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アフリカ連合(AU)の貿易構造-5 東南部アフリカ市場共同体( COMESA)

アフリカの統一市場の創設を目指して各地に地域ブロックが作られています。

これまで北部、西部、中部、南部と順番に貿易構造を調べてきましたが、

一応、今回の東部ブロックの調査ですべてのブロックの観察が完了したことになります。

東アフリカの地域統合には2つの種類が存在します。

東アフリカ共同体(EAC)と東南部アフリカ市場共同体(COMESA)がありますが

今回の記事では、COMESAの域内貿易を調査することを目的とします。


東南部アフリカ市場共同体(COMESA)とは

COMESAは、1994年に設立された自由貿易協定です。

東南部アフリカ諸国を中心に20カ国が加盟しており(19カ国という表記があちこちに見られるが、Wikipedia記載の加盟国を合計すると20国になる)、最終的には他ブロックとの統合が予定されています。

2016年における域内人口の合計は5億1277万人、同GDPは7477.7億ドル。
これは北部ブロック(AMU)、西部ブロック(ECOWAS)、中部(ECCAS)、南部(SACU)と比べても、人口・GDPともに最大となります。
[参考 : 2016年 日本 人口 : 1億2696万人 GDP : 4兆9365億ドル]


1 エジプト (GDP : 3323.5億ドル[世界第32位])

主要産業 製造業(16%)、石油・天然ガス(17%)、小売・卸売(11%)、農林水産業(11%)
輸出 原油(9.3%)、石油製品(7.6%)、衣類(5.8%)、肥料(3.4%)など
輸入 石油製品(12.9%)、鉄鋼一次製品 (5.0%)、小麦(3.4%)

地中海沿岸国を構成しアフリカ大陸への入り口に位置するエジプトは、BRICSの次の成長国として期待されるNEXT11にも含まれている有望国です。

しかしながら、国家財政はスエズ運河の利用料と観光収入への依存が強く、政情に左右されやすい経済構造になっています。

産油国ですが、1993年をピークに毎年減少しており、石油関連の国内需要分は近隣の中東諸国からの輸入に依存しています。

一方で、未開発の金鉱床が発見されており、観光収入やスエズ運河の収入を超える富をもたらすとの声もあるほど、鉱業部門は成長中だとされています。

工業部門は、バスやトラックを製造し中東諸国を始め世界中に広く輸出されている自動車産業

窒素肥料の生産を中心とした化学工業、

洗濯機や冷蔵庫を始め家電製品を広く扱うオリンピックグループ、

鉄鋼業、ヨーロッパ市場との近さを生かした縫製業など、

南アフリカ共和国ほど盛んではないにせよ、アフリカ屈指の工業力が育っているようです。


2 スーダン (GDP : 944.2億ドル[世界第63位])

主要産業 鉱業、農業、林業、畜産業、漁業
輸出 金、家畜、食用油、ガソリン
輸入 さとうきび、ガソリン、乗用車、薬品

2011年に南スーダンが分離独立するまではアフリカ大陸最大の国土を有する国家でした。

1955年から2度に渡って続いた内戦の余波により、広い地域で基本的なインフラが壊滅状態に陥りましたが、

インフラの再整備を受注した中国の手によって、90年代から石油のパイプラインや鉄道敷設を含めたインフラの再整備が行われています。

2011年には、油田が集まる南部スーダンの独立が起こり、翌年の2012年には石油製品の収入が約75%落ち込むなど、

スーダン経済はピンチに陥りました。

しかし、政府の財政出動によって建設ブームが起こり、2016年まで継続して年2.7%以上の経済成長を示すなど、景気後退は落ち着いています。

工業部門は、食品加工、機械組み立て業、プラスチック関連、家具、製糖業など軽工業が首都では栄えています。

またスーダンは、東アフリカの医療産業のハブとして、周辺国に医療設備や器具、特許などを提供しており、

70%のニーズに応えることに成功しています。


農業部門に関しては、ナイルの氾濫を防止する目的で作られたアスワンハイダムの完成に伴い、

綿花やピーナッツなどの輸出向け商品作物の栽培が活発になりました。

農業には、国民の約8割が従事するとされ、小麦、トウモロコシの栽培が盛んに行われています。

また家畜も盛んに輸出されています。

鉱物資源に関しては、有望視されつつもこれまで採掘が行われていなかった鉱山が、

2011年の南スーダンの独立をきっかけに新たな収入源として注目を浴びています。

中でも金鉱床は、原油に代わる新たな戦略物資として政府が位置付けるなど戦略的重要性を秘めています。


3 エチオピア(GDP : 725.2億ドル[世界第67位])

主要産業 農業(穀物、豆類、コーヒー、綿、サトウキビ、ジャガイモ、チャット、皮革)
輸出 コーヒー、チャット、金、皮革製品、油糧種子
輸入 石油、石油製品、化学製品、機械類、自動車、穀物、繊維

域内ランキングは3位ですが、人口爆発により1人当たりのGNIは615億ドルの後発開発途上国です。

また、人口の過半数が18歳以下の年齢層にも関わらず、輸出の60%を占める農業以外の産業が未発達で人口ポテンシャルを生かしきれていません。

その農業も、栽培は商品作物に偏っており、自国の食料需要は輸入で満たしています。

鉱業も金程度しか満足に採掘されず、小さな規模に留まっています。

工業は現状GDPに対して4%に過ぎず、わずかな軽工業が首都のアディスアベバ周辺に集中しているだけに過ぎません

そのうち40%が飲食関連の業種です。また縫製業や皮革加工も輸出市場としての将来性に注目を集めています。

近年は、工業化と民営化に力を入れており、若年人口の労働の受け皿を作ることが急がれています。


4 ケニア (GDP : 689.2億ドル[世界第69位])

主要産業 農業(コーヒー、紅茶、園芸作物、麻、綿花、トウモロコシなど)、工業(食品加工、セメント、石油製品)、鉱業(ソーダ灰、ホタル石)
輸出 紅茶(21.1%)、園芸作物(16.9%)、コーヒー(4.6%)
輸入 石油製品(17.3%)、資本財(14.2%)、自動車(5.4%)

沿岸に位置するケニアは近隣のアフリカ諸国の中では、民営化もインフラ整備も進んでおり、発展が盛んな部類に分類されます。

主な商品作物は、紅茶、園芸作物、コーヒーです。

鉱物資源には恵まれず、わずかなソーダ灰がGDPの1%以下ほど生産されるだけです。

また、ケニアは東アフリカの中でも最も近代的な都市整備が進んでいます。

特にナイロビは、東アフリカの通信・金融(アフリカでは4番目)・交通の中心都市として注目を集めており、

この都市を含め、東アジア最大の港であるモンバサ、キスムの3大都市を中心に

食品加工、ビール製造、精白業、製糖業などの軽工業

また自動車組み立て、原油精製などの重化学工業が発展の兆しを見せています。


5 コンゴ民主共和国 (GDP : 416.2億ドル[世界第88位])

主要産業 農林水産業(パーム油、綿花、コーヒー、木材、天然ゴムなど)、鉱業・エネルギー(銅、コバルト、ダイヤモンド、金、錫、コルタン、原油)、製造業(セメント、製鉄など)
輸出 卑金属、金、原油、コーヒー
輸入 資本財、消費財、エネルギー、原材料

コンゴ民主共和国には豊富な資源が埋蔵されており、未開発資源の総額は24兆億ドルとも試算されています。

1960年のベルギーからの独立時点において、南アフリカ共和国に続く工業国だったにも関わらず、

腐敗、戦争、政情不安定などの要因が重なった結果、更なる経済発展の根を絶たれてしまいます。

国家の経済は1980年代から低迷しており、現在では後発開発途上国のひとつに指定されています。

コンゴ民主共和国の工業は、生産設備の不足、電力不足などの要因により発達が遅れており、GDPに対する貢献も大きくありません。

産業としては、食品、飲料、タバコ、印刷物、履き物、皮革、金属加工、また化学産業では石鹸、塗料、ゴム、プラスチックなどが挙げられます。

輸出の90%は鉱物だとされ、銅、コバルト、亜鉛、錫、石炭、銀、カドミウムゲルマニウム、金、パラジウム、など豊富な鉱物資源に恵まれています。

しかしながら、人口の4分の3以上は、GDPの5分の2を占める農業、畜産、漁業、林業などの部門に従事しています。

コンゴはまた南アメリカのアマゾンに次ぐ広さの熱帯雨林を抱える自然に恵まれた国ですが、

輸送や農業設備の遅れにより関連産業の発展に制約があります。

主要な輸出作物はコーヒーです。


6 リビア (GDP : 331.6億ドル[世界第95位])

主要産業 石油関連産業
輸出 石油など
輸入 自動車、電機製品、食料品

リビアは、アフリカ第1位の原油埋蔵量を誇る資源大国です。(世界ランキングでは、9位)

2011年の革命により石油経済は深刻な打撃を受け、産油量は革命前の4分の1の水準まで減少。

その結果、2016年のリビアの実質GDPは、革命前の半分以下に減少しました。

輸出収益の95%を原油に依存しています。


7 ウガンダ (GDP : 26.20[世界第102位])

主要産業 農林水産業、製造建築など、サービス
輸出 コーヒー、魚・魚製品、綿花、紅茶、タバコ
輸入 石油関連、機械類、自動車

大変肥沃な土地に恵まれています。

それを受けて、主要産業は商品作物の生産を中心とした農業が活発です。

中でも2014年で世界第10位を占めるコーヒーの生産が主力商品となっています。

軽工業も発展していますが、生産した農産品の加工を中心とした軽工業に限られており、発展は限定的です。


8 ザンビア (GDP : 213.1億ドル[世界第105位])

主要産業 鉱業(銅、コバルト)、農業(トウモロコシ、砂糖、タバコ、綿花、オリーブ)、観光
輸出 銅、コバルト、タバコ、皮革類、綿花、コーヒー
輸入 機械類、輸送機器、石油製品、電力、肥料、食料、衣類

ザンビアは輸出の85%が銅資源とされるほど、銅への依存度が高くなっています。

また農業には2000年時点で人口の85%た従事していたとされ、とうもろこしを中心とした商品作物や国内消費用の穀物、青果が栽培されていました。

耕作可能な土地の20%以下しか耕されておらず、まだまだ成長の余地を秘めています。


9 ジンバブエ (GDP : 141.7億ドル[世界第118位])

主要産業 農業(たばこ、綿花、園芸)、鉱業(プラチナ、クロム、ニッケル、金、ダイヤモンド)、観光(ビクトリアの滝など)
輸出 タバコ、鉱物(プラチナ、クロム、金)
輸入 燃料、機械類、自動車(中古車)

かつてイギリスのセシル・ローズによりローデシアが建てられた地域です。

当時は国家の白人至上主義を反映して、国土の大半を白人農場主が寡占する社会構造でした。

その構造を受け継いでジンバブエの農業も少数の白人層に牛耳られていましたが、

1980年代の独立以来大統領の座にあるロバート・ムガベ大統領が農地の強制接収を行います。

白人農場主から強制的に接収された土地は、ムガベ大統領の介入によって黒人農家に再分配されます。

ところが、ノウハウを持つ白人農場主の喪失、白人農主を中心とした集約労働システムの崩壊の結果、

強制接収後のジンバブエには、休閑中の土地が目立つようになります。

結果的に2000年から2007年の7年間で、農業の生産性は半減し、

主要な輸出用作物であるタバコの生産も2000年から2008年で79%落ち込んだこともわかりました。

2009年には、年間インフレ率が約2億3000万%に達し、国民の95%が失業を余儀なくされます。


その後、落ち込んだタバコの生産は中国やイギリス、アメリカのタバコ会社の助けを受けて過去3番目の生産量を取り戻すまで回復していました。

現在のジンバブエの農業は、小規模な黒人農場主によって運営されており、輸出の半分以上が中国に出荷されています。

かつてセシルローズが目をつけたように南アフリカ共和国の土壌には豊富が眠っています。


2016年の主要な輸出品目は、金、ニッケル、プラチナ、ダイヤモンドなどの鉱物とタバコです。

プラチナ(産出量世界第3位)、ダイヤモンド(産出量世界第6位)、金、鉄、銅などがジンバブエの代表的な鉱物です。


10 モーリシャス (GDP : 119.5億ドル[世界第124位])

主要産業 輸出貿易地区における繊維業や砂糖生産など、金融、観光
輸出 繊維、衣料品、砂糖、魚
輸入 機械・車両、食料・飲料

2016年の1人あたりの名目GDPランキングでは、9424ドルとアフリカ諸国では3番目に高い数値になっています。

1968年の独立以前は、農業プランテーションを軸とするモノカルチャー経済に依存していました。

ところが1968年の独立をきっかけに観光業が発展し、

1971年のEPZ(輸出加工区)の設置による輸出型工業の発展などを受け、モノカルチャー経済から脱出することに成功します。

現在の農業はGDPに対して4%前後まで縮小し、工業は20%以上に成長しています。

EPZの実態は、インド企業向けのタックスヘイブン(租税回避地)であり、

モーリシャス居住者の会社がインド本国で売り上げた利益に対する課税は原則免除されています。

またサービス業がGDPに占める割合は、72%程度と最も高くなっており、中でも観光業に占める割合が大きいとされています。


11 マダガスカル (GDP : 97.4億ドル[世界第135位])

主要産業 農林水産業、鉱山業、観光業
輸出 ニッケル、バニラ、チョウジ、宝石
輸入 資本財・原料、燃料、消費財、食料

農業、林業、漁業などの第一次産業に人口の約82%が従事しています。

しかしながら農業の生産性は低く、GDPへの寄与は26%程度に過ぎません。

その結果、国民の約90%が1日2ドル以下の貧困を余儀なくされています。

2011年の輸出収入の上位を占めた商品は、クローブ、バニラ、カカオ、砂糖、ペッパー、コーヒーなどの農産品でした。

中でもマダガスカルのバニラは世界で2番目に栽培が盛んで、全世界に流通しているバニラの4分の1を占めています。

また国土にいくつか設置されている輸出特別区では、輸出用の衣服産業が栄え、

アメリカとのAGOA(アフリカ諸国の産業の発展のために、アフリカ製品に対し関税撤廃などの優遇措置を与える法案)により米国への輸出が盛んに行われています。

また宝石や石油などの鉱物関連の産業も成長中であり、2009年にリオ・ティントが投資を始めるなど開発の姿勢を見せています。


11 ルワンダ(GDP : 84.1億ドル[世界第138位])

主要産業 農業(コーヒー、茶など)
輸出 コルタン、錫、茶、コーヒー
輸入 消費財、中間財、資本財、エネルギー

ルワンダは、アフリカで最も人口密度の高い国だとされ、1人あたりのGDPランキングも最下位周辺です。

GDPの30%ほどを占める農業に人口の90%が農業に従事しています。

耕地は大変肥沃なのです。

しかし、人口の増加に生産の増加が追いついていないため、食料の輸入を余儀なくされています。

輸出向け商品作物は、主にコーヒーと茶が生産されています。

工業がGDPに占める割合は18%ほどです。

国内消費向けの手押し車などの農産器具、また飲料品、石鹸、セメント、プラスチック、衣服、タバコなどの製造が行われています。

ちなみに、鉱物資源に乏しいとされる一方で、世界第12位のスズ、世界第6位のタングステンを産出しています。

12 マラウイ( GDP : 54.9億ドル[世界第147位] )

主要産業 農業(たばこ、とうもろこし、茶、綿花、ナッツ、コーヒー)、工業(繊維、石鹸、製靴、ビール、マッチ、セメント)
輸出 タバコ、紅茶、砂糖、コーヒー、ナッツ
輸入 食料品、石油製品、肥料、消費財など

マラウィは、アフリカ内陸部に位置する農業国です。

GDPの27%を占める農業に国民の約90%が農業に従事するとされ、

農業収益が輸出総額の約80%を占めています。

2016年の一人当たりのGDPランキングでは、188位となっており(189位中)、

IMF世界銀行など国際機関への依存が恒常化しています。

商品作物であるタバコの生産量は、世界10位以内にランクインし、輸出総額の約50%を占めています。

その他の商品作物には、紅茶や砂糖、コーヒが挙げられ、商品作物の輸出総額はマラウィの輸出収益の90%に達します。

工業分野は、GDPに対して10.7%の貢献と小さく(2013)、食品加工や建築、消費財、セメント、肥料などの軽工業が発展しています。

また地下資源に乏しく燃料はすべて外国からの輸入に頼っています。

官僚の腐敗、エネルギー資源の乏しさ、国土の90%に電気が通っていないとされるインフラの未整備、

こうした条件が重なり、マラウィの経済発展を遅らせています。


13 エリトリア (GDP : 53.5億ドル[世界第148位])

主要産業 農業(モロコシ、豆類、大麦、小麦)、工業(金、大理石)
輸出 食料・家畜、ソルガム、繊維製品、食料、工業品
輸入 機械、石油製品、食料、工業品

エリトリアは、エリュトュラー航海記にも登場し、アフリカの紅海沿岸国を構成します。

かつて国境を南に接するエチオピアから併合を受けた過去を持ち、

1961年から1991年の独立に至るまでの30年間に続いた独立戦争

独立を勝ち取った後、1998年から2000年まで続いたエチオピアとの国境紛争により社会は疲弊しました。

1950年代の時点では、エチオピアよりも近代化されたインフラを備えていたエリトリアですが、

30年間に及ぶ戦争の結果、

多くの産業はエチオピアにより接収あるいは解体され

1991年の独立時には、国家収入の大半を港の利用料金とわずかな農業収入に依存するまでに低迷してしまいます。

エリトリアの鉱業は発展していないものの、地下資源は大きなポテンシャルを持つとされます。

しかしながら、鉱床はエチオピアとの国境に沿って位置していることが多く、鉱業の発展を困難にしています。


14 スワジランド (GDP : 37.7億ドル[世界第155位])

主要産業 農業(砂糖、木材、柑橘類)、繊維産業、鉱業(石炭、アスベスト)
輸出 清涼飲料、砂糖、繊維製品、鉱物
輸入 鉱業製品、機械、食料・家畜

王政の国で、国土の三方向を接する南アフリカ共和国との関係が強く

輸入の約85%、輸出の約65%が南アフリカ共和国との間で行われています。

1人あたりのGDPは、3000ドルを超えており、中所得国に分類されます。

南アフリカ共和国アパルトヘイトで混乱していた時期に

経済制裁を恐れた企業の流入が起きたため、

GDPに占める第二次産業の比率は、アフリカ諸国の中では高い40%前後に達しています。

農業部門は、土地の生産性によって二極化されており、

生産性の高い土地で砂糖、木材、シトラスなどが収穫され、またそれを加工する産業の繁栄をもたらす一方で

国民の75%は、生産性の低い土地での自給自足農業を余儀なくされています。

南アフリカ共和国の恩恵を受けて経済の多角化には成功しているものの

住民の約1%ほどの白人が私有地の大半を所有する不平等や国王の散財癖が、更なる成長を妨げています。


15 ブルンジ (GDP : 31.3億ドル[世界第159位])

主要産業 農業(コーヒー、茶など)
輸出 コーヒー、茶
輸入 中間財、消費財、資本財

ブルンジGDPの約40%を農業セクターが占める農業国です。

国民の90%が農業に従事しているとされ、

商品作物の輸出が外貨収益の90%を占めます。

主要な輸出品目は、コーヒー(輸出の69%)、紅茶(26%)、綿、皮革など。

一方の輸入は、建築資材、食料品、燃料などです。

国民の貧困率は64.9%に及び、

国外からの援助金が歳入に占める割合は42%と、

アフリカの国でも2番目に高い数字になっています。


16 南スーダン (GDP : 29.1億ドル[世界第160位])

主要産業 原油、農業、林業、畜産業、漁業
輸出 原油
輸入 原料糖、大型建設車両、車両、セメント

南スーダンは、2011年にスーダンから独立した産油国です。

南スーダンが独立する前のスーダンでは、石油の85%が南スーダンから産出されていたとされます。

それほど、南スーダンには油田が集中しています。

石油収入が国家予算の98%を占めるとされ、南スーダンの全域で採掘が行われていますが、主導しているのは外資です。

農業は、土地のポテンシャルは大きいとされます。

しかし、イギリスのFAO(The UN Food and Agriculture Agency)によると

独立時点では耕作地の4.5%しか使われていなかったそうです。

現在においても、食料供給は近隣諸国からの輸入に頼っています。

2011年の南スーダン独立でスーダンが石油を失ったのと同じように、南スーダンナイル川流域の肥沃な土地を失ったといえるでしょう。

しかしながら土地のポテンシャルは高いようなので、今後の発展に期待です。


17 ジブチ (GDP : 18.9億ドル[世界第165位])

主要産業 運輸(ジブチ鉄道、ジブチ港湾サービス)
輸出 機械・輸送機器、食料・飲料
輸入 機械・輸送機器、食料・飲料

紅海に面したジブチは、農業も工業も未発達な国で、アフリカとアラビア半島のアデン湾を結ぶ地理的特性に依存しています。

諸外国からジブチに輸入した製品を、アフリカの内陸国に再輸出する中継貿易の拠点として発展しています。

主要な輸出品目は、コーヒー、塩、毛皮、豆、シリアル、木材など。

輸入品目は、消費財と再輸出用の製品です。


18 セーシェル (GDP : 14.1億ドル[世界第170位])

主要産業 観光業、漁業(まぐろ)、農業(ココナッツ、シナモン、バニラ)
輸出 マグロ缶詰、鉱物燃料、タバコなど
輸入 鉱物燃料、冷凍マグロ、製紙など

セーシェルは、ソマリアの北西1300kmに位置する共和制国家の島国です。

主要産業は観光業でGDPの83%、マグロなどの魚介類、ココナッツ関連の製品の輸出も重要な収入源になっています。

農業は、かつての主要産業でしたが、今日ではGDPの3%ほどまで縮小しています。

製造業の発展も、食品関連のわずかな分野に制限されており、工業はGDPに対し14.3%となっています。


19 コモロ (GDP : 6.2億ドル[世界第181位])

主要産業 バニラ、チョウジ、イラン・イラン(精油)
輸出 バニラ、チョウジ、イラン・イラン
輸入 石油製品、米、輸送機器及び部品

アフリカとマダガスカルの中間に浮かぶ3つの島から構成され、それぞれの島に自治政府が置かれています。

国民の大多数は、輸出用商品作物を生産する伝統的なプランテーション農業に従事しており、

主要な商品作物としては、香水の製造に必要なイラン・イラン、バニラ、クローブなどが挙げられます。

特にイラン・ラインは、コモロマダガスカル、マヨットでしか生産されておらず、

コモロでの生産は、マダガスカルに続き、世界で2番目に盛んです。

工業の発展は、GDPに対して10%以下。

インフラの未整備から度重なる電力不足に悩まされている通り限定的にしか発展していません。

国家収益は、主に観光業と海外居住者からの送金に支えられており、

農産国でありながら、米を中心とする国民の食料供給は輸入に依存しています。






さいごに

東南部アフリカ市場共同体と同じく地域統合を目指すブロックのうち、

北部ブロックは、地理的に近い旧宗主国のEUやアメリカの原油供給地となっていました。

中部ブロックは、貧困と紛争が相次ぎ一次産品依存に陥いっていました。

南部ブロックは、南アフリカ共和国を中心とする工業化の兆しが見られました。

一方、今回調べた東南部アフリカ市場共同体(COMESA)は、アフリカの東海岸を広く包含していることが特徴の一つです。

その気候・地理条件の多様さを反映して加盟国の特徴も様々です。

産油国であるエジプト、リビア南スーダン

鉱物資源国家であるコンゴ民主共和国ジンバブエザンビア

工業化の兆しが見られたケニアスワジランドスーダン

農産国であるエチオピアブルンジルワンダウガンダマダガスカルコモロマラウイ

中東やインド等との連絡網を果たす、あるいは観光収益が主力となっている、ジブチエリトリアセーシェルモーリシャス

COMESAに加盟する20個の国に様々な特徴が見られました。


しかしながら、豊かな資源と自然に恵まれた国に依存する国が多く、やはり工業の発展は限定的だと言わざるをえないでしょう。


とはいえ、加盟国の1つエジプトの工業力はアフリカでは屈指のものです。

米国の会計会社であるデロイト・トウシュ・トーマツが作成したGlobal Manufacturing Competitiveness Index: Country rankingsによると、

国際的な工業競争力において、エジプトは第37位(29.2点)です。

アフリカ勢では、南アフリカ共和国の第27位(48.1点)には及ばないものの、世界的に競争力を持った工業力が栄えていることが分かります。

なお、40位までしか載っていないランキングですが、アフリカの国は38位のナイジェリア(23.1点)と上記2国を加えて3カ国しかランクインしておりません。

[ちなみに他BRICS諸国は、29位のブラジル(46.2点)、32位のロシア(43.9点)、11位のインド(67.2点)、1位の中国(100点)です。

(中国は現状1位ですが2020年の予測では、2位のアメリカに追い抜かされ93.5点で2位に後退することが予測されています。)]


このように、COMESAは世界的な工業競争力を持ったエジプトを抱えており、

エジプトの隣国には南スーダンの石油を失い代替産業を模索するスーダンが接しています。

工業力を持つエジプトとの相性とタイミングは良いといえるでしょう。

さらにエジプトの隣国リビア原油は主にEUに向けて販売されていましたが、これを域内にシフトできれば発展の速度を速めることが可能になるはずです。

工業力、農産力、鉱物資源、石油を備えたCOMESAは、高いポテンシャルを持ったブロックだといえますが、

貿易を補完的なものにするには、更なる工業力の向上、さらにエジプトを中心とした近隣諸国への工業化の波及が求められるでしょう。

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