気になったことなど

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物価の安い国に海外移住は現実的か?

物価の高い先進国日本。

投資はひと段落して地価も高止まり。


電気・水道・ガスも競争がなく、安全を名目にこれもまた高止まり。


常に働き続けなければ、貯金もあっという間に底をついてしまいます。


かといって、労働の方も「一生懸命」が前提。同調圧力も強く、生活を維持していくことすら大変です。


そんな社会に生きていると誰でも一度は思ったことがあるのではないでしょうか?


「もう海外に逃亡しよう」


海外には開発途上でホテル代を含めた生活費の安い国がたくさん存在しています。

そうした国のホテルを渡り歩けば今ある貯金だけで過ごしていけるのでは?

大学時代に休学してインド留学を行った私が、その現実性について語ってみたいと思います。
東南アジアから西に出た事はないため、アジア限定という視点でよろしくお願いします。





1, 物価の安い国はどんな場所か。
今や世界有数の先進国と化した日本もかつては途上国でした。
急速に近代化を果たしてからは数々の戦争を経験し、WW2にも敗退。
そんな国土を先進国に導いたのは、他でもなく、アメリカを中心とする先進国からの投資でした。
この時代から、国家の発展モデルは「外資の投資」と決まっています。

そんな風潮の中で、発展途上の国とは、要するに訳あり物件ということです。
途上国の全てに、「先進国から見て異常な何か」があると思って差し支えないと思います。
独特の文化背景、衛生状態、政情不安などが思い浮かびます。

例えば、現在、フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領が国を挙げて汚職の撲滅に乗り出しています。
このドゥテルテ大統領が血相を変えて着手している汚職は、フィリピンの抱える病理といっても差し支えありません。
フィリピンでは、警察が犯罪を手引きしたり麻薬の流通に関与したりと、外国からの投資を遠ざける要因になっていたのです。
実際、トゥテルテ大統領の行動は「戦争」に名添えられ、現地民からもその徹底さが評価され、一定の支持を得ている様子でした。
国家権力が汚職撲滅に全力をあげ(死刑執行も当たり前)、民衆からの支持も高い。そうなると、フィリピンの汚職問題は時間をかけて必ず解決していくでしょう。

フィリピンはあくまで一例です。

しかし、それぞれが抱える病巣が取り除かれるにつれ、外国から投資が集まることは間違いありません。

つまり、国内問題を解決した国の経済は、発展の軌道に乗るということです。
そうなれば、物価も徐々にインフレに向かい、安かった頃の物価は色あせ、やがて市場から姿を消すでしょう。

つまり、日本脱出組が目指す国は、必然的に国内問題の残っている国となります。

つまり、「先進国の常識では避けたくなるような問題を抱えている国」です。

もちろん、他先進国でも十分暮らしていけるような裕福な人もいるでしょうが、一部の少数派でしょうから、この場では考慮に含めないことにします。

2, 深いコミュニケーションが取れない
異民族が住む国ですから、当然言語、文化、宗教の面で、我々日本人の常識は通じません。
とはいえ、同じ人間ということで共通点も多い。現地民と意気投合することもあり、なんとか会話を成立させようとするのですが、言語の違いや感覚の違いから、どうしても難が出てきます。
これは私がまだ海外初心者のせいかもしれませんが、相手の考えを全て理解し、こちらの意見を満足いくレベルまで受け取ってもらえたと満足感を得られた経験はほんのわずかです。
大半は、コミュニケーションがうまくいきません。
世界語の英語を話せる人でも、英語はやはりネイティブでもなければ現地語の感覚が混ざってくるもの。
できるに越したことはありませんが、それでも困難を強いられることが多いかと思われます。

3, 耳に入ってくる言葉も外国語ばかり。意識を保てなくなる。
私たちが普段何気なく耳から吸収している言語というのは、意識の形成に大きな役割を果たしているようです。
思考も言語によって作られると某脳機能学者のT氏も著書に書いておりました。

インドに迷い込んだ頃は、日本の友人と連絡することもなく、日本人も行かないような地域をさまよって現地人とのみ交流を取っていた時期がありました。
そうすると、意識がボケてくるのです。まるで壮年を迎えた老人のように言葉が頭に浮かんでこない。
現地でやろうとした学習計画は全て頓挫することになりました。

Skypeなどを使って日本の友人、恋人、家族と定期的に連絡を取るという方は問題ないでしょう。
しかし、それもなく他に日本人もいない地域を目指す人という人は、意識の管理プランを予め練ってから行くべきだと考えます。

4, 食事の問題は意外と感じない。ただ外資系は高い。
日本の食事の高さは、中間費用の高さによるもの。つまり安全意識と管理費用がコストとして料金に上乗せされているのです。
一方、海外の食品はその過程が抜けているため、大変安い。人件費が全体的に安い関係もあるでしょう。
その反面、衛生管理は疎かです。これは注意が欠かせません。途上国にありがちな屋台では、熱帯の熱気もあり、腐りかけの食材を当たり前のように扱っているものもあるので、日本基準の感覚で軽々しく手を出すと健康を損なうこともあるでしょう。

その点、フランチャイズ展開の外資系列店では、安全意識も比較的高く、腐敗した食品を出されることはまずありません。
味も脂質が高いため美味なものが多いです。
日本料理店も需要が高いため、ほとんどの国で探せば見つかると思います。

しかし、安全重視でこうした外資系の料理店を求めるなら、総じて先進国水準の出費を覚悟しなければなりません。

とはいえ、ローカルのお店も生き残りのために、大半はしっかりしているんですけどね。問題のある店はほんの一部です。

ちなみに、無難に食料を調達するなら、最も手っ取り早いのは現地のコンビニを利用することです。
東南アジアの安い国なら、日本と変わらない商品が日本価格の1/2程度で手に入ります。

5, 快適な点
これまで問題点ばかり述べましたが、物価の安い国にも快適な点はたくさんあります。
もちろん、国ごとに状況は様々ですが、共通点は何でしょうか?
やはり物価の安さです。

外資マネーの流入が少なく、または民衆に十分に広まっていない国では、最下層民の生活水準に合わせてコモディティ価格が決定されているようです。
インドの歯ブラシは、30~40円から手に入ります。米や野菜も大変安い。
鶏も一羽300円ほど。

この安さは、最下層民に手を出せない額まで値段を上げてしまうと、多数を占める下層民の生活が成り立たず、反乱リスクが高まるためでしょう。
しかし先進国民から見れば、投げ売り状態にしか見えません。
私は、インドの雑貨屋を何店も周って買い占めないように気をつけながら、ほぼ2年分程度の歯ブラシを収集して帰国しました。

また、地価の安い国では、ホテル料金も日本に比べると安い事が多いです。

まあ投資家から見放されているとみなすこともできますが。

もちろん日本ほどの安全性管理は期待できませんが、前もって口コミを読んで自己管理も厳しく課せば問題事は避けられると思います。

その他にも、インドではジムの費用が月なんと300円ほどです。
日本では最低でも8000円くらいしたと思いますが、それに比べると格安ですよね。
ジムの中は、意外といったら失礼ですが設備も充実しており、トレーナーが面倒を見てくれます。
メンバー同士の人間関係も密で、ヒンドゥー教徒もいればイスラム教徒もいました。
アジア人は私一人でしたが、暖かく受け入れていただき、色々な話をした記憶があります。


このように途上国の物価は、最貧困層にも手の出せる低価格で調整されていることが多いです。やはり一番のメリットといえば、物価でしょう。

また、何らかの問題を抱えているとはいえ、首都周辺や観光スポットは、国家の重要拠点ですから政府も治安維持に力を入れています。
それでも突然の発砲や引ったくりなど、予期せぬ事件に巻き込まれることもありますが、目立つことをせず現地の知り合いを作って衝突なく過ごせばば大きな問題は避けられる思います。


6, 安い国に特有のリスク
物価が安いということは、無視できない何かが残っていると考えるのが基本です。
それは衛生面だったり、治安面だったり、魔女狩りの風習だったり、国ごとに様々です。
そのため一般化することはできませんが、目的地の国の物価が安ければ、その背景にある問題をあらかじめ特定しておくべきだと思います。

インドの安宿には、悪魔が住んでいます。(http://illuminated29.hateblo.jp/entry/2016/09/09/224411)
フィリピンには、まだまだ汚職が蔓延っています。銃や麻薬も出回っており、ホールドアップ被害も懸念事項となっています。

先ほど物価面のメリットを挙げました。

しかし日本でも同じですが、物価の安い国でも格安サービスは、裏を読む必要があります。

特にインドの南京虫は安宿に蔓延しており、インドの激安宿(300円程度から)は、地雷として捉える必要アリかと思います。

行き過ぎた安さ重視が結果的に数十万円規模の被害を引き起こすことになりますから、本当に気をつけてください。

7, 生活費と結論
気になる生活費ですが、最も安い部類のインドなら理論上は27,500円で過ごす事が可能です。
(インドの安宿300円を30日) + (食費3食450円を30日) + (ネット代など雑費5000円) = 27500円

しかしながら、インドは悪魔の住む危険な国です。生活の様々な場所にリスクが堆積しています。

他の国も盗難や強盗など同じような問題を抱えています。

そうしたリスクを考慮に入れて安全面を重視すれば、最低でも宿代は一泊2000円は必要でしょう。(南京虫は、2,000円宿でも出る時は出る)

食費も安いローカルばかりとはいかず、時には日本料理が恋しくなる時があります。そうなると最低でも月20,000円はかかるでしょう。

これに雑費5,000円(最低水準)を加えると、(宿代 2000 * 30) +(食費 20000) + (雑費 5000) = 85000円。

この計算では、85000円となりましたが、個人的には生活費が10万円を下回った月は基本なかったと記憶しています。
(インド人とルームシェアをした時はwifi、トイレ・バス共用で月2万円。外国人が部屋を借りるにはルームメイトが必要ですが、需要は高いらしく、相談すればすぐ見つけてくれます。)

せっかくの海外ということで、現地飯を「爆買い」したせいだと思いますが。


さらに旅の費用には航空券代が含まれます。最近はLCCの登場で安くなっていますが、往復で見ると大きな出費になります。


結論として、海外移住目的で物価の安い国に住むのは、現実的ではないと私は考えます。

いくら途上国でも、日本の基準の安全性や快適さを求めれば、日本同等の生活費が掛かってきます。

外国語環境も慣れるまで大変です。脳の言語野が持つ8~13歳のキーエイジから完全適応は至難の技といえるでしょう。

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