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これから勉強に携わる全ての子供が遊ぶべきゲーム

「三つ子の魂百まで」

これは有名な諺のひとつですが、どうやら脳科学が登場するずっと前から「人は、幼少期に形成された思考構造を一生持ち続ける」ことは経験的に知られていたようです。
諺として時間の精査に耐えるほどに、この現象は確かなのでしょう。

実際に、人間は年を重ねれば重ねるほど、思考の柔軟性を失っていくものです。
脳科学的にも脳の柔軟性を表す「可塑性」は、成人以後年齢に比例して低下していくことが明らかになっており、
「人は幼い時期に形成した思考構造を持ち続ける」ことはすでに証明されているわけです。
そのため、若い時期に刷り込まれた情報を成人後に完全に覆すというのも困難な作業といえるでしょう。

だからこそ、円滑な人生を送るためには、最初から間違った情報を受け取らないことが重要になってきます。

自分の人生設計であれば、若いうちは自分のキャリアプランに合致したグループに加わる。
子育てであれば、間違った情報や生きていく上で不利に働く考えには、できるだけ接触させない。
といった姿勢が大事です。

しかし現代人のライフスタイルには、この情報の取捨選択を難しくするするもので溢れています。

例えば、テレビをただボーと眺めるだけで余分な情報は無意識のうちに刷り込まれているものだし、
一見情報の取捨選択が実現しているインターネット検索も、画面脇に表示される広告の画像などの影響までは排除しきれないわけです。

当然、これらメディアから受け取る情報の全てが望ましいものではありません。拡散される情報の中には、悪質なもの有害なものがあふれています。
筆者自身も、某忍者アニメの主題歌の影響を受けて、「勉強なんて頑張る必要はない。そんなことより大事なのは女の子にモテることだよ」を実践しているうちに志望校の合格を逃したりしました。

それではなぜ、こうした余分な情報が加えられるかというと、テレビやインターネットなどのコンテンツがマーケッティングの原理で動いているためです。

衆目の集まる場に広告を掲示するのは古典的な経営戦略であり、インターネット、テレビなどの公共回線は絶好の配置箇所となります。
しかし、ひとつのプラットフォームに多数の企業がのっかるという構造上、各社は競争力を意識せざるをえず、
そこで競争力のために加えられるのは、たいてい「性的な情報」だったりするわけです。

しかし、子供の発育の観点から見て、早期の性成熟は心身の成長を妨げるため有害といえます。
成長阻害だけでなく知能低下さえ引き起こすことを考えると、今のメディアのあり方は、教育的観点から見て明らかに不適切でしょう。
アダルト女優が公共の場に堂々と出演し、反道徳的な方向の言説が垂れ流すのでは、子供達に「それを行え」といっているようなものです。
子供はただでさえ脳の可塑性が強く影響が刻み込まれやすいため、さらに影響は深刻です。

当然、発育上の悪影響に対する懸念から、子供をメディアから遠ざけておきたいと考えられる親御さんもおられるかと思います。
そしてできるなら、テレビを見る代わりに将来役立つ情報を蓄積して欲しいと。

今回は、そんな親御さんを応援するために記事を書かせていただきました。


しかし、私のようにやみくもに趣味に没頭するのでは、ゲームやカードゲームの罠にはまります。
ゲームの中には街で人々を切って回るようなの反社会的なものが混ざっており、カードゲームは戦略の立て方を学ぶ意味において有益ですが、本職が勝負師でもない限り、時間と金に対する費用対効果は薄いといえます。

そこで私が提案したいのが、[適切な]ゲームで遊ばせることです。

メディアを否定した後に続くものといえば、たいてい本なのですが、私はこの行動はとりません。
なぜなら、知識体系には主体的に学ばなければ身につかないという特徴があるためです。
この特徴を理解した上で、子供の主体性に沿った学習を与えるためには、子供達にとっても楽しいゲームが適切といえるでしょう。
そして玉石混合のゲームの中から、子供に充実感を与え、知的好奇心を喚起するものを選別しなければなりません。



その選別に耐えるゲームが「青き狼と白き牝鹿」シリーズです。
これは日本の光栄(コーエーテクモゲームス)により1980年代に開始されたシリーズ作品です。
光栄といえば、有名な「信長の野望」を製作した会社なので知名度はかなり高く、
日本史、世界史を問わず、実在の歴史事件にちなんだ作品を数多く輩出しています。
題材にされている事件としては、日本の戦国時代から明治維新大航海時代ナポレオン戦争、三國記、モンゴル帝国の拡大、そして第二次世界大戦など多岐にわたります。
その光栄作品の中から、小学生〜高校生を対象に学習効果の高いものを紹介するとすれば、私は迷うことなく「蒼き狼と白き牝鹿」をお勧めします。
これは12−13世紀の中央アジアで栄えたモンゴル帝国を題材にした作品で、プレイヤーは選択した勢力で世界覇権を目指していきます。(日本の鎌倉幕府イングランドプランタジネット朝など)
歴史に無関心でむしろ大嫌いだった私が歴史にのめり込んでいくきっかけになったゲームなので、歴史初心者や既に嫌いだという人も楽しめるのではないかと思っています。
そればかりか学習効果も期待できるでしょう。

なぜなら、

1、12-13世紀を舞台とするこのゲームは、原始的な要素が強く船や拳銃など複雑な概念は登場しないため、初学者にも理解しやすい。
2、12-13世紀に実在した歴史人物が登場するだけでなく、顔グラフィックと能力の点数化によって明確な個性分けがなされているため、歴史上の人物に関心を持ちやすい作りになっている。
3、固有グラフィックを持つキャラクターはwikipediaに載るくらい有名なので、「歴史人物に関心を持ち調べる」という歴史学習に欠かせない経験の獲得が高確率で期待できる。
4、王朝の国力についても、経済力や農産力、人口が数値化されているため、当時の世界情勢を直感的に理解出来る。
5、古いゲームであるため価格が安く、費用対効果が高い。
6、純粋にゲームとして面白いので「ゲームを楽しむ感覚で歴史を楽しむ」姿勢を形成することが期待できる。
7、光栄のゲームにひとつはまることで、その他の「大航海時代」シリーズなどにも手を出す可能性が高く、歴史をさらに掘り下げて理解するきっかけとしての役割が期待できる。

ためです。


また、世界史の内容は、学校で習う他教科と深く関係しています。
理数科学の発展は、当時代の時代背景が密接に絡んできます。
現代社会は、いまの制度に至るまでの経緯と背景まで理解しなくしては理解できません。
一見関係ないように見える言語でさえ、民族精神が反映される点では歴史と共通しています。

このように、諸学問と関係を持つ世界史は、諸学問のインフラと呼ぶこともできるでしょう。
このインフラを建てることなしに他の学問をやみくもに積み上げたのでは、正確な理解は得られないし、第一面白くないので無気力につながる可能性が高まります。
逆にインフラとしての世界史を理解していれば、自然と関係性の高い他の学問にも関心を持ち、学習を始めるわけです。

あらゆる分野において上達のためには、基礎の構築が欠かせません。
学問における基礎とは、学問が成立した背景を示す歴史がそのひとつであり、これがあればすべての諸学問にリーチすることが容易になるわけです。
ゲームにのめり込む子供が多いのに、学問にはまり込む子が少ないのは、単純にゲームに比べて学問が楽しくないためです。
そして学問が楽しくない理由のひとつは、基礎の構築が不足しているためといえるでしょう。
学問の脈絡がつかめないので自分とは無関係に感じられ、学習の意欲につながらないのです。
そしてたいていの子供は、この勉強がつまらない状態のまま学校過程を進み、どんどん勉強嫌いを醸成していきます。

ところが早い段階で「蒼き狼と白き牝鹿」を遊ぶことで、勉強嫌いを阻止することができます。
なぜなら、このゲームを遊ぶことで、学問の基礎と子供の関心の一体化が図れるためです。
そうなると、その後に必要な
歴史に対する関心 -> 歴史学習 -> 諸学問に対する関心 -> 諸学問の学習
というプロセスはより円滑に進むでしょう。
そしてそれにかかる費用はたったの1円です。

ここで冒頭に話を戻すと、
脳の可塑性により、若い時期に一度定着した情報を消すことは困難です。
この若い時期に学問への関心を養っていれば、子供は大人になっても学問への関心を持ち続けることになります。
学問を学び続けることは、社会人になってからも確実に収入アップなどプラスの方向に働くため、身につけておいて損はないでしょう。

日本の教育は暗記偏重だと批判する向きが強いです。
成績を決定づける試験においては暗記知識の多寡が勝負になるケースも多く、学ぶ側としては楽しさが生まれにくい構造になっている。
とはいえ、将来の収入に密接に関係してくるため、諦めるのは難しい。
そうなるともう勉強を少しでも楽しむしか解決策はないのです。

私と記事で紹介したゲームとの出会いは、不幸にも大学在学時でしたが、仮に中学・高校時代に出会えていれば、学校の成績も上を望めていたかもしれません。
これから暗記偏重の教育と対峙する子供たちに少しでも勉強を楽しんでもらおうと今回の記事で紹介させてもらった次第です。
私の経験が、子供の将来に有効に働らくことを祈りながら筆を置くことにします。



追記)なお、今回紹介したゲームは、Amazonで1円から出品されています。
子供へのプレゼントにでもどうでしょうか?
家にさりげなく置いておくだけでも違うかもしれません。

FC版蒼き狼と白き牝鹿(初代)

SUPER蒼き狼と白き牝鹿(2作品目のスーパーファミコン版リメイク)