■ はじめに
「家にある不用品を処分したい」と思う時、誰もが「できるだけ高値で売りたい」と考えます。
ここでまんまとネット業者の「高価買取」宣伝を信じると、足元をすくわれかねません。
今回は、ネット買取業者の買取で、最低でも1.4万円以上の損失を被った私が、次のような質問に答えていきます。
?「ベストな買取業者は?」
?「買取価格を最大化する方法は?」
※本記事にはネット買取業者への痛烈な批判が含まれていますが、業者潰しを意図しているわけではありません。
あくまで、「商品を高く売り抜けたい」人に向けた情報周知です。
■ もくじ
1、高額買取の秘訣は、ネット買取業者に依頼しないこと
1-1. ネット買取業者に高評価を与えるレビュー記事が多い理由
1-2. 「買取王子」と「ブックステーション」で買い叩かれた経験
1-3. どんな業者にも「コスト意識」がつきまとう。買取業者は転売者の顔を持つため。
2、ベストな処分方法は、オークションに出品すること
2-1. 非企業の買取主がいるオークションがベスト
2-2. オークションの落札相場から価格を検証
2-3. 落札相場の判定に役立つのがオークファン
3、さいごに
■1. 高価買取の秘訣は、ネット買取業者に依頼しないこと
ネット買取業者に依頼するなら、「買い叩き」を覚悟するべきです。
なぜなら、ネット買取業者にとっての「買取」は、「転売ビジネス」の1プロセスに過ぎないからです。
利益を確保すべく「コスト最小化」の原則が発動し、「安く買い叩く」以外の選択肢が選ばれなくなります。
□1-1 ネット買取業者に高評価を与えるレビュー記事が多い理由
業者の選定にあたって、ネットの情報は参考になりません。
業者は自社製品の情報を、成果報酬の力によって自社に都合の良い方向に操作することが可能です。
つまり、アフィリエイターを駆使することで、自社の商品またはサービスに関して、実際の品質よりも高評価のレビューを拡散することが可能なのです。
企業にとっては、無駄な営業、情報キャンペーンを省いたまま、自社に有益な情報だけを拡散できるメリットがあります。
一方、アフィリエイターのメリットは成果報酬以外の何物でもありません。
成果報酬にコミットしすぎた結果、読者の利益をないがしろにして、商品やサービスの欠点を隠してしまうような悪質な手法が横行しています。
テレビ業界および番組の内容を決めるのは、「広告」に代表されるスポンサーです。
同じように、インターネットの情報は「アフィリエイト」の運動法則に基づいていると考えて問題ありません。
拡散ー報酬の関係が成立した瞬間に、自然発信を上回る速度で礼賛記事が投下されていくからです。
特にネット買取業では、その傾向が露骨です。
なぜなら、ネット買取業は、インターネット普及後の新しいビジネス形態だからです。
大手や中小の位置づけも曖昧な中、競合との差別化の必要に迫られた各ネット買取業者は、以下の2択を迫られます。
1. 「業者のファンダメンタル価値を高める(利用者とのwin-winを強化)」
2. 「強制的に利用者を集める」
1のタイプの業者は、利用者とのwin-winを目指すタイプと置き換えられるでしょう。
しかし残念ながら、一握りです。
現実は、2のタイプの業者が後を絶ちません。
目先の利益(業績)を第一にすることから、実態と乖離した宣伝文句(「高価買取」など)やアフィリエイターを駆使することで、強引な集客に手を染めがちなのです。
実際に、アフィリエイターへの案件依頼が多いことを確認してみます。
以下はアフィリエイトの募集サイトA8.net( https://pub.a8.net/a8v2/asSearchAction.do)です。
「宅配買取」と検索した結果、96件がヒットしました。
「書籍」を扱う業者は、以下の9件です。
(業者名) :(アフィリエイト報酬)
・株式会社BYRON(エコブックス) : 新規買取1,000円
・株式会社eあきんど : 買取740円
・合同会社DMM.com : 新規買取600円
・株式会社トレンドワークス(book-station): 宅配買取成立667円
・プラスコネクト株式会社(hobbyman) : 新規買取1,500円
・株式会社アカツキ(gd) : 新規買取1,000円
・株式会社アカツキ(BUY王) : 新規買取1,500円
・ブックオフオンライン : 新規買取成約500円
・株式会社ファントゥ(テキストポン) : 新規査定申込1,000円
どうやら、1案件の達成につき、水面下でアフィリエイターへ500円〜1,500円の支払いが行われているようです。
これは、業者から利用者へ支払われる購入代金から、アフィリエイターへの中間費用が流出していることを意味します。
これだと、査定価格は減額せざるを得ません。
さらに、サービスの拡散にインセンティブを得たアフィリエイターが被害を拡大させます。
アフィリエイターからすれば、依頼主のサービスが正直悪質と感じるクオリティーであっても、自メディアから利用があれば、成果報酬の恩恵に浴せます。
こうして「アフィリエイト報酬」に目のくらんだアフィリエイターが被害を拡大させてしまいます。
要するに、「アフィカス」と呼ばれる人たちが「アフィ記事」を量産しているのです。
ところが、現実のネット買取業は、ビジネスの様態として、高価買取は期待できません。
たとえば、商品の集荷コストが、コストの埋め合わせとして買い取り代金から差し引かれます。
また密室での査定なので、査定基準を守らなければいけない圧力も、持ち込み査定よりも弱まります。
こうした要因のため、最大買取は不可能な業態なのです。
にもかかわらず、礼賛記事が出回るということは、
それらは「アフィカス」目線で書かれたレビュー記事であり、信用に値しないということです。
にも関わらず、それにすら気づかない「情弱」と呼ばれる人たちが、ネットの情報を鵜呑みにして悪質な業者の被害に遭ってしまいがちなのです。
私もそんな情弱の一人でした。
□1-2. 「買取王子」と「ブックステーション」で買い叩かれた経験
私は、過去にネット買取サービスを利用した経験があります。
実際には、以下の2業者に依頼しました。
● 買取王子(株式会社ティーバイティー : https://www.kaitoriouji.jp/)
● ブックステーション(奈良県のトレンドワークス : http://nyantowan.sakura.ne.jp/)
結果だけ述べると、2社でともに「買い叩かれ」ました。
両社とも、<span class="underline-green">状態のいい書籍200冊以上に対して3,000円以下の価格がついた</span>のですから、「買い叩かれた」も同然です。
それでも、買取王子に関しては評価が可能です。
サービスに利用者とのwin-win志向が伺えたからです。
正直査定は低いです。
しかし、代金支払いを現金ではなく「Amazonポイントまたは買取王子ポイント」で受け取ることで、最大11%(実質6%)のポイント還元サービスを受けることができます。
自社ポイントで渡し、独自の販売網で使わせれば、現金支払いを減らせるという狙いが込められているのでしょう。
そのため、査定額は業者の中では高めです。
これは、利用者とのwin-winに準拠したビジネスモデルとして評価が可能です。
アフィリエイト案件の発注形跡も見当たりませんが、芸能人のDaigoを起用するほど広告宣伝は活発です。
つまり、運営者ティーバイティーの資金力と信頼性が背後にあるので、顧客への支払いを減らす方向には働かないのです。
つまり買取王子は、利用者とのwin-winを意識できており、信頼に基づいてシェア拡大を図る優良業者といえます。(※買取額は決して高くない)
一方、ブックステーション(奈良県のトレンドワークス)に関しては、おせじにも優れた買取業者とはいえません。
ブックステーションは、公式ページ内で散々「高価買取」を匂わせている業者です。
公式ページによれば、コミック完全版を以下のような高価格で取引してくれるようです。
ところが、書籍200点以上に対する査定額は、1,259円。
状態のいいものばかりです。
さらに、査定後の「商品一点ごとの査定明細」を発行してくれないので、どのような査定が下されたのか評価できません。
問い合わせのメールをしても、拒否の一点張りです。
しかし、「商品一点ごとの査定明細」は、業者の性格を判定する上で欠かせない情報です。
なぜなら次のことを示すからです。
✔︎「商品がいくらで査定されたか?」
→ 公式ページ記載の査定基準が守られているか?
いくらウェブページに細かな査定基準を載せても、第三者が検証できないなら、それは守られていないのと同じです。
検証プロセスを無くしてしまえば、業者による査定の独占が成立し、水面下での「買い叩き」が助長されてしまいます。
これに関して、買取王子は請求すれば発行してくれますが、ブックステーションは意地でも教えないとのこと。
実際にメールで催促すると、次のような返事が返ってきました。
「いかなる理由をもちましても」と強調するほど、「商品一点ごとの査定明細」の発行は、都合が悪いようです。
しかし、「高価買取」を謳いながら、レシートに等しい査定明細を発行できないというのは、ビジネス倫理に対する違反行為ではないでしょうか?
ネット買取業者のレビュー投稿サイト(https://uridoki.net/shops/8)でも、book-stationの査定の不当性を指摘する次のような評判が見つかりました。
ゲームはめちゃくちゃ安く買い叩かれますさん(20代・男性)
PS3
PS3とゲームソフト、コントローラ一式を売ったのに
2000円も値がつきませんでしたPS3本体を3000円〜5000円で買い取るとHPで謳っときながら
これは不当に安いと思いメールするも
対応も酷く返却には一切応じないの一点張り消費者センターに訴える予定ですが
二度とここは利用しないです普通にフリマアプリなどで売った方が断然値がつきますので
ゲーム類を売ろうと考えている方はそちらを絶対オススメしますいらない本を無料で処分させるくらいの価値しか無いです
私も、ドラゴンボール完全版1~34巻(全巻)、メジャー約70冊、GTO1~25巻(全巻)、その他計200冊への1,259円という査定に納得がいかず、返送を考えましたが、返送料も依頼者負担のため、戻すに戻せず大変悔しい思いをしました。
さらに、アフィリエイト案件発注の形跡も見つかりました。
買取が成立した時点で、査定額から667円(アフィリエイターへの報酬)が差し引かれます。
以上より、奈良県のブックステーションは、「利用者とのwin-win」ではなく、回転数の最大化だけに奔走するタイプの買取業者と評価します。
□1-3. 買取業者は出品業者の顔も持つ。なので常に「コスト意識」がつきまとう。
では、どうして買取業者は商品を「買い叩く」のでしょうか?
それは、買取行為がビジネスの一環であり、その後の転売を前堤にしているからです。
あらゆるビジネスの至上命題は、「利益の最大化」です。
「利益の最大化」のために、「商品を安く仕入れて、高く売る」
これがビジネスの基本です。
転売ビジネスにおいては、「買取価格の最小化と転売価格の最大化」がこれに該当します。
つまりビジネスである以上、「商品の買い叩き」は、あらゆる買取業者の宿命なのです。
しかしながら、買取業者も従業員を背負っています。
利益なしには、給与支払いもままなりません。
多少は仕方のないことなのかもしれません。
とはいえ、高価買取がネット買取業者相手では実現不可能なことは、利用者として理解しておきたいところ。
一応、買取業者が転売者の顔を持つことを確認しておきます。
以下は、先に示したアフィリエイト提携業者の所有する、Amazonストアの一覧です。
・Amazon.co.jp出品者プロフィール:株式会社BYRON(24時間以内発送-日曜除く-)
・Amazon.co.jp出品者プロフィール:eあきんどストア
・DMM.com (いわずと知れた大手なので省略)
・Amazon.co.jp出品者プロフィール:ブックステーション(買取もやっています)
・Amazon.co.jp出品者プロフィール:hobby man ホビーマン
・gd(問い合わせによると、独自の販売網を持っているが公表できないとのこと)
・ブックオフオンライン(いわずと知れた大手なので省略)
このように、買取業者は転売者の顔も持っており、ビジネスの論理で動いていることが判明しました。
■2. ベストな処分方法は、ヤフオクに出品すること
では、「ネット買取業者の買い叩き」や「アフィカス」の餌食にならない方法はあるのでしょうか?
□2-1. 非ビジネスマンの買取主がいるオークションに出品するのがベスト
唯一の方法があります。
それは、ビジネスの論理から外れることです。
ネット買取業者が買い叩きを実行してしまうのは、転売業の利益を確保するためでした。
利益を大きくするためには、仕入額を小さくしなければなりません。
こうした動機から、実態と乖離した広告宣伝(「高価買取!!」みたいな)やアフィカスが投下され、買い叩く業者に商品が送られてしまうのです。
でも、こうした被害は、みすみすビジネスのフローチャートに入るから巻き込まれるだけのこと。
ビジネスの枠から外れてしまえば、高価買取を実現することは可能です。
そこで知っておきたいのが、「ビジネスの論理で動かない買取主が集まる」販売形式の存在です。
それは「オークション」です。
ほとんどの人にとっては、「ヤフーオークション」が最も身近でしょう。
こうしたオークションに集まる落札者は、ほとんどが末端ユーザーです。
末端ユーザーは、純粋に商品を楽しみたい動機を持つ層なので、転売目的のユーザーのような買い叩き圧力がありません。
むしろ競売によって価格が決まる仕組みなので、自由競争の論理が働き、「価格上昇」の方向に働いてくれます。
その他にも、「落札価格の下限値設定」、「落札者が出なかった場合の自動再出品」といった便利な仕組みに溢れているのは、オークションの歴史と実績のなせる技でしょう。
これはネット買取業にはないサービスです。
デメリットは、梱包道具の用意から発送までの手続き負担が増えることです。
しかし、業者のような「密室査定」や「中間費用の差し引き」を排除できるので、価格に+2,000円〜の上乗せは期待できます。(商品や売り方によりけりですが)
余計な作業負担といっても、梱包作業に要する時間はせいぜい1時間未満ですから、時給換算「2,000円〜」と考えれば、割にあった仕事といえるでしょう。
□2-2. 実際に、オークションの落札相場を見てみる
実際に、奈良県のブックステーションから1,259円と査定された私の商品が、オークションなら、いくらの落札価格が期待できたのか検証してみます。
私が奈良県のブックステーションに送った書籍は、次のようなラインナップで構成されていました。
・GTO 1~25巻(全巻)
・湘南純愛組 3~31巻(3巻欠品)
・GTO SHONAN 14DAYS 1~ 9巻(1巻欠品)
・ドラゴンボール完全版 1~34巻(全巻)
・ メジャー(MAJOR) 1~74巻(4巻欠品)
・バガボンド 1~35巻(3巻欠品)
・リアル 1~14巻(7巻欠品)
・その他 実用本 17冊
計221冊
ほとんどの商品は、そのまま中古本屋に転売できる状態だったと思います。
そのうち30%程が、新品同然の美品でした。
それぞれの作品について、でオークションでの落札履歴を調べると以下のような価格が割り出せました。
・GTO 1~25巻(全巻) 1,000円
・湘南純愛組 3~31巻(3巻欠品) 1,000円
・GTO SHONAN 14DAYS 1~ 9巻(1巻欠品) 900円
・ドラゴンボール完全版 1~34巻(全巻) 4,500円
・ メジャー(MAJOR) 1~74巻(4巻欠品) 7,000円
・バガボンド 1~35巻(3巻欠品) 2,500円
・リアル 1~14巻(7巻欠品) 1,300円
・その他 実用本 17冊 85円
・欠品している本の充足費用 -2,800円
計221冊 15,480円
落札事例を観察すると、売り方によって同じ商品でも価格は変わるようです。
今回は、あえて落札価格の低い事例から抽出してみました。
オークションで売りにくい実用本は、1点につき5円の計算です。
さらに欠品している本の充足費用としては、100円~200円の値幅で差し引いています。
(送料も、落札者負担のものだけを選んだので0で計算)
上記の価格は、様々ある落札例からあえて安価な事例だけを抽出したものです。
つまり、ブックステーションから1,259円と査定を受けた私の221点の商品は、オークションなら15,485円以上の価格がついていたことは間違いなさそうです。
これは差額として14,226円もの開きであり、無視していい金額ではありません。
奈良県のブックステーションから「商品を買い叩かれた」ことは間違いなかったようです。
□2-3. 商品の相場を調べるのに役立つのがオークファン
高価買取を狙うには、オークションがベストだということが分かりました。
オークションは自営業のようなものなので、若干の煩雑さがあります。
・いくらで出品したらいいの?
・説明文にはなんて書いたらいいの?
・支払い方法は?
こうした問題に突き当たるでしょう。
そうした初心者が悩みがちな問題にはすでに対策が用意されています。
オークファンは、オークションの相場検索だけでなく、出品から評価までのプロセスを効率化してくれるツールです。
商品ページの説明文や支払い方法の記述に関しても、テンプレートが用意されているのですぐに出品することができます。
それでいて無料なので、最初に登録を済ませておきましょう。
実際に、私が奈良県のブックステーションに渡した「ドラゴンボール完全版 1~34巻」がいくらで落札可能だったのか、オークファンを使って調べてみます。
まず、オークファンにアクセスします。
サイト上部の検索窓に調べたいワードを入力して🔍のマークをクリックします。
ここでは「ドラゴンボール 完全版 全巻」で検索。
検索画面の中部左に「ページ平均価格」が表示されますが、これはあまり参考になりません。
検索ワードにヒットする全ての落札事例の平均価格なので、正確ではないからです。
個々の落札事例を確認することが大切です。
同じ商品でも、状態や見せ方によって、価格はよりけりです。
最後に確認しておきたいのが、送料。
送料負担があるかないかによって、手元に残るお金が変わるからです。
これは、落札事例をクリックし、「配送方法 > 送料負担」が「落札者」であれば着払いでOKということです。
この事例では、あまり状態のよくなさそうな「ドラゴンボール完全版1~34巻」が4,500円で落札されており、送料も¥0。
なんと、ドラゴンボール完全版34冊の落札価格だけで、奈良県のブックステーションに渡した221冊の買取総額1,259円を凌駕してしまいましたw
この調子で、奈良県のブックステーションに渡した漫画本を全て調査していくと、総額は15,480円。
これは低く見積もった数字です。
つまり、ブックステーションに渡すことで、最低でも14,226円の損失が生じていたということ。
これは前に記した通りです。
■3. さいごに
インターネットには、業者の誇大宣伝や、悪質なアフィカスの罠が潜んでいます。
高額買取を実現するには、これらを回避しなければなりません。
ベストな回避方法は、非ビジネスの論理で動くオークションです。
初心者の方にも、簡易ツールが容易されています。
完全無料のオークファンを使いながら、買取価格の最大化を実現してください。