Ossan's Oblige "オッサンズ・オブリージュ"

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大阪・西成区に足を踏み入れると南京虫で人生が死ぬ話【安宿を求めるノマド必読】

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日本屈指のドヤ街として知られる大阪・西成区。
あちこちに軒を並べる格安ホテルは、1000円~1700円という破格の安さで利用可能です。

こうした物価の安さは、西成が抱える「ある問題点」と密接な関係にあります。

代表的なのが、治安問題。

西成区は、過去24度に渡る暴動が発生した日本唯一の都市です。
暴動の歴史を物語る西成警察署の要塞構造は圧巻の一言。

とはいえ、西成の治安問題は終息済み。

過去に起きた22度の暴動(全24回)は1991年以前、つまり社会主義勢力が活発だった時代のものです。
下級労働者が社会主義のインテリに扇動されるまま決起してしまった暴動というのが事実ではないでしょうか?
実際、社会主義が終息した1991年以降、暴動はたった2度しか起きていません。

もちろん、ボロボロの服を身にまとった老人が路上で寝ている(倒れている?)というインドでよく目にするような光景は目に入ってきます。
しかし街路には、労働者の不満解消を図る格安店が軒を並べ、夜中には外国人女性が出歩いている光景も目に入ってきます。

西成区の治安問題は、今や完全に下火です。
さらに近隣には、格安スーパー玉出をはじめとする格安店が軒を並べ、安価に身辺の用を足すことができます。

ならば西成は、暴動の頻発する危険地帯から、安宿・格安店が並ぶ魅力的なホテル街へと変貌したのではないでしょうか?

こうした西成の条件は、ある種の人々にとって魅力的に映るかもしれません。
例えば、居住費を極限まで下げたいミニマリスト、仕事場を自由に選べる駆け出しのフリーランスといった人々です。

3年前の私もそうでした。

しかしそうした種類の人々にとって、西成滞在は、人生そのものを破綻させかねない絶対に取ってはいけないリスクを孕んでいます。
なぜなら西成では、治安問題を凌ぐ「南京虫」という害虫問題が沸騰中だからです。

「南京虫」と呼ばれるこの悪魔に憑かれると、取り払うまでの間、社会生活が破綻する上、駆除は困難を極めます。
実際に私は、西成で過ごしたたった1ヶ月のために、南京虫駆除のための2年間(貴重な20代の)と100万円相当のお金を犠牲にしました。

だからこそ、怖いもの見たさの西成滞在を考えている人に、自分と同じ失敗をしてほしくありません。
自分が釘を指すことで被害者が一人でも減るなら幸いです。


1. 宿泊費の安さは魅力的だが、多くの宿は南京虫の巣窟

西成区の安ホテルは、1000円~1700円の価格帯で利用できます。
しかし、クオリティも価格相応。
一般ホテルとは遠くかけ離れた水準です。

畳貼り3畳の部屋、寝タバコで炎上させたような畳の黒焦げの染み、労働者の汗を吸い込んで異臭を放つ寝具、共用の薄汚い水場。


大半の宿は、床以外の掃除が使われた形跡すらなく埃だらけ。
こうした環境は、害虫の生息に格好の条件を提供します。

さらに格安ホテルは、害虫被害に対して駆除を行う余裕はありません。
まず、利益の少ない収益構造のため、経費として使える金額に限度があります。
さらに、仮に駆除を行っても、労働者越しに新しい害虫が入ってくるのが分かりきっています。

こうした害虫の野放しが決め手となり、害虫の繁殖が、歯止めがきかない次元に達しているのです。

ひどいホテルでは、チェックインの後、もう何年も張り替えていないであろう汚れた畳に寝転んでMacBookAirを触っていると、30分もしないうちに1mmほどの小さな透明の害虫が地を這ってきます。

透明な体色は、しばらく吸血できていない空腹状態のサインです。
夜行性の吸血害虫が、空腹のために、まだ明るい時間に飛び出してきたのです。
目視できる昼間なら発見次第、潰すこともできますが、睡眠の真っ最中という夜中は抵抗できません。

おまけに自身に移動能力を持たない南京虫は、機動力が高い動物への寄生によって生息圏を広げる習性を持ちます。
就寝中に荷物や衣服にくっついたまま生活拠点に持ち帰ったが最後。地獄のような駆除作業の幕開けです。

おまけに現在蔓延中の南京虫は、薬剤耐性を備えているので、市販の殺虫剤に効果は期待できません。


南京虫の噛み痕は、吸血時の唾液混入によって真っ赤にアレルギー反応を起こし、歩行中でも無意識にかきむしってしまうほどの痒みを発します。
さらに電化製品の隙間にまで逃げ込む潜伏力、栄養補給なしに1年半を生き延びる生命力、そして1日に5〜6回の産卵を行う繁殖力を兼ね備えています。

安宿の安さに飛び付いたが最後。

生活環境に爆発的な速度で繁殖し、駆除業者を使ってもなかなか収束しない地獄の駆除生活が始まるのです。
身辺の荷物の処分、部屋や荷物の熱処理によって、多額の犠牲が生じるでしょう。
節約のために使った安宿の100倍~1,000倍以上(100万円~)の負担は覚悟すべきです。

一軒家に持ち帰って繁殖させた場合、数千万円はする住居の資産価値が崩壊の危機に晒されます。

2. 南京虫を生活環境に持ち帰ると社会生活が破綻する

南京虫がなぜ人生を破綻させるのか。
この点について2点説明したいと思います。

2-1. モテる力が半減する

南京虫に居憑かれるとモテる力が半減します。

モテるために重要な着飾ることができなくなるからです。
南京虫に憑かれると、その強烈な繁殖力により手持ちの荷物は南京虫の巣と化します。

衣服も例外でなく、衣類の繊維の中に、南京虫は隠れるのです。

こう聞くと「衣服を熱湯に浸ければ殺せるのでは」と思うでしょう。
しかし、この方法によって駆除に成功するケースは希です。

なぜなら、衣服以外の場所に潜伏する個体や卵の再繁殖によって、問題が再燃するからです。

基本的に、南京虫は何をしても消えません。
思いがけない場所に隠れていたり、卵を残していたりします。

やがて駆除の当事者は疑心暗鬼に陥り、荷物の買い換えを選択します。
それでもパソコン端末やスマホの中といった場所で生き残っているので、すぐに被害が再開されます。

結局は、荷物の交換→絶望→荷物の交換→絶望というパターンを循環的に繰り返すことになります。
このサイクルに入ってしまうと、その間、とても高級な衣服の購入には踏み切れません。

南京虫の巣となり、再購入の不安がよぎるためです。
すると身にまとう衣服が、GUやユニクロあるいは業務用スーパーで1000円くらいの無地になっていき、みすぼらしい雰囲気が醸成されていきます。
背中に背負うリュックやスマホ、パソコンに関しても同様です。

田舎ならまだしも、みんなが着飾る都会では、不利な立場に追いやられること必至です。

2-2. 自宅に人を呼んだり、他人の家に足を運びにくくなる

衣服がなくてもモテる人はモテます。
しかし人気を博したところで、家に呼べなければ親密な関係には至れません。

南京虫は一度に5,6個の卵を産む絶大な繁殖力を持つので、いちど寄生されると、生活圏に広がるのはあっという間。
人間側も駆除を行いますが、交尾を行った雌を一匹残すだけで、駆除のやり直しです。

穴を掘って埋める作業に何百時間も費やすイメージです。
南京虫は誰にでも着くので、家に友人を呼べば、相手まで巻き込むことになります。

駆除の完了まで、家に人を呼べない状態に陥りますが、駆除の完了は業者でも困難です。


また同様に、「もし衣服、手荷物に付着していたら?」と疑心暗鬼に陥り、他人宅への訪問、車への同乗も躊躇するようになります。
つまり、南京虫の寄生を許した先に待っているのは、社会生活の死です。


3. 西成区から持ち帰った南京虫が2年間、荷物から離れなかった

自分のケースでは、西成で寄生された南京虫が