気になったことなど

文化とは次世代に向けた記録であり、愛の集積物である。

仮想通貨に対するファーストインプレッション

暗号通貨の元になるブロックチェーンは、時代に応じた新興技術であり詐欺でもなんでもありません。

むしろ、革命的な影響力を持って既存産業を変えていくでしょう。

従来、電子端末を使ってATM、銀行送金などの手続きを行う場合は、手数料や処理時間などの大変な手間がかかっていました。

それも当然です。相互にプロトコルの異なる仕組み同士でやり取りを行うのですから、

処理に時間も手数料もかかります。

これは、成立の背景も時代も異なるサービス同士が、半ば無理やりにお互いを融通していたのだから仕方ありません。

この煩雑さを解消しようとしているのが、今回の革命です。

インターネットの登場が、改革のきっかけといえるでしょう。

ブロックチェーンを用いた技術は、銀行、諸サービス、個人というあらゆる媒体を単一のプロトコル・ネットワークで結びつけ、

相互のやり取りを簡易化、低コスト化させる試みです。

例えば、サービスの支払いにクレジットカードを使うという、ありふれた場面を考えます。

これまでは、銀行やAmazonなど会社で、つまりプロトコルの異なる仕組み同士で取引を行っていたので、

取引の信頼性、書類手続きなどの作業が必要でした。そのため、利用者は手数料を支払う必要があったのです。

しかし、これからは、各サービス会社に単一のプロトコル・ネットワークを浸透させることで、

単一のプロトコルであらゆる手続きを履行できるので、異なるプラットフォーム同士の翻訳作業が不要になります。

これまでの手数料は、各プラットフォームが成立した時代や背景にバラツキがあったのですから、仕方ありません。

しかし、現在はすべてを結びつけるネットワーク(インターネット)が存在します。

点に過ぎない個人は組織に所属し、組織対組織の関係で勝つしかなかった時代は終わり、

インターネットが個人と個人を。個人と組織とを結びつけたのです。

組織対組織の手続きにもインターネットが介在します。

それが今回の革命です。

インターネットですべての媒体が結びついたのに、使っているプロトコルはバラバラ。これは無駄ではないのか?という疑問の解消のために登場したのが

「分散台帳システム」です。

つまり、今起きているのは、新興技術(インターネット)に基づいた経済インフラストラクチャーの仕様変更(革命)なのです。

2000年代初頭にEコマースなどの会社が起こりITバブルが起きたのは周知の通りです。

これも明らかにインターネットの登場がもたらした革命でした。

いま我々が迎えつつある暗号通貨革命は、インターネット革命の第二弾といえます。

今回の暗号通貨も、第一弾の革命のときと同じく、社会構造を一変する結果をもたらすでしょう。

各国政府が推進するフィンテックの潮流も浸透の追い風になり、

銀行、支払い、契約、投票、そしてお金といったあらゆる概念を刷新することになるはずです。


仮想通貨とは

仮想通貨とは、「分散台帳システム」を用いたシステム・ネットワーク上に存在する資産の総称です。

「分散台帳システム」を用いたシステムには、様々あります。

ビットコインリップルイーサリアムなどは、「分散台帳システム」を用いたプラットフォームの一形態に過ぎません。

例えば、同じ「分散台帳システム」を使っていても、記録の方式に「プルーフ・オブ・ワーク」、「プルーフ・オブ・コンセンサス」といった違いがあります。


プルーフ・オブ・ワークとは

プルーフ・オブ・ワーク」は、記録の信頼性の担保のために採掘(マイニング)という方式を採用しています。

これは、取引の記録を行う際に、マイナーに対して暗号問題を出し、マイナーは機械計算により正解を探しあてていきます。

この計算を一番最初に解いたマイナーに対し、ブロック(記録)追加の権限と暗号通貨が報酬として与えられる仕組みになっています。

仮に悪意のあるマイナーが記録を詐称したとしても、世界中のマイナーがブロックを監視するため、問題のあるブロック(記録)は無視されます。

この台帳に記録を記していく作業(マイニング)に支払われる報酬が暗号通貨です。

システムの維持管理に必要なメンテ作業に発生する報酬が、暗号通貨として扱われるわけです。

プルーフ・オブ・ワーク」を採用するシステムの代表例としては、ビットコインイーサリアムなどが有名です。


プルーフ・オブ・ワーク」には欠点がいくつかあります。

第一に、ブロック追加の可否が多数決で決まる場面があるため、マイナーの51%以上が結託してしまうと、ブロックチェーンが改ざんされる恐れがあること。

第二に、マイニングの機械計算には、高性能コンピュータの稼働が必要なため、システムの維持に膨大な電力消費が伴うこと。

第三に、マイニングの際に出される問題を解くのに、数分程度の時間がかかるため、手続きの処理時間が長くなることです。



プルーフ・オブ・コンセンサスとは

これは、リップル・プラットフォームが採用する仕組みとして有名です。

プルーフ・オブ・ワークとは異なり、ブロック追加の可否を、承認者(validator)の多数決により決定します。

これにより、プルーフ・オブ・ワークのように、膨大な数のパソコンを稼働させる必要もありません。

単にリップル社が信任した少数サーバーの意見集約で運用するので、消費電力の問題を解決できます。

また問題を解く時間が必要なくなるため、処理時間も数秒まで短縮できます。

このように、「プルーフ・オブ・コンセンサス」は手続きにかかる消費電力も小さく、処理時間も短い。

プルーフ・オブ・ワーク」の問題点が改善された仕組みになっています。

ただし、当然欠点はあります。

ブロック可否を決める承認者がリップル社によって決定されることからも、初めから中央集権的に傾いている点です。

これは、「分散型台帳システム」の精神ともされる「非中央集権」を真っ向から否定することを意味します。


リップル以外に、「プルーフ・オブ・コンセンサス」採用型のプラットフォームがあるのかは、今のところ存じません。

なおリップルの暗号通貨「XRP」は、システムの維持・管理のために不可欠な仕組みとして、暗号通貨(資産)として扱われています。



仮想通貨に対する感想

仮想通貨は、アルゴリズム(仕組み)の上に、存在が仮想されているだけで、実物は存在しません。

この点は、中央銀行と国家という明確な管理団体が存在し、紙幣と貨幣が存在する法定通貨とは大きく異なっています。

法定通貨は、紙幣と貨幣という実態があるため、その存在を目で見て肌で触って確認することができます。

しかし、暗号通貨には実態がないため、電子上の数字で確認するしかありません。



法定通貨の裏付けは、国家の信用です。

国家が持つ権力によって統治下の国民の間に配布される交換権が法定通貨なのです。

つまり、法定通貨とは、権力(軍隊と警察機能)によりブランド化された紙幣です。

これと異なり、暗号通貨の価値を保障するのは、暗号通貨が存在する「システム」に他なりません。

法定通貨は、国家の破綻などで政府が信用を失うと、紙切れになります。

それと同じように、暗号通貨はシステムがぶっ壊れたり、使い物にならなくなると電子ゴミになるわけです。

「みんなが使っていて問題ないから自分も使う」という点は、法定通貨も暗号通貨も同じといえるでしょう。

つまり、法定通貨の信用が国家に担保されるように、暗号通貨の信用もシステムに依存するのです。


私はこの点に強い懸念を持っています。

現存する暗号通貨が乗っかっているシステムって、黎明期にも等しいものばかり。

このシステムが今後、故障したり、問題を起こすことなく現実世界に浸透していけるだろうか?

そう考えた時、現在の暗号通貨は、破壊と新生を繰り返すだろうと思うのです。


プロトタイプにも等しい現行の仮想通貨が時代の試練に耐えうる通貨であるかは、時間が経ってみないと分かりません。

というか「無理ぽ」ではないでしょうか。

最も早くから注目を浴び、現在最も時価総額の高いビットコインでさえ、すでに問題が見え始めています。

ブロックチェーンの維持にかかる消費電力、処理時間の長さ、こうした問題点はリップルという改良版により解消されています。

運用していく中で、ビットコインには、ハードフォーク(ブロックチェーンの分岐)の問題があることがわかりました。

管理者不在のため、場当たり的にマイナーが方向転換していくしかないという事です。ハードフォークのために通貨の名前が変わり、提携会社、利用者は迷惑を被ります。

こうした問題も、ビットコインがプロトタイプなのですから、仕方ありません。

ビットコインを典型として、おそらく、今後他のシステムにも運用上の問題が現れるでしょう。

そこを解消できる仕組みかどうかで、まず淘汰圧がかかります。

そして、今後、研究開発が進み、より強い機能を持った仮想通貨が登場するでしょう。

こうしたシステムが既存のシステムを一網打尽にしないとは言い切れません。


そうであれば、現在でこそビットコインの値上がりは好調ですが、この状態が長期的に継続するかは疑わしいものがあります。

特に、仮想通貨は明確に脱中央集権を掲げ、政府や銀行を敵に回していますから、

こうした筋からの妨害や攻撃は必至であり、現在信じられている価値を信じすぎるのは、問題だと思うのです。


ひと世代前に、今と似た現象が起こりました。インターネットバブルです。

この時代に活躍した会社は、意外と現在も健在なものが多いです。

ソフトバンクも株価高騰から急落を経験した企業ですが、今や世界企業と化しつつあります。

楽天やヤフーも健在です。

ホリエモン」で一時期世間の話題をさらったライブドアでさえ、外国子会社となりながらも行き残っています。

それは、サービス提供会社という管理団体が存在し、いくらでも軌道修正が可能だからです。

しかし、仮想通貨の多くは、自分が存在するシステムにより担保されています。

技術やシステムは、古くなるとすぐさま新しい技術に飲み込まれ、存在意義を失います。

つまり、技術革新が間違いなく進む以上、システムだけを保証の基盤に置く通貨は、毎秒毎に淘汰圧が増え続ける事になるでしょう。


もちろん、技術革新が明日起こるか、来年起こるか、10年後、20年後になるかは分かりません。

しかし、技術革新により現行のシステムが「古い技術」になる日は必ず訪れます。

そうである以上、システムだけに依存する暗号通貨は、遅かれ早かれ「ジャンク」になる可能性大です。



また、IT筋のクラッキングに晒されてシステムが壊れたら、その上にある暗号通貨など誰も信用しなくなります。

新しい技術が起こると、システムは古いものに格下げされ、使われなくなります。

このようにシステムに乗っかる通貨は、かなりリスクが高い資産だと私は考えます。

たまにツイッターで見かける「ビットコイン10年保有」なんてのは、危険行為だと私は考えます。