マラリアやデング熱が蔓延するカンボジアは、インドと並んで貧乏旅行を勧められない国の1つです。
低予算の旅では、現地の劣悪な衛生環境を避けることができず、普通に危険です。
衛生リスクへの対処法としては、先進国基準を満たしうる中〜高級レストランを利用することが大事です。
とはいえ、1回の食費に多くを費やしたくない方も多いでしょう。
そこで今回は、観光エリア(ワットプノン)付近にある、安価・安全の条件を満たすローカルレストランについて報告します。
ワットプノン付近は、安価で衛生基準を満たす外食店は僅かです。
付近には安宿も林立し、ワットプノン付近に滞在する際の、重要な食料調達先として機能してくれるはずです。
1. カンボジア滞在中に気をつけたい衛生問題
カンボジア料理と日本食の味付けが近いことはあまり知られていません。
日本人の口に合う美味な料理を食べるのに、1食あたりの相場は1~2ドル。
「美味しいカンボジア料理を食べ放題」ですから、カンボジア旅行はグルメ旅行の側面を持ちます。
しかし、ここで安さに飛びつくと後で痛い思いをすることになります。
衛生管理の雑なカンボジア食を、日本の感覚で手当たり次第に摂取すれば、体調を崩すことは明白。
治療費、養生費、時間などを総合して、結果的に赤字を被ることになるでしょう。
※カンボジアの基本的な衛生情報と対策については↓の記事を参照。「発症率40%ともいわれる旅行者下痢症」の解決方法まで記しています。
www.ossanns-oblige.com
水道水の汚染、食器洗浄の不十分さ、油の使い回し。
こうした衛生条件は、日本ならまず保健所から注意されるレベル。
都市を歩けば、熱帯の熱気の中、何時間も前に作った料理を店頭に並べ、ハエがたかる料理を再加熱もせずに顧客に出している光景があちこちに広がっています。
ずさんな衛生管理で体調を崩せば、せっかくの旅行プランが台無しです。
そこで頼りたいコンビニエンスストアも、食欲を満たすに及ばない菓子類は豊富ながらも、弁当類は見当たりません。(あっても高価なサンドイッチなど)
仕方なく、中〜高級レストランを使えば、安全性と一緒にコストも跳ね上がります。
したがって、「安いローカルレストランが欠かせない」という人が絶対にしなければならないのが、信用に足るレストランの選別なのです。
2. カンボジアの飲食店への信用は禁物
お店を紹介する前に注意したいことがあります。
それは、カンボジアのいかなるレストランも、信用しきってはいけないということです。
なぜなら、蛇口から出てくる水道水が汚染されているからです。
さすがに低級店でも、水道水をコップに入れて渡してくるようなことはありません。
しかし、汚染された水道水を、生野菜や食器の洗浄に充てるのは当たり前の行為です。
ローカル人には細菌耐性があるのか、微量の水道水は問題ない様子。
しかし、耐性のない旅行者は、水道水の一滴が口に入るだけで、細菌を取り込み、健康に異常をきたす原因になってしまうようです。
激しい下痢症状は「旅行者下痢症」と呼ばれ、先進国からの旅行者を苦しめています。
少々の汚染を厭わない耐性を持つ現地人は、耐性を持たない外国人を慮れない様子。
ときには中級店や高級店でも体調不良が報告されるほど。
これはカンボジアの水道水がダメなことに自覚が及ばず、野菜などの洗浄水として使ってしまうからです。
そのためカンボジアのレストランでは、以下2点が鉄則です。
生野菜の摂取を避ける
口に入れる食器は、使用前にテーブルに置かれているティッシュで拭う
これから紹介するレストランは、健康問題なく、連日に渡り利用することができました。
それも、生野菜の摂取は避けたという前提つきです
。
水道水がダメな以上、火を通さない、いかなる料理も口に運ぶべきではありません。
2. プノンペンのワットプノンから2kmの距離に位置するWhite Coffee
ワットプノンは、プノンペンを象徴するトンレザップ川のほとりにある、プノンペンで一番高い山の上に建てられた寺院です。(インドから伝わった山信仰を象徴)
付近には王宮やアメリカ大使館があります。
White Coffeeが立地するのは、こうした観光エリアから一歩外れた地区。
観光エリアとローカルエリアの境目に位置し、ワットプノンからフランス大使館の方向へ向かって通りすぎた場所にあるローカルエリアの入口というロケーション。
White Coffee(Cafe Brother)
・所在地: 70 St, Phnom Penh, カンボジア
・営業時間: 5:00 ~ 19:00
なおGoogleの表記はWhite Coffeeですが、現在ではCafe Brotherに改名されています。
3. White Coffeeが推薦に値する理由
評価点は以下2つです。
料理のお値段以上のクオリティ
オーダー後に調理してくれるので衛生的
メニューは、単品4,000R~10,000R(1ドル〜2.5ドル = 111円〜277円)というお手頃な価格。
お腹が膨れるだけのボリュームもあり、味付けもたいへん美味です。
カンボジア料理特有のシンプルさはありながらも、価格以上のクオリティに驚くでしょう。
実際に出てきた料理の写真を並べます。
衛生管理の雑なローカル店のように店頭で長時間放置された食品を盛るのではなく、オーダーを受けてから奥の厨房で調理してくれます。
完成までやや時間はかかります。
しかし、加熱を行った証なので衛生的。
逆に信頼感が持てます。
お店も日本のレストランに見劣りしないくらいお洒落で清潔です。
※野菜盛りですが、火を通さない食品は水道水の汚染の恐れがあるため除去してください。
3. White Coffeeの様子
通路から見える外装はCafeそのもの。
お店の前に掛けてある料理のメニューから、レストランを営んでいることが分かります。
店舗の前にあるカフェブースの中で、女性スタッフが暇そうにスマホをいじっているのがデフォルト。
入り口付近まで進むとブースから出てきて笑顔で対応してくれます。
オーナーの女性は気さくで愛想がよく、雰囲気からおそらく親日の人。
ホスピタリティに溢れ、客を心から大事にするタイプ。
信頼で集客する姿勢が前面に表れており、その点も日本人好みだと思います。
メニューの文字はクメール語ですが、女性スタッフは英語が流暢なので意思疎通には困りませんでした。
4. White Coffeeへのアクセス
トンレザップ川の上に掛かるカンボジア日本友好橋からほぼ直線距離でアクセスできる店舗。
カンボジア日本友好橋から市内方面へ真っ直ぐ進むと、ロータリーがあり、道が4,5方向に分岐しています。日本カンボジア友好橋から正面の街道に進んでください。
”Bayon Barkery”というよく目立つパン屋があるので、右手に見ながら、真っ直ぐ進みます。
すると、黄色い中央分離帯のある二車線の道路にぶつかります。
この道を道路の右側から進み、3番目の街路時を曲がってください。
安宿街であることを示す看板が路地の右側に並んでいます。
(この安宿街のはじめにあるCHOL HENG GUEST HOUSEは、10ドルの価格で設備的にもgoodです。若干のマイナス点もある安宿ですが、詳しくは↓を参照してください。)
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この街路地を進んで奥、右手側にWhite Coffeeは立地しています。
一見カフェに見える外装で分かりにくいですが、奥に食堂があります。
客入りは、朝方は多いものの、昼〜夕方は空いています。
内装や雰囲気もおしゃれで落ち着ける雰囲気。
バイクの喧騒から離れたいときにも使えるお店です。
6. さいごに
カンボジア旅行最大の敵、劣悪な衛生環境を乗り切るには、食の選別が絶対です。
(コンビニ弁当が乏しいので、日本のセブンイレブンやファミリーマートには進出先として狙い目だと思う。)
安全な旅行のためには、中〜高級店を使うのがセオリーです。
グレードの低いローカル店の利用はなるべく避けましょう。
今回紹介したレストランは、あくまで低予算の旅に使う妥協策です。
ちなみに私は、格安店にこだわり続けた結果、2度旅行者下痢症を患い、カンボジア旅の約50%を養生に費やした経験の持ち主です。
(詳しくはこちら→【旅行者下痢症を2日で治す方法も】カンボジア旅行者への注意喚起と対策3つ - Ossan's Oblige ~オッサンズ・オブリージュ~
)
安い食品は目先の節約を実現してくれました。
しかし、食あたりのために12日間にかけて養生を要し、その間の時間、食費(治療のため多め)、ホテル代を私の財布から奪っていきました。
どう少なく見積もっても、安い食品で浮いた金の20倍は支払っています。
これはインドの南京虫との関わりと似ていて、改めてカンボジアとインドの類似性を感じた次第です。
つまり、「安かろう悪かろう」です。
そのような中、ローカル店に該当するはずのWhite Coffee(Cafe Brother)は、質・安全性ともに、ハイパフォーマンス(アンコールワット・クオリティー)を発揮してくれる例外的なお店です。
現地を訪れた際、推薦に値すると評価したため、紹介させていただいた次第です。
今回の投稿が皆様の安全なプノンペン旅に少しでも役立つのなら投稿主として幸いです。
一読くださり、ありがとうございました。