Ossan's Oblige "オッサンズ・オブリージュ"

文化とは次世代に向けた記録であり、愛の集積物である。

仮想通貨はじめてみた。#現状確認

現状確認

仮想通貨への投資を始めました。

昨年から、仮想通貨の暴騰に次ぐ暴騰がメディアを賑わせており、「あわよくばこれに乗ってやろう」という魂胆です。
「投資」と呼ぶにはあまりに無計画で、「投機」でしかない私の行動は、褒められたものではありません。

すると早速、天罰が降りました。

ドキドキしながら120万円を振り込んでアカウントに反映された後、私はひたすら機会を伺っていました。
さすがの素人でも、ビットコインが急な坂を上って200万円到達、そこから下り坂に差し掛かったときに、いきなり飛び出すのは危険だと分かっていたのです。
そんな矢先に起きた暴落イベント、つまりコインチェックのハッキング事件(2018/1/26)を機に、相場の暴落が本格化します。
チャンスを伺っていた私は、鼻息を荒くしながら、第一波で注文をかけます。

当然ですが、大暴落というのは1日で収束するような軽い動きではありません。
平然と2日、3日、悪い時は1週間以上も続きます。
今回の件では、事件前に120万円台だったビットコインが底値の79万円に達するまで1週間の日数がかかっています。


そんな中、始めたてのドキドキ感に支配されていた私は、暴落の初期に飛びつき、購入をかけてしまったのです。
たしか108万円くらいの時でした。
当然、下落は翌日以降も続いたので、coincheckの「資産」のページを見ると目減りしています。

冷や汗が流れました。

すぐに反発すると思っていたチャートがひたすら下がり続ける。
だとしたら、ベストなのは損切り。

言葉だけ知っている用語を実践してみたい欲も助け、私は下落後に購入した通貨を手放し日本円に変えました。
すると、BTCが上反発するのです。

私がBTCを手放した直後に、BTC価格が上に戻し、手に入れた日本円で購入できるBTCは、先の保有枚数を下回っています。
そして今度は、「暴落直後の下落が激しかったぶん、反発の上昇は長い」という勘に従って、再びBTCを購入。
すると、直後にBTCが下落を再開。
焦燥感にかられて売却すると、今度は上昇。

こうしたドツボトレードを繰り返していくと、79万円の底値に達した時、120万円あった私の資産は80万円にまで削れていました。笑
(枚数が多めに確保できたので放置していれば問題なかったのですが)


まあ現在はなんとか持ち直せそうかな、という感じです。

特に2018/3/8のバイナンス(中国の取引所)のハッキング事件で相場が動揺しました。
この時に、暴落初日に損きりでき、今度は落ちきるまで待機できたので、安く叩けた感があります。

大きくなった持ち枚数を、我慢して持ち続けられれば、今後の回復如何で美味しい思いができそうな予感です。



これまでに学んだこと(取引手法)

1、仮想通貨はガチホ(長期保有)に適する市場ではない。

「ガチホ」といえば「がっちりホールド」の略語を示す界隈の言葉ですが、株の「ファンダメンタル投資」にほぼ近い考え方といってよいでしょう。

つまり、投資する資産の本来価値あるいは将来価値に注目し、目先のチャートの動向は無視するという手法です。

あの泣く子も黙るウォーレンバフェットもファンダメンタル投資の信奉者ですが、
彼は「企業に利益を生み出す体力と健全なキャッシュフローがあれば投資する。株価は関係ない。」と豪語します。

株価の値動きに興味がないということは、バフェットのファンダメンタル投資は、株主に対して配られる配当を目的としているのです。
そして、企業ごとに配当率が異なる中で、ただ配当率が高い企業を選べば良いのではありません。
「絶対に倒産しない企業」であることを示すために、高い利益率と健全なキャッシュフローが欠かせません。

こうした「絶対に倒産しない」優良銘柄を一生涯持ち続け、配当収入を得続けるというのが、ファンダメンタル投資家の手法です。

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仮想通貨をガチホする人々は、このファンダメンタル手法を、仮想通貨市場に適用しようとしているのでしょう。

私はこれに反対の意見を持っています。

1つめの理由は、すでに仮想通貨の存在が社会に知れ渡り、価格が伸びきっていることです。

もう仮想通貨の価格は伸びきっており、むしろバブルが潰れたことで、現在は下り坂に差し掛かっています。

今のような1BTC=100万円でなく、1BTC=1万円の頃ならガチホがベストでしょう。

しかし、すでに伸びきった仮想通貨が再び異常な爆上げをすることは、現実の状況がよほど変わらない限りはないでしょう。


2つめの理由が、仮想通貨市場が抱える脆弱性のためです。

仮想通貨市場は、新興市場であるため、規制や投資家保護の仕組みが作られていません。また価格の調整機能も持ちません。

そのため、コンチェックやバイナンスの例のように、ちょっとした不祥事が、通貨の価格に大きく響いてしまうのです。

そしてネットワーク上に存在する資産という性格上、ハッキング被害も免れません。

つまり、犯罪に遭遇するリスクが極めて高く、しかも問題が起きた時の対応も整えられていないのです。

そのため、すでにハッキングリスクが顕在化した今、不安心理から市場にお金は集まりにくい状態です。

市場にお金が集まらないと、価格上昇が起こりにくいというより、いつまたハッキング被害が起きて、暴落するか分からない危険な状態なのです。

法的な未整備が目立つ現在、暴騰よりも暴落の方が仮想通貨には起こりやすいと私は考えます。


要するに、今の状況でガチホだと、通貨の成長による利益よりも不祥事によるダメージを被る可能性の方が高いのです。

もちろん、最終的に1BTC=300万円とか500万円に暴騰すれば良いでしょう。

しかし、そこに至るまでに10年近く経ってしまえば、割が良い投資とは言えません。余計な不安から日常に支障をきたすこともあるでしょう。
それに、暴落を前堤に避難する準備ができていれば、暴落後により安く買い戻せます。

したがって、好ましい投資環境が整うまでは、大暴落を見越した立ち回り方が必要ではないか?というのが私の考えです。

つまり、仮想通貨に全振りはせず、一定のJPYを待機させておくべきだと私は考えます。

そして大暴落が起きたら購入して、中期ガチホ。

再び大暴落が起きそうなら、資産は減っても損きり。そしてまた買い戻しで枚数を増やしていく手法に魅力を感じています。

最終的に高騰した時に、持ち枚数が増えて入れば資産は後から回収できるでしょう。

(留意点として、「もうこれ以上下がらないだろう」という底付近で取得できたら、そのあとに更に下げても、追わないことが大事。利益は1週間後や2週間後に市場が回復した時に取るべきもの。短期の値動きを深追いしたらダメ。)


2、テクニカル分析は通用しない

仮想通貨の相場判断にテクニカル分析を使う人がいますが、twitterなどで観察していると、外しても、翌日には平然と同じような価格予測をしている人がいます。

そもそもファンダメンタル分析が生まれたのは、株式やFXの世界であり、仮想通貨には必ずしも当てはまりません。

そもそも、歴史のある株式市場やFXは、価格の調整機能もあり、保護機関も用意されています。

しかし、そのような調整機関がない仮想通貨は、株式市場と全く異なった値動きをするのです。

そんな世界に株の攻略方法を適用するのは、ストリートファイターとドラゴンボールの攻略法を混同するくらいに、おかしな話だと思うのですが。

外しても外してもやけに「上がる」と自信満々な人が多いので、「うさんくせえ野郎だな、こいつ」という印象しか持てません。