Ossan's Oblige "オッサンズ・オブリージュ"

文化とは次世代に向けた記録であり、愛の集積物である。

ベーシックインカムなんてありえねえよって話

ベーシックインカムの議論が盛んですが、個人的にはベーシックインカムなんてありえねえ!
という結論で落ち着いています。

それはなぜでしょうか?

これは観念的という批判を受けそうですが、あえて言います。
社会主義と資本主義を同時に追求することは基本できないためです。




ベーシックインカムとは、福祉政策のように一定の条件に該当する国民だけに保護を与えるのではなく、保護の対象を国民全員にまで拡大しようという政策です。
国民全員に最低限の生活資金を給付することで貧困をなくし、労働は最低限以上の生活水準を望む人だけ行えばいいという考えのようです。

政府の介入ですから、政策そのものが社会主義的な発想です。

冷戦終結以後の資本主義の追求によって生じた格差の是正措置なのでしょうが、市場主義は残すのですから、矛盾が生じることは明らかです。

矛盾その1 政府予算の破綻
ただでさえ赤字の財務状態にありながら、政府はどうやって資金を捻出するのでしょうか?
もちろん、消費税増税が考えられますが、消費税を増やしたのでは、「仕事をしない選択をした」人々の生活を圧迫することになり、政策の精神に反することになります。また、政策の実行によって労働者の頭数が減りますから所得税も減ります。
おそらく国民の購買能力に一時的な伸びは起こるので、企業収益が上がり法人税は取りやすくなるかもしれません。
しかしながら、制度の矛盾によりインフレは避けられないでしょう。そうなると、法人税の増収も見込めません。



矛盾その2 制度矛盾によるインフレの発動
労働者が減り、製品やサービスの供給者が減るのですから、需給バランスにより製品価格の高騰は必定です。
そして、ひとたびインフレが起きて製品価格が上がると、ベーシックインカムとして支払われていた金額は意味をなさなくなります。
それに応じて支給金額をあげても、インフレー見直しの繰り返しです。
平等を求めてベーシックインカムを続ける限り、そのループから抜けることはできず、1991年の時のように人類は労働の必要性に改めて気付くことになるでしょう。それでも制度にこだわるなら、終局的には現物支給の共産主義社会に突入です。

自由を立てれば平等は失われます。しかしだからといって、平等を立てれば今度は自由が失われるのです。
ベーシックインカムが最終的に引き起こす共産主義は、文明を否定した世界です。
これは中世への先祖返りに他なりません。文明の否定によって生まれた文盲大衆を少数の知的特権階級が支配する世界といってよいでしょう。
つまりソ連への逆行です。ポルポト毛沢東の追及した社会ですが、そんな社会を望みますか?



まとめと提案
というよりも、個人的には「ベーシックインカムの環境」は既に整っていると私は考えます。
障壁は、他人の成功を望まない個々人の性格の悪さとシステムへの無理解ではないでしょうか?
傲慢な言い方ですが、私は真剣にそう考えます。

そもそも、現代におけるお金とは、中央銀行が刷っただけ総量の増える紙切れです。
昔のお金は、金や銀などの地球資源の数と一致、あるいは時代が進んでからは、地球資源の量に応じて発行量が一定と制限が課されたため、量が足りず、全員がお金持ちになることは不可能でした。人間の数に対してパイは一定なので、全員が我先にと取りに動き、奪い合いが発生します。

しかし、今日のお金はただの紙切れです。
各国中央銀行が刷っただけ増えるペーパーマネーで、実際には中央銀行による国債買い取りが行われた時に発行が行われるとされます。
そして以下の表を見ても、アメリカ一国だけでも、もう十分すぎる量が発行されています。これに日本、EU、チャイナ・・・と続けば、お金の総量は莫大なものになるでしょう。

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自分が見た数値では1京とか全く見慣れない単位が登場していて印象的でしたが。


さて、現在の世界には1京円ものお金が流通してしまっているのです。これは過剰発行に他なりません。
かつてモンゴル帝国は、信用紙幣の過剰発行によって大インフレを引き起こし、崩壊するに至りました。
本来なら、1京円を流通済みの現代社会で悪性インフレが進行していても、おかしくありません。

なぜそうなっていないのでしょうか?

それは、富の大部分が富裕層や大企業の内部留保として市場の枠外で保管されているためです。天上界といいましょう。
天上界に集約されると見に対し、市場という下界で流通しているのは、総量の数パーセントにすぎません。
つまり、富裕層の存在がインフレを食い止めているのです。
下界の大衆がお金について疑問にも思ってくれないからこそ、彼らは富の大部分を手中に収め、特権階級として君臨し続けていけるのです。
ベーシックインカムを実現するだけの富は出回っているのに、少数グループの元に滞留していることが貧困を発生させています。

しかし、だからといって彼らを打倒して市場に富を分配しろ!などと私は言いませんよ。
繰り返しますが、特権階級はインフレを食い止める重要な役割を果たしています。
システムを維持するのに、彼らは必要です。
仮にもし彼らの富が市場に流出し尽くした時点で、悪性インフレの発生は決まり、市場価格の均衡が崩れ社会的安定が危機に晒されるでしょう。
新自由主義では、インフレを防ぐために富を蓄える超富裕層の存在が不可欠なのです。


では、提案です。
広告クリックをしましょう。他人の成功を祈りましょう。できたら心から喜びましょう。
一人だけで楽しんでも楽しさには限界があるけど、みんなが楽しくなれば共有することで楽しみは倍増します。
広告クリックをしましょう。

資産してみますよ。世界に出回っている1京円が世界196カ国に分配されたとしたら、1国あたりの歳入はいくらか?
10,000,000,000,000,000 / 196 = 51,020,408,163,265円(51兆204億円)
現在のスペインの国家税収が約50兆円、カナダの国家税収が約60兆円です。
世界の富が平等に配分したなら、アメリカからアフリカの隅々までスペイン~カナダ規模のお金が流通するわけです。


ベーシックインカムを世界が本気で望むなら、既に実現可能です。
要は天上界に集約された富を下界に引っ張り出せば良いのです。
その方法のひとつが、広告クリックに他なりません。
これにより天上界(大企業)に集積された富を、微量ながら下界(市場)に引き出す効果があります。
そして微量ゆえにインフレを伴う可能性は低い。

なにも広告を押されたサイト運営者だけが利益を得るわけではありません。天上界で抑制されていた富を下界に降ろすのですから、下界に流通する富の総量が増えることになります。そうなれば、巡り巡ってクリック実行者を利することになるでしょう。
広告を置く人のことをアフィカスとか言わずに、他人の幸せを願って、広告クリックに励みましょう。
例えば、Amazonで買い物をするにしても、誰かからのリンクから購入すればAmazonの富が下界に流出します。
グーグルアドセンスのクリックでも、世界企業のグーグルの富を天上界から下界に引き出すことになるのです。
富の総量が増えれば、あなたが得ることのできるチャンスも増えます。

とりあえず私は、いいなと思った記事の広告は基本全押ししてます。