Ossan's Oblige "オッサンズ・オブリージュ"

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【旅行者下痢症を2日で治す方法も】カンボジア旅行者への注意喚起と対策3つ

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1〜2ドル。しかし・・・

インドでの最も重要な悟りは、「”安かろう悪かろう”の恐ろしさ」でした。

インドの安い物価は、たしかの目先の節約を実現してくれます。

1泊300円の安宿も存在します。
食事も100円から摂ることができます。

しかし、安さの背景には必ず問題があります。

食あたりや南京虫の寄生など、サービスを利用した後しばらく経ってから、結果的に数倍の代償を支払うことになるのが常でした。


カンボジアは、インドシナ半島の中で最もインド化の面影が残る国です。

インド化の影響がよほど強かったのか、カンボジアは、インドが抱えているような衛生リスクを同様に備え持っています。

カンボジア旅行を甘く見ていると、滞在中または帰国後に重大な損失を負うことになるでしょう。

そのような事態を回避していただけるように、本記事では以下3点について説明します。

カンボジア旅行に潜む衛生問題について
衛生問題に対する防護法
体調を崩した時にとるべき行動


1. カンボジア旅行に潜む衛生問題とは?

在カンボジア日本大使館は、カンボジアの保健事情に関する説明文を、次のような切り口で始めています。

カンボジアの衛生状態は極めて悪く日本とは比較になりません。

まさに、カンボジアに勤務する当事者の苦しみと諦めが表れた一文ではないでしょうか?


日本大使館が指摘する通り、カンボアジアの衛生環境の悪さ、現地人の衛生観念の無さは、日本人の想像に及ばないレベルです。

カンボジアに隣接するベトナムもラオスも、決して綺麗な国ではありません。

しかし、健康被害をきたすような不衛生感はありませんでした。

カンボアジアに近い衛生環境の国を近隣に探すとすればインドネシアでしょうか。

体感では、インド化の強さと衛生環境の悪さは比例しています。

そんなカンボジアの衛生問題は3つに分類できます。

衛生管理のずさんさ、食品の腐敗
浄水インフラの遅れに起因する水道水の汚染
マラリヤやデング熱を媒介する蚊の流行


カンボジアは、熱帯モンスーンに属する暑い国です。

ただでさえ食品の腐敗や蚊の繁殖が起こりやすい中で、現地人の対策は雑です。

無防備のまま訪れると何かしらのトラブルに遭遇するでしょう。
安全なカンボジア滞在を果たすためにも、現地の環境を知っておくこと、対策を打つことが絶対に必要です

2. カンボジアにおける衛生対策は、何をすればいいの?

カンボジア旅行における最悪の事態を想定するなら、それは疫病です。

旅の途中に突如激しい腹痛に襲われ、ホテルで寝たきり状態になることは珍しくありません。

なぜならカンボジアは、先述の衛生問題を抱えているからです。

1. 衛生管理のずさんさ、食品の腐敗
2. 浄水インフラの遅れに起因する水道水の汚染
3. マラリヤやデング熱を媒介する蚊の流行

日本ではまず想定することのない条件です。

しかし逆にいってみれば、この3つさえ塞げばカンボジアの衛生問題は回避できるということです。


1.食品の腐敗

衛生管理のずさんなレストランを使わないことで回避できます。

熱帯モンスーンに属するカンボジアであるからこそ、食品を腐敗から守る技術が発達しているはず。

・・・そのような日本的性善説は、通用しません。

現地人には耐性があるためか、食品の衛生管理はずさんさを極めます。

熱帯の炎天下の中、食品を常温で長時間放置し、再加熱しないまま、顧客に提供するのが当たり前の慣習となっています。

こうした慣習がまかり通るのは、大抵ローカル向けの格安店です。

格安店の利用を控えれば、悪質な健康被害に患る恐れもなくなるでしょう。

物価の安い国を訪れると、どれだけ節約できるかを競いがちです。

また安さに感動して、安い料理を好きなだけ楽しみがちです。

しかし、格安店の利用は控え、外国人相手の商売を商う中〜高級店を利用してください。

食にかかるコストは増えますが、疫病に罹患するケースと比べると確実に割安です。

それに中〜高級店でも、日本の同水準のレストランに比べると安価で楽しむことができます。


それでも低コストにこだわる方は、注文後に加熱してくれる店を利用してください。

高温で加熱すれば、大方の菌は死滅します。

注文を受けてから調理を開始する屋台を選べば、健康被害の可能性はかなり縮小できます。


また、自炊を試みる方は加熱を徹底してください。

日本では当たり前の刺身行為、(生)卵ご飯行為は厳禁です。

市場では川魚が売られていることが多いため、寄生虫を媒介する危険性があります。

卵の衛生管理もないため、どの卵がサルモネラ菌を持っているか分かりません

必ず加熱を徹底しましょう。


2. インフラの遅れに起因する水道水の汚染

30年前、内戦の最中にあったカンボジアには、インフラの整備を行う余裕などありませんでした。

むしろ内戦の銃撃戦は、既存のインフラを破壊し、国力を大きく疲弊させる方向に働きます。

そうした内戦の歴史を辿ったカンボジアのインフラは、非常に劣悪な状態です。

したがって、カンボジアの上水道に浄水機能を期待するべきではありません。
水道水で洗った物は、逆に汚れて返ってきます。

水道水を口にすることはご法度。

深刻な感染症を引き起こす恐れがあります。


水道水が原因で起こる感染症

腸チフス
食べ物や水を介してチフス菌が感染する。
発熱、腹痛をもたらし、高熱が3日以上続いた場合は、医療機関の受診が必要。

アメーバ菌(アメーバ原虫)、細菌性赤痢(赤痢菌)
水を介して感染。
発熱、腹痛、下痢、血便を主な症状とする。


カンボジアの水道水を飲用に用いることは控え、市販のミネラルウォーターを使ってください。

現地価格の2L100円で手に入ります。

体の粘膜に水道水が触れることのないよう、洗浄行為(歯磨き、コンタクトレンズ)も市販のミネラルウォーターで徹底してください。

歯磨きだけで、旅行者下痢症に罹ってしまうことも珍しくありません。(体験談)

とくに要注意なのがコンタクトレンズの洗浄です。

水道水に混入するゴミでレンズに傷がつく恐れがありますし、アメーバ菌の感染経路にもなります。

コンタクトレンズの洗浄に水道水を使うことは、絶対に厳禁です。


とはいえ、水道水の問題は、往々にして旅行者の努力だけでは回避しきれません。

現地人が当たり前のように使ってくるからです。

さすがにコップに水道水を入れて渡してくるようなケースはほぼありません。

しかし、飲料に入っているにリスクが残ります。

コスト削減のために正規の氷を仕入れるのではなく、水道水で作った氷を使う業者も存在するからです。

また生野菜や食器を洗う水はどこも水道水です。

なぜなら、野菜や食器の洗浄に、ハイコストなミネラルウォーターを使う業者はいないからです。

歯磨きが命取りになりかねないのと同様、こうした微量の水道水さえも、致命傷になりかねないのです。


最大の対策は、やはり品質に信頼のある提供者だけを選ぶことです。

氷の原料に水道水を使ったり、食器の乾燥が不十分な店舗は、たいていローカル向けの格安店です。

多少コストが増えても、中〜高級レストランを使うことが逆に旅行をローコストなものにしてくれるでしょう。


実際に発見したお手頃レストランの紹介

コスト面から、どうしても高級レストランは使いたくないという人もいると思います。

そうした人は、先人のレビューを読んで、信頼の置けそうな格安店を選別してください。

先人が無事だったなら、あなたも無事で済む可能性は高まります。

↓ 私も衛生管理の良好なお店を紹介しておきます。

【日本カンボジア友好橋付近】ワットプノンから2kmの安宿街に位置するお手頃レストランWhite Coffee【アンコールワット・クオリティーの飯が120円】 - Ossan's Oblige ~オッサンズ・オブリージュ~


衛生問題を防止する努力をしたにも関わらず、観光客の罹患率20%〜40%とされる「旅行者下痢症」に患ってしまうかもしれません。

そんな時は、必ず現地の薬を使ってください。

これは旅行中、2度罹患した経験から申しあげます。

市内のいたるところに設置されている薬局を利用してください。

逆に御法度なのは、自然治療に任せることです。

これは時間と金の無駄なので、やめましょう。

よく「悪いものが出ないから」といって、腸の活動を止めるタイプの整腸剤を批判する文言を目にします。

私も1度目の罹患時にはこれを信じて自然治療に任せました。

結果、10日経過しても回復しません。

しかし、とあるホテルのスタッフが買ってきてくれた薬を飲んだところ、2日後には回復に漕ぎ着けました。

自然治癒力に任せた10日の間、時間・金を消耗し続けたことは言うまでもありません。

こうした経験があったので、2度目に罹患した時はすぐに薬局へ向かい、薬を購入しました。

腸の活動を止めてしまうタイプの整腸剤でしたが、使用後すぐに下痢が止まり、翌日の午後には健康を取り戻せました。

2日後には服用を止めても、下痢症状そのものが消えてなくなりました。

自然回復は諦め、すぐに薬局で薬を購入しましょう。

薬局では、お腹を押さえながら「ダイアリア(下痢)」とか細く言えば察してもらえ、ローカル価格の1ドル程で販売してくれます。


3. 感染症をもたらす蚊の流行

カンボジア旅行では、蚊対策が欠かせません

なぜなら、マラリアやデング熱を媒介する蚊が流行しているためです。


蚊が媒介する感染症

マラリア
2〜3日目には診断可能。抗マラリア薬を飲むと効果的。アンコールワットの奥地、タイ、ベトナムとの国境地帯では特に注意が必要。
マラリアを媒介する蚊は夜行性なので、夜間の国境移動、バス休憩所を出歩く行為は控えた方が良い。

デング熱
突然の高熱、関節痛、頭痛などの症状が約5日ほど続いた後、発疹や出血班が出る。
確実な治療法がないので、対処療法以外の手だてがない。
デング出血熱にまで発展しすると血小板が急激に減少する。そのため輸血が必要になり死亡することもある。


マラリア、デング熱ともにワクチンがなく、現地の医療機関の能力も信頼できません。

したがって、蚊に刺されない以外の予防法はありません。

マラリア、デング熱は、プノンペンやシェムリアップの中心部では撲滅済みですが、地方では未だ流行中の感染症です。

都市の中心部であっても、近年の経済発展で国内の移動が激しくなりつつある中、安心はできません。

マラリアやデング熱を持った蚊が、地方から持ち込まれる可能性もあり対策が不可欠です。

まず、蚊とのエンカウント率を下げることが大事です。

侵入スペースを塞ぐために、ホテルの窓は極力開かないようにしましょう。

とはいえ、空気の入れ替えが必要ですし、戸を密閉できない造りのホテルも珍しくありません。

そもそも、室内に蚊のコロニーができていることも珍しくないので、窓を閉じたからといって安心はできません。

したがって、蚊取り線香蚊帳で対策しましょう。

蚊取り線香は、現地で販売されています。

移動中に荷物の重さで壊れる恐れもあるので、基本は現地購入で良いと思います。

それでもカンボジアの品質に不安があるという方はこちらかどうぞ。

蚊帳は、カンボジアに限らず、蚊の多い東南アジア旅行では必須アイテムです。

現地販売されている様子はなかったので、日本で用意しておきましょう。



3. カンボジアは衛生対策が欠かせない国

マラリア、デング熱、コレラ、赤痢などの蔓延が示す通り、カンボジア旅行に衛生対策は欠かせません。

そこで、本項は以下のような対策を提案しました。

1. 食事は中〜高級店だけ選ぶ

2. ミネラルウォーターの徹底。
洗浄水もミネラルウォーターで徹底。
中級以下のレストランでは、水道水付着の危険がある生野菜は避け、食器を拭く

3. 蚊取り線香と蚊帳で蚊を予防する


それでも体調不良が出た場合は、現地の医療システムを利用しましょう。

症状が軽い場合は、薬局へ足を運び、薬を購入しましょう。
自然治癒を試みるのは、金・体力・時間を、延々と消耗するのがオチです。

現地の病に対して、最適な対処ノウハウを持っているのは現地人です。

現地価格の1ドル程度で有効な薬が得られるので、すぐに薬局に向かってください。

症状が重い、薬が効かないといった場合、それは医師の診断を要する疾患かもしれません。

在カンボジア日本大使館によると、カンボジアで満足のいく医療を提供する医療機関は僅かです。

したがって、厳選しなければなりません。

以下に転載するので、参考にしてください。

インターナショナル SOS クリニック
・所在地:No.161、Street51(米国大使館北隣)
・TEL:023‐216911(受付)、012‐838283(邦人担当)
・診療科: 内科、外科、小児科、歯科
・備考 : 日本語スタッフ常駐。

Somary Medical Services
・所在地:プノンペンホテル
・TEL:855‐23‐991166
・診療科:内科、外科、小児科
・備考 : 日本語スタッフ常駐。

NAGA Clinic(ナーガクリニック)
・所在地:No.11、Street 254(オーストラリア大使館の通り)
・TEL:011‐811175
・診療科:内科、外科、小児科、産婦人科、耳鼻科、眼科、形成外科
・備考 : 日本語スタッフはおらず、英語またフランス語での診療となる。


4. さいごに

カンボジアは健康リスクの高い国です。
旅のプランを履行する上では、3種類のリスク(食べ物、水、蚊)回避が絶対の条件となります。

また、旅行者下痢症の罹患率20-40%という現実から判断すると、インドとならんで、旅行保険が必須な地域かもしれません。