気になったことなど

文化とは次世代に向けた記録であり、愛の集積物である。

光栄の「蒼き狼と白き牝鹿」シリーズをオススメする理由

蒼き狼と白き牝鹿は、13世紀にユーラシア大陸に広がったモンゴル帝国を題材にしたゲームです。
このゲームを遊ぶ事で何が得られるのでしょうか。


・受験勉強の手伝い
世界史は受験科目ですが、知識の確認問題が多い教科でもあります。そんな教科に教科書だけで立ち向かうと、丸暗記で勝負することになります。
そうなると、勝ち目は薄い。
しかし蒼き狼と白き牝鹿では、実在の人物が登場するばかりか、顔グラフィックスと能力値付きなので、名前はもちろん歴史への貢献度といったことが、自然と頭に入ってきます。
日本の受験問題は、他の国に比べて知識の確認問題が多いとされ、暗記を避けることはできません。
しかし単純暗記は、記憶に定着しない短期記憶で処理されてしまうので、覚えたつもりになってもすぐに忘れてしまう大きな欠点があります。
また、暗記は歴史以外の科目でも求められるので、量が増えすぎて大変になることもしばしば。

それではどうしたらいいのか。

楽しめばいいのです。
ゲームによって楽しみながら覚えた記憶は、脳の長期記憶の領域まで到達し、必ず定着します。
それだけでなく「もっと知りたい」という好奇心すら生み出すでしょう。
この好奇心が知ることの原動力です。

「好きこそ物の上手なれ」というように、好きになれば、できるようになります。
蒼き狼と白き牝鹿は、楽しむための要素に事欠きません。
領土拡大、戦闘、相場と文化圏を睨みながらの交易、そしてオルド・・と要素は様々ですが、
プレイヤーの歴史に対する抵抗を減らすことは間違いないし、むしろ「歴史を得意にさせる効果がある!」と、強く推薦したい作品です。



またゲームの舞台は、モンゴルや中国、フランスやロシアといった一地域や文明圏に限ったものではなく、チンギスハーンが駆け抜けたユーラシア全体に及びます。
当時の世界情勢を並行的に俯瞰視することできることも大きなメリットです。題材となるモンゴルや中国圏だけでなく、ヨーロッパや東南アジア、インド、そして日本にも細かな設定付けがなされています。
(史実の貴族や武将だけでなく、気候や特産物のデータもあり、こうしたの条件の良し悪しがゲームの運行に影響を及ぼす)

ゲームでは、1つのユーラシア大陸のマップ上で複数の国家が戦略を練るので、自然と当時の世界情勢を俯瞰する事になります。
すると、
チンギス=ハンが即位した1206年は、ゴール朝のムハンマドが即位した年だったと分かります。
また、元朝の成立した1274年頃は、ヨーロッパでスコラ学を大成したトマス・アクィナスの活躍と同時代だった事もわかります。

例はそれだけに限りません。史実を基にしたゲームなので、登場するキャラクター全員が同時代の人物だと理解できます。

私の時代の入試テストには丸バツ問題が必ずありましたが、
このゲームをプレーしていれば、少なくとも13世紀の問題は完答できていたはずです。
また13世紀の出来事をマスターできれば、別の時代の問題でも選択肢を減らせるので、答えやすくなります。

なお、当時の文化人が残した作品等は、私の勧める「蒼き狼と白き牝鹿」や「蒼き狼と白き牝鹿-元朝秘史-」には登場しませんが、「蒼き狼と白き牝鹿4」ではカバーされているようです。



・教養として

史実として、
13世紀初めのヨーロッパに、のちの大航海時代を支えた火器はなく、戦闘の基本は傭兵を中心にした騎馬戦でした。
中国で発展した火器がモンゴルの行ったロシア遠征を通してヨーロッパに広がっていくのですが、それまでのヨーロッパの戦いは騎士に任されていたのです。
その後、中国からもたらされた火器の発達によってヨーロッパの戦争は様変わりし、戦闘は、騎馬戦から小銃を持った歩兵同士の戦いに変化します。
ゲームの軍隊システムに、その様子が反映されています。

火器が持ち込まれる以前のヨーロッパを反映し、ヨーロッパの軍隊は、数ある部隊のうち騎馬しか使う事ができません。それがまた弱い。
いつの時代も軍事力は国力を反映しますが、大航海時代以前のヨーロッパが弱小勢力だったことを示しています。
また、登場人物もいかにも騎士!といった格好の人が多く、時代性を反映しています。

一方で、中国やイスラム圏の国は、自分たちの地域にあった騎馬隊だけでなく、投石機や初期の火器、またそれをサポートする歩兵など様々の部隊を駆使します。
火器や投石機は、正直実用レベルに達していません。やはり、騎馬隊が最強なのですが、それも13世紀時点の軍事技術の到達点を反映したものと言えるでしょう。
こうした軍事技術がヨーロッパにもたらされ、科学の助けを得て、原初的な姿から発展を遂げていったのです。


ヨーロッパにあって中国にないものは、分析的な思考、仮説から出発して実験により真実へ到達する科学の方法だったとされますが、
ゲームに登場するトマス・アクィナスのスコラ学の働きによってヨーロッパは、イスラムからギリシア科学を継承し、中国からもたらされた火器は大砲、そして銃へと進化を遂げていきます。
そして、分析的思考を持たない中国文明は、自ら発明した火器の威力に怯え、ヨーロッパ人による植民地支配を余儀なくされるのでした。
ヨーロッパで花開いた大砲、そして銃は、大航海時代の中心兵器として時代を支えるとともに、世界中の軍隊に採用され今日に至ります。
それはまさに「神の火」でした。西洋の学問は聖書を追求する過程で発達してきました。火器の獲得も、聖書の内容をひたすら追い求めた結果なのかもしれません。

こうした事は本に書いてある事ですが、ゲームをプレーすれば雰囲気だけでも知る事ができますし、本を読んだ後でプレーすればその内容をリアリティをもって把握できます。それもまた、このゲームの醍醐味でしょう。



・さいごに
フランス革命を舞台にした「ランペルール」にも、今日のアメリカ大企業「デュポン」を作った一族の始祖、デュポンがさりげなく登場しています。
私はランペルールをプレーするまでデュポンの起源がフランス革命時代のフランスにあるとは思いも知りませんでした。当時の光栄のゲームは、プレイヤーに娯楽以上の知的メリットを与えてくれます。

皆様もぜひ、そんな光栄のゲームをプレーしてみてください。
日本の歴史では信長の野望が有名です。いくつかプレーしてみて、日本の大学受験に一番役立ちそうなのは「蒼き狼と白き牝鹿」シリーズだと思ったので、こうして紹介させていただいています。

body { font-size : 8px; }