ベトナムの日系店もベトナム価格なの?
「ベトナム」と聞くと、まだまだ物価の安い国というイメージを持つ人が多いと思います。実際、日本との経済格差は大きく、2017年のベトナムのGDPは日本の1/20に満たない規模でした。(ベトナム : 2237.8億ドル、日本 : 4.872兆ドル)
実際の物価は、日本の1/2から1/3ほどです。
(↓こちらの記事でも紹介しましたが、ホーチミンは日系コンビニ店の弁当が150円で食べられる都市です。)
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では、次のような疑問を持つ人もいるのではないでしょうか?
「ベトナムの日系店を利用すれば、日本食も安く食べられるの?」
こうした疑問に対し、今回は「焼肉」という観点から答えてみたいと思います。
ホーチミン3区の「ぶたさま」に行ってみた
ホーチミン1区と3区の隣接するエリアにかけて、日系焼肉店の数は約15件。
今回は、ホーチミン3区にある「ぶたさま」に足を運んでみました。
選択の理由は、名前がユニークだったからです。
大勢のバイクが道路を行き交う、ベトナムにありきたりな風景。
ホーチミン3区の道路に面するこのお店は、サイゴン駅から650mの距離にあります。
真っ黒な外装な上、店の前にはバイクが並べてあるので、パッと見で焼肉店ととは認識しづらいかもしれません。
私も、初見ではバイク屋のガレージと勘違いして、素通りしてしまいました。
店の入り口に足を進めると、奥から日本人のスタッフの方が現れて、対応してもらえます。
お店の様子
お店の内部は奥に広く、2階構造。
口コミでは、2階席が煙の関係でやや不評気味の様子。
自分は2階には足を踏み入れていませんが、おそらく空気の循環が悪いのでしょう。
自分が案内された1階席は入り口に面しており、外気の循環も良かったため、問題に感じることはありませんでした。
スタッフは、若い現地人の方が多く、人員の多さから賑わっている様子が伝わってきます。
日本人のスタッフは、数名いらっしゃる様子。
自分が訪れた際は、気さくでイケメンなTさんというマネージャーの方に対応していただけました。
ぶたさまのメニューは安い?
2018年1月にオープンしたばかりの「ぶたさま」ホーチミン店。日本では、東京の代々木と江古田で2店舗が営業しているとのこと。
公式ウェブサイトも運営されており、サイト内に掲示されているメニューで価格を参照することは難しくありません。
そこで実際に、日本の支店に比べて、何倍の倍率で安く食べられるのか検証してみました。
ホーチミン価格(円) | 日本価格(円) | 倍率(倍 : 下3桁切り捨て) | |
---|---|---|---|
ホルモン各種 | 49,000ドン(234円) | 280(円) | 0.84(倍) |
コリコリなんこつ | 79,000ドン(378円) | 580(円) | 0.65(倍) |
ハツ塩 | 89,000ドン(426円) | 580(円) | 0.73(倍) |
柔らかカシラ | 69,000ドン(330円) | 680(円) | 0.49(倍) |
ハラミ | 79,000ドン(378円) | 680(円) | 0.56(倍) |
ぶたさま3点盛り | 209,000ドン(1,000円) | 1,780(円) | 0.56(倍) |
冷やしナムル | 41,000ドン(196円) | 400(円) | 0.49(倍) |
酢もつ | 34,000ドン(163円) | 500(円) | 0.33(倍) |
ライス(大) | 22.000ドン(105円) | 400(円) | 0.26(倍) |
やみつき塩サラダ | 59,000ドン(282円) | 680(円) | 0.41(倍) |
特性ポテトサラダ | 49,000ドン(234円) | 580(円) | 0.40(倍) |
わかめスープ | 59,000ドン(282円) | 480(円) | 0.59(倍) |
玉子スープ | 65,000ドン(311円) | 480(円) | 0.65(倍) |
地獄の激辛スープ | 81,000ドン(387円) | 980(円) | 0.39(倍) |
ぶたさま特製冷麺 | 115,000ドン(550円) | 980(円) | 0.56(倍) |
バニラアイス | 38,000ドン(182円) | 250(円) | 0.73(倍) |
ハイボール | 75,000ドン(359円) | 390(円) | 0.92(倍) |
カシスオレンジ | 70,000ドン(335円) | 580(円) | 0.58(倍) |
ウーロンハイ | 68,000ドン(325円) | 490(円) | 0.66(倍) |
黒霧島(ボトル) | 855,000ドン(4,090円) | 2,090(円) | 1.41(倍) |
黒霧島(グラス) | 77,000ドン(368円) | 560(円) | 0.66(倍) |
同じメニューに関する限り、ぶたさまホーチミン店では、ほぼ全てのメニューが日本価格よりも安く注文できることが分かりました。
例外は、いも焼酎の黒霧島(ボトル)のみです。(ホーチミンで呑むと1.41倍高い)
安さの背景にあるのは、現地での調達難易度が関係しているのでしょう。
これは、ベトナムに豊富な野菜(サラダ)や米(ライス)の顕著な安さ(日本価格に対して26%~41%ほど)からも伺うことができます。
肉は、およそ20~50%OFFの価格で、たいへんリーズナブルです。
ライス大も、日本の1/4(105円)で注文できるので、お腹いっぱい食べることができます。
実際に出てきた肉
価格が安くとも「安かろう悪かろう」では意味がありません。
そこで、実際に出てきたお肉をアップすることで、品質検証に換えたいと思います。
結論から言うと、日本で口にする焼肉とほぼ変わらない味わいでした。
肉質の悪さ、固さなどは感じません。
Googleの口コミを読んでも、概ね私と似たような評価のようです。
タレの調子も日本クオリティ。肉の動物性に複雑性が加わって、最高においしい。
久しぶりの肉にがっつく僕に、Tさんは遠慮して、会話の速度を緩めてくれていましたw
日本クオリティの焼肉を食べて大満足。
色々と情報をくれたTさんにもお礼をして、お会計へ進みます。
28万5000ドンは日本円で1,365円です。
これだけ食べて1,365円・・日本ならあり得ない価格ですね。
ぶたさまを利用しての感想
先進国民らしからぬ貧乏旅行なんてやってると、現地民から冷ややかな目で見られるもの。
しかし、ぶたさまを出た後は違います。
現地の中流以上のレストランにお金を落とし、先進国民としての義務を果たしたとなると、現地民の見る目も変わります。
大きく膨れたお腹をやや見せびらかすように、ゆっくりと帰路につく途上、栄養面が改善されたせいか、いつもよりスムーズで大きな足の運び。
宿に着きひと段落すると、グルメ的な満足感に促され、徐々にまぶたが重くなってきました。
その日の眠りは深く、翌日の目覚めもスッキリ。
活力的なエネルギーは、日を跨いでも翌日に持ち越されていました。
これらは全て、ぶたさまあっての満足感です。(豚肉様への敬意。そういうコンセプトらしい。)
日本人の店員も気さく
普段は駐在員や現地人で賑わっているこのお店。
夕刻前に私が訪れた際は、偶然人入りも少なく、日本人マネージャーの方とお話しする機会に恵まれました。
気さくなお兄さんで、少し会話して打ち解けると、ホーチミンの現地情報なども教えてくれます。
入国直後の旅慣れしていない状態だと、きっと役に立つアドバイスを貰えるでしょう。(正直、スタッフの給料はどれくらい払ってるんですか?とか野暮ったい話も聞いておけばよかったw)
ホーチミンネタから人生相談まで、幅広い話題に対応していただけたことも、焼肉の席を楽しめた大きな要因でした。
安くておいしい肉だけでなく、情報収拾にも役立ってくれるお店です。(普段は客入りが多く、忙しいようですが。)
ホーチミンを訪れた際は、ぜひ利用してみてください。
所在地 : 19D Kỳ Đồng, Phường 9, Quận 3, Hồ Chí Minh, ベトナム(サイゴン駅から徒歩650m)
電話 : +84 28 3931 1696
営業時間 11時00分~23時00分