多種多様な動画がひしめくYoutube。
音楽やスポーツを好む人なら、誰でも一度は利用した経験があると思います。
そんな知名度を誇るYoutubeで、動画内の広告から巨額の報酬を得るYoutuberという新興地主階級が現れてきました。
彼らの収入がこちら。
http://www.tuber-town.com/channel_list_c/all_yd_1.html (Tuber Town)
1位のはじめしゃちょーの4億9384万円を筆頭に、4億円台のYoutuberが3名。3億円台が4名をはじめ、なんと1億円以上の収入を稼ぐYoutuberがこのランキングだけでも30名も存在している模様です。
彼らの特徴は、なんといっても平均年齢の低さ。
世間では若者の不遇だの騒ぎ立てる声も大きいですが、そんな声を黙らせるかのようなインパクトを放っています。
彼らについて考えてみたいと思います。
Youtuberの登場の好意的な面、不安な面
Youtuberの登場に不安な点
若年層向けのお笑いプラットフォームと化しつつあること
テレビの代替メディアとして台頭しつつあるYoutubeには、テレビ業界で根強い規制が存在しません。
そのため、いわば「何でもあり」の状態です。(アカウント凍結など、完全な野放しではないにせよ)
そのため、既存の倫理規範を飛び越えてしまう若者が現れてしまう懸念が浮上します。
もちろん、すでに成功したYoutuberは、危険な炎上マーケティングやプロパガンダに手を染めたりしないでしょう。
しかし、これから一発当ててやろうという連中が、超えてはいけない線を飛び越えてきそうで心配しています。
「炎上ネタが盛んなので実際に我が家を炎上させてみた!」とか。
実際、10〜20代のYoutube利用率は90%を超えています。
20〜30代は80%、それ以降は60%弱と、徐々に下降していきます。
つまり、メインの視聴者である若者層をターゲットとした、一発ギャグ的なお笑いネタが主流となっており、「度を超えた」ネタが投稿されても不思議ではありません。
Youtubeプラットフォームにクソ動画が蔓延ること
小学生でも参入できる敷居の低さは、Youtubeのサーバー上に大量の投稿動画を集めることになります。中には、「数打ちゃ当たる」の精神で、低品質な動画を編集なしで投下する初心者なども多いと思います。
また、「視聴されればいい」という考えから、動画の内容と一致しないタイトルやサムネイルで視聴者を釣ろうとする投稿主が後を経ちません。
これは、管理するYoutubeにとっても、視聴者にとっても害悪です。
Youtuberの登場に好意的な面
しかしながら私は、インターネットという新しいプラットフォームから新興職業が登場していることは、いい流れだと思っています。1 テレビの既得権益を圧迫するため
テレビメディアが戦後の復興ムードを支えたことは事実であり、その功績は評価しなければなりません。
しかし、今日のテレビメディア関係者は、政府との癒着を強め、国営放送局に成り下がってしまいました。
本来なら権力を監視する立場にあるメディアが、あろうことか権力と結託し、特権階級として国民の搾取を幇助している構図があります。
そんな時、Youtuberがテレビが担っている情報局としての役目を代替するか補助するかしてくれれば、国民のテレビ・新聞への依存度が減ります。
さらに、Youtubeという競合の登場は、テレビ局側に自身の腐敗を見直させるきっかけにもなり、日本の情報メディアを一歩前に進める効果が期待できます。
Youtubeの台頭をきっかけに民間メディアが育ち、公共メディアと争うことで、腐敗し切った日本の情報提供という営みを刷新してくれる期待を持つことができます。(新しいメディアが公共メディアにによって買収されたら同じことですが・・)
市場のパイを大きくするため
Youtubeの収入源は、企業広告です。
この広告ビジネスには、大手企業もこぞって参入し、衆目を集める動画への広告掲載の見返りに、広告主に報酬を支払っています。
つまり、市場の外に止まりがちな企業の内部留保を掘り起こし、Youtubeを経由して、市場に還元するというルートが築かれました。
これまでの広告ビジネスは、企業対テレビ局という、組織同士のやりとりに終始していました。
しかし、組織と個人が直接結ぶことで、ダイレクトに報酬を得ることのできるYoutuberという個人が登場したのです。
その投下先が影響力あるYoutuberであり、彼らの消費行動によって、市場の外で管理されていたはずの富が市場に出回ります。
これは言うまでもなくパイの拡大です。
誰でもYoutubeで1億円とかいう展開に進めばインフレなので要警戒ですが、現状は好ましい影響と捉えて問題ないと思います。
Youtubeが若者や貧困層にとってのチャンスになるため
Youtuberの平均年齢を見ても分かる通り、誰でも参入できるYoutubeは、社会の広範な人々にチャンスを提供します。
今でこそ、億を稼ぐはじめしゃちょーやヒカキンらも、Youtubeがなければ年収5000万どころか、1000万円にも届いていなかったのではないでしょうか?
日本の企業文化は年功序列ですから、いくら優良企業で実力を出しても、20代で年収1000万円を狙える人材は僅かです。
しかし、彼らは新興のYoutubeを通して実力で大衆心理を掴み、企業の中間搾取なしに、年収1億円overを稼ぐに至りました。
これは従来ならありえなかったことです。
これと同じように、教育機会に恵まれない貧困層から有名Youtuberが現れて多くの人々を助ける。
またそれがコンテンツとなるという、貧困支援のビジネス化といった流れが、これから世界中で報告されたらいいなと思っています。
さいごに
時代が変わるのはイノベーションが起きた時。つまり働き方が変わった時です。
Youtuberの台頭は、まさにインターネットがもたらした変革の一つと言えるでしょう。
しかしながら、「変化は苦痛を伴う」通り、これから我々は、新興技術と既存のルールの壁にぶつかり、結果として多くの犠牲を払うことになるかもしれません。
しかし、その先に待っているのは1段階レベルアップした文明の姿です。日に日に変わり続けるこれからの世界を見守っていきたいものです。