Ossan's Oblige "オッサンズ・オブリージュ"

文化とは次世代に向けた記録であり、愛の集積物である。

2000年以降の金・銀・銅・プラチナの価格の比較

今回は、金・銀・銅・プラチナを、「2000年以降の価格の伸び率」と「採掘ペース」の観点から比較してみたいと思います。



1、 2000年時点を基準にした、値上がりのピーク時と2017年現在の伸び率の比較

( 掲載データは、「世界経済のネタ帳」http://ecodb.net/)を参考にさせて頂きました。)

ここでは、金・銀・銅・プラチナの各価格を、
「2000年時点の価格とマネタリーベースの増えた2000年以降のピーク時の価格の伸び率」、「2000年時点の価格と2017年現在の価格の伸び率」
この2つから比較してみたいと思います。

基準の価格を2000年に設定したのは、区切りのよさと、世界的な株バブルの開始直前の年度であるためです。

(1)金

金価格は、2000年の時点で1g 8.98ドル。2000年以降は、2012年に1g 53.64ドルのピークに達し、2017年現在は1g 39.84ドルに落ち着いています。
伸び率は、2000年-2012年で最大597%、2000年-2017年現在で444%となります。

(2)銀

銀価格は、2000年の時点で1g 0.16ドル。2000年以降は、2011年に1g 1.13ドルのピークに達し、2017年現在は1g 0.56ドルに落ち着いています。
伸び率は、2000年-2011年で最大706%、2000年-2017年で350%となります。

(3)銅

銅価格は、2000年の時点で1g 0.00177ドル。2000年以降は、2007年に1g 0.00812ドルのピークに達し、2017年現在は1g 0.00588ドルに落ち着いています。
伸び率は、2000年-2007年で最大458%、2000年-2017年現在で331%となります。

(4)白金(プラチナ)

白金価格は、2000年の時点で1g 17.56ドル。2000年以降は、2011年に1g 55.30ドルのピークに達し、2017年現在は30.99ドルに落ち着いています。
伸び率は、2000年-2011年で最大315%、2000年-2017年で176%となります。


2000年からピーク時までの伸び率が最も高いのは、銀の706%。
次いで金の597%、銅の458%、そして白金(プラチナ)の315%と続きます。
とはいえ、2000年の時点ではまだ現物ETFが導入されていなかったので、一般の投資家が銀や銅に手を出すことは難しかったと思います。
そう考えると、やはり手堅かったのは、メジャーな金ということになるでしょうか。

2000年から2017年現在までの伸び代が最も高いのは、金の444%です。
次いで銀の350%、銅の331%、そして白金(プラチナ)の176%となります。

あくまで2000年を基準にした曖昧な比較ですが、金価格の伸び率の良さと価格の安定感が示されたかと思います。


2、 採掘ペースの比較


(1)金

金はおよそ7万トンの埋蔵量が確認されています。
一方、年間の産出量は2011年で2822トン。
これは、埋蔵量に対し、年換算4.03%のペースで採掘を進めていることになります。

(2)銀

銀はおよそ53万トンの埋蔵量が確認されています。
一方、年間の産出量は2015年で2.51万トン。
これは、埋蔵量に対し、年換算4.74%のペースで採掘を進めていることになります。

(3)銅

銅はおよそ9億4000万トンの埋蔵量が確認されています。
wikiによると、そのうち可産鉱量は2005年の時点で4億7000万トンとされていますが、2011年の報告では6億9000万トンに増加するなど、技術革新を背景に可産鉱量は年々上昇しています。6年間で2億2000万トンの伸びですので、最終的には埋蔵量の9億4000万トンに限りなく近づくことが予測されます。
一方、年間の産出量は2015年で1910万トン。
これは、埋蔵量に対し、年換算2.03%のペースで採掘を進めていることになります。

(4)白金(プラチナ)

白金はおよそ1万6000万トンの埋蔵量が確認されています。
一方、年間の産出量は、およそ190トン。
これは、埋蔵量に対し、年換算0.01%のペースで採掘を進めていることになります。


根拠とした数字は年度ごとにバラバラであるため、比較を行う上では正確性に欠けると言えます。
しかしながら、あくまで傾向を示すには、十分だと考えられます。
計算によると、採掘ペースが最も早いのが銀の4.74%。
次いで金の4.03%、銅の2.03%、そして白金(プラチナ)の0.01%となります。

プラチナの採掘ペースが他金属と比べて格段に遅れているのは、生産拠点の少なさが関係しているのかもしれません。
あるいは、希少価値の高さから資源メーカーが小出しに流通させていることも考えられます。

この点は、不明だったので、今後の課題としたいと思います。