Ossan's Oblige "オッサンズ・オブリージュ"

文化とは次世代に向けた記録であり、愛の集積物である。

大阪人の二面性が怖い話

「大阪人は裏表ないさっぱりした性格の人が多い」

よくネットに書かれるような市民性の話ですが、大阪に住んで1ヶ月が経った自分には正しいとは思えませんでした。

むしろ、大阪人は二面性の落差が大きくない?というのが率直な感想です。

自分の目に映った大阪の市民性について書いてみたいと思います。

1. 大阪人は孤独な時に遠巻きに優しい言葉をかけたり構ってくれたりする

人間なら誰しも光と闇があると思いますが、それはお国の国民性や地域の県民性においても同様でしょう。
大阪人の光の部分といえば、やっぱり優しさですよね。
話す相手がいなくて孤独だなあと思いながら歩いてくれると、誰かが遠巻きに何か優しい言葉をかけてくれたりかまってくれようとします。
また、たこ焼き屋のスタッフの方がおまけでたこ焼きを複数個つけてくれることもザラですね。
大阪に住むか住むまいか悩んでいた旅行者の頃の自分は、この光の部分がまぶしく見えたものです。

ただし、誰にでも闇があるように、住んでみることで闇の部分が見えてきました。

2. 1対1の時は高値で物を売りつけたり、攻撃的になったりする

大阪人に共通する特徴としては、かなり打算的だということです。
といっても、この部分を悪く言うつもりはなく、計算高いとは商人としての才能の現れ方のひとつであり、明確な力であると自分は捉えます。
大阪や関西の人たちが商人として活躍してくれるから日本は豊かなのであり、関西の富豪に比べると無産市民に近い私は、むしろ関西の人たちに感謝するべきだと思います。
ただですね、その力が時に悪い方向に使われるというか、容易に道徳の縛りを乗り越えてくることが多いと感じました。
無警戒を装っていると、搾り取ってやれとばかりに不当価格で物を売りつけて搾取しようとしてくる、昨日まで優しい感じだったジムの先生、顔の見えない隣室から自分の利益がすべてと陰湿な嫌がらせを繰り返す隣人など。

もちろん他県にもこの手の人間はいましたが、大阪で暮らしていると同様のタイプの人間と出くわす確率が高い気がしました。
というより嫌な目に遭って陰鬱な気持ちでネットを漁るとと、私と同様の体験談が多く寄せられていたので、偶然とは思えないんですよね。
県民性というものがあるなら、当然あらゆる県民が闇を抱えており、どこにいたって嫌なことは起こるでしょう。
ただし、起こったことのすべてを県民性と無関係の出来事と片付けることは難しいのではないでしょうか?
起きたことには一定のパターンがあり、それをシェアすることは悪いことでは絶対にないですよね。

3. 大阪人は信頼や利益が関与する場面では優しく、利害がない場面では率直に振る舞う

大阪人という人たちとかかわっていて思うのは、利益に聡いことですね。
人間社会ですから、集団で暮らすにしても、商売をやるにしても「信頼」が非常に大切です。
この「信頼」がかかわる部分、周囲の目が及んでいる場面では、大阪人という人たちは懇切丁寧に接してくれます。
しかし、他人の目が及ばない一対一の場面や顔が見えない部分では、我慢してため込んだストレスを吐き出すように攻撃的になったり搾取的になったりする人が多く感じましたね。

例えば、6年くらい前に見学のために訪れた西成区の路上で、高齢の男性が顔から血を流して地面に腰をついていました。
老人に話しかけると救急車を呼んでくれというので、その場で救急車を呼んであげました。
数分経って、救急車(というか消防署のような人たち)が駆け付けます。
やがて、地面に腰かけたままの老人とスマホを片手に持つ自分たちの周りに人が集まってきました。
すると、それまで自分に感謝の言葉ひとつすら言わなかった老人が、自分の手をとって「ありがとう。’(覚えてないが感謝の言葉)」と懇切丁寧に感謝の言葉を伝えはじめました。

その時は若干の違和感を覚えながらも通り過ぎた自分ですが、実際に大阪に住み大阪の人たちと関わってみて、大阪人に共通するパターンが見えたような気がしています。
それは、信頼やり駅が関与する場面としない場面の人間性の使い分け、人格の二面性だと思う次第ですね。


まとめ

誰にでも表裏があることを考えれば、大阪人にだって二面性があることは頷けます。
というより、裏表の使い分けができなければ、彼らの卓越した商人としての才能は成り立ちえないでしょう。

ただ、ネットを閲覧していくと、「大阪人には表裏がない」といった評判が見当たります。これが危険だと思うのです。
大阪人にだって表裏はあるし、表の顔は優しいけど裏の顔はかなり怖いよってことを、実体験した立場からこの記事では伝えたいですね。
表の優しい、きれいな部分だけ見て、安直に大きな決断をしようとしている人へ、この記事が届くといいなと思い筆を執った次第です。

最後に確認しますが、大阪人の商人としての才能とそれを裏付ける道徳無視のサイコパシーは明らかに力であり尊敬に値します。
日本のGDPを押し上げてくれている彼らへの感謝と尊敬は惜しまないようにしたいです。

おしまい