気になったことなど

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インドやフィリピン、インドネシアの都市は何故不衛生で臭いのか考えてみた

それにしても、インド、インドネシア、フィリピンとインフラの荒さ、街の不衛生さはどこか似ている。
街には共通して特有の臭いがあり、それは決して心地よい臭いではなく、腐敗臭に分類されるような悪臭である。

フィリピンの街を歩きながら、その原因がどこにあるのか考えて、少し気づいたことがあったので忘備録として残しておきたい。


まず不衛生な都市に共通しているのは、市民のポイ捨てが日常化していること。
こうした都市では、市民にゴミはゴミ箱に捨てる意識が欠如し、また都市のゴミ箱設置率も低いので、自ずと河川や歩道がゴミ捨て場となる。こうしたゴミは運が良ければゴミ回収業者が回収するが、多くの場合は放置され、やがて腐敗していく。そうして腐敗したゴミが悪臭の原因になるケースだ。こうした都市では、自宅周辺の掃除をする婦人がゴミを集めても拾うことをせず、ホウキで自分の生活圏から排除するだけの掃除風景が観察されたりする。要するに、市民に都市衛生の概念がない。

また、もう一つは、インフラの不備に原因が求められるもの。
インドネシアに関しては、滞在2週間と短く、インフラ観察も不徹底だったのでこれに当てはまるか分からない。
しかし私が見た汚い国というのは、たいていインフラがずさんだった。
何も都市の見た目の汚さが、市民の衛生観念の不足をもたらすなどという心理的影響の問題ではなく、インフラのもろさが都市の不衛生さに直結しているように見受けられた。
最悪なのがインド。この国では歩道のコンクリート舗装すらされていない地域が多く、雨が降ると水たまりができてぬかるみが生じ、長期間放置されることでゴミの多さと相乗して細菌発生率が高まり、悪臭が漂ってくる。おまけにこうした土地では牛が放牧されていることが多く、道に放置された糞尿が雨水と一緒に広がって大地と同化することが多々ある。大地は大変肥沃なのだろうが、靴は犠牲になる。

またインドの少しマシな地域でも、フィリピンの平均的な都市と同じようにインフラの老朽化が激しい。こうした都市では、どうやって起きるのか分からないが、歩道のコンクリートなど至る所に削れや崩れが観察される。おまけに海に面した国で降雨量が多いので、こうした隙間に水がたまり、下水に運ばれることもなく放置されて悪臭が発生しているようだ。また、フィリピンのマニラでは、地面と歩道の段差の間の勾配がなぜか急になっており、そこに雨水が溜まるパターンも見受けられた。日本も島国なので雨が多いが、雨が降ったからといって翌日都市が臭うなんてことはめったにない。日本と不衛生な国の違いは何かと眺めていたら、どうやら下水が機能していないようである。いや、マンホールは設置されており下水は存在するようだが、雨水を下水に運ぶための排水溝が圧倒的に少ない。日本は排水溝が多いので雨が降っても雨水は下水に誘導されて残らないが、フィリピンの都市には下水はあっても何故か排水溝の数が少なく雨水が地面に残ってしまうようである。おまけに地面はコンクリート化されて水はけも悪くなっているため、水が長い時間、地面に滞留してしまい、悪臭が発生してしまうようだ。
これは完全にインフラ整備の不備が原因である。特に下水道の機能不全によって不衛生が生じているように感じる。

まあ屋台が盛んなことも指摘できるだろうが、腐敗物を売りつけるようなことはないので(インドは例外)これには言及しない。


途上国の都市建築には、先進国からODAが支援金として拠出されているはずなのに、都市の基本的な枠組みに資金が投下されていないことには遺憾の念を禁じえない。
市民の衛生観念の欠如も原因として挙げたが、まずは都市そのものが美化されないと、市民の衛生感覚も追いて来ないはずだ。
インフラ整備は公共事業としての側面もあり、後進国共通の課題である雇用増加にも寄与するはずなので、まずはこちらを積極的に進めてほしいと思う。