Ossan's Oblige "オッサンズ・オブリージュ"

文化とは次世代に向けた記録であり、愛の集積物である。

焼肉食べ放題で犯した失敗【恐怖の栄養素・アリシンについて】

食べ放題の魅力は、種々雑多な料理を楽しめることです。

しかし、ここに思いがけない罠があることをご存知でしょうか?

私が犯したミスを共有することで、食べ放題の罠に掛かる人が減れば幸いです。


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1. 食べ放題のメニューには、地雷が置かれている

IT化の波は焼肉店にも押し寄せ、座席の端末からオーダーできる店舗が増えています。

カラオケの端末と同じ要領でメニューを開くと、肉に限らない品目の多さに最初は誰もが驚くことでしょう。

とはいえ、せっかくの食べ放題ですから、非日常を楽しみたいはず。

きっと栄養価の高い肉、丼もの、アイスクリームといった高カロリーの料理を注文することでしょう。

とはいえ、重いものばかりではよくないと、胃を労って野菜を口にしたくなるはず。


しかし、野菜メニューに思いがけぬ罠が潜んでいることは、あまり知られていません。

この世界には、食べ放題と明らかに相性が悪い野菜が存在します。

そして恐ろしいことに、その野菜を、平然とメニューの中に並べているお店が少なくないのです。

そのことを知らない私は、食べ放題の後半にその野菜に手をつけてしまいました。

その野菜を口にした瞬間、順調だった箸の勢いが止まり、満腹感を超えた圧迫感が去来します。

それまでの箸の勢いは完全に失われ、胃の圧迫感に大汗をかきながらスローペースのまま終了を迎えます。

そして店を出た後、通行人が行き交う駐車場の前で、(汚い話ですいません)戻してしまいました。


家族や友達との親睦、恋人とのデートといった場面で私のような失態を犯せば、重大な信頼喪失に繋がりかねません。

そして恐ろしいことに、このトラップの正体はあまりにも身近な野菜であり、誰もがリスクと隣り合わせなのです。

そこで、知らないと引っ掛かりかねない食べ放題の罠について、この記事で警鐘を鳴らすことにしました。


2. 生たまねぎは、食べ放題でオーダーしたらダメ

結論から言いますと、その野菜は玉ねぎです。

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それも、火を通していないたまねぎです。

この生たまねぎは、メニューの野菜欄に載っていることが多く、バーベキューでお馴染みの輪切りの形状で出てくることが多いです。

しかし、この扱い方が、生たまねぎの副作用を増幅させます。

もはや私には、店側の悪意に映ってしまうのですが、こうした落とし穴に気付ける人はごく少数なのです。

生たまねぎのために、食べ放題の最中に戻してしまう人、因果関係に気付かないまま気分を悪くして店を後にする人も多いのではないでしょうか?

「食べ放題終盤の気持ち悪さ」は、満腹感ではなく、生たまねぎのために覚えているケースも少なくないのかもしれません。

実はこうした症状は、ネギ科由来のアリシンという成分に由来します。

この成分は、優秀な健康価値を発揮してくれる反面、胃への強い刺激作用を持ちます。

このアリシンが、食べ放題中の胃に作用することで、強い吐き気や胃もたれが現れるのです。

3. アリシンは、エネルギー代謝の縁の下の力持ち

生たまねぎのアリシンは、ネギ科特有の成分です。

身近な野菜では、中華料理に多用されるニラやラッキョウに多く含まれています。

中華料理といえば、食べた後に力が湧いてくるようなイメージを持つ人が多いと思います。

ああした中華料理のエネルギッシュな効果は、アリシンの生理作用といっても過言ではありません。

なぜならアリシンは代謝反応の触媒として働くビタミンB1を強化し、エネルギー代謝の効率を改善するからです。

「代謝」とは、糖をインスリンの媒介でエネルギーに変換する化学反応を指します。


化学反応の常として、反応の効率を上げるには分子(糖、インスリン)だけでは不十分です。

反応を促す触媒の媒介なしには、効率よい反応は期待できません。


「代謝」の触媒として働くビタミンB1が不足したまま、いくら糖を摂取しても満足なエネルギーは作られません。

それどころか、糖が乳酸(疲労物質)に変換されて疲労を感じやすくなってしまいます。

ところが、水溶性ビタミンのビタミンB1は、調理の過程における流出率が高く欠乏しやすい性質を持っています。

そこで、アリシンは、失われやすい水溶性のビタミンB1を脂溶性のアリチアミンに変換します。

ビタミンB1を失われにくい脂溶性に変換できれば、糖とビタミンB1による代謝効率を向上させることができます。

脂溶性に変換されたビタミンB1はアリチアミンとなり、肝臓や脂肪組織に貯蔵されるようになります。

アリチアミンになってもビタミンB1の触媒作用は保たれるので、体に十分な量を供給できるようになり、代謝効率が改善しエネルギーが満ちてくるわけです。

アリチアミンの有効性は製薬会社からも評価され、滋養強壮剤「アリナミン」の有効成分に採用されるほど。

「失われやすい」ビタミンB1を「失われにくい」アリチアミンに変換してくれるのが、他ならぬネギ科のアリシンなのです。

つまり、アリシン溢れるネギ類の野菜は、天然の滋養強壮剤ということができます。

「なぜ中華料理を食べると力が湧くか?」という問いに対しては、ネギ科の野菜を多用するからというのが1つの正解でしょう。

これは、疲労回復をテーマとする健康食品の多くがアリシンやアリチアミンを有効成分とすることからも読み取れます。

4. アリシンには、強い刺激作用もある

「アリシンには、ありがたい効能がある」ことは分かっても、いまいち実態が掴めない人が多いのではないでしょうか。

そんな方に、一発でアリシンをイメージしてもらうには、たまねぎを思い出してもらうのが一番でしょう。

たまねぎをカットしたときに飛び散り、微量でも目に入ると涙が出てくる刺激性の液体。

あの刺激性の液体こそがアリシンです。


アリシンは、強い刺激作用も持つ物質です。

この刺激性はアリシンの硫黄成分に由来し、ネギ科の植物が外敵から身を守るために備わる生理作用です。

ネギ科の植物が草食動物に襲われると、破壊された組織からアリナーゼという酵素が滲み出ます。

この酵素の発生を契機に、ネギ科植物のアリインが刺激性のアリシンに変換されます。

これは、刺激性の臭気を放つことで動物を撃退し、残りの体組織を保護するために備わる仕組みだと考えられています。

こうした刺激作用は、病原菌やカビに対しても殺菌効果を発揮するので、人体においても感染症の予防などに役立ってくれます。


しかしながら、アリシンの主要な役割は外敵の撃退です。

たまねぎを切って目から涙が出るように、アリシンを取り込んだ胃もまた強い刺激作用に苦しむことになります。

アリシンの刺激作用によって、胃は、異常事態に対処しようと胃酸の分泌を増やします。

胃酸の増加は、人体へ不快感として現れ、胃もたれや胸焼けなどの症状が惹起されます。

通常なら、ただの食欲不良、気持ち悪さで済むでしょう。

しかし、食べ放題の最中、特に食べ放題後半の胃に、アリシン由来の不快感が起これば、箸のペースが止まること間違いなし。

それどころか、強烈な吐き気を催す可能性が極めて高いのです。


5. 食べ放題での生たまねぎとの関わり方

食べ放題でたくさん食べたい時は、たまねぎ系の食品は注文しないのが賢明です。

たまねぎのアリシンは加熱によって分解することができますが、全てが分解されるわけではありません。

火を通したニンニクを食べても嫌な匂いが翌日に持ち越されるように、加熱だけですべての成分を分解できるわけではないのです。

したがって、食べ放題の時はアリシンを含有するネギ科の野菜は遠ざけたほうが身のためです。

満腹状態+アリシンという条件は、嘔吐反応を引き起こすのに十分だからです。

これを知らずに破ってしまうと、公衆の前で全戻しした私の悲劇をたどりかねないので、ご注意ください。



もちろん、アリシンは、代謝改善、疲労回復、感染症予防、アンチエイジングといった優れた効果を発揮してくれる成分です。

その優れた健康価値だけを享受したい方は、健康食品という形で摂取するのがベストです。

たとえば、「にんにく卵黄」は私の祖母も10年以上服用を続けていますが、その成果もあってか、90歳になっても癌や認知症と無縁。

実家では元気に庭家事を頑張っていて、帰る度に頭の回転の早さに驚かされます。




月々1,729円で送料無料。年間2万円ですが、活力的な日常と長寿の対価にしては、十分なコスパだと思います。



以上、食べ放題の際は、生たまねぎの回避はもちろんのこと、同席するメンバーが手を出そうとしていたら助けてあげてください。

この記事によって、食べ放題の充実度が少しでも上がるなら幸いです。

読んでいただきありがとうございました。

【旅・初心者必見!】不要な荷物を捨てて旅の充実度を高めよう【荷物軽量化のヒント】

旅の充実度と荷物の重さは、相関関係を持ちます。

荷物が重すぎると、旅行中に移動できる範囲が大幅に制限されるからです。

普段、行かない土地に行くから「旅」なのに、移動に支障が出れば充実度は下がるに決まっています。

つまり、最高の旅を実現する上で、荷物の軽量化は欠かすことのできない条件です。


結論から言うと、不必要なものを最初からかばんに入れないだけでOKなのですが、要るものといらない物の区別ができていないと、荷物の選別は難しいでしょう。

そこで今回は、旅経験暦4年の私が、海外旅行をする上で携帯する必要性に乏しいと感じた物を紹介していきたいと思います。
この記事が、海外旅行に慣れていない人の役に立つなら幸いです。

下の写真は中国・唐時代の僧侶、玄奘の絵。

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荷物が重そうである。
彼みたく旅行を苦行化する必要は全くありません。

最小限の荷物を背負って小回りを利かせ、色々な場所に行き、たくさんの人と出会いましょう。

それでは、旅に不必要なものを紹介していきます。

1、液体系の洗剤類
液体系の洗剤類は、テロの疑いを持たれるため、空港の荷物検査で没収される可能性が高いです。
空港の荷物検査で没収される可能性が高いものは、最初からカバンに入れない事が正解です。
(サバイバルナイフなどの危険物も没収の対象なので持っていかない)

日本から持っていかなくても
大手量販店は大抵の国に進出していますから、たいていの生活必需品は現地で揃います。
色落ちなど、海外製品が不安という方は、日本の粉末洗剤を持っていくと良いと思います。
粉末状なら空港での没収の恐れも、重量もありません。

2、本
経験上、旅の一番のお荷物は本でした。

本は知的な性格を演出できるアイテムです。

国内外に関係なく、自己紹介的な目的で読書してしまう人は案外多いのではないでしょうか。

しかし、旅先で読書が進むことは滅多にありません。

これは、非日本語情報に囲まれる中で、日本語感覚が薄まってくるからです。

日本語感覚が減った状態でやる読書は効果が薄いですし、旅先での貴重な時間を圧縮させてしまいます。

また紙の書籍は、荷物の重量を増やし、疲労感を増やすデメリットもあります。

つまり、重い紙の本は旅の妨げになりやすいので、持ち込まない方が懸命です。

どうしても、旅先での読書が欠かせないという方は、スマホ内にKindleといった電子書籍をインストールしておきましょう。

電子書籍なら、アプリ内の情報として持ち歩けるため、重さを取りません。

さらに、Kindle unlimitedに登録すれば、読み放題対象本の書籍(18万冊)が読み放題です。

最初の30日間は無料で利用できますので、利用を検討してみてください。

旅は学習のきっかけが多く得られる機会なので、現地情報を調べる上でも効果的です。

4、多すぎる服

旅に持っていく服は、最低限に抑えることをオススメします。

ファッションに敏感な女性だと、多くの服を持って行きがちですが、衣服はバッグを圧迫するだけでなく、特有のリスクがあるのです。

まず、裕福そうな外国人は、盗難の標的になりやすいです。

お金持ちをイメージさせる先進国の衣服は、「私はお金持ちですよ」と教えるだけなので、スリやぼったくりのリスクを高める事につながります。(裕福な人が集まるエリアは別)

犯罪リスクを軽減するもっとも手っ取り早い方法は、現地に溶け込む事です。

現地民に溶け込める服装は、現地でしか購入できないので、日本から多くの服を持ち込む必要はありません。

日本からは、普通の衣服を2パターンほどで良いでしょう。


5、南京虫のリスクも存在します。

南京虫に寄生された瞬間、手持ちの荷物は全て破棄に追いやられます。

仮にカバンや服がブランド品であっても、すべて破棄しなければなりません。

でなければ、日本の自宅に持ち込み、睡眠も妨げられるほどの激しい痒みと痛みに襲われることになるからです。

南京虫とはそれほど恐ろしい害虫なのです。

海外のホテルで被害にあうだけならまだしも、自宅へ持ち帰ってしまった場合には、家が南京虫の巣となり、生活が困難になるケースも少なくないようです。

まだ日本では知名度の低い害虫ですが、私は、海外旅行のリスクファクターとして度々警告しています。
http://illuminated29.hateblo.jp/entry/2016/09/09/224411


この南京虫に備えなければなりません。

被害にあえば、荷物が全て破棄ですから、予め万が一の被害を最小化できるように用意しなければなりません。

それは、日本から多くを持っていかない事です。

そうすることで、南京虫のリスクヘッジはもちろん、軽快になり、旅の行動範囲を広げる事にも繋がるのです。

どうしても南京虫が怖いという方は、日立のスチームアイロンを持って行きましょう。

日立 衣類スチーマー ブラシ別売 CSI-S1 B

私も、対南京虫のために購入しましたが、高温が出せるため、駆除に効果的です。重さもないので荷物の軽量化の支障にもなりません。


6、さいごに
旅は経験を求めて行う行動です。

経験は、見聞きできる範囲が広がるほど充実しますが、そのためには自身が軽快でなければなりません。

旅先で身軽になれるかは、持って行く荷物の選別に左右されます。

つまり、旅の充実度は、荷物の準備段階で、ある程度決まってしまうのです。

もちろん、「何が必要な荷物か?」は、個人の状況によって異なるため、結局は個人が経験によって自覚していくしかしかありません。

しかし、旅の不用品というものは、個性を超えてある程度共通するので、自分の経験をシェアしてみた次第です。

この記事が少しでも皆様の参考になれば幸いです。

英語留学は12歳までにやるべき

人間にはクリティカルエイジ(臨界期)があります。
これは能力の基礎が出来あがる時期のことで、この時期を過ぎた後に訓練しても能力は効果的に上昇しません。

脳は大変早熟で80%以上は3歳までに完成されるようです。
その中で、言語能力の基礎は、12歳~13歳くらいの間に出来上がります。
実際には、「聞き取り」を担当するウェルニッケ野(知覚性言語野)と「発話」を担当するブローカ野(運動性言語中枢)でクリティカルエイジは異なります。
東京大学先端科学技術研究センター客員教授小泉英明氏によると、言語中枢の臨界期は、ウェルニッケ野が3歳、ブローカ野が12歳だとされ、聞き取りと発話で完成の時期が異なることが分かります。

したがって、ネイティブ並みの言語能力を身につけるには、3歳までにネイティブの音の感覚、12歳までに喋る訓練を経験しないと、効果的ではありません。
子供の可能性を広げたい親は、できれば3歳、遅くとも12歳までにネイティブとの交流を経験させないと、子供に英語の苦手意識を宿命づけかねないのです。
中には、オーディオや日本人英会話講師で良いと思われる方もいるでしょうが、正しい音や言語の感覚を学ぶことができるのは本場のネイティブスピーカーからだけです。
機械から流れてくる音だけでは、口の動きや言語特有の雰囲気が掴めません。
日本人英会話講師も、日本語の感覚の延長で英語を扱っている人が多いので、間違った英語を教わりかねません。
つまり、子供に英語を与えたい親子さんは、何らかの方法で、子供が12歳になるまでの間にネイティブとの交流を経験させておく必要があるのです。


実際、子供が幼いうちにネイティブ英語と接させる親は少なくありません。

最近は日本もグローバル化を迎え、親子留学のためにフィリピンなどに留学に向かう家庭が増えています。

こうした動きは、子供の選択肢が大きく広がるだけでなく、学習費用を抑えることにも繋がるでしょう。

たしかに目先の留学費用は増えますが、言語として英語を身につけた後の子供は自発的に学習を行うようになります。

何事もそうですが、学習は自発的に行わなければ身につきません。

しかし、普通の日本人は、英語を学問として受動的に「学ばされ」てしまいます。

ここに英語に対する日本人の苦手意識の芽があるのですが、ほとんどの人が疑問を持つことなく、学問として英語を極めようとお金をつぎ込みます。

これに対する正当解は、英語が(日本語と同じ)言語に過ぎないことを理解させることです。

そうすれば、自然と英字サイトや洋画を視聴し始めるでしょう。

こうした行動は、自発的な分、学習効果の高い経験として蓄積されます。しかもインターネットを使えば、費用は0円で済みます。

自発的な英語学習を促す第一歩は、ネイティブとの会話です。

つまり、英語への抵抗を克服しないまま延々と教材を買い続ける無駄に比べれば、自然な言語感覚が身につく3歳~12歳までの間に親子留学を行なって英語への抵抗感を払拭してあげた方が、「習得効率」と「お金」の両面でリーズナブルなのです。

さらに、あまり競争などと言いたくないですが、学校での序列競争や受験においても有利に働くことは間違いありません。


以上は、個人的利害の話でした。

しかし、次世代が英語を身につける利益は、個人の範囲に留まりません。

むしろ、次世代が英語を身につけることは、日本全体の再浮上の鍵を握っているといってもよいでしょう。

なぜなら、国民が使用できる言語は、市場規模に比例するからです。

ガラパゴス化」は、内需経済へのこだわりのあまり行き詰まった日本の病理を表す言葉です。

国内の閉鎖性のために市場拡大に支障をきたし、そのまま国内最適が進むと、商品開発にも遅れを取ったまま、最終的には進化した外来種に淘汰されてしまうという将来への警鐘も意味しています。

では、なぜ悪いと分かっていても「ガラパゴス化」が進むのか?

それは、現世代の外国語能力(主に英語)の低さのためです。

世界言語である英語への苦手意識が、そのまま拡大意識の希薄さに繋がっていることは間違いないでしょう。

外国語能力が低ければ、現地の商習慣の理解や実際の交流に困難が生じるので、容易に進出を阻害します。

外国市場との接触が少ないと、限られた自国市場だけにコミットすることになるので、物やサービスを作るときも、その人たちのことしか考えられなくなるのです。

こうして自国市場への最適化が続いた結果、ますます外国市場への適応が減り、発展は停滞します。

そして、最終的には世界の需要を取り入れるべく効果的に改良に取り組んだ「外来種」に淘汰されてしまうという流れです。


実際、アメリカを始めとする世界の国々は、世界市場へ向かって拡張を続けるグローバル企業を擁しています。

こうした企業は、世界最先端を追求し、常に新しい市場を虎視眈々と狙っています。

GDP第3位の日本市場が狙われないはずがありません。

先の「ガラパゴス化」の警鐘のとおり、もし今後も停滞が続くと、日本市場が外国企業に占拠される日がやってくるかもしれません。

ただでさえ、日本は「低賃金・長時間労働」を原因とする、自殺などの問題を抱えていますが、市場規模が先細れば社会の病弊が加速することも間違いないでしょう。

さらに、世界的大企業は日本にもトヨタ、ホンダなどがありますが、悩みの種である後継人材の不足を解決できなければ、

「傭兵」として雇った外国人からの乗っ取り工作にも耐えられなくなります。

日本の人材不足の元は、単純な人数不足というより、世界的視野を持った層の不足なので

大企業の運営、乗っ取り防止のためにも、日本人の英語習得は不可欠です。

そして、英語を取得できれば、守り以上の効果があります。

日本人に英語由来の新規な発想がもたらされれば、きっと外国を驚かせるような素晴らしい発想が出てくるでしょう。

こうしたメリットが山ほどあるのですから、これからの日本人は、12歳までの海外留学によって、英語への抵抗をなくすべきです。

英語を学ぶデメリットもあるでしょうが、経済の停滞状況などを見れば、「もはやそんなこと言ってられない」状態です。

以上のように、今日の日本人が英語を学ぶことは「個人」と「社会」の両面からメリットがあります。

もはや、「グローバル化拒否」は、不可能な時代に差し掛かっており、外国市場に攻めて行くためにも、外国人から自国市場(企業)を守るためにも、世界的視野をもたらす英語の取得は不可欠です。

そのためには、言語取得のクリティカルエイジである12歳までに、世界言語であるネイティブ・イングリッシュの人たちと関わらなければなりません。

そのための手法が留学です。

もし留学が難しいという方、留学費用を節約したいという方はDMM英会話の利用を検討してみてください。
留学の効果には劣りますが、子供が12歳になるまでに利用できれば、確実に英語が身につきやすくなるでしょう。

中国の移民兵器を破る方法は1つしか残されていない【先祖から付託された現世代の使命とは】

中国人が他国を征服する際にとる行動は2つです。

1、軍事占領
2、大量の中国移民を送り込んでの同化政策

上には1、2と書きましたが順番は逆で、最初に同化政策が検討され、現地人が拒めば軍事占領が実行に移されます。

本記事では、第一のステップである同化政策にフォーカスしながら、日本に迫り来る移民兵器への対処法を考えます。

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英語への抵抗をなくさないうちにやる英語学習は意味がない

TOEICの受講経験もなく英語学習にもイマイチ熱中できない私ですが、英語学習に対して一定の努力は払ってきました。
結果として、様々行ってきた学習法の中で、良かったものと悪かったものの区別もつき始めた状態です。
しかしながら、皆様に公開できるほどのノウハウも成功体験もないため、内容は公開するに値しないかもしれません。
一応、今後の学習のための整理として残しますが、その中からわずかでも皆様の参考になるものがあるなら幸いです。

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アセットクラスとしての金が持つ特異性

投資対象としての価値を持つ対象のことをアセットクラスと呼びます。

しかし一言にアセットクラスと言っても、投資対象が持つ価値は様々です。

企業株式であれば、企業業績への先行きに対する期待が価値の裏付けになります。

株価の上昇した企業は、通常、業績を上げた、あるいはこれから利益を生み出す可能性が高いと市場から判断されたのです。

その結果、資本力を高めて経営をさらに良くしてもらおうという期待からお金が集まるわけです。

このように、企業株式は市場からの期待によって価格が決定される特徴を持ちます。

ですから、企業経営が悪化すれば、すぐさま株式の価値に反映されます。

当然ながら、株式は資金調達目的で発行されるので、価値が下がれば集まる資本も減り、企業は資金調達に行き詰まります。

その結果、経営破綻に陥った場合には、投資家が所有していた株式の価値は最悪0になります。

株式とは、その価値が0〜無限大と常に変動し続けるアセットクラスといえるでしょう。

なぜなら、価値の裏付けに実態がなく、人間の期待感によって作られているためです。


また、経営破綻は、企業の判断ミスだけから起こるものではありません。

自身はしっかりしていても、他の組織運営に巻き込まれることで引き起こされる場合もあります。

取引先の企業の経営が悪化しただけなら、投資家にもたらす被害は軽微でしょう。

しかしながら、経営悪化が国単位、それも世界経済にもたらす影響の大きな先進国に起きた場合、被害は破綻国家に関係を持つすべての人や企業に波及します。

このように国家の失敗により、その関係者全員が不況に陥る現象のことを不況、あるいは経済危機と言ったりします。

特に現代では、資金調達手段として用いられる証券取引の市場が成熟しているため、一カ所で起きた不況は、巨額の資金流出を伴って容易に大恐慌へと発展します。

アジア通貨危機サブプライム問題に端を欲するリーマンショックは、すべてこうした動きのもとに始まりました。

そうなると投資家の所有していた株式は、「価値の裏付けが安定しない」特性のために企業価値とともに価値が下がり、投資家は損失を被ることになります。

株式は、価値が青天井である一方で、価値が0化しかねないリスクを伴うのです。

特に最近はレバレッジ取引が盛んで、自己資本以上の金を借金してまでつぎ込む投資家が後を絶ちません。そのため、株式市場の値動きもたいへん大きなものとなっています。

レバレッジによる損失は、ハイリスクハイリターンであり、投資家の損失が自己資本を上回った時点で、資金を提供した証券会社に追証を支払う義務が発生します。

手持ちの資産を増やすために始めた投資が、なぜか損失という幕引に終わる。

世間で「投資運用は危険」という声がなくならないのも、こうした失敗事例が1件や2件でなく繰り返されているためなのでしょう。

特に日本人は安全を重視する民族で、石橋も叩いて渡ります。そのために失敗事例の相次ぐ投資は敬遠されがちなのかもしれません。



しかし、投資市場に出回っているアセットクラスの全てが、株式のように、実態のない期待感と結びついているわけではありません。

アセットクラスの中には、いくら経済が悪化しても大きく左右されず、絶対に価値が0にならないものもあるのです。



それが現物取引と呼ばれるものです。

株式は、企業への期待感が価値の裏付けであるため、株式は最悪紙切れになります。

ところが、現物はそれ自体が価値の裏付けになるため、壊れたり盗まれたりしない限り、市場で一定の価値が約束されます。

主な現物取引には、金、銀、プラチナ、原油といった、量が限られていて、かつ保存性が高いために値崩れしにくいもの、
また価値が小麦やトウモロコシのように気候や収穫量に左右されやすいものに分けられます。

このうち、後者は科学技術の進展に合わせて増産され価値は低落していく傾向にあります。
また価格決定に影響する気候、流通といった素人では分析の難しい要因が介在するため、除外します。

一方、前者の金、銀、プラチナ、原油といった資産は、量が地球環境内に一定で腐敗リスクもない。
また、工業需要も根強いため、常に需要が尽きない特徴を持ちます。

そのため、いくら世界が混乱に陥っても、ゼロ価値化することは絶対にありません。

現物は、株式と異なりそれ自体に実需が保証されているため、絶対にゼロ価値化することのないアセットクラスと言えます。


では、本タイトルの趣旨、金が持つ特異性とは何を指すのでしょうか?

結論から言えば、金は同じ現物取引でも、銀やプラチナ、原油とは一線を画す特徴を持っています。

そのため、金の投資戦略も、他の現物取引を扱う場合とでは違った視点で眺めなければなりません。


金と金以外の現物(銀、プラチナ、原油)の決定的な違いのひとつは、工業需要の比率です。

銀やプラチナ、原油はどれも工業需要と結びついており、総需要に占める工業需要の割合も60%以上に及びます。

しかし、金の工業需要は総需要に対して、わずか30%ほどで、工業以外の目的で必要とされることが多いのです。

それは、金本位制に代表される普遍価値の裏付けとしての伝統、延性が強く加工のしやすい特性、またその輝きが評価され、装飾品需要が大半を占めています。

また各国の中央銀行が紙幣発行の準備金として金を集めてきた歴史も、金の価値を担保しています。



こうしてみると、工業需要の高い銀、プラチナ、原油はどれも経済と結びついて、原材料的な需要がほとんです。
しかし、金の価値は経済と切り離される価値があり、それ自体が価値と結びついてるのです。「真の現物資産」といっても過言ではないのではないでしょうか。

実際に下のグラフを見ても、同じ現物資産でも、銀やプラチナは経済不況時に合わせて低迷する傾向のあることが分かります。(原油はアメリカのシェール革命に見られる通り、増産リスクが大きく、予測が大きく外れることがある。取引の実態は投機に近いため除外)

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理由は、言うまでもなく工業需要と結びついているためです。

経済不況が起きれば、破綻企業の出現によって企業活動が滞り、在庫が蓄積される傾向が強まります。

そうなると、企業は生産を減らす方向に動くため、工業製品に使う銀やプラチナの需要も落ちるのです。

つまり、銀やプラチナは、ゼロ価値化することがないメリットを持つ一方で、景気の上下に引っ張られやすい特徴があるのです。

グラフをみると、アジア通貨危機の起きた1997年~に銀価格が上昇しており、私の主張と矛盾する動きを示しています。

しかし、この時期は冷戦終結を受けてグローバル化の始まった、世界経済全体での成長期にありました。
アジアの経済危機を踏まえても、それを上回るほどの需要が発生していたという背景があったのです。

アセットクラスの価値を決める要因は1つではありません。



本タイトルの問いに答えます。
アセットクラスとして金だけが持つ特異性とは、経済動向に左右されず、むしろ景気後退時に変われるという、絶対的な価値の保証性といえるでしょう。


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(追記)本タイトルからは外れますが、私は金(あるいは銀)はこれからかつてない暴騰を迎えるとおもっています。

なぜならドナルド・トランプの存在が、現行の株バブルの進行にとってマイナス要因に他ならないためです。

アメリカから見れば海外の安い人材移民を手放すのですから、別の人材を供給でもしない限り、人件費の高騰は間違いなく米国企業の財務を圧迫するでしょう。企業業績が停滞すれば、利益も減り、株価の低落に繋がります。

それと同時に、株式市場から資本は流出を開始し、新たな利益を求めて別市場を活気づけるでしょう。


もしもトランプ政策の結果として経済恐慌が起きた時、栄える市場はどこか?
それは現物の可能性が高い。中でも銀やプラチナと違って、工業需要と分離されがちな金に人気が集中すると私は考えます。

【年金不安】株を始めるべき理由4つ【トラウトとライアンの格差】

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インターネットは、富裕層のみに開かれていた株式投資を大衆に開放しました。

「アベノミクス」や「暗号通過」など、投資に関する話題が人々の話題に上ることが何よりの証拠です。

いまや誰にも手の届く投資行為なのに、ほとんどの人は「怪しい」と言って忌避します。

人によっては、パチンコに大事な社会資本を投じておきながら、投資をする人間を攻撃し始める始末。

それで裕福な状態を維持できているならまだしも、そういう人のほぼ100%が貧困に喘いでいます。

貧困層ではないと反論する人も、誤った消費行動を続ければ、時代が進むにつれて苦境に追いやられることは間違いないでしょう。

本記事では、なぜ投資が時代の苦境をはねのけ、人生の安定性を高める上で効率的なのか?

というテーマで話していきたいと思います。


1. 国の社会保障政策に頼れないから

日本の社会保障制度は行き詰まる一方です。

これは日本に留まらず、世界共通の傾向です。

なぜなら、冷戦終結が国家の市場介入を否定したからです。

国家の役目は、弱者保護(共産主義革命の抑制)から企業活動を妨げないための税制策定という方向に切り替わり、そうなれば当然、国家の税収は減り、社会福祉に割り当てられる規模も縮小します。

片や老人世代の数は大戦後のベビーブーマーの高齢化で増える一方ですから、需要と供給の不均衡によって破綻は避けることができません。

社会福祉の力を取り戻すなら、それこそ20世紀に否定された共産主義を復古するのみですが、まず期待できません。

そんな現代の潮流に抗って、国家からの年金を、老後の生活基盤に想定すれば破綻するのが目に見えています。

国家の年金制度が信頼に足らないのであれば、老後の安全は各自で確保しなければなりません。

特に「大勢の高齢者を支えなければならない」若年世代ほど、それは強く求められるでしょう。


といっても、私は「75歳まで現役で働け」などという気は毛頭ありません。

その代わりに、誰でもインターネットひとつで取引できる株式投資をお勧めます。

国家→企業へと重要性が切り替わった1989年以降の動向を考えれば、年金→株式へのシフトは当然の推移です。

我々は、1989年以前の常識を疑わなければ、人生を踏み外す時代に生きています。

当然、行動も変えなければなりません。

株式投資を積み上げてきた差が、老後の安定性を隔てる格差となるでしょう。


株式は、配当を生み出します。

投資は、企業活動への出資です。

したがって、資本提供を受けた企業は、利益の一部を配当として株主に分配しなければなりません。

支払いの不履行は、株主の撤退により企業活動を死に追い込みます。

そのため、企業が生きている間、支払い拒否が起こることは絶対にありません。

いっぽう年金制度は、事実上の支払い拒否を起こしています。

年金制度が成立したとき、支払い開始年齢は55歳でした。

その開始年齢が徐々に引き上げられ、現在では65歳まで延ばされています。

これは、「小さな政府」を強いる時代の潮流が色濃く反映された措置であり、いわば仕方ありません。

しかしながら、時代は政府が力を取り戻すどころか力を失う方向に進み続けています。

年金支給の開始年齢が、さらに引き延ばされても不思議ではありません。

事実、60歳→65歳の引き上げが決定した1994年から25年経過しており、そろそろ追加引き上げの議論が起きてもおかしくないタイミングです。

明日、70歳への引き上げ(70歳まで現役)が決定してもおかしくありません。

健康を維持することすら難しい70歳の高齢で、安定収入を欠けば生き地獄が待っているだけです。

そのような袋小路に入らないためにも、現役中に、時代に沿った積み上げに心血を注がなければならないのです。

その注目すべき対象こそが株式投資です。

国家への税金支払いの見返りに受け取ることのできる報酬が年金でした。

株式投資は、これの企業版です。

積み上げた金額に応じて毎年、欠かすことなく報酬(配当収入)を受け取ることができます。

出資額に対して、日本株で1~3%、米国株で3%~5%の配当収入を受けとることができます。

100万円を出資すれば、理論上、1~3万円(日本)、3~5万円(米国)の安定収入を得ることができるのです。

国家が力を失った今、頼るべき組織は企業です。

「絶対に破産しない」収益性を擁する企業に投資すば、破綻が約束済みの年金に代わって、老後の安定収入を約束してくれるでしょう。

ちなみに、公的年金運用の運用損(2018年10~12月期の運用損が14.8兆円)がメディアを賑わせていました。

公的年金運用の運用先も株式ですが、これはあまり気にする必要はありません。

なぜなら、株式において、目先の株価の上下は些細な問題に過ぎないからです。

投資した企業が倒産することなく高利回りの配当を支払い続けてくれさえすれば、目的は達成したも同然だからです。

逆に言えば、破産する恐れがある点がリスクでしょう。

国家ほどの信頼がない民間企業には、当然倒産リスクがあるので、出資した企業が倒産してしまうことも有り得ます。

投資する企業を見誤った場合は、積み上げてきた資金ごと台無しになります。

しかし、出資直後から配当資格が得られるメリットも存在します。

企業の配当支払いは、年齢を問いません。

出資という事実があれば平等に支払いが履行されます。
そのため、支払いが成果を出すまでの期間が短く、手持ちの資本を膨らませることができます。

年金は、税金を支払ってから対価を受け取るまで数十年を要します。
しかし、株式は出資した年度から対価を受け取る点で優位性を持ちます。

もちろん、破産のリスクは残りますが、生き残る企業の選別を間違わなければ、最悪の事態はまず回避できます。

企業の将来性に暗雲が立ち込めれば、売却することも可能です。

つまり、判断能力さえ万全であれば、定期の安定収入が約束されるのが株式投資の魅力です。


パチンコや無駄なゲームにお金を出している人がいるなら、今すぐ株式投資に切り替えるべきです。

将来に備えるだけでなく、株式の即金性は現役中の利回りを期待できるので収益性も期待できます。

配当収入は確実なので、パチンコのような賭けも不要です。

現代に株式をはじめて損することはまずないでしょう。(短期で損をしても、次の挑戦で生きる)

2. インフレ圧力を回避するため

1979年、米国メジャーリーグの最高年俸は、ノーランライアン投手の$1,170,000(1億2878万円)でした。

それから40年が経った2019年、米国メジャーリーグの最高年俸は、マイク・トラウト選手の$35,833,333(39億4435万円)に達しています。

ノーランライアン投手といえば、MLBのシーズン・通算の両方で最多奪三振記録を保持する球界を代表する選手です。

いっぽう、マイク・トラウト選手は、新人から8年目の今シーズンに至るまで、優れた成績を残し続ける27歳のスター選手です。

2018年は、打率3割、本塁打39本を達成しました。

最高年俸は、その活躍に対して支払われた報酬です。

いっぽう1979年に13年目のシーズンを迎えたノーラン・ライアン選手は、防御率3点代ながら16勝をマーク。
所属するエンゼルスのチーム初の地区優勝は、彼の貢献なしでは不可能だったでしょう。

投手と野手という違いこそあれ、2018年のマイクトラウト選手と1979年のノーランライアン選手の活躍に大きな差はありません。

しかしながら、成績の評価額には、30.6倍の隔たりがあります。

2018年の日本プロ野球で打率.265、25本塁打の成績を残した中田翔選手は年俸2.8億円を受けとりました。

1979年当時、世界最高のMLBという舞台で飛ぶ鳥を落とす勢いだったノーランライアン氏は、2018年の中田選手の半額にも満たない給与で働いていたことになります。(1億2878万円)

この収入の世代格差は、ひとえにインフレーションの結果に過ぎません。

人口増加に従って経済が大きくなると、お金の量を増やさなければなりません。

パイを取り合う人が増えたのにパイが小さいままだと、苛烈な奪い合いに発展してしまうからです。

そこで、政府は人口規模の増大に従い、市場に供給するお金の量を増やして対処してきたのです。

供給量を増やすとは、印刷するお金の量を増やすことです。

金が代表するように価値は希少性に左右されます。

つまり、お金の量が増えれば単位あたりの希少価値は低下します。

すなわち、40年前に比べてお金の量が増えすぎた結果、希少性を失ったお金の価値が崩壊しているのです。

そのため、同じ貢献に対して支払われる報酬が釣り合うはずもありません。

お金の単位あたりの価値が落ちているのですから、多く積む必要に迫られるのです。

その例として紹介したのが、2018年のマイクトラウト選手と1979年のノーランライアン選手の年俸30倍格差ということでした。


しかしながら、社会はお金の価値が目減りしたとははっきりと言いません。

表向きにすれば社会的混乱を招くだけだからです。

事実、商品の値札が上昇を示しながら、庶民の給与が30倍も伸びるような事態には至っていません。

つまり、高齢世代は、お金の量が少なかった時代に貯めたお金で、紙幣の量(商品価格)が膨張したインフレ後の現代を生き抜く必要に迫られているのです。


今若い世代も笑っていられる話ではありません。

先述の通り、お金の量は人口規模に連動して増え続けます。

テクノロジーの進化に歯止めがきかない以上、地球人口は増え続けます。

だとすれば、今後も世界のインフレは続くと見て間違いありません。

(日本が人口減少を迎えても、世界で増え続ければ補填される)

今の現役世代が老後を迎えたとき、スーパーマーケットの値札は、現在よりも高額な数値を示していることでしょう。

パン1つが500円になっているかもしれません。

そうしたとき、古い時代に蓄えたお金では、確実に支障をきたすことになります。

これを回避するには、その時代の水準で得ることのできる収入を確保しなければなりません。


結果からいうと、インフレを織り込んでくれる株式の配当収入がベストです。

なにせ、企業活動はインフレの影響をダイレクトに受けます。

インフレで商品価格が上がれば、収益も連動して膨らみます。

収益が膨らめば利益も大きくなり、投資家に支払われる配当額も増加します。

いっぽう年金は、古い時代に定められた支給額の基準があるので、インフレを織り込めません。

株式は、時代ごとに生じるインフレ対策としても、年金にはない優れた効力を発揮してくれるのです。


3. 格差の恐怖から逃れるため

冷戦の終結は平等を否定し、資本主義を純化する方向に働きました。

つまり社会主義の否定によって、社会主義革命の不安を払拭した企業の利潤追求行為が肯定されるようになったのです。

格差は人類の間に起こる当然の結果と見なされます。

極端な金持ちと極端な貧者が量産され、両者を分ける格差が当然のものとみなされます。


これをイメージするには、格差を是認するインドのカースト制度が適しているでしょう。

カースト制度には、個人を隔てる4階級に加え、最下層の階級が用意されています。

資本主義はお金の量で人間の価値を評価するシステムなので、お金の量に応じて、各自に階級が割り当てられます。

インドのカースト制度における最下層民はダリッドですが、「アンタッチャブル(不可触民)」という名称が示すとおり、触ることも忌避されるほど人間扱いされていません。

社会の最下層の仕事を割り当てられ、現地で糞尿処理のような仕事に従事しているボロボロの服を着た人々です。


資本主義に生きる人々は、カーストほど極端でなくとも、それぞれの位に応じた階級を割り当てられます。

収入や資産が低くなると、望むと望まぬに関係なく、低カーストを割り当てられます。
個人が望まぬとも、社会からそのように見られるのです。

そうした時、最下層階級を割り当てられるリスクが、老人ほど高まるのは、前のインフレの項で説明したとおりです。


つまり、お金のない最下層民としての扱いを回避するためにも、現役時代から株式投資を積み重ねて、老後の安定につなげておかなければならないのです。

4. 圧倒的に成長でき、人間的実力が上がる

株式はお金を投じるだけで安定収入が得られる仕組みです。
しかし、投じる銘柄を厳選しなければ容易にお金を失います。

ただ参入すればよいのではなく、どこにお金を投じればリターンが見込めるかという判断力を問われるのです。

株式投資に参入した瞬間、判断力を培うための絶え間ない学習が始まります。

学習意欲が低い人でも、身銭を切ったお金の将来を占いたいという欲求から学習行動に舵を切るようになります。

とはいえ、この種類の学習は主体性を伴います。

学校における命令でやる勉強とは違って、自己利益に直結する問題なので必ずアドレナリンが出るレベルで学習が進みます。

その間の充実感は高いものがあります。

また学習を行う度に、以前より成長している自分に驚くはずです。

資産管理の責任が生じるので、嫌でもマネジメント能力や税に関する知識が身につきます。

経済のいろは、国の傾向といった知識を求める過程で経済学や心理学、ときには外国語さえ身に付くかもしれません。

そうした成長の蓄積が、人生の差となって現れます。

株式投資は、自己成長のきっかけという面でも多大なメリットを与えてくれます。

国家→企業に重要性がシフトした現在に始めない手はありません。

積み重ねが勝負の決めてであるなら、できるだけ早く始めるに越したことはありません。


5. 株式投資を始めるリスク

株式の本分は配当収入を狙った長期投資。

という基本はわかっていても、自分のお金を投じたとなると、日々の値動きが気になって仕方なくなるものです。

そうしたザワザワ感は確実にあなたから集中力を奪うことになるでしょう。

特に大暴落に巻き込まれたときなどは、強い憂鬱感に襲われ、本業に手がつかなくなることも珍しくありません。

本業に人生を捧げるレベルでコミットしたいという方には、デメリットに感じることも大きいかもしれません。

しかしながら、暴落時の憂鬱感というデメリットは認めつつもも、株式投資は人生単位で確実に大きな見返りを与えてくれます。

・年金に代わる老後の安定収入
・インフレ対策
・成長のきっかけ

こうした効果は、年金制度にはないものです。

「始めたほうがいいかも?」という意識が少しでもある人は、いつか始める可能性が高いです。

経験に左右される分野ので、どうせいつか始めるなら、今始めてしまいましょう。

東南アジア5ヶ国の富裕層Top10が華僑だらけな件について

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鈴木傾城さんの記事で「インドネシア経済の90%は華僑が掌握している」との内容を目にしました。
それは本当でしょうか?

その事実性を検証するために、2017年のフォーブス資料を参考に検証を行います。
フォーブス記載の最富裕層の顔ぶれを見ることで、インドネシア経済を動かす主体を判別できるでしょう。
さらに、東南アジアの主要国の状況と比べることで、東南アジア地域全体の傾向に関しても仮説を立ててみたいと思います。

※過大推計とならないように、"出自不明"の人物は「中華系人材」の枠から外しています。

インドネシアの比率は76.7%(2017)

インドネシアの富裕層上位10名

最富裕層10名の資産合計(558.億ドル)のうち、華僑人材の資産額は428億ドルです。
これは割合にして76.7%であり、最富裕層上位10名のうち8割近くが華僑系人材の手に掌握されていることになります。

Indonesia’s 50 Richest

順位 名前 資産額 業種 民族
1 R.Budi & Michael Hartono 17.1B Djarum 中国系インドネシア
2 Susilo Wonowidjojo 7.1B tobacco 中国系インドネシア
3 Anthoni Salim 5.7B diversified 中国系インドネシア
4 Eka Tjita Widjaja 5.6B palm oil 中国系インドネシア
5 Sri Prakash Logia 5B polyester インド系インドネシア
6 hairul Tanjung 4.9B diversified インドネシア
7 Boenjamin Setiawan 3.3B pharma 中国系インドネシア
8 Tahir 3.1B diversified 記載なし
9 Murdaya Poo 2.1B diversified 中国系インドネシア
10 Mochtar Riady 1.9B diversified 中国系インドネシア


合計資産額(B : 10億ドル) 華僑資産 合計資産 : 華僑比率
インドネシア 55,8(B) 42.8(B) 76.7(%)
(Forbes Indonesia’s 5 Richest : Indonesia’s 50 Richest List)


インドネシア経済の90%が華僑人材の支配下」というのは、調査を末端の市民にまで掘り下げて行わないと答えは出せません。
もちろん、インドネシア人の大半は現地系の人々ですから、「経済資本の9割が華僑に所有されている」ことは有り得ないと思います。
しかし、資本の配分に決定権を持つ財閥系企業の枠組みでは、半ば華僑独占に近い状態が成立しているのかもしれません。

インドネシアは、過去に華僑弾圧を繰り返してきました。
また最近ではインドネシア国軍司令官が「中国人をサメの餌に」と発言して問題になりました。
こうした事件も、高すぎる華僑依存度に対する警戒から来ているのでしょう。


それ以外の国でも華僑人材が支配的

調査で明らかになったインドネシアの傾向は、東南アジア主要国の中で例外的なのでしょうか?
他の国々の調査結果と比較してみたいと思います。

シンガポールの富裕層上位10名

順位 名前 資産額 業種 民族
1 Pobert & Philip Ng 9.4B real estate 中国系シンガポール
2 Eduardo Severin 9.3B Facebook アメリカ系シンガポール
3 Goh Cheng Liang 7.8B paints 中国系シンガポール
4 Kwek Leng Beng 7.1B real estate 中国系シンガポール
5 Khoo family 6.3B Maybank 中国系シンガポール
6 Wee Cho Yaw 5.8B banking 中国系シンガポール
7 ,Kwee family 5.3B Real Estate インドネシアシンガポール
8 Kuok Khoo Hong 2.7B palm oil 中国系シンガポール
9 Raj Kumar & Kishin RK 2.6B real estate 記載なし
10 Sam Goi 2.2B frozen foods 中国系シンガポール


資産合計(B : 10億ドル) 華僑資産 合計資産 : 華僑比率
シンガポール 58.5(B) 41.6(B) 71.1(%)
(Forbes singapore’s 5 Richest : Singapore's 50 Richest List)


最富裕層上位10名の資産合計(585億ドル)のうち、華僑人材の資本は416億ドル。
これは割合にして71.1%

第2位にランクインするアメリカ系シンガポール人のエドゥアルド・サベリン氏(Facebookの設立者のひとり)が例証する通り、シンガポールは代表的な租税回避国の1つです。
そのため華僑以外の富豪も集まるので、調査した東南アジア5カ国の中では最も低い華僑寡占率となっています。


フィリピンの富裕層上位10名

Philippines’s 50 Richest

順位 名前 資産額 業種 民族
1 Hennry Sy 18B Investments Corporation 中国系フィリピン人
2 John Gokonawel Jr. 5.5G Surmit 中国系フィリピン人
3 Enrique Razon Jr. 4.3B International Container Terminal Services 中国系フィリピン人
4 Lucio Tan 4.2B LT Group 中国系フィリピン人
5 Jaime Zobel de Ayala 3.7B Ayala Corp スペイン系フィリピン人
6 David Consunii 3.68B Construction 中国系フィリピン人
7 George Ty 3.6B banking 中国系フィリピン人
8 Tony Tan Caking 3.4B Jolibee 中国系フィリピン人
9 Andrew Tan 2.5B Alliance Global 中国系フィリピン人
10 Ramon Ang 2.3B San Miguel スペイン系?


資産合計(B : 10億ドル) 華僑資産 合計資産 : 華僑比率
フィリピン 51.18(B) 40.88(B) 79.87%
(Forbes Philippines’s 5 Richest : Philippines' 50 Richest List)


最富裕層上位10名の資産合計(511.8億ドル)のうち華僑人材の資産は408.8億ドルです。
これは割合にして79.9%であり、経済に占める影響力の高さを伺わせます。
フィリピン人御用達のSMモールもジョリビー華人経営です。


マレーシアの富裕層上位10名

Malaysia’s 50 Richest
順位 名前 資産額 業種 民族
1 Robert Kuok 11.4B palm oil, shipping property 中国系マレーシア人
2 Quek Leng Chan 6.8B banking, property 中国系マレーシア人
3 Ananda Krishna 6.5B telecoms, media, oil-services 中国系マレーシア人
4 Hong Piow Teh 4.75B banking 中国系フィリピン人
5 Lee Shin Cheng 4.7B palm oil, property 中国系マレーシア人
6 Lim Koh Thay 4.45B casinos 中国系マレーシア人
7 Yeoh Tiong Lay 2.1B construction, property, power 中国系マレーシア人
8 Lau Cho Kun 2.08B palm oil, property 中国系マレーシア人
9 Tiong Hiew King 2B timber, media 中国系マレーシア人
10 Syed Mokhtar AlBukhary 1.8B engineering, energy, construction イエメン系マレーシア人


資産合計(B : 10億ドル) 華僑資産 合計資産 : 華僑比率
マレーシア 46.58(B) 38.28(B) 82.1%
(Forbes Malaysia’s 5 Richest : Malaysia’s 50 Richest List)


最富裕層上位10名の資産合計(465.8億ドル)のうち、華僑人材の資産は382.8億ドルです。
82.1%の占有率は、域内でも最大の部類です。
華僑系人材が離れていく形でシンガポールと分離した国ですが、富の大半は未だ華僑人材によって掌握されていることが伺えます。


タイの富裕層上位10名

順位 名前 資産額 業種 民族
1 Brothers Chearavanont 21.5B food 中国系タイ人
2 Charoen Sirivadhanabhakdi 15.4B drinks, real estate 中国系タイ人
3 Chirathivant family 15.3B retail 中国系タイ人
4 Chalerm Yoovidhya 12.5B drinks 中国系タイ人
5 ,Vichai Srivaddhanaprabha 4.7B duty-free タイ系?
6 Krit Ratanarak 3.9B media, real estate タイ人
7 George Ty 3.8B insurance, beverages 中国系タイ人
8 Prasert Prasarttong-Osoth 2.6B hospitals 記載なし
9 ,Santi Bhirombhakdi 2.3B bear 記載なし
10 Aloke Logia 1.75B petrochemicals 中国系タイ人


資産合計(B : 10億ドル) 華僑資産 合計資産 : 華僑比率
タイ 83.75(B) 70.25(B) 83.9(%)
(Forbes Thailand’s 5 Richest : Thailand's 50 Richest List)


最富裕層上位10名の資産合計(837.5億ドル)のうち、華僑人材の資本は702.5億ドルです。
これは割合にして83.9%であり、調査した主要5カ国では、華人に最大の占有率を持たれている国といえます。

ちなみに、最富裕層のBrothers Chearavanont氏(華僑系)の資産額は、同年の日本の孫正義氏の資産額(204億ドル)を上回る215億ドルを示しています。
さらに、第2位のCharoen Sirivadhanabhakdi氏(華僑系)の資産額154億ドルをみても、中進国のはずのタイがすでに日本の富裕層を追い上げつつある状況が読み取れます。


東南アジア主要国に占める華僑人材のプレゼンテージは圧倒的

調査した東南アジア5カ国の全てで、富裕層上位10名の資産合計の少なくとも70%以上が華僑人材の手に握られていることがわかりました。
もちろん最上位10名の資産合計は、経済活動全体には過半数も占めません。

しかしこの階層は、資本関係により現地経済を支配下に置き、お金の流れに支配権を持っている人々です。
だとしたら、最富裕層に華僑人材が並ぶインドネシア、マレーシア、フィリピン、タイの経済は、華人の主導下にあるといっても過言ではありません。
香港やマカオ、台湾といった、中国に近いアジア各国の華人比率の高さは語るまでもありません。
だとしたら、アジアの経済活動は、華僑の支配下に降りつつある、と見ても間違いではないのではないでしょうか?

経済のパイの枠組みでは現地マネーが有力だとしても、ロビー活動を通して政治的移民政策が踏み切られた場合、数世代を経て現地民が華人と同化・交代していく恐れは十分にあるでしょう。

まとめ

今回調査した「東南アジア主要5カ国と華人経済の関係」についてまとめると、

・タイ : 華人比率83.9%
・マレーシア : 華人比率82.1%
・フィリピン : 華人比率79.9%
インドネシア : 華人比率76.7%
シンガポール : 華人比率71.1%

です。

フォーブス2017記載の「東南アジアの富裕層上位10名」で調査した結果、東南アジア主要では、経済活動に占める華僑人材の支配比率が高まりつつあることが確認できました。
それは、調査の動機となったインドネシアだけでなく、シンガポール、フィリピン、マレーシア、タイにおいても結果は同様です。
これらの国々には、将来的な「中国化」の恐れがあります。

金の現物取引をオススメする理由

最近の株式市場を見ていて思ったことを、シェアさせていただきます

結論から言うと、これから金の価値が値上がりする可能性が高いと見ています。

理由は以下の通りです。


現在の世界情勢について
1、株式のバブル状態
アメリカのダウ平均株価が暴騰しています。
2008年のサブプライムショックを受けて2009年3月6日には一時6626円をつけた株価は、2017年9月6日現在21807円まで高騰しています。
これは伸び率にして、329.1%。これは2001年に911同時多発テロが起きてから2007年のサブプライムショックまでの伸び率179.5%を凌駕する数値です。
暴騰の背景にあるのは、リーマンショック後に行われた投資銀行への資金注入、それに伴う金融緩和が大きいといえるでしょう。
信用創造によってダブついた金が株式市場に流れたのです。

日本でも、2012年に就任した安倍首相の金融緩和の結果、2012年12月7日に9527円をつけていた日経平均株価は、2015年8月7日には価20724円にまで達しています。
これは伸び率にして217.5%を記録します。

GDP世界1位と3位の国に起きた株価の暴騰によって、世界に株バブルと呼ぶにふさわしい状況が出現しています。

しかし、バブルで作られた相場は、必ずいつか崩壊します。
80年代日本のバブル景気やアジア通貨危機がそうだったように、実体経済と乖離して進行した相場は、必ず反発の売りの殺到によって崩れ去ります。
したがって、現在の株バブルもそう遠くないうちに弾けることが必至なのです。

そうである以上、私たちがすべきは1つ。
バブル崩壊より先に資産を適切な場所へ移転させておくことに他なりません。

では、どうするべきなのでしょうか?

2、バブルが弾けるタイミング
いつか必ず弾けるバブル。
その真っ只中にある私たちは、そのタイミングを予測し、「その時」に備えねばなりません。
バブル崩壊は、相場の急落によって富を失った人々をよそ目に、必ず別のアセットクラスを活気づけ、新たな富者を生み出します。
その時に笑うのは、バブル崩壊後の未来に対して、予め予測を立て資産を移動させていた投資家に他なりません
富はいつも先行投資者のもとに集まります。
バブル崩壊が起きてからでは遅いのです。バブル崩壊の発動によって投資家が一目散に逃げ出し始める時点で、すでに資産移転を完了させなければなりません。

では、現在進行中のバブルはいつ弾けるのでしょうか?
私はここ2~3年間の期間に起きると見ています。
理由を説明します。


3、トランプ大統領の政策の影響
自国民救済の意思を込めて「アメリカ・ファースト」を叫ぶトランプ大統領ですが、
私は彼の政策は自国民を救うどころか経済不振に突き落とす逆効果になると見ています。
言い換えれば、彼の政策がバブル崩壊の発端になると考えます。

先日、2017年8月29日早朝に北朝鮮によって発射されたミサイルが日本列島の上空を通過した事件では、米中の対立が露骨に表れました。
問題の発端となった北朝鮮はエネルギーをはじめ、食料、武器などの供給を中国に依存する中国陣営の国です。
両者は、国境を接するばかりか冷戦時代の共産主義陣営として手を握り合ってきました。

一方、国土侵略を受けた日本は、言うまでもなくアメリカ陣営の国です。
両者の関係は、戦後から続き、日本の輸出の約20%、またアメリカにとっても日本は輸出の6%を占めるなど重要な同盟国となっています。

アメリカに取っては、その重要な同盟国の領土が敵対国に与する北朝鮮によって侵害を受けたのですから、報復は避けられないとみるべきです。

現在、米中間には貿易摩擦が存在し、トランプ大統領は、「中国からの輸入品に35~45%の関税をかける」と対立する姿勢をとっています。
当然ながら、北朝鮮は報復を覚悟せねばならないでしょう。

実際に、トランプ大統領は、北朝鮮に対する石油輸出の制限するなど経済制裁の行使を決定しています。
https://www.nikkei.com/article/DGXLASGT06H0O_W7A900C1MM0000/(日本経済新聞 17/09/06)

これに対し、現在は北朝鮮を使ってアメリカ陣営を挑発している中国ですが、終局的には米国との衝突は避けられないでしょう。

とくにトランプ大統領は、保護主義を掲げ自由貿易に反対の立場なのですから、いずれ中国との貿易も冷え込んでいくはずです。

もし中国との貿易が停止され、雇用関係も2国で分離されていくのなら、結果的に米中のどちらが栄えようと、株式市場のバブルは避けられないでしょう

なぜなら自由貿易の停止は、企業活動にとってマイナスに他ならないためです。

株式の価値は企業業績に対応しています。これと乖離した相場はバブル相場として短期に崩壊します。

トランプ大統領率いる米国は、安い労働力という新自由主義のメリットを廃止し、自国民優先の方針に向かうのですから、

当然米国民を雇うための高い人件費は、米国企業の業績を圧迫するでしょう。

人件費の高騰により、米国企業の設備投資、製品開発、その他の企業能力が抑制されるのですから、間違いなく米国企業の企業業績は下がります。

法人税を下げる方針を実行に移ししても、政府歳入の減少は、米国の基幹産業である軍事企業の衰退をもたらすわけです。

軍事企業は雇用創造のベースとしての側面もあるため、このセグメントの弱体化は、雇用減少につながります。

このようにトランプ大統領の行き当たりばったりの発言を実行に移せば、米国企業は衰退に向かうしかないのです。

そしてトランプ大統領は愚直に政策を実行に移しつつあります。


先ほども述べた通り、企業業績を超えて進行する相場はバブルに他なりません。

今ですらその兆候があるのに、企業業績という株価の基礎が衰退すれば、必ず株式市場には我れ先にと売りが殺到するはずです。

つまり、トランプ大統領の理想を追求する限り、バブル崩壊は避けられません。

米国のバブルが弾ければ、これまでもそうだったように、日本の株式市場も巻き込まれます。



4、有望な投資先は金。ただし条件がある。
では、米国発のバブル崩壊を見越して、私たちはどのアセットクラスに資産を移すべきなのでしょうか?
タイトルの通り、私は金市場だと考えております。

とはいえ、金はすでに高騰に一段落ついており、これ以上の加熱は考えにくいかもしれません。

しかし2012年のアベノミクス実施前は、マネーサプライの増えていない違う時代です。
2009年の米国金融緩和以前ともなると全く別の時代といえます。
もはや過去のデータはあてになりません。

理由を説明します。

以下のグラフは、金市場の出来高の推移を示したものです。

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グラフによると、金の出来高(取引が行われた数)は、世界情勢の不安材料が大きい時期に上昇しています。
2001年には、約979万だった出来高は、同時多発テロが起きた翌年の2002年になると、約2050万件と2倍以上に拡大します。
2004年のイラク戦争の時期になると鈍化していますが、これはこの時期の株高も同時進行したために、資本流入の流れが分散されていた可能性が高いです。
そして2011年の東日本大震災の発生、また中東の混乱が顕著になると、前年までほぼ横ばいで推移していた出来高が再び上昇します。
その後は低下傾向に転じ、2014年には1000万件を割り、800万周辺で推移しています。

金の出来高は、世界情勢の混乱時に上昇しやすく、安定期に下降しやすいといえるでしょう。

つまり1000万件を下回る現状は、安定期です。


しかし、これは現状の世界情勢に対応した数値ではありません。

世界は、米中対立やイスラムのテロ、移民問題など、不安材料で溢れています。

つまり、これから金の出来高が現実の動きを反映し始めるに伴い、

株式市場のバブルを活気づけていた資金が、一斉に金相場に流れる可能性が高いのです。


先述の通り、トランプ大統領が理想を追求するほど、米国企業は人件費の高騰に圧迫され、衰退を余儀なくされるでしょう。

企業業績の圧迫は、株式相場を適正値まで下降させ、望むと望まぬに関係なく、人々をバブルの夢から冷ますことになるでしょう。
そして株式市場から流出した金は、金を含む現物相場へと流入し、金融緩和で刷られたバブルマネーを吸収した金市場はさらなる膨張へと邁進していくはずです。


繰り返しますが、いつも先行投資者のもとに富が集約されます。

今すぐ、とはいわずとも相場を追いつつ機会を伺って、ここぞという時に攻勢をかけれるよう準備しておくべきです。

(ただし現在は高騰気味なので、資金注入は下降時を狙うべきであることは言うまでもありません。)

【高反発球】プロ野球のボールの反発率で景気調整?【ホームランが多い年は好景気?】

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次のような記事を目にしたことがあります。

「プロ野球の打者成績は経済動向と連動しやすく、政府が景気を上向かせたい時は、プロ野球に高反発球を導入することで打高投低に誘導する」

記事の中で紹介されていたのは、メジャーリーグの事例でした。

しかし、近年の日本プロ野球を振り返っても、思い当たる節がなくもありません。

1 日本プロ野球の打撃成績と日本経済の相関

例えば2013年以降、「統一球」が用いられた2011年~2012年から一転、打撃好調な選手が多く見えたのは気のせいでしょうか?

ウラジミール・バレンティン選手の歴代シーズン最多60本塁打
2013年
中田翔選手の好調(打率3割)
2013年
山田哲人選手、柳田悠岐選手、筒香嘉智選手の台頭
2013年以降

奇しくも、この時期はアベノミクスの施行期間と重なっています。


思えば、政府が強引にでも景気を上向かせなければならなかった世界金融危機(2007年)以降の時期、例年には珍しい打高が発揮されたことも事実です。

内川聖一選手の打率.378
2008年
村田修一選手の46本塁打
2008年
アレックス・ラミレス選手の49本塁打
2010年
西岡剛選手の打率.348
2010年


当然、成績を左右するのは、選手の実力です。

しかしながら、「飛ばない」統一球が導入された2011年に、球界がかつてない打低投高に見舞われたのは事実です。
例年に渡り3割30本をクリアしてきた小笠原道弘選手が5本塁打に終わり、栄華に終止符が打たれたのも2011年でした。
小笠原選手以外にも、多くの選手が不振にあえいでいます。

この年の教訓は、「野手成績は、ボールの反発度から多分に影響を受ける」という客観的事実です。

もし、ボールによって選手の成績をある程度コントロールできるのであれば、超法規的な措置によって、何らかの操作が実施されないとも言い切れません。


これについて、データはどのような見解を示しているのでしょうか?

プロ野球の成績と経済状況には、何らかの相関関係が確認できるのでしょうか?



2000年から2016年までの本塁打数の動向

次のグラフは、年度ごとの球界全体の本塁打数の推移です。

年代ごとの本塁打数の傾向

2013年以降、新しいスター選手の台頭が球界を賑わせ、プロ野球人気を活気づけています。
2015年の山田哲人選手(38本塁打)のように、突然のブレイクを果たした若手選手も少なくありません。
それでも、2013〜2016年の数字は、2000年〜2004年のホームランの量産具合には遠く及びません。


2000年に1571本だった本塁打数は、2004年に期間中ピークの2010本に到達。
年間2010本塁打は、1球団のオーダー平均で見た場合、1打者平均-約19本塁打のペースです。
この数字は、いかに2004年が「飛ぶボール」であったかを物語っています。

その後の本塁打数は、2004年の2010本をピークに2006年の1453本まで減少した後、2010年の1605本まで緩やかな右肩上がりの回復基調をつけます。

しかし統一球(違反球)が導入されたことをきっかけに、2011年、2012年と本塁打数が激減。
2011年、2012年と1,000本塁打を下回るシーズンが続き、2012年には881本まで暴落。
1球団のオーダー平均で見ると、2012年は1打者平均-約8本塁打
これは2004年の半分以下です。

2013年〜2016年は、「違反球」への反省から球質の改善が行われ、単年1,200〜1,400本塁打の間で安定的に推移します。


2000年~2016年までの動向をまとめます。

2000〜2004年1571〜2010本。高反発球のピーク期
2005〜2010年1453〜1747本。高反発の調整期
2011〜2012年1000本以下。統一球の導入による低反発化
2013〜2016年1217〜1361本。低反発化後の安定期

さて、この動向に日本経済との相関が認められるのでしょうか?


2000年から2016年までの日本経済の推移

次のグラフは、世界経済のネタ帳掲載の「日本の経済成長率の推移」です。


まずは、日本経済を振り返ってみましょう。

日本の2000年代は、ITバブルで始まりました。
アメリカ発の新しい技術の登場によって、次々と新興産業が勃興し、投資を呼び込みバブル景気を形成します。

さらに2001年にはアメリカで同時多発テロが起こり、中東への軍事侵攻が実現。
2002年以降のアメリカの景気回復をベースに、サブプライムバブルが水面下で進行し、のち2007年に破綻を迎えるバブル景気を形成します。
この影響を受けて、日本も好景気に沸きます。

ところが、2007年にサブプライムローン問題が発生。
米国は金融危機に突入し、この流れの中で起きた2008年のリーマンブラザーズの経営破綻がきっかけとなり、リーマンショックが発生。
日本も連鎖的な金融不安に巻き込まれ、不況に突入します。
世界の首脳が金融緩和を実施していく中、日本の民主党は金融緩和を避けたため不況が長期化します。

さらに2011年には東北地方で東日本大震災が発生。
都市の壊滅と、原子力発電所の崩壊から不安心理が高まり、日経株価は暴落。
長年の不況に続く震災の打撃が、「傾きかけの日本にとどめを刺した」かのように見えました。

ところが、政権交替が実現し、安倍新政権が発足。
首相は世界に向かって大幅な金融緩和を伴う「アベノミクス」による不況脱出プランを掲げます。
これが受け入れられ、世界から投資が殺到。
震災の被害は大きかったものの、堅実な内需経済を基盤とする日本経済は、今のところ通貨毀損を起こすことなく持ち直すことに成功しています。

まとめます。

2002年〜2006年アメリカの景気回復の恩恵
2007年〜2012年世界金融危機と民主党のデフレ政策。景気後退期
2013年〜2016年アベノミクス。景気回復期



日本のプロ野球の打撃成績と経済の傾向を分析してみます

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2000~2016年期の日本経済の動向を見ると、2007~2012年の不況期間を例外として、概ね好調に推移してきたことが分かります。

一方、ホームラン数の推移は、2001年〜2004年にかけての急増期、2011年と2012年の激減期に特徴的な動きが確認できます。

もし、プロ野球が「プロ野球の打撃成績が社会情勢に適したムードを演出するために調整を受ける」という仮説が成り立つなら、ホームラン数が特異的な動き方をした2つの時期について社会情勢を確認する必要があります。

2001年〜2004年にかけての急増期
 小泉政権の発足期間と一致
2011年と2012年の激減期
 2011年の東日本大震災から2013年の「アベノミクス」の発効時期までと一致

「金融規制緩和」、「派遣法改正」など、急進改革によって日本の政治制度を大きく様変わりさせた小泉内閣は、2001年〜2006年まで日本の内閣を握った政権です。
この期間は、ホームラン数における「2001年〜2004年にかけての急増期」と重なっており、2001年のタフィ・ローズ、2002年のアレックス・カブレラ選手が立て続けにシーズン55本塁打を達成し、マスメディアを賑わせていた時期です。

また、「2011年と2012年の激減期」は、東日本大震災と原子力発電所の崩壊によって、破滅的な世論が蔓延っていた時期と重なっています。
当時の政権は、民主党でしたが、悲観的なムードの形成に一役買っていたことは間違い無いでしょう。
その翌年、安倍新政権による「アベノミクス」による株価暴騰を迎えると、悲観的な世論は打破されることになります。

アベノミクスの施行時期と重なる2013年~2016年の間は、プロ野球の本塁打数も回復し、概ね安定的に推移しています。(ただし、2010年以前に比べると少ない)
この時期は、大谷翔平選手の大ブレークや山田哲人選手、柳田悠岐選手のトリプルスリーなど、プロ野球にとって明るい話題でもちきりとなり、社会に対して明るいイメージを与えました。

こじつけに過ぎないが、それっぽい動きが確認できたことは事実

こうした印象は、データを無理やり結びつけた印象であり、「こじつけ」に過ぎません。

しかし、本塁打数が特異的な動きをした時期には、国内情勢的にも変異が認められたことは事実です。


2 米メジャーリーグのケース

日本の野球だけでは論拠に乏しいので、メジャーリーグのケースを見てみます。

アメリカはデータ重視社会なので、専用のウェブページがあり、データを調べることは難しくありませんでした。

トランプが政権についた2017年の動向について

結論から言うと、トランプ大統領が登場した2017年、明らかな高反発球化の動きが確認できます。
この大統領は、「アメリカファースト」を掲げ、アメリカ経済の復活を公約に政権の座に上り詰めた人物でした。
明るい社会ムードを必要とする大統領といえるでしょう。

データは、明らかに打高化の傾向を示しています。

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(https://www.baseball-reference.com/leagues/MLB/bat.shtml)

このHRという指標は、1試合あたりの平均本塁打数です。
1800年代まで遡れる同データベースの中で、2017年は、史上最高の平均本塁打数を記録したシーズンであったことが確認できます。
第2位の2000年でも、「1.17」と、1.2台に差し掛かるシーズンはこれまで1度もなかったのに、2017年は「1.27」と1.2台後半を突破してくるほどの増加傾向であったことを示しています。

実際の選手成績を見ても、ジャンカルロ・スタントン選手のシーズン59本塁打(前年までの最高本塁打数は37本)、2年目のアーロン・ジャッジ選手のシーズン52本塁打による台頭など例証は難しくありません。
日本の田中将大選手も地元メディアのインタビューにおいて「例年よりボールが飛ぶ気がする」といった内容の証言を語っています。


そして、この2017年という年は、経済政策を重視するトランプ大統領が登場した年と同年です。


筆者個人としては、プロ野球の「打高誘導陰謀論」に同意

これまで、データをみつつ日本とアメリカの野球の打撃傾向を政治と結びつけて分析してきました。

もちろん、打者の実力、成長、あるいは全体的な投手のコンディションなど、ホームラン数を決定する要因をボールの反発率だけに求めるのは難しい気もします。
解釈は個人に委ねられるでしょう。

とはいえ、調査の中で見えてきた、ホームラン数の変動が激しい時期と、国内情勢の激動期の奇妙な一致は、非常に印象深い経験でした。

アメリカの2017年における、トランプ大統領の登場と、1試合あたりの平均本塁打数の急増の一致を見ても、個人的には「少なくとも関係はあり」という結論に至っています。


ボールの反発率と経済動向の関係、信じるも信じないもあなた次第です。

ジャカルタの記憶

インドネシア人の民度やばくね

日本のネットには、インドに対する悪口が溢れている。
曰く、汚い、暴力的、詐欺的など。
確かに北インドにはそれが当てはまるのだろう。しかし少なくとも南インドの人々は平和的で穏健的だし、詐欺も嫌だと示せば止めてくれる。

むしろ、ネットにあるインド悪玉論のほとんどはインドネシア人に当てはまる特徴だと思う。
インフラ崩壊、詐欺の横行、表情の邪悪さ。
インドネシアと言えば、パプアニューギニアと隣接する地域があるが、ここではいまだ魔女狩りが横行している。
島によっては国境を接しており、同じ島の中に国境で2つに隔てられている状態だ。
つまり民族的には同祖なのであり、インドネシア人中にパプアニューギニア人的な特徴が認められることものがいることは疑いはない。

インドの風習サティは、未亡人に旦那の後追いをさせる風習だった。パプアニューギニア魔女狩りに比べればだいぶ穏健的だったが国際世論からの批判を受けて消滅した。
魔女狩りでは、「魔女的」な特徴の断定と思い込みから魔女認定された女性に対して、想像を絶する暴力が行使される。最終的には生きたまま焼かれる。
こんな野蛮な風習が、なぜ放置されたまま温存されるのか意味がわからない。
私がパプアニューギニア周辺に近づかないことに決めている決定的な要因である。


インドネシア人といっても多民族国家で人も様々なのだが、究極的に言えばパプアニューギニア的な粗暴な人と、穏やかで親切な人の2パターンに分かれていたと思う。
とくに都市区画ごとに人のタイプはよりけりで、クタのどうしようもない連中がいると思えば、クタのでっかい電光掲示板から数百メートル進んだ先には穏やかで親切な人々の集落が存在している。数百メートル離れただけでこんなに違うのかと驚いたものだ。


東南アジア随一の自然破壊

街には民間人のポイ捨てで魚の住めなくなったドブ川が流れ、その周囲にバラック同然の住居が林立している。
自然の豊かな土地にあって木々や河川の占める空間が大きいのだけど、誰も拾わないゴミが溜まりに溜まって豊かな自然を埋め尽くしてた。

インドの都市でも思ったことだが、自然を大事にできない連中というのは、いつかしっぺ返しを食らうだろう。
とくに河川と森林は歴史的に都市生活の中心であり、市民生活に不可欠な飲用水と燃料の薪を提供してきた。
世界の有名都市が、人種や宗教圏を超えて川の周辺に栄えたことを思えば、河川の重要性は一目瞭然である。
テムズ川のロンドン、ナイル川のエジプト、ドナウ川のウィーン、利根川の江戸などなど。
河川の豊かな都市は豊富な水源によって森林も開けていく。

にもかかわらずインドネシアジャカルタ)の街並みを見ると、まるでゴミ箱に捨てるかのように、市民は河川にゴミを投げ捨て、汚染することに抵抗がない。
河川の汚染著しい街にあって、生活用水が使い物にならないことは明らかだし、彼らの飲用水も対外依存が進んでいるのだろう。
今はまだ無視できるかもしれないが、水質の汚染が森林の削減〜山の崩壊として目の前にきっと現れるから今に見てろと言いたい。

しかしこれは、インドにもインドネシアにもフィリピンにも共通する問題点だった。

豊かな自然の助けを受けて生きてきた東南アジア人が、自然を粗末に扱うことが理解できない。

インドを見ても、自分はけっこう真剣に、BRICKsの一角としてのインドの発展は、土地の荒廃で頭打ちになると思っている。
今の所、インドには安いミネラルウォーターが流通し、市民の水需要は満たされているが、外的援助の手厚さが逆にインド人から自然破壊を見直すきっかけを奪っているように思える。

方向転換することもなしにこのままインド人が自然破壊に突き進めば、過大人口の消費活動によって、やがて森林の浄化作用が失われていくだろう。
そうなると、山の地面が保水能力を失ってぬかるみ、土砂崩れが頻発し、街がよどみ、元々の不衛生が災いして象の糞などを媒介に疫病が蔓延していくだろう。
彼らの躊躇ない自然破壊を見ていて自滅はそう遠くないもののように見えた。

かつて日本も発展の過程で公害を引き起こしたが、インドに比べると人口規模も小さく、何よりすぐに是正に取り組んだことが即座の問題解決につながった。
インドは、自分たちが人口13億の消費活動という異次元の世界線に突入しているにもかかわらず、自然の限界能力に無自覚で、滅びようとしている。(ように見えた)
インドネシアはインドほどの人口規模はない。しかし、2億6000万の人口は十分に大人口国の部類であり、向かっている方向性はインドと同じだと思う。


盛んなローカル店が面白い

これはインドネシアだけでなく、インドでもタイでもフィリピンでもマレーシアでもそうだったし韓国も同様だった。見方によっては日本も同じだろう。
では一体何かと言うと、ローカルのお店が残っているのである。

路上にはローカル向けのお店があちこちに点在していて、24時間通して必ずどこかが開いている。

それは都市景観の一部であり、扱う品の不統一さ、雑多さが都市の多様性を代表していて面白い。


インドネシア、君も世界経済に飲み込まれていくんだね。

しかし、日本に起きたことはこれから後進国に起こることだ。

日本は世界初の新興国だったと言える。「産業革命による生産技術の進展」のことを近代化といい、後進国は近代化によって先進国の仲間入りを果たすためだ。

したがって、世界初の新興国日本に起きたことは、後進国がこれから通過する未来だといえる。

日本の商店街は1990年代の大店法の改正によって、大企業との競争を強いられ廃業するか減収を余儀なくされるか、あるいは傘下に取り込まれていった。

それまで地域の商店街に分散していた売り上げも、少数の大企業に集約され、人々は下請けや従業員として大企業の下部構造に組み込まれていった。

そして、その企業グループを投資家である欧米資本が上から支配するという、世界的な業界の階級に組み込まれたのである。

この日本がたどったトレンドに、いずれは後進国も乗って行くことになるだろう。

ローカルの売り上げが盛んな地域も、いずれは日本の商店街同様に居場所を奪われ、下請けや従業員として大企業に組み込まれていくだろう。

そしてローカルマネーの集約を果たした大企業の膨張が起こるのである。

まだそんな気配はまだあまり感じられない牧歌的な時代のインドネシアを訪れることができたのは、よかったのではないかと思う。

旅の教訓その2

1 必ず記録を残すこと
写真、手書きのメモ、手段は問わないので出会った人、目にした都市の様子、お店の雰囲気などは記録に残すこと。
一切記録を残さないまま旅をして3年も経つと、思い出せない記憶が出てくる。忘れてしまったら、そこに存在しなかったこと、出会わなかったことと同じになる。
写真はふとしたことで焼失する恐れがあるし、情報量が少なく、どういう経緯で出会うに至ったかという情報まで保存しきれない。やはり詳細に残せるのは文字。
私たちが歴史を知ることができるのも当時の歴史家が起きたことを文字で残してくれたからだ。やはり手書きのメモをお勧めしたい。
異国の地を回っていると、メモ帳一冊では収まらないほどの経験に出会うはずだ。それらを忘れてしまうのはもったいない。そして書き留めないと失われていくということだけは繰り返したい。
旅をきっかけにブログを始めるのもよいと思う。

2、荷物の軽量化を忘れずに
重すぎる荷物は、旅の妨げになる。
特にバッグにいれがちなのが本だけど、日本語環境から離れると意外と日本語感覚も薄れるもので、読むつもりで入れた本もたいてい読まないまま帰国することになる。
旅の途中で邪魔になることもしばしばなので、どうしても必要なもの以外は、最初からバッグに入れないのが一番。

どうしても必要な本があるのなら、Kindleの中に入れてしまおう。そうすれば多数の書籍が一つが端末内に収まるので万事解決だ。
kindle unlimetedを使えば様々な書籍が月額980円で読み放題なので、海外で疑問が湧いた時など、図書館代わりに使うことができる。

自分は、洗濯用のバケツとラップトップ、あと服やアメニティなど細かいものを収納する袋だけバッグに入れて背負っている。
バックパッカースタイルだ。足りないものがあれば、現地で買えばいい。


3・できるだけ多くの人と話す
新たな出会いは刺激がある一方で苦痛も伴う。
それは日本人同士でも起こるから、外国人同士だとなおさらよく起こる。
でも、辛いのは話しかける前だけで、会話の最中や後には、えもしれぬ満足感に満ちていることが多いと思う。
人間を高めるのはコミュニケーションだから、海外に出るならこの機会を積極的に利用したいものだ。堂々と交流を持とう。異文化の中で人間力を鍛えよう。
外国人はあけっぴろで、コンビニの外でお互いに食べている物を交換するところから会話が始まったりする。
外に出たのなら異文化に浸ってみたいところである。5年後、10年後に旅を振り返った時の満足感が絶対に違う。
(※女性の場合は注意が必要)


4、物乞いは働かせるべきではないか
物乞いに喜捨する人、しない人、それぞれだと思う。

貧困児童だから可哀想という理由で援助する人もいれば、バックにいる犯罪組織に憤って援助しない人もいる。
しかし、どちらの考えにも欠点があるのではないか。

物乞いの求めにそのままお金を渡す人は、無条件に富を与えることで結果的にその子供をコジキにしている。
バックの犯罪組織のために援助を与えない人は、子供が本当に飢えていた場合の可能性を無視している。

では、どうしたらいいのか。自分はこうしている。

お金は、成果に応じて与えれば良いのである。
バックがいるといないとに関わらず、労働の成果に対しては、誰だって正当な配分を受ける権利がある。
それが資本主義であり、現代のルールだ。
その場で肩もみなどの労働を指示して、履行した子供には施しを与えればいい。
無視すれば放置して去ればいい。
結果は、その子供の行動次第である。

こうすれば子供の背景関係なくフェアだし「富の源泉は労働」という資本主義の基本を教える効果もあるはず。

結局、喜捨に対する考えは人それぞれなのだけど、自分は条件として労働を課すようにしている。
まあ忙しい時はスルーしちゃうわけだけどね。

これからの世界を分ける3つの勢力

今回の記事は、東南アジアのビーチでボケーと空を見ながら考えるようなことなので、誰の役にも立たないと思います。


私は、世界は大きく3つの対立に分かれると見ています。
成長著しいBricks諸国だけでも4カ国存在するため、一見多極化が進行しているように見えます。
しかし、突き詰めると世界の勢力は3つに限られるのではないでしょうか。

それは、アメリカのコーポラティズム(新自由主義)、イスラム諸国の原理主義、中国の中華思想です。
これらの共通点は、歴史的背景に裏打ちされた拡大主義を持つことです。

アメリカはそもそもがヨーロッパ諸国の拡大政策によって作られた国です。南北戦争が終わると、戦争により領土と資源の拡大を始め、征服地では特有のコーポラティズムが進みました。日本含め、南米、アジアなどアメリカのコーポラティズムに包摂された国々は世界各地に存在します。
また世界中から人材を集積し、科学文明の中心にいます。
インターネットインフラの寡占、基軸通貨権の保持、世界最強の軍事力など見ても、その影響力は絶大であり、現代の最大勢力といえるでしょう。

イスラム諸国は、宗派によって穏健なものから強硬なものまで様々ですが、原理主義の拡大で持ちきりのISは強硬派です。
イスラム原理主義が理想とするサラセン時代は国境がありませんでした。
イスラム原理主義は、世界中のイスラム教徒にサラセン時代への復帰をよびかけ、国境を否定します。
世界人口に占める宗教人口の割合も16億人を突破するイスラムは、すでに世界的な広がりを持っているといえます。
ここに拡大主義と歴史背景が確認できます。

一見拝金主義はどの国家にも共通しているように見えて、中国ほどの拡大主義と歴史的背景を持つ国はいません。
他にはアメリカくらいです。
アメリカの支配層は信用制度(連邦準備制度=紙幣の大量発行)で格差を作り出し、世界中の貧民を奴隷化するなど拝金主義な面が強いです。この信用制度の起源も12世紀の中国に行き着きます。現在の中国もシャドーバンクで富を膨張させ、持たざる農民を奴隷化しているのは周知の通り。
また中国のマネーに対するこだわりは中華思想と結びつき、移民排出国として世界中に移民を排出してきました。東南アジアの国には華僑によって経済中枢が握られている国が1つや2つではありません。
また本土人口だけで13億人を超え、周辺国にも華僑が点在しています。中華思想も世界的な広がりを持つ思想といえるでしょう。

なおBricksの一角であるロシアもアメリカに対する挑戦を唱えています。近世にも南下政策を繰り返したロシアですが、西アジアへの南下政策の大部分は失敗に終わっています。共産主義を採用した後も冷戦でアメリカに敗北しました。
そして現在は、アメリカには原油価格下落の反撃を受け、経済破綻の危機にまで追い詰められているようです。資源国家の限界でしょう。
(ロシアの軍事力はアメリカ以上とかいう人がいるけど、まずない。 Bricksの給与水準では人材が集まらず科学研究すら進まない。そもそもロシアの優秀人材は豊かな給与水準を求めてアメリカに流出するというのに、知識層抜きの状態でどうやってアメリカと闘うのか。また民間技術のほとんどは軍事転用。軍事が優れているならロシアから優れたイノベーションが出てきてもいいはず。そういう話はまったく聞かない。)
拡大主義を掲げようにも、象徴的な思想もなく、歴史的裏付けも弱いため支持を得にくい。ロシアは世界的な広がりを持ちにくい地域といえるでしょう。
同じくインドもブラジルも被征服地が起源であり、拡大主義を進めようにも、広がりを持ちにくい点で共通しています。
内乱が相次ぐアフリカや南米地域は統合すらままならず、拡大主義など望めようもありません。

世界はアメリカ圏、イスラム圏、中華圏の3つに分割され、残りの国々はこれら3国に従う形になるでしょう。
インドなどは中立主義を守りそうですが、鎖国の限界点を超えた後で上記のいずれかに包摂されるものと思われます。

楽しかったマラッカの記憶

クアラルンプールからマラッカへの移動には、バスを使った。
バスの内装は快適で、エアコン付き、座椅子の質もグッド。
座椅子同士の間には十分な間隔があって、日本の高速バスみたいな窮屈さは一切ない。
これで1000円超なのだから日本のバス会社も見習ってほしい。

ここマラッカは、イギリスの海峡植民地として発展した都市である。
1511年、ポルトガル人はマレー半島に拠点を作った。
いわゆる「ペナン・マラッカ・シンガポール」の一角だが、ペナン島ほどイギリス色は強くなく街も発展していないように感じた。
料理もペナン島とは若干異なっていたように感じる。
この違いは、やはり都市の基盤を築いたのがポルトガル人であることに由来するのだろう。
マラッカは、大航海時代初期の息吹を伝える街である。

港湾都市の富に目をつけられ、マラッカは侵略が相次いだ歴史を持つ。
日本の戦国時代にやってきたフランシスコ・ザビエルもマラッカで布教を行っており、セントポール教会の前にいくとフランシスコザビエル像があり、日本で見られる禿げ頭の絵とはまた違った彼を見ることができる。
ポルトガル、オランダ、イギリスと推移した占領時代が、1957年のマラヤ連邦の成立を持って終了すると、かつての宗主国が遺した建造物は歴史遺産としてみなされるようになった。

代表的なものに、セントポール教会(ポールはパウロ[Paul]の英語読み)、オランダ由来の赤煉瓦の建築物が残るオランダ広場、ポルトガルの残したサンティアゴ要塞、セントポール教会、イギリスの残したコーンウォリス要塞などがある。


マレーシアで日本人に人気高い都市はペナンだそうだが、自分はこのマラッカにセカンドホームのような親しみを感じている。
静かで、歴史が豊富で、ご飯が美味しく、親日的なこの都市になぜ注目が集まらないのか、未だによく分からない。
ちなみに、このマラッカ州にもスルタンはいない。ただ、2016年に中国政府の開発計画を受け入れたそうで、今後軍港都市化する恐れがあるようだ。
これまで、海上交通の要衝にあるマラッカは超大国の侵略に晒されてきた。これからもマラッカの地政学的重要性はかわらない。超大国はここを抑えようと努力を払うだろう。
マラッカがこの先どの道を進むかは未知数である。



ドミトリーのフロントを務めていた23歳位のマレー系女性の思い出

バスが到着したセントラル・バスターミナルは、駅地下のショッピングモールのような佇まいが内部にあって綺麗とはいえず、
規模も小さく混雑していたため、あまりいい思い出がない。
バスターミナル周辺も閑散としており、10km近く歩いてやっと開けたエリアにたどり着いた。
バスターミナル付近の田舎道を抜けて、ようやく栄えた場所が見えてきたかと思うと、遠くに大きなAEONのモールが見えた。
当然、ここを目指す。
モールまでたどり着くと、中流層と見える人々の群れが出入りを繰り返す様子が目に入った。
中に入ると日本のAEONとそっくりだ。デパートの中を歩くと、日本のAEONと99%同じ仕様であることが分かった。
商品だけでなく品出しの仕方まで日本仕様で、食品売り場に出されている品もどうしたことか配列まで日本のイオンとほぼ同じだった。
ゲームセンターでは、現地人向けに改造された日本の遊具目当てに集まる子供と母親たちの賑わいが確認された。

彼女の働くドミトリーはこの付近にある。
彼女の名前もドミトリーの名前ももう記憶にはない。
だけど、彼女の働くドミトリーの隣には、中華料理とイスラム料理の両方を扱うマレーシアらしい料理店があり、
付近にはハングルの看板を堂々と掲げた焼肉店あったことは記憶している。

それはさておき、無謀にもバスターミナルからさまよい、酷い疲労の中にいた私を受け入れてくれたのは、このドミトリーだった。
値段はとても安かった。
ドミトリーなので宿泊場所の個人スペースは小さいが、料金の安さは魅力的だったし、出会いの場でもある。
ドミトリーに入るとフロントには、中国系マレー人らしい女性が立っていた。
年齢は23歳くらい。TシャツにGパンという格好で、サイズはピッタリ。ピッタリジーンズは、体型を強調する。
人によってはマイナスに作用するのだが、彼女の場合は生まれ持った美しいシルエットが強調されてファッションモデル顔負けの美しさを演出していた。
1つ2つの募集では無理でも10,20,100と頑張ればきっと彼女を使ってくれる先進国のファッション雑誌は見つかると思う。能力はあるのだから、彼女のような女性に機会を与えてやりたいと心から思う。

さて、私が入ってきた時、彼女は驚いたような顔をしていた。
そして私が1泊泊まりたい旨を伝えると彼女はパスポートの提出を求めるので、彼女の求めに従う。
料金を支払うと、彼女がホテルの案内をしてくれた。
ロビーを奥に抜けて通路に入る。
通路の先ではドミトリーの部屋が男性用と女性用に分かれていて、さらに進むと奥にシャワー室とトイレがあるらしい。
建物は外からは鉄筋かコンクリート式に見えたが、中は木造の造りになっていた。
部屋に入ると、日本のセブンイレブンくらいの大きさの部屋に12個くらいの2段ベッドが並んでいて、私は手前から2列目通路側のベッドを割り当てられた。
到着したのは15時ごろだったが私以外に客はいない。小さな蛍光灯ほどの電気がついた薄暗い部屋に2人だけの状況。
私に割り当てられたベットの位置まできて、ベット周りの充電器やシャワーの使い方などを聞く。
しかしなぜか説明が長い。そればかりか、私から彼女とベットが一直線に重なって見えるようなロケーションに入ろうとする。私が性犯罪者だったらどうするのだろう。
などと思いつつも、私は汗でベトベトだったし、彼女もon dutyなわけで性的な誘惑という線は考えないようにした。
インド女性から恋愛対象外の目線を向けられて自信喪失真っ最中での出会いだったので、自分が海外女性の恋愛対象に入ることが信じられなかったのである。
タイでは堕落した空気が嫌で、自分から距離を置いていた。


しかし翌日、彼女の変化を確認して私は確信する。

翌朝、当時勉強していたプログラミングの理論を整理しようと、ロビーの壁にあるデスクまでMac Book Airと参考書を持って向かった。
美しい彼女のことを意識していなかったわけでもないが、個人スペースの小さな部屋を嫌ってのことである。
あの後、深夜に1人の客が来ていたらしが、日中にチェックアウトする予定だったので、とくに声をかけることもなく気まずい空気が発生していた。

ロビーに出ると、彼女が昨日と同じ場所でフロントを務めていた。
ロビーにはインド系のマレー女性がいて彼女と話をしていたが、私は学習に集中したかったので意図的に視線に入れないようにした。
参考書を開き、実際にプログラムを作らないと定着しないような知識を、必死にノートにまとめていた。無駄な努力を払っていたような気がする。
そんな最中に、何度も視線を感じる。さっきのマレー女性はもういなくなっていたので、方向からしても、視線が彼女のものであることは明らかだった。
とはいえ、彼女からの好意を想定するのは自分にとって認知不協和だったし、今すべきことはそれではない。
早く一人前になりたいと強く思っていた。女を探すのはそれからでよいと。

そして、チェックアウトの定刻まで近づいてきたので彼女に一度も視線を向けることなく、ロビーを後にした。
何度か自分の視線に入ろうとする様子が感じ取れたが、あえて視線から外していた。


部屋に戻り、荷物をまとめ、忘れ物の確認をし、予定を確認し、準備が万全であることを確かめてから部屋を出る。

そしてチェックアウトのためロビーに向かうと、やはり彼女がいた。
会うのは今日2度目だが、顔を見るのは初めてだ。
彼女の顔はどんなだっけ?
相手のことを好きになったり気になっていたりすると、人はその人の顔を忘れる心理傾向があるという。
また会うためだとか。

そして顔を上げて彼女の顔を見ると、なんか白い!
まるでMLBの選手が通算500号ホームランを打って同輩から顔にケーキをぶちこまれた時のように、罰ゲームで小麦粉をかぶった人のように、彼女の顔はファンデーションで真っ白に覆われていた。
白人に侵略された土地では白色至上主義が流行るというが、やりすぎだよってレベル。
日本だとお化け屋敷でみるようなメイク。

日本でも、女性が異性に興味を持つと、翌日からメイクや髪型、ファッションが変わることがある。
これもそれなのだろうか。

彼女から目線を外し淡々とチェックアウトする旨を伝える。
彼女はアピールに気づこうとしない私に、半分怒りを顕にしていた。
とはいえ、私も悪党ではない。彼女の好意がたとえ国籍取得目的の歪な目的であっても、その行動はインドで受けた心の傷を癒すには十分だった。
事前に感謝を伝える準備くらいしていた。
そのまま無表情で彼女の手続きを待ち、承諾を受け、踵を返して出口に向かう直前で彼女に手紙を渡した。
そのまま振り返りもせず出口を抜けて次のホテルに向かうのだが、手紙を渡す瞬間に見えた彼女は、驚き半分、感動半分といった様子で、会えてよかったと心から思った。


Thank you giving me a good time!
I’ve come to like Malacca more that had raised you.
Good bye!

あなたを育てたマラッカが好きになりました。
楽しい時間をありがとう。
またどこかで。


実際はもう少し違っていた気がするが、自分を癒してくれた彼女に何か返したいと強く思った。
好意レベルでは不十分で、彼女が欲しいのはバッサリいうと金なのかもしれない。それなら自分でなくても良い。
マラッカは重要都市。これからも多くのエグゼクティブが世界中からやってくるはずだ。
そんな時に、私との経験が彼女がうまく振る舞うための助けになるなら幸いだ。今でも彼女の幸せを心から祈っている。



料理がめちゃくちゃ安くてうまい

世界一リーズナブルな飯屋はどこか?
人それぞれだが、俺はマラッカだと答えたい。

マラッカの中華系料理店には、日本の天下一品とほぼ同じような味のラーメンを200円程度で提供してくれる店がある。
量は、天下一品の並ほどで、スープも天下一品ほど熟成されていない。しかし200円で食べられるラーメンであそこまでの完成度に達しているものはそうないと思う。
インドネシアにもおいしい100円ヌードルがあったが、日本基準でみると両方ありえないコスパだ。
インドネシアの100円ラーメンも「コスパ最高」の部類なのだが、いかんせん屋台で衛生面の不安があることがマイナス点だ。

カオマンガイという米の上にタレのかかった鶏肉の切り身が置かれた伝統料理も、同じくらいの値段で食べることができる。
これらを2つ同時に食べると満足感が強すぎて、お勉強はできなくなるだろう。骨抜きにされる味だ。
それでも500円しないという恐怖。依存症が進むことは間違いない。

その他にも肉骨茶などの美味しいお店と出会うことができた。

インド系のお店は、日本人の好みとは少しちがう味。
でもまあ異文化の味ということで楽しませてもらった。


マッサージ師を父に持つインドネシア人留学生にエロマッサージを学ぶ

マラッカ市街には、市内を一望できるマラッカタワーというものがある。
空に向かって高く伸びたポールの周りを円状のキャビンが囲み、回転しつつ高度を上げていく仕組みだ。
乗客はこの最長110mまで登るキャビンから市内を展望する。

一見、遊園地にある乗り物が市内に置かれているように見えるが、上昇速度はゆっくりなのでジェットコースターのようなものではない。
自分も利用したが、古い歴史建造物が点在するマラッカの街並みの上空からの眺めに、一定の感動があったことは確かだ。
特に、オランダ式の赤い家々が並んだエリアの眺めは最高だった。

このマラッカタワーでは、どの場所に何があるか俯瞰できるため、まだ来て間もない旅人は、タワーの上空から目的地を決めるのもよいかもしれない

さて、俺にエロマッサージを教えてくれたインドネシア人の男は、ここで事務のアルバイトをしていた。
マラッカタワーの利用を終えて、もうじき就業時間に差し掛かろうという時、外で休んでいると、彼がやってきた。
服装は制服で一目で従業員とわかる格好。自分に出会うと一度事務室に戻り、また戻ってくる。戻ってきた彼の手には、油で炒めたようなコーンの入った紙コップが握られていた。自分に食えという。
インドなら睡眠強盗を疑うところだが、見るからに従業員という服装の彼に猜疑心は沸かなかった。顔つきにも悪意はない。
むしろ顔つきと真っ直ぐに伸びた姿勢からは、実直な人間の印象を受けた。
とはいえ、彼の行いは不自然で何らかの意図があることは明らかだった。見知らぬ人間にタダで飯をやる奴はいない。

そんな違和感を感じながらも、当時は危機管理が弱く、財布の手持ちも少なく、パスポートも泊まっていた部屋の中にあることを確認して、彼の誘導に乗ることにした。
第一面白そうだし、旅の孤独を癒すいい機会だった。

ちょうど仕事終わりのタイミングということで、帰宅の手配を終わらせてくるといって事務室に向かう彼を外で待つ。
出てきた彼は、自分がいなくなっていないことを確認して安心した様子だった。
こいつには絶対に何か狙いがある。

通りを外れ、近くの川のほとりに座り込み話を始める。

彼は、近所の大学の留学生で、日本人も通う近くの大学で学んでいるらしい。
父親はマッサージ師で、ジャカルタの隅っこで小さなマッサージ店を営んでいるとのこと。顔にどこか西洋系の面持ちがあったので尋ねるとフランスとのクォーターだと答える。

何を話したか覚えていないが、彼の自己開示が激しかったのは覚えている。それに頷く。

突然、マッサージしてやろうか?と彼。プロマッサージ師の息子の技術に興味を持ち、応える自分。
彼のマッサージは上手だった。肩こりはなかったが、局部をピンポイントで狙えているのがわかる。
また慣れないはずの東洋人の身体構造にも一瞬で対応するのだから流石プロの息子というところか。

軽いマッサージを終えると感想を聞かれたので肯定する旨を伝えた。
すると、もっとマッサージしてやろうか?と聞いてくる。
せっかくなので、そっちがよければお願いと答えた。
じゃあ移動しようと彼。

彼が指定したのは近くに置かれていた収納コンテナ。
マッサージを行う場所が個室なのはわかる。しかし、コンテナの中の狭いスペースで男二人がマッサージというのは、さすがに違和感全開だった。
とはいえ、会話を通して悪人ではないと分かっていたので、鍵をかけないという前提でとりあえずOKを出した。
鍵もかけていないのだから、いざとなればどうにかできる自信はあったし、睡眠強盗に遭っても貴重品はホテルにあるため被害は小さい。
本当はここでクスリを警戒しなければならなかったのだが、まだウブな僕はそこまでの危機管理ができなかった。

彼の全身マッサージは最高だった。指の筋力も強く、タイマッサージの姉ちゃんでは出せないパワーがある。
体全身の筋肉がほぐれ、血流がよくなるのが分かった。
彼の父親から学んだのであろうマッサージを一通り終えると、彼の手が自分の股間スレスレの場所にまで入り込む。

もちろん、その辺にツボがあるのは承知の上だ。
しかし、箇所が箇所だし、俺たちは男同士。また1日の汚れを落としていないのでそこは汚い。
というか、マッサージの途中から気づいていたが、この男、力が強い。
体格は自分より小さいが、もしこの男があっちの人で襲われた時、果たして自分は抑えられるだろうか?
そう考えると、初めてのアッ−!!!を奪われる恐怖が浮かび、冷や汗が流れるのを感じた。

当然大きめの声を上げて抗議するが、彼は落ち着いた様子でマッサージの一環だと返す。
たしかに指圧に性的なものは感じなかったし、ツボを押されて一定の気持ち良さがあったのも確か。

ちなみにこの時点で互いに上半身は裸である。マッサージのためらしい。
しかし、そう言いながらも彼の手は自分のお稲荷様を包み始めており、彼の言うマッサージがノーマルのものでないことを悟った。
しかし彼の手つきは淡々としていて、性的な興奮を伴わせている気配はない。
すでに自分のヤシの木と2つの実を取り出して5分ほどの指圧を終えた彼の指は、今度は何と後ろに向かって伸びようとしていた。
(ちなみに、ヤシの木を指圧しながら、ツボを教えてくれた。何のツボなのかは分からないが、竿の中央からやや上部、竿の根元から65%ほどの位置にツボがあるのだそうだ。左右の親指で交互にそこを押す。)

こればかりは、ありえないので、ノーと強めに言うが、彼は聞こうとしない。
パンツの上からとはいえ、そのまま尻の穴周辺を刺激された俺は屈辱感を感じていた。
すると、全工程を終えたらしく、彼はフーと息をついた。

この男なにがしたいのか?

まず、マッサージ料金の高額請求を危惧したが、詐欺的だし、財布の中に高額請求に応えられるような金額は入っていないため、被害は避けれると思った。
プロマッサージ師を目指していて東洋人の経験が積みたいという線も考えたが、何か別のものを志望していると言っていた記憶がある。

そんなことを考えていると、彼が切り出した。

今度はお前が俺をマッサージしてくれ。


そこは、むろんオッケーなのだが、今通ったールートを辿れというのは無理だ。
とりあえずお返しは必要なので、彼の体を指圧することは認める。
自分の指圧に比べて不十分な私の指圧に彼は不満そうだった。素人だから仕方ないのに、それが気にくわないということは、おそらくただでマッサージを受けることが目的だったのだろう。

案の定、彼は、竿と玉、そしてケツのマッサージを求めてきたが、そこは全力で断った。
必要としていた下半身マッサージを受けることができずに、彼はひどく残念そうだったが、とくに強要されることもなかった。
彼に対して感謝したらいいのか、怒ったらいいのかよくわからなかった。
とりあえずすべきなのはここを出ることだ。服を着て収納コンテナの外に出た。

彼はなんともなさそうにケロっとしているが、自分はかなり気まずかった。

一言二言交わして別れてから後、二度と彼と会うことはなかった。

彼は今も、マラッカタワーの客を連れ出して、自分のケツをマッサージするように促しているかもしれない。


セカンドホームのように思っています

その他にもマラッカは、
シングルのいい部屋なのに800円くらいで貸し出しているバスターミナル付近のホテルオーナー、落とし穴同然にボッコリ空いてる路上のコンクリート、ジャパニーズ?と笑顔で話しかけてくれるおばさんたち、
ホテル滞在中に一番いい部屋を用意してくれたり、本場のマサラティーを煎れてくれたりとよくしてくれたインド系のホテルオーナー(元医者)、などなど忘れられない思い出を与えてくれました。
セカンドホームのように思っています。ありがとう。

ペナン島での記憶

記憶というのは、相当強烈なものでもない限りいつか消えていく。
さすがに1年前や2年前に起きたこと、出会った人たちのことを忘れることはないが、3年前にもなるともはや怪しい。
最近は写真技術の発達が著しいので、写真に頼るという方法はある。しかし、写真を見るだけでは、相手の顔や街の風景、ちょっとしたやり取りや出会い、別れなどの浅い記憶は引き出せても、その人や場所とどのように接したかという深い記憶まで引き出すことは難しい。

自分は、某国のスラムでスマホを盗まれ、それと同時に記録したはずの写真を失ってしまった。
このように写真という記憶媒体はちょっとしたことで失われる欠点もある。

あれから3年たち、すでに旅先で出会った人々や場所のことを思い出せなくなりつつある。
このまま放置すれば、思い出はすぐに私の頭から失われてしまうだろう。
忘れてしまったら、出会ったことも、訪れたことも、なかったことになってしまう。

だから、まだ記憶の残っているうちに、覚えていることを記していきたい。
誰の役にも立たないかもしれないが、記憶を外部化する作業が今の私には必要である。


ペナン島との出会い

海外に出ることが決まった時点において、ツイッターアカウントのフォローは、旅慣れした人や海外ビジネスに長けた人たちに集中していた。
意識したのでもなく、自然とそうなっていた。
海外の情報が溢れるタイムライン。異国のこと、日本では見られない外国の料理などを1つ1つを凝視して、まだ海外に馴染みのない私はたいへん興奮していた。

フォローしている人たちは、海外に事業を持つ経営者の方が多く、彼らは互いに交流し、ツイッターを情報交換の場として利用していた。

そんな彼らの会話の中にたくさん登場していたのがマレーシアのペナン島だ。

ペナン島といえば、日本人には馴染みの薄い島だが、「ペナン・マラッカ・シンガポール」と聞けば思い出す人も多いのではないだろうか。
ここは、イギリスの旧海峡植民地であり東インド会社の拠点として発展した島である。

聞くところ、このペナン島には特有の風情があり、それが多くの日本人を惹きつけるばかりか、ご飯も安く美味くしいのだとか。
最初は世界の数ある名所のひとつという認識で流していたのだが、彼らの会話に登場する回数があまりに多いので、次第に興味を持つようになっていた。

今思うと、それがマレーシア訪問を決めたきっかけだったように思う。
とはいえ、マレーシア人の彼女ができたわけでも、何か重大なアイデアを得たわけでもなく、ただ通り過ぎただけなのだけどね。

ペナン島入島

タイから飛行機に乗ってペナン島に向かう。
マレーシアは、インド、タイに続く3カ国目の国。

現地に着くと、まずは現地マネー、リンギットを確保するため、海外送金サービスのウエスタンユニオンに向かう。
予め日本から手続きを済ませておけば、海外の窓口で相性番号とパスポートを渡すだけで送金を受け取れる便利なサービスだ。
1851年設立の老舗で業界を牛耳っているのか、高額な手数料がかかる。

空港の外に出ると大きなデパートがあるので一回のフードコートを通り過ぎ、エスカレーターで2回に上がる。するとエレベーターから50mほど離れた先に、同社のよく目立つ黄色の看板があった。さっそく窓口まで向かう。窓口には、日本人とおぼしき初老の男性が座っていて、ガラスの向こうから払出しに対応してくれた。
とりあえず、旅の資金を確保したことに安堵し、空港エリアを後にする。

さっきのおじさんに限らずマレーシアの空港職員には、インド系やマレー系、中華系といった異人種が目立っていたが、都市部の状況も同じだった、
純粋なインド人っぽいのに本土女性ではありえない優しさを見せるインド系女性、老齢の方が目立つ中華系人、現地マレー人。
そうした人々が異なる文化の商品や料理を提供しているので、都市の空気はインドに負けず劣らずカオスだ。
よく言えば多様性に溢れている。


実際、マレーシア政府はグローバル主義を採用しているらしく、外国人の呼び込みに力を入れているらしい。
列島の南端には、すでに発展し尽くしたシンガポールがあるので、富裕層の第2・第3投資の受け皿になりたいのだろう。
ゆえに異文化融和を掲げて、調和したカオスを見せつけているわけだ。

ペナン島での生活

とはいえ、カオスであることに変わりはなく、カオスな都市は情報量が多いので疲れる。
おまけに私は窮屈なエコノミークラスでのボーディングで疲れ切っており、入国後はいつもそうなように、早くホテルに向かいたかった。

人ごとに毎回異なる宗教、海湾都市の湿った熱気、そうした初めの環境ば刺激的だが疲れる。この疲労感から逃れようと、
まずはホテル街を目指した。

マレーシアは州の集合によって構成されていて、多くの州にはスルタンがいてイスラム教を信奉している。
そんなマレーシアの州でも、ここマラッカ州はスルタンのいない、数少ない土地だ。
人々の人種は、マレー系、インド系、中華系と様々で、中国建築の寺院があるかと思えば、少し歩くとモスクがあたったり、横目にはイギリス統治時代の要塞が見えたりする。たいへん不統一だ。
個人的には多民族主義は苦手なのだが、人種や宗教に関わらず共通していたのはみな親切だったこと。インドと同じカオスでも、インドのカオスにはない良心のような雰囲気で街は包まれていた。

安宿は、ジョージタウンというヨーロッパのコロニアル様式なエリアの周りに集中していた。
貸出自転車を営む小売店やコンビニ、ホテル、バーの林立状況、また英国風の名前から見るに、ここは外国人街なのだろう。
安宿の一泊の価格は記憶によると2000円くらい。エアコン、WIFIつき。
歩いてホテルを探す途中、数々の屋台やローカルの飲食店を目にした。見たところツイッターの先輩方のアップしていた料理と同じ雰囲気なので、この店にいけば目的の料理が得られるはずだ!
夜にホテルで目が覚めたら食べに行こうと、歩きながら計画を練る。


初日に泊まったのは、ジョージタウンのはずれにある中華系の宿で、中心地から外れて閑静であるとはいえ、周囲にはカフェもコンビニもあって便利なロケーションだ。
ホテルの外では宿泊者とみられる白人の老人が、庭のテーブルから道路を眺めており、にこやかな笑顔と目があったので軽く挨拶を交わす。

部屋はコンパクトな作りだったが、エアコン、WIFI完備で、アメニティも質素だが充実。しかも清潔。作業用のデスクも置いてあり、2000円ほどの値段にしては至れり尽くせりの環境だった。
とりあえず寝た。


起きた後は、ペナン島に散らばる異文化の食をできるだけ多く食してやろうと、ジョージタウンをさまよった。ここにいれる時間は長くないのだ。
中華系のお店での本格肉まん、ヌードル、チャーハン、スープ、これらは記憶が薄れつつあるように美味しかったが特筆するようなものは感じなかった。
イスラム系の店は肉が多く使われた料理が多く、濃い味が際立っていた。
インド系の小学生4年生くらいの少女がじゃれついてくるという、インド本土なら父親に殺されかねない場面に遭遇。色々褒めてきたのでチップ狙いだったのかもしれない。
殺気を感じたので振り向くと父親が鬼の形相でこちらを睨んでいたなあ。

多様性あふれる街はつかれるが、刺激的であることは確かだ。

露天で買った民族衣装は、海峡都市の熱気に対応したつくりで通気性がよく、日本の夏を乗り切る上でかなり重宝した。
ジョージタウンの大広場からイスラム系のマーケットがある道を反対に進むと、右手に野外に広がったフードコートと左手にホテルとバーが並ぶエリアに続く。付近のバーには、日本語の看板を掲げたカラオケ店もある。さらにまっすぐ進むと辺り500m2くらいがコンクリートで舗装されたジョージタウンとは若干雰囲気の異なるエリアに着く。特に何もなかったが、記憶に残っているのはどうしてだろう。
雨上がりの道を歩いた記憶がある。

そのような日々を毎日異なるホテルを拠点に繰り返し、街に慣れて別れが寂しくなってきた頃に、次の都市に向かうバスに乗り込んだ。


結局最終日までペナン島には、評判ほどの魅力は感じなかったのだが、それは都市に若さとエネルギーを感じなかったことが大きい。
ペナン島では、物価の安い経済環境に似つかわしく、英語、中国語と主要言語が学べる環境が揃っているので、若者が流出する構造にあるのかもしれない。また、排ガスが強く呼吸を苦しく感じたのも理由になるだろうか。
インドほどではないんだけどね。



カオスなペナン島の将来

宗教は集団の統合の手段である。だとすれば、ひとつの国に異なる宗教が並存しているうちは完全な統一は果たせない。
21世紀の現在は宗教の多様性も盛んだ。しかし、国境もなくなり、人種が複雑に混合していくであろう数世紀先の未来に、宗教が今日ような状態でまだ残っているのだろうか。
もちろん10年や20年先に突然、キリスト教やイスラム教がなくなるわけではない。しかし宗教すら時代とともに形をかえていくのだから、300年、1000年の長い時間をかけて、各宗教は似たような形になり、やがて統合されていく方向に向かうのではないか。ペナン島のカオスの中を歩いて、そのようなことを考えた。