Ossan's Oblige "オッサンズ・オブリージュ"

文化とは次世代に向けた記録であり、愛の集積物である。

焼肉食べ放題で犯した失敗【恐怖の栄養素・アリシンについて】

食べ放題の魅力は、種々雑多な料理を楽しめることです。

しかし、ここに思いがけない罠があることをご存知でしょうか?

私が犯したミスを共有することで、食べ放題の罠に掛かる人が減れば幸いです。


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1. 食べ放題のメニューには、地雷が置かれている

IT化の波は焼肉店にも押し寄せ、座席の端末からオーダーできる店舗が増えています。

カラオケの端末と同じ要領でメニューを開くと、肉に限らない品目の多さに最初は誰もが驚くことでしょう。

とはいえ、せっかくの食べ放題ですから、非日常を楽しみたいはず。

きっと栄養価の高い肉、丼もの、アイスクリームといった高カロリーの料理を注文することでしょう。

とはいえ、重いものばかりではよくないと、胃を労って野菜を口にしたくなるはず。


しかし、野菜メニューに思いがけぬ罠が潜んでいることは、あまり知られていません。

この世界には、食べ放題と明らかに相性が悪い野菜が存在します。

そして恐ろしいことに、その野菜を、平然とメニューの中に並べているお店が少なくないのです。

そのことを知らない私は、食べ放題の後半にその野菜に手をつけてしまいました。

その野菜を口にした瞬間、順調だった箸の勢いが止まり、満腹感を超えた圧迫感が去来します。

それまでの箸の勢いは完全に失われ、胃の圧迫感に大汗をかきながらスローペースのまま終了を迎えます。

そして店を出た後、通行人が行き交う駐車場の前で、(汚い話ですいません)戻してしまいました。


家族や友達との親睦、恋人とのデートといった場面で私のような失態を犯せば、重大な信頼喪失に繋がりかねません。

そして恐ろしいことに、このトラップの正体はあまりにも身近な野菜であり、誰もがリスクと隣り合わせなのです。

そこで、知らないと引っ掛かりかねない食べ放題の罠について、この記事で警鐘を鳴らすことにしました。


2. 生たまねぎは、食べ放題でオーダーしたらダメ

結論から言いますと、その野菜は玉ねぎです。

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それも、火を通していないたまねぎです。

この生たまねぎは、メニューの野菜欄に載っていることが多く、バーベキューでお馴染みの輪切りの形状で出てくることが多いです。

しかし、この扱い方が、生たまねぎの副作用を増幅させます。

もはや私には、店側の悪意に映ってしまうのですが、こうした落とし穴に気付ける人はごく少数なのです。

生たまねぎのために、食べ放題の最中に戻してしまう人、因果関係に気付かないまま気分を悪くして店を後にする人も多いのではないでしょうか?

「食べ放題終盤の気持ち悪さ」は、満腹感ではなく、生たまねぎのために覚えているケースも少なくないのかもしれません。

実はこうした症状は、ネギ科由来のアリシンという成分に由来します。

この成分は、優秀な健康価値を発揮してくれる反面、胃への強い刺激作用を持ちます。

このアリシンが、食べ放題中の胃に作用することで、強い吐き気や胃もたれが現れるのです。

3. アリシンは、エネルギー代謝の縁の下の力持ち

生たまねぎのアリシンは、ネギ科特有の成分です。

身近な野菜では、中華料理に多用されるニラやラッキョウに多く含まれています。

中華料理といえば、食べた後に力が湧いてくるようなイメージを持つ人が多いと思います。

ああした中華料理のエネルギッシュな効果は、アリシンの生理作用といっても過言ではありません。

なぜならアリシンは代謝反応の触媒として働くビタミンB1を強化し、エネルギー代謝の効率を改善するからです。

「代謝」とは、糖をインスリンの媒介でエネルギーに変換する化学反応を指します。


化学反応の常として、反応の効率を上げるには分子(糖、インスリン)だけでは不十分です。

反応を促す触媒の媒介なしには、効率よい反応は期待できません。


「代謝」の触媒として働くビタミンB1が不足したまま、いくら糖を摂取しても満足なエネルギーは作られません。

それどころか、糖が乳酸(疲労物質)に変換されて疲労を感じやすくなってしまいます。

ところが、水溶性ビタミンのビタミンB1は、調理の過程における流出率が高く欠乏しやすい性質を持っています。

そこで、アリシンは、失われやすい水溶性のビタミンB1を脂溶性のアリチアミンに変換します。

ビタミンB1を失われにくい脂溶性に変換できれば、糖とビタミンB1による代謝効率を向上させることができます。

脂溶性に変換されたビタミンB1はアリチアミンとなり、肝臓や脂肪組織に貯蔵されるようになります。

アリチアミンになってもビタミンB1の触媒作用は保たれるので、体に十分な量を供給できるようになり、代謝効率が改善しエネルギーが満ちてくるわけです。

アリチアミンの有効性は製薬会社からも評価され、滋養強壮剤「アリナミン」の有効成分に採用されるほど。

「失われやすい」ビタミンB1を「失われにくい」アリチアミンに変換してくれるのが、他ならぬネギ科のアリシンなのです。

つまり、アリシン溢れるネギ類の野菜は、天然の滋養強壮剤ということができます。

「なぜ中華料理を食べると力が湧くか?」という問いに対しては、ネギ科の野菜を多用するからというのが1つの正解でしょう。

これは、疲労回復をテーマとする健康食品の多くがアリシンやアリチアミンを有効成分とすることからも読み取れます。

4. アリシンには、強い刺激作用もある

「アリシンには、ありがたい効能がある」ことは分かっても、いまいち実態が掴めない人が多いのではないでしょうか。

そんな方に、一発でアリシンをイメージしてもらうには、たまねぎを思い出してもらうのが一番でしょう。

たまねぎをカットしたときに飛び散り、微量でも目に入ると涙が出てくる刺激性の液体。

あの刺激性の液体こそがアリシンです。


アリシンは、強い刺激作用も持つ物質です。

この刺激性はアリシンの硫黄成分に由来し、ネギ科の植物が外敵から身を守るために備わる生理作用です。

ネギ科の植物が草食動物に襲われると、破壊された組織からアリナーゼという酵素が滲み出ます。

この酵素の発生を契機に、ネギ科植物のアリインが刺激性のアリシンに変換されます。

これは、刺激性の臭気を放つことで動物を撃退し、残りの体組織を保護するために備わる仕組みだと考えられています。

こうした刺激作用は、病原菌やカビに対しても殺菌効果を発揮するので、人体においても感染症の予防などに役立ってくれます。


しかしながら、アリシンの主要な役割は外敵の撃退です。

たまねぎを切って目から涙が出るように、アリシンを取り込んだ胃もまた強い刺激作用に苦しむことになります。

アリシンの刺激作用によって、胃は、異常事態に対処しようと胃酸の分泌を増やします。

胃酸の増加は、人体へ不快感として現れ、胃もたれや胸焼けなどの症状が惹起されます。

通常なら、ただの食欲不良、気持ち悪さで済むでしょう。

しかし、食べ放題の最中、特に食べ放題後半の胃に、アリシン由来の不快感が起これば、箸のペースが止まること間違いなし。

それどころか、強烈な吐き気を催す可能性が極めて高いのです。


5. 食べ放題での生たまねぎとの関わり方

食べ放題でたくさん食べたい時は、たまねぎ系の食品は注文しないのが賢明です。

たまねぎのアリシンは加熱によって分解することができますが、全てが分解されるわけではありません。

火を通したニンニクを食べても嫌な匂いが翌日に持ち越されるように、加熱だけですべての成分を分解できるわけではないのです。

したがって、食べ放題の時はアリシンを含有するネギ科の野菜は遠ざけたほうが身のためです。

満腹状態+アリシンという条件は、嘔吐反応を引き起こすのに十分だからです。

これを知らずに破ってしまうと、公衆の前で全戻しした私の悲劇をたどりかねないので、ご注意ください。



もちろん、アリシンは、代謝改善、疲労回復、感染症予防、アンチエイジングといった優れた効果を発揮してくれる成分です。

その優れた健康価値だけを享受したい方は、健康食品という形で摂取するのがベストです。

たとえば、「にんにく卵黄」は私の祖母も10年以上服用を続けていますが、その成果もあってか、90歳になっても癌や認知症と無縁。

実家では元気に庭家事を頑張っていて、帰る度に頭の回転の早さに驚かされます。




月々1,729円で送料無料。年間2万円ですが、活力的な日常と長寿の対価にしては、十分なコスパだと思います。



以上、食べ放題の際は、生たまねぎの回避はもちろんのこと、同席するメンバーが手を出そうとしていたら助けてあげてください。

この記事によって、食べ放題の充実度が少しでも上がるなら幸いです。

読んでいただきありがとうございました。