気になったことなど

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ロシア経済もまた地域ブロックへ向かう

政府の腐敗と資源依存が進むロシアは、単一国家の視点で見れば弱小国に過ぎません。

エネルギー産業以外に経済を牽引できる産業が育っていないため、製品に国際競争力もありません。

自国への期待の先細りから人材流出にも歯止めがきかず、人口動態も下降を示しています。


しかし、ロシアもまた地域ブロックという視点から見ることによって印象は大きく変わってきます。

アフリカ及び南アメリカ同様、ロシアもまた地域統合に向けて、旧ソ連圏の国家との間に共通市場を創設しようとしています。

そして、最終的には中国の「一体一路」構想と市場を連結させることで政策の恩恵を受けることを狙っています。


しかしながら、ウクライナのEU加盟の動きに見られるように、ロシアとの共通市場創設を巡る姿勢は、旧共産圏の国で一様ではありません。

「EU」とロシアを盟主とする「ユーラシア連合」の2つの陣営が旧共産国家の奪いあいを展開し、それぞれの勢力を形成しようとしています。


旧ソ連圏の経済ブロックのこれまで

ソ連の崩壊後、ソ連を構成していた国家は独立国家共同体(CIS)という緩やかな国家連合を作り、欧州連合のモノマネのようなことをしていました。

しかし、ソ連崩壊後に任期についたエリツィンの指導が不十分だったこともあり、CISの内情は安定しません。

しだいに、CIS加盟国は独裁者が権力を持つ独裁国家となっていきました。

ソ連から独立したことで、発言権を増したCISの構成国の中には、ロシアと距離を置く国々が現れ始めます。

つまり、今日でもEUとの協調に積極的なジョージアウズベキスタンウクライナアゼルバイジャンモルドバは、

ロシアとの距離を置き、それぞれの頭文字をとってGUUAMという組織を形成します。

一方のベラルーシカザフスタンタジキスタンキルギスアルメニアは、ロシアと緊密な関係を保つことに務めます。

この時の関係を基本として、2000年にはCISで発覚した失敗を補うための組織の見直しが行われます。

CISは親露国家によるユーラシア経済共同体(EAEC)に改組されました。

2005年には、ウズベキスタンのEAEC加盟が実現し、これをきっかけにEAECは「中央アジア協力機構」を併合します。

EAECは、西側のEUと東側のASEANを結ぶ経済ブロックとして発展することを望みました。


アメリカとEUは、旧共産国を独裁者に対する民主化革命を支援する形で取り込もうと考えており、

2003年のジョージアバラ革命、2004年のウクライナオレンジ革命に見られるごとく、民主化の試みが功を奏します。

2008年になると、EUが東への拡大を積極的に進め旧ソ連の国々に影響力を及ぼし始めたことから、

これを警戒したロシアとの間に不和が生じます。

EUは、旧ソ連圏の国々に対し、EUへの入国ビザの緩和などで懐柔を図り、対してロシアは、エネルギー価格の優遇で対抗します。

この動きの中で、2008年にはウズベキスタンが EAECから脱退。


ユーラシア経済共同体を維持するべく、共同体の内部で関税同盟を組成することが重要課題となったロシアは、

2011年にベルラーシ、カザフスタンを構成国とする連邦国家「ユーラシア連合」の構想を表明します。

これを受け、2015年には「ユーラシア経済連合」が発足。

域内の政治統合に先立ち、経済統合が試みられる形になりました。

2015年には、新規加盟国としてアルメニアキルギスを加えます。


中央アジアから東欧までの経済圏を確保したプーチンは、中国との協力にも積極的です。

プーチン大統領と中国の習近平国家主席は、ユーラシア経済連合とシルクロード経済ベルト構想を連携させるとの共同声明を発表し、

2015年にはベトナムと初の自由貿易協定が締結。

反アメリカ路線を共有する中国の「一体一路」構想への協力にも積極的であり、東アジア地域への進出、協力に積極的な姿勢を示しています。

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