外国で「安物買いの銭失い」をやると、人生が終わる可能性があります。
日本の製品・サービスは、必要以上にハイクオリティーです。
それはおそらく、「お客様意識」があるためでしょう。
日本の業界には、そうした暗黙の了解が流れています。
しかし、この常識を外国で求めてしまうと、とんでもないしっぺ返しをくらいます。
そのしっぺ返しの中には、人生を台無しにするほどの脅威を秘めたものも少なくありません。
今回は、海外でケチるべきではなかった「安物買いの銭失い」の個人ランキング3位を発表します。
1. 「安物買いの銭失い」で失敗した3選【外国編】
第3位. 旅行先に選ぶ国
これは間違っても死にはしませんが、初期に訪れる国によって、その後に歩む人生が変わってきます。
南方の国ほど安い傾向がありますが、長い目で見ると、最初期に訪れる国は北方の国を選んだ方が得です。
なぜなら、北方の国ほど生存条件が厳しく、学びが多いからです。
北方の寒い国では、農作物は育たないので牧畜が生業になります。
しかし牧畜では栄養供給が不安定なため、こうした地域の先人は、温暖な農耕地帯への外征へと舵を切らなければなりませんでした。
中世に大帝国を築いたフランク帝国やモンゴル帝国なども、たいてい北方の寒冷地帯に起源を持っています。
帝国の存続にとって何よりも重要なのが軍事力でした。
軍事力の要は科学技術力なので、学問が盛衰のキーを握ります。
その必要性から世代を超えた膨大な知的探求が重ねられ、キリスト教、近代科学、産業革命といったヨーロッパを象徴する遺産として結実することになりました。
日本も今でこそ近代国家の一員ですが、その発展はオリジナルなものではありませんでした。
今日においても、一流大学でさえ学問を純粋に探求する姿勢は薄く、大半の大学は就職の斡旋機関と化しています。
一方、北方の国々では、中世に築かれた大学が今も現存しており、大学のキャンパスでは、学生たちが口角泡を飛ばす勢いで議論に熱中しています。
これは日本にはない条件です。
そうした真剣さを持つ文明圏を目の当たりにすることは、学問の意義、文明について考えるきっかけとなり、あなたが描く人生の目標点をより遠くへと設定し直してくれるでしょう。
特に、あなたが若ければ若いほど、訪れた国から受ける影響は大きくなります。
旅費はかさむものの、できるだけ北方の厳しい国を目指した方が、生涯を通してより遠くまで到達できることは間違いありません。
第2位. 食事(特に温暖な国)
「安さはリスクの裏返し」
この教訓が最も露骨に現れる場面の1つは、途上国の安食堂です。
途上国の大半は地理的に南方に位置するため、季節を問わず温暖です。
温暖な地域だからこそ、食堂は品質管理にいっそう注意を払わなければなりません。
なぜなら温暖な気候の下では、菌の繁殖が助長され、顧客の体調不良の原因となるからです。
別に読まなくても分かると思いますが、この日本型の思考は大抵裏切られると考えてください。
途上国の人間には、長い歴史の中で雑菌に対する抵抗ができている可能性が高いです。
- ハエがたかってブンブン飛び回る料理
- 加熱しても誤魔化せない腐敗した肉
- 洗浄したのか怪しい皿
- 汚染された水道水
思わず目を背けたくなる、衛生的に劣悪な食堂があちこちに転がっています。
もちろん、途上国の全てがそのような衛生観念にあるわけではありません。
東南アジアに限るなら、日本人に耐えない衛生環境にある国は、インド、カンボジア、インドネシアくらいのものです。
その国の文化を象徴する料理を楽しむことは、旅の醍醐味の1つであり、私とてむやみに恐怖心を煽るつもりもありません。
しかしながら、途上国の安い料理には気をつけてください。
旅行者下痢症にかかると、治療のために数日〜数週間を犠牲にすることになり、旅行前に掲げたプランを履行することが困難になります。
また、旅行者下痢症に罹患した際は、無理に日本の常備薬に頼らず、現地の薬局に足を運びましょう。
ほぼ100%治療薬が手に入ります。
第1位. 安宿
無防備な状態での安宿利用は、人生を破壊するリスクを秘めた危険行為です。
特に初見殺しに要注意です。
実際に被害を受けた立場から言うと、安宿の利用は勧めません。
なるべく、問題がおきた場合に責任を追求できるように、中級以上の宿を推奨します。
それでもあなたが格安旅行にこだわるのであれば、安宿に潜むリスクについて事前に知っておきましょう。
私が南インドのマイソール県に滞在した201○年時点において、この脅威を伝えるインターネットメディアはほぼ存在しませんでした。
そのリスクの存在すら知らない私は、リスクと真っ向から直撃することになり、帰国後に20代の貴重な時間を不毛な駆除作業に費やす羽目に陥ったのです。
20代の生き方は、その後の人生の足取りを決定づけます。
だとすれば、私の人生はこの害虫に破壊されてしまったのかもしれません。
20代の多くを虫のために犠牲にしたからです。
だからこそ、これを読んでいるあなたは、同じ失敗を繰り返さないでください。
海外の安宿に潜むリスクとは、「南京虫(トコジラミ)」と呼ばれるカメムシ科の吸血害虫です。
カメムシ科といっても、その恐怖は匂いではありません。
挙動的にはダニ科に近く、あたりの静まった真夜中に人間の臭いを察知すると、隠れていた隙間から這い出して、身を横たえている人間を餌食にするのです。
その噛み跡から発する痒みは、歩行していても掻きむしってしまうほど激しく、出血を伴うカサブタを剥ぐまで治ることはありません。
身体中を掻きむしった結果、全身のあちこちに損傷したも同然の傷口ができ、しかも治癒の過程で流血を伴い、跡まで残すのです。
女性なら、夏場の肌を出すタイプのファッションが、難しくなることは間違いありません。
さらにこの虫は人間に寄生することで生息圏を広げる習性があり、劣等生物にありがちな異常な繁殖力の高さまで備えています。
1日に5~6個の卵を産み付けるため、移動先に持ち込めば、繁殖するのはあっという間です。
自宅に持ち帰ったら最後、その家での平穏な暮らしは高確率で終止符が打たれることになるでしょう。
「疑わしい場所を駆除→効果なし→駆除再開」という不毛なループを強いられます。
その間、仕事などへ投下しなければならないエネルギーは延々と駆除作業に奪われ、成果に結びつかずにメンタルがやられてしまいます。
1回10万円はプロの駆除業者でも根絶は難しく、堂々巡りになるのが通例です。
あらゆる手を尽くしても消えない南京虫は、節約のために利用した安宿が、寄生のきっかけとなります。
2,000円程の節約のために100万〜5000万円を支払うのは馬鹿らしいですよね?
だったら、安宿はなるべく使わず、もし使うとしたら対策を用意してから利用するように注意してください。
例えば、虫がつかないようにカバンをビニールで包むといった対策が有効です。(毎回やるのは、かなり面倒ですが)
少なくとも、外国に足を踏み入れるのであれば、南京虫に対する注意は絶対です。
南インドの場合、1泊2,000円の中級ホテルでも、南京虫の部屋と化していることが多いです。
1泊300円で利用できるような安宿は、まず南京虫の巣窟であると見なしてください。
インドに足を踏み入れると、その安さに感動して無警戒に浸りがちですが、その裏にあるリスクには気づけず被害を被る人ががほとんどです。
外国に関する情報が出回っていない時代に被害を受けた被験者として、大いに警鐘を鳴らしたいと思います。
2. 「安物」でも問題なかった3選【外国編】
以上の3選は「お金を使った方がいい」対象について説明しました。
それぞれ「旅行先」、「料理」、「宿」です。
読者様の中には、外国旅行で「お金を切り詰めてOK」なものについて知りたい方も多いと思うので、紹介したいと思います。
第3位. 日本から持ち運ぶ道具
外国旅行中に使う道具は、基本、現地調達でOKです。
重すぎる荷物は移動の妨げにしかならないので、「使うことが確実」というアイテム以外は、最初からカバンに入れない方が良いです。
日本の製品はクオリティが高いので、外国だと不安かもしれませんが、案外同等のものを買えます。
外国に行くからといってあれこれとバッグに詰め込む必要はなく、だいたい現地調達で問題ありません。
外国慣れした人でも、服と必需品くらいしか持っていかない人は多いですね。
道具を集めることにお金をかけるよりも、プランを立てたり情報収拾することを優先しましょう。
第2位. 暴飲暴食代
食事をとることと、暴飲暴食をすることは違います。
その国の文化を知るためにも食事に親しむことは大事です。
しかし暴飲暴食には注意を払うべきです。
物価の安い国へ行くと、ポテチのような製品が日本の半額ほどで販売されていて、感動するものです。
「日本ではできないことをしよう」と、ついつい衝動買いしてしますのですが、ここにもリスクが潜んでいます。
意味のない衝動買いは、「癖」になるからです。
衝動買いの癖は日本でも同じように発揮されるので、日本での「異常な衝動買い」に繋がり、大事にしていたはずの節約から遠ざかる結果を招くことになるでしょう。
安い国でやろうと日本でやろうとう、暴飲暴食は暴飲暴食です。
それは日本に戻ってからも繰り返されます。
暴飲暴食はやってしまうものですが、なるべく安く済ませて、「外国にいるからこそできる」体験にお金を回す方が絶対に生産的ですね。
第1位. 飛行機代
飛行機の目的は移動に過ぎません。
移動という目的を果たせば良いのですから、格安便で問題なくないですか?
スカイスキャナーなら登録不要で最安価の格安航空便を検索できます。
中には、ビジネスクラスにお金を払う人もいますが、プライベートな時間なんて、到着後に1泊2,000円くらいのホテルで好きなだけ満喫すればよいのではないですかね。
移動以外の部分は付加価値に過ぎず、経費か、ビジネスクラス代を上回る生産性でもない限り、無駄な出費だと捉えます。
格安航空便を自分で手配すれば、航空会社に支払う手数料が浮くので、かなりお得です。
そのお金を使って渡航先で楽しめば良いでしょう。
とまあ、月並みな結果に終わりました。
本記事の目玉は、やはり「安宿に潜む南京虫のリスク」です。
これを食らうと人生に大きな負担がかかることになるので、必ず回避するように気をつけてください。