Ossan's Oblige "オッサンズ・オブリージュ"

文化とは次世代に向けた記録であり、愛の集積物である。

これからの世界を分ける3つの勢力

今回の記事は、東南アジアのビーチでボケーと空を見ながら考えるようなことなので、誰の役にも立たないと思います。


私は、世界は大きく3つの対立に分かれると見ています。
成長著しいBricks諸国だけでも4カ国存在するため、一見多極化が進行しているように見えます。
しかし、突き詰めると世界の勢力は3つに限られるのではないでしょうか。

それは、アメリカのコーポラティズム(新自由主義)、イスラム諸国の原理主義、中国の中華思想です。
これらの共通点は、歴史的背景に裏打ちされた拡大主義を持つことです。

アメリカはそもそもがヨーロッパ諸国の拡大政策によって作られた国です。南北戦争が終わると、戦争により領土と資源の拡大を始め、征服地では特有のコーポラティズムが進みました。日本含め、南米、アジアなどアメリカのコーポラティズムに包摂された国々は世界各地に存在します。
また世界中から人材を集積し、科学文明の中心にいます。
インターネットインフラの寡占、基軸通貨権の保持、世界最強の軍事力など見ても、その影響力は絶大であり、現代の最大勢力といえるでしょう。

イスラム諸国は、宗派によって穏健なものから強硬なものまで様々ですが、原理主義の拡大で持ちきりのISは強硬派です。
イスラム原理主義が理想とするサラセン時代は国境がありませんでした。
イスラム原理主義は、世界中のイスラム教徒にサラセン時代への復帰をよびかけ、国境を否定します。
世界人口に占める宗教人口の割合も16億人を突破するイスラムは、すでに世界的な広がりを持っているといえます。
ここに拡大主義と歴史背景が確認できます。

一見拝金主義はどの国家にも共通しているように見えて、中国ほどの拡大主義と歴史的背景を持つ国はいません。
他にはアメリカくらいです。
アメリカの支配層は信用制度(連邦準備制度=紙幣の大量発行)で格差を作り出し、世界中の貧民を奴隷化するなど拝金主義な面が強いです。この信用制度の起源も12世紀の中国に行き着きます。現在の中国もシャドーバンクで富を膨張させ、持たざる農民を奴隷化しているのは周知の通り。
また中国のマネーに対するこだわりは中華思想と結びつき、移民排出国として世界中に移民を排出してきました。東南アジアの国には華僑によって経済中枢が握られている国が1つや2つではありません。
また本土人口だけで13億人を超え、周辺国にも華僑が点在しています。中華思想も世界的な広がりを持つ思想といえるでしょう。

なおBricksの一角であるロシアもアメリカに対する挑戦を唱えています。近世にも南下政策を繰り返したロシアですが、西アジアへの南下政策の大部分は失敗に終わっています。共産主義を採用した後も冷戦でアメリカに敗北しました。
そして現在は、アメリカには原油価格下落の反撃を受け、経済破綻の危機にまで追い詰められているようです。資源国家の限界でしょう。
(ロシアの軍事力はアメリカ以上とかいう人がいるけど、まずない。 Bricksの給与水準では人材が集まらず科学研究すら進まない。そもそもロシアの優秀人材は豊かな給与水準を求めてアメリカに流出するというのに、知識層抜きの状態でどうやってアメリカと闘うのか。また民間技術のほとんどは軍事転用。軍事が優れているならロシアから優れたイノベーションが出てきてもいいはず。そういう話はまったく聞かない。)
拡大主義を掲げようにも、象徴的な思想もなく、歴史的裏付けも弱いため支持を得にくい。ロシアは世界的な広がりを持ちにくい地域といえるでしょう。
同じくインドもブラジルも被征服地が起源であり、拡大主義を進めようにも、広がりを持ちにくい点で共通しています。
内乱が相次ぐアフリカや南米地域は統合すらままならず、拡大主義など望めようもありません。

世界はアメリカ圏、イスラム圏、中華圏の3つに分割され、残りの国々はこれら3国に従う形になるでしょう。
インドなどは中立主義を守りそうですが、鎖国の限界点を超えた後で上記のいずれかに包摂されるものと思われます。