Ossan's Oblige "オッサンズ・オブリージュ"

文化とは次世代に向けた記録であり、愛の集積物である。

【旅行前に目を通して】南京虫の出現報告(インド、東南アジア地域)

東南アジアを回るときに気をつけなければならないこと。それは治安だったり盗難に備えた荷物管理だったり犯罪の手口だったりするのだろう。
それらの要因ももちろん大事なのだが、私が旅をする前に必ず事前確認するのが南京虫(bedbag)の存在だ。

私の初めての旅は留学先のインドだったが、清潔な日本で生きてきた自分には、当然のことながら南京虫の危険性なんて認識できていなかった。

だから無防備なままインドに入り南京虫に噛まれるのは避けられなかったのだが、
恐ろしいのは南京虫が作ったおびただしい数の出血性のカサブタでも、それによってできた痕でもない。

本当に恐ろしいのは、いくら払っても彼らが姿を消すことがなく、インドを離れて3年近く経過した今も自分の生活圏に残り私の血を吸い続けていることだ。 
この3年間、私は何度も彼らを振りほどこうと生活圏を変えてきた。インドから持ち帰ったお土産は付着している可能性が高いので全て処分した。服やバッグも新調したし怪しい物には水洗いや熱処理を徹底した。

しかし、彼らは未だに私のそばにいる。そして今こうして書いている最中も左の肘に彼らが作ったカサブタから血が流れている。


そう、彼らは旅人を見つけたら、その場で旅人の血液をすするだけでは収まらず、旅人の衣類や荷物に付着して旅人に乗って生存圏を広げていくのだ。

だから、南京虫に寄生された人は、何があっても自分の家に直帰してはいけない。
旦那さんがインド出張だったり(この場合は、清潔なホテルに泊まるだろうから危険性は薄いだろう)、子弟がインドへ旅行や留学に赴いた場合は注意しなければならない。

先ほども述べた通り、南京虫は生存力が強く、一度寄生したら中々駆除することができない。
そんな南京虫が何千万円もする家に住み着いてしまった場合に備えなければならない。

インドで詐欺被害に遭っても被害額はたいてい数百円〜数千円のかわいいものだが、
南京虫はあなたに数千万円レベルの被害を与えかねない。

最初に、途上国で警戒しなければならないことに犯罪をあげたが、被害総額で見れば南京虫はそれらを上回る可能性が高い。



したがって、これからインドに行く人は、このメッセージを心に留めておいてほしい。


インド旅は値段は安いが高くつく。南京虫が出るためだ。たしかに300円レベルの安宿はたくさんあるが、どれも危険なものだと。マイソールの300円宿には特に注意してほしいと。私はそこで寄生された。(あとホテルのフロントとは仲良くしたほうがいい。険悪になると南京虫部屋に案内される。マジです。)


最後に、自分が訪れた東南アジアの都市で南京虫が出た都市とそうでない都市を簡潔に書いておく。もちろん短い滞在期間でのことなので、私の滞在期間中にでなかったからといって、その土地に南京虫が絶対にいないとは言い切れない。誰かの参考になったり、共感してくれる人がいれば幸いだ。


遭遇件数(滞在日数) 南京虫情報
インド 数えきれない(半年) おそらく全域が危険エリア。南インドは蔓延状態。日本への持ち込みを考えれば立ち入り禁止区画にしていいレベル。
シンガポール 0(1週間) 南京虫は清潔度に関係なく居つく害虫。暖かいエリアなので十分要注意。
インドネシア 4件(2週間) バリ島とジャカルタにて遭遇。特にバリ島のビーチ付近の安宿は要注意。
タイ 0(計1ヶ月) バックパッカーの聖地と言われる国だが、計1ヶ月ほどの滞在期間中に南京虫との遭遇は0。
マレーシア 0(1ヶ月) ペナン島、クアラルンプールを回ったが遭遇件数は0。ただし安全宣言にはならない。
カンボジア 1件(2週間) 基本的に無事だったが、インドの影響が強いこともあり、水面下に潜んでいる模様。プノンペンにて遭遇。
ベトナム 0(計1ヶ月) ハノイとホーチミンに滞在経験あり。ゴキブリやネズミは多いが南京虫に出会ったことはない。(こうした害虫に捕食されるため?)
ラオス 0(2週間) 宿の衛生管理はお世辞にも良いとは言えないが、被害は0。もちろん安全宣言ではない。