Ossan's Oblige "オッサンズ・オブリージュ"

文化とは次世代に向けた記録であり、愛の集積物である。

落書き。マニラにて

セブ市とマニラに違いがあるとすれば、メトロの有無くらいで、街の景色などは互いによく似ている。飛行機から見下ろした風景では、若干マニラの方が都市の蛍光は煌びやかだったか。
セブ空港からマニラ空港に着くと、どの空港もそうなように、外にはたくさんのタクシーが客を待ち構えていた。彼らからすれば私は外国人。貧富の格差が激しい土地にあって、自分なんかは格好の獲物なんだろうなと考えながらも、到着は深夜12時と遅かったので素直にタクシーに乗車。
しかし有難いことに、フィリピンの空港では外国人客への詐欺に防止措置がとられていて、空港付近限定で黄色タクシーが利用できる。この黄色タクシーは、運転手になるために特別なライセンスが必要で、それだけ信頼のおける運行が期待出来る。経験上、運転手も白タクより洗練された雰囲気の人も多く、態度も献身的な気がした。おそらく遠回りや料金の過剰請求の心配はないはずだ。


マニラ空港付近の安宿、ウィンストンホテルに宿泊。このホテルは現地ではラブホ利用がされているらしく、日本のネットカフェのように利用時間に応じて料金が変化していく。
2Hからの利用が可能だが、私は24H利用で宿泊。
またチェックインの時間によっても料金が変わるようだ。
深夜の24H利用では1400ペソほど(約3000円)。途上国の安宿にしては高い。
とはいえ内装は老朽化が激しいものの、私が泊まった部屋は壁2面と天井がガラス張りのラブホらしい作りになっていて、一人でも雰囲気は楽しめたと思う。
その後マニラのいくつかの宿に泊まったが、ネットの噂通り、フィリピンの宿は他東南アジアに比べ割高な気がする。滞在中に泊まった宿は基本どこも1200ペソオーバー(約2600円)。それ以下は設備の劣化が激しいことが多い。ただしセブで見つけたANRIホテルでは、最安価の780ペソ(約1800円)で設備も及第点。
(ここは、部屋の狭さは気になるが、WIFI、クーラー完備という嬉しい作りでお勧めできる。できたばかりらしくタクシーの運転手に伝えても通じないことがある。セブの2nd Villa Amores Street Apas, Lahugにある。)セブ旅行では拠点にさせたもらったホテルだ。

フィリピンでは、ホテルの値段は高いとはいえ食費や酒代などの生活用品は、現地の貧困層に手の出せる値に抑えられている。
インドでもそうだったが、貧困が克服されておらず路上生活層が社会階級として固定している国というのは、最低生活者を圧迫しないように物価が押し下げられる傾向があるように感じる。
フィリピンに入って感じた既視感の正体は、インドとの階層構造の類似のせいなのかもしれない。

不謹慎かもしれないが、外国人には嬉しい限りの低価格を目一杯使ってやろうと、チェックイン後に早速コンビニへGO。フィリピンではセブンイレブンやMINI STOPなど日系のコンビニが目立つ。ホテル付近の地理はわからなかったが、旅の勘を生かして線路沿いに進み、コンビニを発見することに成功。ここで75ペソ(180円)の弁当やらサンドイッチを購入してホテルへ戻る。途中、狭い歩道で売春婦やバーのお姉さんに声をかけられるが怖すぎて目を合わせないよう無事ホテルへ戻った。

フィリピンのホテルはどこも部屋の明かりが弱く薄暗いことが多い。そのため本を読んだり作業をしたりする場所としては違和感を避けられないかもしれない。この日もやはり疲れていたので素直に瞼を閉じ、明日からの散策に備えるのだった。

こうしてパサイからマカティ〜エルミタへと続く私のマニラ旅行の幕が切って落とされた。
続かない。