 : 農業(麦類、ジャガイモ、トマト、オリーブ、柑橘類、メロン)、水産業(タコ、イカ、イワシ)、鉱業(リン鉱石)、工業(繊維、皮革製品、食品加工、自動車、自動車部品、電子部品、航空部品)、観光業
輸出 : 機械類(15.9%)、衣類(14.4%)、化学肥料(8.8%)、青果(7.9%)、魚介類(7.6%)
輸入 : 原油(12.0%)、繊維(11.9%)、電気機械(11.7%)

ロッコは、スペインの南方、アフリカ大陸の北西という位置と、外洋に面していることから貿易に有利な地理的条件を備えています。

また治安もアフリカ圏では比較的安定した状態で、特にカサブランカは国際都市として世界的に認知されています

以上のような優位性を生かして、モロッコは諸外国との自由貿易協定(FTA)に積極的です。

EU圏の企業からの生産プロセスの移転も盛んであり、自動車や縫製業、航空機会社などが進出しています。

自動車の組み立て業や食品加工、縫製業などの軽工業がバランス良く発達しており、輸出品目の主力を占めています。

EU諸国にとってのモロッコは、日本にとってのタイ・マレーシア、シンガポールのような存在かもしれません。

鉱業もアトラス山脈の断層地帯で盛んに採掘されており、農林水産業も盛んです。


3 チュニジア (GDP : 418.7億ドル[世界第87位])

主要産業 : 農業(小麦、大麦、柑橘類、オリーブ、なつめやし)、製造業・鉱工業(繊維、機械部品、電機部品、リン鉱石、食品加工)、サービス業(観光業、情報通信産業)
輸出 : 機械・電機機器(40.7%)、繊維・皮革製品(22.7%)、石油関連(13.2%)、その他の製造工業品(9.6%)、食料品・農産品(8.1%)
輸入 : 機械・電機機器(41.1%)、石油関連(17.5%)、その他の工業品(17.5%)、繊維・皮革製品(11.5%)、食料品・農産品(10.2%)


地中海に面した沿岸国の一つであり、EUとの貿易が盛んに行われています。

2014年は、輸出の77.2%、輸入の64.7%がEUとの間で行われ、EUとの間に自由貿易協定も結ばれています。

チュニジアの輸出産業は、製造業が中心とされ、機械・電子機器が全体の40.7%、繊維・皮革が22.7%を占めています。

輸入も機械部品や原材料・中間財が多く占めており、先進国企業の生産プロセスを担っている様子が伺えます。

また世界第46位の産油国であることから原油輸出も行われており、アトラス山脈を国土に含むため鉱物資源にも恵まれています。


4 リビア (GDP : 331.6億ドル[世界第95位])

主要産業 : 石油関連産業
輸出 : 石油等
輸入 : 自動車、電気製品、食料品など

リビアの石油埋蔵量は484億bblであり、アフリカ最大だとされます。(2位 : ナイジェリア [371億bbl]、3位 : アルジェリア [122億bbl] )

2014年の石油輸出量は世界第40位程度に過ぎませんが、貿易黒字を維持するための調整を行っています。

輸出の95%が石油関連だとされ、人口の4分の3が石油関連事業に従事しています。

また以前から皮革・繊維、金属細工などの軽工業は盛んでした。

油田発見後は石油収入を基盤に重工業などの産業育成が行われており、石油精製、製鉄、アルミ精錬などの産業が発達しています。


5 モーリタニア (GDP : [47.1億ドル世界第149位])

主要産業 : 農牧業(モロコシ、粟、米、牛、羊)
輸出 : 鉄鉱石、金、魚介類、原油
輸入 : 石油開発機器、石油製品、食料品

大西洋に面した国ですが、国民の貧困率の高さや政情不安のため、外資の誘致は進んでいないようです。

鉱業(鉄鉱石)と水産業への依存度が高く、産業の多様化が課題になっています。

労働人口の約半数が農業・牧畜業に従事していますが、生産性は低い。

2006年に海上油田を発見したものの、技術力の不足のため採掘は満足に進んでいません。

最近は、海上油田の採掘に向けて石油開発機器を輸入し始めているようです。

また食料のおよそ7割を輸入に頼っています。


さいごに

アラブ・マグレブ連合はアフリカ北部の地中海沿岸地域という位置条件のため、EU諸国との関係が強いように感じました。

ロッコチュニジアは、EU企業の生産プロセスの委託国として扱われています。

豊かな産油国であるアルジェリアリビアは、EU及び米国の原油供給地であり、アルジェリアは重債務に陥っています。

モーリタニアは、かつて別のブロックに所属していたこともあり、他の加盟国とは若干国の性格が異なるようでした。

知名度に比例して目立った資源も産業も持っていない国のようです。

ほとんどの国で財政赤字に陥っていることからも、独立したとはいえ欧米企業に都合よく使われている、

言い換えれば先進工業国に対する原料供給と生産プロセスの受け皿になること以外に外貨獲得手段を持たない国という印象を受けました。

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